| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】原 一広
【氏名】落合 志信
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| 【要約】 |
【課題】バッテリの過放電状態を検出して、その検出された過放電の状態に応じてバッテリ保護のために充放電量を制御する制御装置を提供する。
【解決手段】車両の推進力を出力するエンジンと、エンジンに直結されエンジンの出力を補助する補助駆動力を発生するモータと、モータに電力を供給すると共に補助駆動力が必要ないときにモータを発電機として作動させて得られた電気エネルギーを充電するバッテリと、モータの発電電力及びバッテリによって電力供給される電気負荷と、バッテリの過放電を検知した場合は、エンジンの回転数を増加させ、さらに過放電が進行した場合には電気負荷に対する電力供給を停止するバッテリ保護手段とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の推進力を出力するエンジンと、前記エンジンに直結されエンジンの出力を補助する補助駆動力を発生するモータと、前記モータに電力を供給すると共に補助駆動力が必要ないときに前記モータを発電機として作動させて得られた電気エネルギーを充電するバッテリと、前記モータの発電電力及び前記バッテリによって電力供給される電気負荷と、前記バッテリの過放電を検知した場合は、前記エンジンの回転数を増加させ、さらに過放電が進行した場合には前記電気負荷に対する電力供給を停止するバッテリ保護手段と、を備えたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 【請求項2】 車両の推進力を出力するエンジンと、前記エンジンに直結されエンジンの出力を補助する補助駆動力を発生するモータと、前記モータに電力を供給すると共に補助駆動力が必要ないときに前記モータを発電機として作動させて得られた電気エネルギーを充電するバッテリと、前記バッテリと前記モータとの間の電流供給を断続するコンタクタと、前記モータの発電電力及び前記バッテリによって電力供給される電気負荷と、所定の運転条件により前記エンジンを停止させるエンジン停止手段と、前記エンジンがアイドリング運転状態にある時に前記バッテリの過放電を検知した場合は前記電気負荷に対する電力供給を停止し、前記エンジンが停止状態にある時に前記バッテリの過放電を検知した場合は前記コンタクタを切断するバッテリ保護手段と、を備えたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ハイブリッド車両に搭載されるバッテリの保護をするためにバッテリの充放電量を制御する制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、走行用の動力源としてエンジンの他にモータを備えたハイブリッド車両が知られている。ハイブリッド車両にはシリーズハイブリッド車とパラレルハイブリッド車がある。シリーズハイブリッド車はエンジンによって駆動される発電機の発電出力等を用いてモータを駆動し、モータによって車輪を駆動する車両である。したがって、エンジンと車輪が機械的に連結されていないため、エンジンを高燃費低エミッションの回転数領域にてほぼ一定回転で運転することができ、従来のエンジン車両に比べ良好な燃費及び低いエミッションを実現できる。 【0003】これに対しパラレルハイブリッド車は、エンジンに連結されたモータによってエンジンの駆動軸を駆動補助すると共に、このモータを発電機として使用して得られた電気エネルギーを蓄電装置に充電し、さらにこの発電された電気エネルギーは車両内の電装品にも用いられる。したがって、エンジンの運転負荷を軽減できるため、やはり従来のエンジン車に比べ良好な燃費及び低エミッションを実現できる。 【0004】上記パラレルハイブリッド車には、エンジンの出力軸にエンジンの出力を補助するモータが直結され、このモータが減速時等に発電機として機能してバッテリ等に蓄電をするタイプや、エンジンとモータのいずれか、あるいは、双方で駆動力を発生することができ発電機を別に備えたタイプのもの等がある。このようなハイブリッド車両にあっては、例えば、加速時においてはモータによってエンジンの出力を補助し、減速時においては減速回生によってバッテリ等への充電を行なう等様々な制御を行い、バッテリの電気エネルギー(以下、バッテリ残容量という)を確保して運転者の要求に対応できるようになっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ハイブリッド車両に用いられるバッテリは、車両に備えられた電装品へ供給する電力がモータによって発電する電力を超えた場合に、不足分の電力を電装品へ供給するようになっている。したがって、エンジンがアイドル回転状態であるときはモータによって発電する電力を電装品によって消費する電力が上回ることが発生しやすく、バッテリが過放電に陥りやすくなるという問題がある。さらに、ハイブリッド車両のバッテリが過放電の状態になってしまうと、エンジンのみによる走行を行わなければならず、燃費の悪化や動力性能の低下を招くという問題もある。 【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、バッテリの過放電状態を検出して、その検出された過放電の状態に応じてバッテリ保護のために充放電量を制御するハイブリッド車両の制御装置を提供するものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、車両の推進力を出力するエンジン(例えば、実施形態におけるエンジン1)と、前記エンジンに直結されエンジンの出力を補助する補助駆動力を発生するモータ(例えば、実施形態におけるモータ2)と、前記モータに電力を供給すると共に補助駆動力が必要ないときに前記モータを発電機として作動させて得られた電気エネルギーを充電するバッテリ(例えば、実施形態におけるバッテリ3)と、前記モータの発電電力及び前記バッテリによって電力供給される電気負荷(例えば、実施形態における図示しない電装品)と、前記バッテリの過放電を検知した場合は、前記エンジンの回転数を増加させ、さらに過放電が進行した場合には前記電気負荷に対する電力供給を停止するバッテリ保護手段(例えば、実施形態における充放電制御部54)とを備えたことを特徴とする。 【0008】請求項1に記載の発明によれば、バッテリの過放電を検知した場合は、エンジンの回転数を増加させ、さらに過放電が進行した場合には電気負荷に対する電力供給を停止するバッテリ保護手段を備え、モータによる発電量が小さいときに、過放電の進行に伴い、「アイドル回転数上昇による発電量増加」、「電装品へ供給するためのコンバータ停止による電気負荷の切断」を段階的に行うようにしたため、バッテリが過放電に至ることを防止することができるという効果が得られる。これは結果的に、燃費の悪化や動力性能が低下することを防止することができるという効果を得ることができる。 【0009】請求項2に記載の発明は、車両の推進力を出力するエンジン(例えば、実施形態におけるエンジン1)と、前記エンジンに直結されエンジンの出力を補助する補助駆動力を発生するモータ(例えば、実施形態におけるモータ2)と、前記モータに電力を供給すると共に補助駆動力が必要ないときに前記モータを発電機として作動させて得られた電気エネルギーを充電するバッテリ(例えば、実施形態におけるバッテリ3)と、前記バッテリと前記モータとの間の電流供給を断続するコンタクタ(例えば、実施形態におけるメインコンタクタ11)と、前記モータの発電電力及び前記バッテリによって電力供給される電気負荷(例えば、実施形態における図示しない電装品)と、所定の運転条件により前記エンジンを停止させるエンジン停止手段(例えば、実施形態におけるエンジン制御装置4)と、前記エンジンがアイドリング運転状態にある時に前記バッテリの過放電を検知した場合は前記電気負荷に対する電力供給を停止し、前記エンジンが停止状態にある時に前記バッテリの過放電を検知した場合は前記コンタクタを切断するバッテリ保護手段(例えば、実施形態における充放電制御部54)とを備えたことを特徴とする。 【0010】請求項2に記載の発明によれば、バッテリとモータとの間の電流供給を断続するコンタクタと、所定の運転条件によりエンジンを停止させるエンジン停止手段と、エンジンがアイドリング運転状態にある時にバッテリの過放電を検知した場合は電気負荷に対する電力供給を停止し、エンジンが停止状態にある時にバッテリの過放電を検知した場合はコンタクタを切断するバッテリ保護手段とを備え、バッテリが過放電に陥った時に、モータによって発電可能である場合には電気負荷に対する電力供給を停止するようにしたため、全ての発電電力をバッテリの充電に回すことができ、バッテリの過放電を回復することができる。また、モータによる発電ができない状態においてバッテリ過放電に陥った場合には、コンタクタを切断し、バッテリの放電を完全に停止するようにしたため、バッテリの過放電が進行することを防止することができるという効果が得られる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態によるハイブリッド車両の制御装置を図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態によるハイブリッド車両の一種であるパラレルハイブリッド車の全体構成を示すブロック図である。この図において、符号1は燃料の燃焼エネルギーで作動するエンジンであり、符号2はエンジンと併用して用いられ電気エネルギーで作動するモータである。エンジン1及びモータ2の両方の駆動力は、オートマチックトランスミッションあるいはマニュアルトランスミッションよりなるトランスミッション(図示せず)を介して駆動輪(図示せず)に伝達される。また、ハイブリッド車両の減速時には、駆動輪からモータ2に駆動力が伝達され、モータ2は発電機として機能し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。 【0012】符号3は、モータ2に電力を供給すると共に駆動力が必要ないときにモータを発電機として作動させて得られた電気エネルギーを充電するバッテリである。ここで、バッテリ3は、例えば、複数のセルを直列に接続したモジュールを1単位として、更に複数個のモジュールを直列に接続して、高圧系のバッテリとして構成される。ここでバッテリ3は、1.2[V]のバッテリを直列に120本接続して、144[V]の電圧を得ることができるものとする。また、バッテリ3を構成するモジュールには温度センサ19が取り付けられている。 【0013】符号4はエンジン制御装置であり、エンジン回転数、車速等を所定期間毎にモニタしており、これらの結果からモータ回生や、アシスト、減速などの運転モードを判断する。また、エンジン制御装置4は、同時に前述した運転モードに対応して、アシスト/回生量の決定を行い、これら運転モードやアシスト/回生量に関する情報等をモータ制御装置5に出力する。モータ制御装置5は、上述したような情報をエンジン制御装置4から受け取ると、この指示通りにモータ2を駆動/回生させるパワードライブユニット7等の制御を行う。 【0014】符号6はバッテリ制御装置であり、バッテリ3のバッテリ残容量の算出を行う。以下の説明において、バッテリ残容量は、バッテリ3の満充電の状態に対する比率として百分率を用いて表現する。また、バッテリ制御装置6は、バッテリ3の保護のために、バッテリ3の温度が所定値以下となるようにバッテリ3を収納するバッテリボックスに設置された冷却ファン18の制御も行う。なお、エンジン制御装置4、モータ制御装置5、バッテリ制御装置6は、CPU(中央演算装置)およびメモリにより構成され、制御装置の機能を実現するためのプログラムを実行することによりその機能を実現させる。 【0015】符号7はパワードライブユニットであり、スイッチング素子が2つ直列接続されたものが3つ並列接続されて構成されている。このパワードライブユニット7内部のスイッチング素子は、モータ制御装置5によってオン、オフされ、これによりバッテリ3からパワードライブユニット7に供給されている高圧系のDC分が三相線を介してモータ2に供給される。 【0016】また、符号9は各種補機類を駆動するための12ボルトバッテリであり、この12Vバッテリ9はコンバータ8を介してバッテリ3に接続されている。コンバータ8は、バッテリ3からの電圧を降圧して12Vバッテリ9に供給する。符号10はプリチャージコンタクタ、符号11はメインコンタクタであり、バッテリ3とパワードライブユニット7は、これらのコンタクタを介して接続される。プリチャージコンタクタ10、及びメインコンタクタ11はモータ制御装置5によってオン、オフ制御が行われる。 【0017】符号12はモータ2の位置及び回転数を検出するセンサであり、符号13は三相線に流れている電流を検出する電流センサである。これらセンサ12、13の検出値は、モータ制御装置5に入力される。 【0018】符号14はパワードライブユニット7入力部の電圧を検出する電圧センサであり、符号15はパワードライブユニット7に入力される電流を検出する電流センサである。符号16は、バッテリ3側の電圧を検出する電圧センサである。この電圧センサ14、16および電流センサ15によって検出された電圧値及び電流値はモータ制御装置5へ入力される。符号17は、コンタクタを介してバッテリ3側を流れる電流を検出するバッテリ3側の電流センサであり、検出された電流値はバッテリ制御装置6に入力される。 【0019】上述したように、各センサ14〜16は、コンタクタ10、11を介して、バッテリ3側の電圧及び電流と、コンタクタを介してパワードライブユニット7側の電圧及び電流を検出している。また、電流センサ15で検出される電流は、コンバータ8に流れている電流分を差し引いた値となる。 【0020】次に上述した構成からなるハイブリッド車両の各制御装置の動作を簡単に説明する。まず、バッテリ制御装置6がバッテリ3側における入出電流、電圧、温度等の値によりバッテリ残容量を算出し、その値をモータ制御装置5へ出力する。モータ制御装置5は、受け取ったバッテリ残容量をエンジン制御装置4へ出力する。エンジン制御装置5は、バッテリ残容量、エンジン回転数、スロットル開度、エンジントルク、モータの実トルク等により運転モード(アシスト、回生、始動、減速、アイドル等)と、モータ2における必要電力を決定し、運転モードと要求電力をモータ制御装置5へ出力する。 【0021】モータ制御装置5は、エンジン制御装置4から運転モード及び要求電力を受け取ると、アシスト及び減速時において、パワードライブユニット7の入力側の電力(図1の電圧センサ14、及び電流センサ15側)が、エンジン制御装置5から受け取った要求電力になるようにフィードバック制御を行う。一方、モータ制御装置5は、クルーズ時において、バッテリ3の電力値(図1の電圧センサ16、及び電流センサ17側)が要求電力になるようにフィードバック制御を行う。このように電力が算出されると、モータ制御装置5は算出した電力に従ってパワードライブユニット7を制御する。 【0022】次に、モータ制御装置5はパワードライブユニット7から、実電力を受け取ると、実電力から換算した実トルクをエンジン制御装置4へ出力する。エンジン制御装置4、モータ制御装置5、バッテリ制御装置6は、上述した処理を所定のタイミングで随時行うことにより、エンジン1、モータ2、バッテリ3の制御を行い、ハイブリッド車両を駆動させる。 【0023】次に、図2を参照して、制御装置について説明する。図2は、制御装置の構成を示すブロック図である。図2において、符号51は、バッテリ3の電圧と残容量とからバッテリ3が過放電状態であるかを検出する過放電検出部である。符号52は、エンジン制御装置4から出力されるモード情報に基づいて現時点のハイブリッド車両の運転モードを判別するモード判別部である。符号53aは、アイドルモードにおけるバッテリ3の過放電状態において、バッテリ3に対して施す対策が定義された判定マップである。符号53bは、アイドル停止モードにおけるバッテリ3の過放電状態において、バッテリ3に対して施す対策が定義された判定マップである。 【0024】符号54は、判定マップ53a、53bを参照して、バッテリ3を保護するための対策を施す充放電制御部である。符号55は、メインコンタクタ11のON/OFF制御を行うコンタクタ制御部である。符号56は、コンバータ8の始動/停止を制御するコンバータ制御部である。符号57は、エンジン制御装置4に対して、エンジン1のアイドル回転数を上昇または再始動させるように指示を出すエンジン回転数設定部である。なお、図2に示す過放電検出部51、モード判別部52、判定マップ53a、53b、充放電制御部54、コンタクタ制御部55、コンバータ制御部56及びエンジン回転数設定部57は、図1に示すモータ制御装置5の内部に設けられている。 【0025】次に、図3〜7を参照して、図2に示す制御装置の動作を説明する。図3は、図2に示すモード判別部52の動作を示すフローチャートである。図4は、図2に示す過放電検出部51の動作を示すフローチャートである。図5は、図2に示す充放電制御部54の動作を示すフローチャートである。また、図6、7は、図2に示す判定マップ53a、53bの構成を示す説明図である。 【0026】初めに、図6、7を参照して、判定マップ53a、53bについて説明する。図6は、運転モードがアイドル停止モードである時に参照される判定マップ53aであり、バッテリ残容量またはバッテリ電圧に応じた動作が定義されている。この例では、バッテリ残容量が20%またはバッテリ電圧が120Vを下回ったときにエンジン1を再始動するように定義されている。また、バッテリ残容量が10%またはバッテリ電圧が108Vを下回ったときにメインコンタクタ11をOFFするように定義されている。 【0027】また図7は、運転モードがアイドルモードである時に参照される判定マップ53bであり、判定マップ53aと同様にバッテリ残容量またはバッテリ電圧に応じた動作が定義されている。この例では、バッテリ残容量が20%またはバッテリ電圧が120Vを下回ったときにエンジン1のアイドル回転数を上昇するように定義されている。また、バッテリ残容量が10%またはバッテリ電圧が108Vを下回ったときにコンバータ8を停止するように定義されている。 【0028】続いて、図3を参照して、モード判別部52がモード判別を行う動作を説明する。まず、モード判別部52は、エンジン制御装置4から出力されるモード情報を読み込む(ステップS1)。ハイブリッド車両の運転モードには、アシスト、回生、始動、減速、アイドル、アイドル停止等のモードがある。アイドルモードとは、エンジン1がアイドル回転である時のモードであり、アイドル停止モードとは、アイドルモードである時に所定の条件を満たしたときにエンジン1へ供給する燃料をカットすることによってエンジン1を停止するモードである。エンジン制御装置4は、車両の運転状況に応じて、これらのいずれかの運転モードを選択して、この選択した運転モードをモータ制御装置5へ通知する。これを受けてモータ制御装置5は、その運転モードに応じてモータ2を制御する。ここで、読み込まれるモード情報は、モータ2を制御するためにエンジン制御装置4から通知される情報と同一のものである。 【0029】次に、モード判別部52は、読み込んだモードが何であるかを判定する(ステップS2)。この判定の結果、アイドルモードまたはアイドル停止モードであればステップS3へ進み、これら以外の運転モードであればステップS1へ戻る。 【0030】ステップS2の判定の結果、アイドルモードまたはアイドル停止モードであれば、その結果を過放電検出部51と充放電制御部54へ通知する(ステップS3)。このとき通知する内容は、アイドルモードであるのかアイドル停止モードであるのかを判別できるように通知する。 【0031】このように、モード判別部52は、エンジン1の回転数がアイドル回転数以下となり、モータ2による発電量が小さくなるアイドルモードまたはアイドル停止モードのどちらかであった場合にのみ過放電検出部51と充放電制御部54へ現時点の運転モードを通知する。なお、モード判別部52は、図3に示す動作を繰り返し実行する。 【0032】次に、図4を参照して、過放電検出部51がバッテリ3の過放電状態を検出する動作を説明する。まず、過放電検出部51は、モード判別部52から出力された現時点の運転モードを読み込む(ステップS11)。ここで読み込まれる運転モードは、モード判別部52の出力を読み込むため、アイドルモードまたはアイドル停止モードとなる。 【0033】次に、過放電検出部51は、読み込んだ運転モードが何であるかを判定する(ステップS12)。この判定の結果、アイドルモードであれば、判定に用いるマップをアイドルモードに対応した判定マップ53aに切り換える(ステップS13)。一方、アイドル停止モードであれば、判定に用いるマップをアイドル停止モードに対応した判定マップ53bに切り換える(ステップS14)。 【0034】次に、過放電検出部51は、バッテリ3の電圧とバッテリ制御装置6から通知されるバッテリ残容量を読み込む(ステップS15)。バッテリ3の電圧は、電圧センサ16の出力が用いられる。 【0035】次に、過放電検出部51は、現時点でいずれかに切り換えられている判定マップ53aまたは53bと、読み込んだバッテリ電圧及びバッテリ残容量とから、バッテリ3の過放電の状態を検出する(ステップS16)。バッテリ3の過放電の判定は、バッテリ制御装置6から通知されるバッテリ残容量、または電圧センサ16によって検出された電圧値のいずれかが所定値(例えば、バッテリ残容量が20%、バッテリ電圧が120V)を下回ったときに過放電状態であると判断する。 【0036】ステップS16において検出した結果、バッテリ3が過放電の状態であったか否かを判定する(ステップS17)。この判定の結果、過放電でなければステップS11へ戻り、前述した処理を繰り返す。 【0037】ステップS17の判定の結果、バッテリ3が過放電の状態である場合、過放電検出部51は、バッテリ3の過放電の状態を充放電制御部54へ通知する(ステップS18)。ここで通知される内容は、現時点のバッテリ残容量であり、20〜0%の値である。また、過放電の検出がバッテリ電圧によって検出された場合であっても、このバッテリ電圧に対応するバッテリ残容量に置き換えられて通知される。 【0038】このように、過放電検出部51は、アイドルモード時に参照する判定マップ53aと、アイドル停止モード時に参照する判定マップ53bとを、現時点の運転モードがアイドルモードまたはアイドル停止モードのいずれであるかに応じて切換え、この判定マップに応じてバッテリ3の過放電状態を検出し、検出した状態を充放電制御部54へ通知する。なお、過放電検出部51は、図4に示す動作を繰り返し実行する。 【0039】次に、図5を参照して、充放電制御部54がバッテリ3の保護を行う動作を説明する。まず、充放電制御部54は、過放電検出部51から出力された過放電の状態を読み込む(ステップS21)。続いて、充放電制御部54は、読み込んだ内容が過放電状態であることを示す通知であるか否かを判定する(ステップS22)。この判定の結果、過放電状態を通知する内容でない場合、充放電制御部54は、ステップS21へ戻り、過放電状態を示す通知があるまで待機する。 【0040】次に、過放電検出部51から通知された内容が過放電状態を示す内容である場合、充放電制御部54は、モード判別部52から出力される現時点のモードを読み込む。続いて、充放電制御部54は、読み込んだ運転モードに応じて、判定マップ53aまたは判定マップ53bを切り換える(ステップS24、S25、S26)。 【0041】次に、充放電制御部54は、ステップS25またはS26において切り換えられた判定マップ53aまたは53bを参照して、過放電状態に応じたバッテリ保護のための対策を施す(ステップS27)。バッテリ3に対して施す対策は、現時点の運転モードに応じて異なる。アイドル停止モードにおいて、バッテリ残容量が20%以下である時は、エンジン1を再始動することによってモータ2による発電を再開させる。これは、充放電制御部54がエンジン回転数設定部57に対して、エンジン再始動を指示することによって行われる。エンジン回転数設定部57は、この指示を受けて、アイドル回転数を設定し、エンジン再始動をエンジン制御装置4に対して通知する。これによって、モータ2による発電が再開するため、ここで発電された電力をバッテリ3へ蓄えることができる。 【0042】ただし、エンジン1は、トランスミッションがニュートラルであり、クラッチが切れている等のエンジン再始動時の安全が確保できる条件が揃わなければ再始動はできないため、運転者によってクラッチが接続されたままになっている場合等はエンジン1を再始動することができない。したがって、エンジン再始動を指示したにもかかわらずエンジン1を再始動できずに、バッテリ残容量が10%以下になった時は、メインコンタクタ11をOFFにすることによって、バッテリ3からの放電を完全に停止する。これは、充放電制御部54がコンタクタ制御部55に対して、メインコンタクタ11をOFFする指示を出すことによって行われる。コンタクタ制御部55は、この指示を受けて、メインコンタクタ11をOFFする信号を出力し、これによってメインコンタクタ11がOFFとなる。これによって、バッテリ3からの放電は完全に停止するため、さらなるバッテリ3の過放電を防止することができる。 【0043】このように、アイドル停止モードにおけるバッテリ残容量の低下に伴って、「エンジン再始動による発電の再開」、「バッテリに接続される電気負荷を全て切断することによる放電完全停止」を段階的に行うことによって、バッテリ3の過放電を防止することができる。なお、バッテリ残容量が回復した場合は、「コンタクタON」、「アイドル停止」を段階的に行うようにする。 【0044】一方、アイドルモードにおいて、バッテリ残容量が20%以下である時は、アイドル回転数を上昇させることによってモータ発電量を増加させる。これは、充放電制御部54がエンジン回転数設定部57に対して、アイドル回転数の上昇を指示することによって行われる。エンジン回転数設定部57は、この指示を受けて、アイドル回転数を設定し、このアイドル回転数をエンジン制御装置4に対して通知する。これによって、不足する電力が補われる。 【0045】また、バッテリ残容量がさらに低下し10%以下になった時は、アイドル回転数上昇に加え、さらにコンバータ8を停止することによって、バッテリ3の電気負荷を切断する。これは、充放電制御部54がコンバータ制御部56に対して、コンバータ8を停止する指示を出すことによって行われる。コンバータ制御部56は、この指示を受けて、コンバータ8に対して停止する信号を出力し、これによってコンバータ8が停止する。コンバータ8が停止している間は、電装品への電力の供給が停止するが、この間に必要な電力は12Vバッテリ9から供給される。これによって、バッテリ3の負荷を低減させることができる。ただし、メインコンタクタ11はONの状態であるため、エンジン1がアイドル回転である時にモータ2によって発電される電力はバッテリ3へ蓄えることができる。 【0046】このように、アイドルモードにおけるバッテリ残容量の低下に伴って、「アイドル回転数上昇による発電量増加」、「電装品へ供給するためのコンバータ停止による電気負荷の切断」を段階的に行うことによって、バッテリ3の過放電を防止することができる。なお、バッテリ残容量が回復した場合は、「コンバータ始動」、「アイドル回転数初期化」を段階的に行うようにする。なお、充放電制御部54は、図5に示す動作を繰り返し実行する。 【0047】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、バッテリの過放電を検知した場合は、エンジンの回転数を増加させ、さらに過放電が進行した場合には電気負荷に対する電力供給を停止するバッテリ保護手段を備え、モータによる発電量が小さいときに、過放電の進行に伴い、「アイドル回転数上昇による発電量増加」、「電装品へ供給するためのコンバータ停止による電気負荷の切断」を段階的に行うようにしたため、バッテリが過放電に至ることを防止することができるという効果が得られる。これは結果的に、燃費の悪化や動力性能が低下することを防止することができるという効果を得ることができる。 【0048】また、請求項2に記載の発明によれば、バッテリとモータとの間の電流供給を断続するコンタクタと、所定の運転条件によりエンジンを停止させるエンジン停止手段と、エンジンがアイドリング運転状態にある時にバッテリの過放電を検知した場合は電気負荷に対する電力供給を停止し、エンジンが停止状態にある時にバッテリの過放電を検知した場合はコンタクタを切断するバッテリ保護手段とを備え、バッテリが過放電に陥った時に、モータによって発電可能である場合には電気負荷に対する電力供給を停止するようにしたため、全ての発電電力をバッテリの充電に回すことができ、バッテリの過放電を回復することができる。また、モータによる発電ができない状態においてバッテリ過放電に陥った場合には、コンタクタを切断し、バッテリの放電を完全に停止するようにしたため、バッテリの過放電が進行することを防止することができるという効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月13日(1999.10.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−119808(P2001−119808A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−291698 |
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