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【発明の名称】 非接触給電装置及び非接触給電方法
【発明者】 【氏名】鶴崎 一也

【氏名】宮田 紀明

【要約】 【課題】無接触給電の高効率化。

【解決手段】一次側伝導体である給電線1を囲み可動側に配置される磁束誘導心(鉄心)4と、磁束誘導心4の一部7を囲み可動側に配置される二次側伝導体51、給電線1を支持し固定側に設けられる支持体16とを含み、磁束誘導心4は部分的に開閉自在であり支持体16が通過する開口部53を有し、更に、支持体16に磁束誘導心4が接近する接近時に開口部53が開き、支持体16から磁束誘導心4が離隔している離隔時に開口部53が閉じる開閉器を含む。大半の領域で磁束誘導心4は閉じて高透磁率物体中で磁路が閉じ、高効率電力の伝達が可能になる。開閉器は力学的に自動化されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】一次側伝導体である給電線を囲み可動側に配置される磁束誘導心と、前記磁束誘導心の一部を囲み前記可動側に配置される二次側伝導体と、前記給電線を支持し固定側に設けられる支持体とを含み、前記磁束誘導心は部分的に開閉自在であり前記支持体が通過する開口部を有し、更に、前記支持体に前記磁束誘導心が接近する接近時に前記開口部を開き、前記支持体から前記磁束誘導心が離隔している離隔時に前記開口部が閉じる開閉器を含む非接触給電装置。
【請求項2】請求項1において、前記磁束誘導心は部分的に可動である可動部を有し、前記開閉器は、前記可動部に同体に配置される第1磁石と、前記支持体に同体に配置される第2磁石とを備え、前記開口部の開閉は、前記第1磁石と前記第2磁石との間の接近時の磁気力と離隔時の磁気力とに対応する非接触給電装置。
【請求項3】請求項2において、前記接近時の磁気力は、前記磁束誘導心と前記支持体の相対的運動に基づく位置変化に対応して滑らかに変化する非接触給電装置。
【請求項4】請求項2において、前記接近時の磁気力は、前記第1磁石と前記第2磁石の相対的運動に基づく距離変化に対応して滑らかに変化する非接触給電装置。
【請求項5】請求項1において、更に、前記可動側に設けられ前記開閉器の開閉による電圧変動を二次側で平滑化する平滑回路からなる非接触給電装置。
【請求項6】軌道に沿ってところどころで4固定側に配置される支持体と、前記支持体に支持されて平行に延びる一次側の2本の交流電線と、1体の可動側の鉄心と、前記交流電線の交流が前記鉄心を介して電磁誘導により伝達される可動側の2つの二次側の巻線とからなり、前記鉄心の一部は、前記支持体を通過させる開口部を形成し、前記開口部は通常は閉じていて前記鉄心は閉じた鉄心の内部で磁路を形成する非接触給電装置。
【請求項7】連続して長く延びる線状の一次側伝導体と、環状の二次側伝導体と、前記一次側伝導体の磁気的変化を前記二次側伝導体に伝達する磁束誘導体と、前記一次側伝導体を支持し所定ピッチで配置される支持体とを含む無接触給電装置を用いて前記一次側伝導体から前記二次側伝導体に電力を供給する非接触給電方法であり、前記一次側伝導体を前記二次側伝導体に対して運動させること、前記磁束誘導体が前記支持体から離隔している離隔時には、前記磁束誘導体を閉じた環状体として形成すること、前記磁束誘導体が前記支持体に接近する接近時には、前記環状体の一部を開いて前記支持体と前記環状体とを無接触に交差させることとからなる非接触給電方法。
【請求項8】請求項7において、前記環状体の一部を開くことは、前記磁束誘導体と前記支持体とにそれぞれに配置される複数磁石の前記接近時の磁気力に基づいている非接触給電方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非接触給電装置及び非接触給電方法に関し、特に、物流搬送システムの移動台車、車両一次方式のリニアモータカーのような移動体に電力を無接触に供給する非接触給電装置及び非接触給電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】物流搬送システムの移動台車、車両一次方式のリニアモータカーのような移動体に電力を供給する電力供給システムは、コンタクタ、ケーブルベア、トロリー線のような接触体を用いて接触式に電力を移動体に供給する接触式給電方法が、従来は主流であった。このような従来方法では、接触時のスパークの発生、ケーブルによる可動範囲の制限、集電子塵埃であるるゴミの発生、メインテナンスの煩雑さ等の不都合事項が多くあって、下記のような利点を持つ非接触給電に対する期待が高まっている。
【0003】非接触給電は、(1)摩耗、損傷等の消耗部がなく保守の必要性がない、(2)走行中の摺動による騒音がない、(3)集電部からの塵埃の発生がなくクリーンである、(4)集電部からのスパークがなく防爆エリアで使用可能である、こと等の利点を持っている。
【0004】図7は、公知の接触式給電装置を示している。公知装置は、固定側支持体101に支柱102,103を介して固定されている固定側給電線104,105(一般的な変圧器の1次巻線に相当)が作る交流磁束が移動側のE字状鉄心106に交鎖し、その交流磁束の変化に伴って2次巻線107に発生する誘導起電力が移動体に供給される。このような構成のピックアップコイル108を小型化するために、その鉄心断面積を小さくすることができる数十kHzの周波数の電流が固定側給電線104,105に供給される。固定側給電線104,105は、移動体の走行・搬送方向に必要なピッチで配置される固定側支柱102,103により支持されている。
【0005】このような公知装置は、移動体側のピックアップコイル108を支持する固定側支柱102,103が所定ピッチで配置される必要があって、ピックアップコイル108の鉄心106は、走行時に固定側支柱102,103を回避することができるように、閉じた磁路を形成することができずに、2ヶ所で開いてE字形状にならざるをえない。固定側給電線104,105が生成する磁束は、この磁束の通路であるE字状鉄心106と、E字状鉄心106の2ヶ所の開口部109である空気層との各磁気抵抗の和で制限される。比誘電率が数千である鉄心部の磁気抵抗は極めて小さいが、空気層の比誘電率は1.0であるから、E字状鉄心106の2ヶ所の開口部109の磁気抵抗が、磁束発生効率に対応する給電効率の低下を招く実質上の原因になっている。
【0006】開口部の存在による給電効率の低下を回避することが望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、給電効率の低下を招かずそれを回避することができる非接触給電装置及び非接触給電方法を提供することにある。本発明の他の課題は、非接触給電の構造を簡素化することにより固定側装備のコストの上昇を抑制することができる非接触給電装置及び非接触給電方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複数・形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
【0009】本発明による非接触給電装置は、一次側伝導体である給電線(1)を囲み可動側に配置される磁束誘導心(鉄心、4)と、磁束誘導心(4)の一部(7)を囲み可動側に配置される二次側伝導体(51)と、給電線(1)を支持し固定側に設けられる支持体(16)とを含み、磁束誘導心(4)は部分的に開閉自在であり支持体(16)が通過する開口部(53)を有し、更に、支持体(16)に磁束誘導心(4)が接近する接近時に開口部(53)が開き、支持体(16)から磁束誘導心(4)が離隔している離隔時に開口部(53)が閉じる開閉器を含む。大半の領域で磁束誘導心(4)は閉じて高透磁率物体中で磁路が閉じ、高効率電力の伝達が可能になる。
【0010】磁束誘導体(4)は部分的に可動である可動部(9−1)を有し、開閉器は、可動部(9−1)に同体に配置される第1磁石(27)と、支持体(16)に同体に配置される第2磁石(18)とを備え、開口部(53)の開閉は、第1磁石(27)と第2磁石(18)との間の接近時の磁気力と離隔時の磁気力とに対応する。力学的に自動的に開閉し、開閉器が簡素に構成され得る。可動部(9−1)は、第1磁石(27)と同体に可動であり、磁束誘導心(4)の可動部以外の部分に対して可動であり、可動部以外の部分に案内されてそれに摺動するスライダー機構により可動的であることができる。可動部以外の部分が撓み性を持つことは可能である。
【0011】接近時の磁気力は、磁束誘導心(4)と支持体(16)の相対的運動に基づく位置変化に対応して滑らかに変化する。このような滑らかな変化は、第1磁石(27)と第2磁石(18)の相対的位置関係を調整することにより可能である。そのような相対的位置関係は、第1磁石(27)又は第2磁石(18)に斜面(US1,2,3)を形成することにより容易に実現する。
【0012】接近時の磁気力は、第1磁石(27)と第2磁石(18)の相対的運動に基づく距離変化に対応して滑らかに変化することも可能である。更に、可動側に設けられ開閉器の開閉による電圧変動を二次側で平滑化する平滑回路(図示されず)が設けられることが好ましい。
【0013】本発明による非接触給電方法は、連続して長く延びる線状の一次側伝導体(1)と、環状の二次側伝導体(51)と、一次側伝導体(1)の磁気的変化を二次側伝導体(51)に伝達する磁束誘導体(4)と、一次側伝導体(1)を支持し所定ピッチで配置される支持体(16)とを含む無接触給電装置を用いて一次側伝導体(1)から二次側伝導体(51)に電力を供給する非接触給電方法であり、一次側伝導体(1)を二次側伝導体(51)に対して運動させること、磁束誘導体(4)が支持体(16)から離隔している離隔時には、磁束誘導体(4)を閉じた環状体として形成すること、磁束誘導体(4)が支持体(16)に接近する接近時には、環状体の一部を開いて支持体(16)と環状体とを無接触に交差させることとからなる。環状体の一部を開くことは、磁束誘導体(4)と支持体(16)とにそれぞれに配置される複数磁石(18,27)の接近時の磁気力に基づくことが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】図に一致対応して、本発明による非接触給電装置の実施の形態は、2本の交流給電線とともにピックアップコイルが設けられている。図1に連続して延びるその交流給電線1,1’を所々で囲むようにそのピックアップコイル2が移動体(図示されず)の側に固定されて配置されている。ピックアップコイル2は、交流給電線1,1’が連続して延びる方向に交流給電線1,1’に沿って双方向に走行する。2本の給電線には、適正な周波数の交流が供給される。交流給電線1,1’は、図3に示されるように、絶縁被膜55により被覆されている。
【0015】ピックアップコイル2は、鉄心3と鉄心3の2ヶ所の部分を環状に巻く2次導体51,52とから形成されている。交流給電線1,1’が延びる方向がZ軸方向と呼ばれ、鉛直方向、水平方向がX軸方向、Y軸方向と呼ばれる。Z軸方向、X軸方向、Y軸方向は、互いに直交している。鉄心3は、自然には2つの閉じた環を形成するように付勢されている。
【0016】鉄心3は、開閉自在な上方環部分4と下方環部分5とから形成され、上方環部分4と下方環部分5とは共通環部分6を共有している。上方環部分4は、上方側第1X軸方向部分7と、Y軸方向に延びる共通環部分6と、上方側Y軸方向部分8と、上方側第2X軸方向部分9から形成されている。下方環部分5は、下方側第1X軸方向部分11と、共通環部分6と、下方側Y軸方向部分12と、下方側第2X軸方向部分13とから形成されている。
【0017】上方側第2X軸方向部分9は、上方側第2X軸方向上半部分9−1と上方側第2X軸方向下半部分9−2とから形成されている。下方側第2X軸方向部分13は、下方側第2X軸方向上半部分13−1と下方側第2X軸方向下半部分13−2とから形成されている。上方側第2X軸方向上半部分9−1と上方側第2X軸方向下半部分9−2とは、自然には面接触して(突合わせ接触して)、上方環部分4は実質的に閉じた1つの環を形成することができる。
【0018】下方側第2X軸方向上半部分13−1と下方側第2X軸方向下半部分13−2とは、自然には面接触して(突合わせ接触して)、下方環部分5は実質的に閉じた1つの環を形成することができる。図1は、上方側第2X軸方向上半部分9−1と上方側第2X軸方向下半部分9−2とが離反して、上方環部分4が閉じた1つの環を形成せず開いている状態を示し、且つ、下方側第2X軸方向上半部分13−1と下方側第2X軸方向下半部分13−2とが離反して、下方環部分5が閉じた1つの環を形成せず開いている状態を示している。
【0019】上方側第2X軸方向上半部分9−1と上方側第2X軸方向下半部分9−2とが自然には面接触する(突合わせ接触する)ように、上方側第2X軸方向上半部分9−1は付勢手段14により上方側第2X軸方向下半部分9−2に向く方向に常時に付勢されている。下方側第2X軸方向上半部分13−1と下方側第2X軸方向下半部分13−2とが自然には面接触する(突合わせ接触する)ように、下方側第2X軸方向下半部分13−2は付勢手段15により下方側第2X軸方向上半部分13−1に向く方向に常時に付勢されている。
【0020】Y軸方向に延びる上側給電線支柱16とY軸方向に延びる下側給電線支柱17とが、図示されない支持構造体に支持されている。Y軸方向に延びる上側給電線支柱16には、それの上面に固定側上側永久磁石18が固着されている。Y軸方向に延びる下側給電線支柱17には、それの下面に固定側下側永久磁石19が固着されている。Z軸方向に延びる固定側上側永久磁石18は、上側後方側(又は前方側)傾斜部分21と、上側中央水平部分22と、上側前方側(又は後方側)傾斜部分23とから形成されている。
【0021】上側後方側傾斜部分21と、上側中央水平部分22と、上側前方側傾斜部分23とは、連続してZ軸方向に延びる1体物である。Z軸方向に延びる固定側下側永久磁石19は、下側後方側傾斜部分24と、下側中央水平部分25と、下側前方側傾斜部分26とから形成されている。下側後方側傾斜部分24と、下側中央水平部分25と、下側前方側傾斜部分26とは、連続してZ軸方向に延びる1体物である。
【0022】上側後方側傾斜部分21は前方に向かって上昇する後方側上側傾斜面US1を有し、上側中央水平部分22は上側水平面US2を有し、上側前方側傾斜部分23は前方に向かって下降する前方側上側傾斜面US3を有している。下側後方側傾斜部分24は前方に向かって下降する後方側下側傾斜面LS1を有し、下側中央水平部分25は下側水平面LS2を有し、下側前方側傾斜部分26は前方に向かって上昇する前方側下側傾斜面LS3を有している。
【0023】上方側第2X軸方向上半部分9−1には、取付具を介してY軸方向に突出して可動側上側永久磁石27が取り付けられている。下方側第2X軸方向下半部分13−2には、取付具を介してY軸方向に突出して可動側下側永久磁石28が取り付けられている。固定側上側永久磁石18の上面側極と可動側上側永久磁石27の下面側極は、同極(同じN極)である。固定側下側永久磁石19の下面側極と可動側下側永久磁石28の上面側極は、同極(同じN極)である。
【0024】交流給電線1,1’に交流が逆方向に供給され、上方環部分4と下方環部分5のそれぞれの環状体又は部分環状体を磁路とする閉じた磁場(磁力線)が形成される。上側2次導体51と下側2次導体52は、上方側第1X軸方向部分7と下方側第1X軸方向部分11を実質的に1周するように取り巻いている。磁場の向きはある既述の周波数を有して交番に変わり、その磁力線は環状の上側2次導体51と下側2次導体52の中心部位を貫通し、上側2次導体51と下側2次導体52にそれぞれに起電力が誘導されて発生する。
【0025】ピックアップコイル2が存在する領域(通過する領域)は、上側給電線支柱16、下側給電線支柱17、固定側上側永久磁石18、固定側下側永久磁石19等が存在する第1領域と、それらが存在しない第2領域とから形成されている。第2領域の長さは、第1領域の長さよりも圧倒的に長い。
【0026】図2と図3は、そのような第2領域にあるピックアップコイル2を示している。第2領域には固定側上側永久磁石18と固定側下側永久磁石19とは存在しないので、可動側上側永久磁石27と可動側下側永久磁石28は、固定側上側永久磁石18と固定側下側永久磁石19とから反発を受けることはなく、従って、可動側上側永久磁石27と可動側下側永久磁石28に同体である上方側第2X軸方向上半部分9−1と下方側第2X軸方向下半部分13−2は、そのような斥力を受けず付勢手段14,15によって互いに接近する外力・引力を受ける。このような接近力を受ける上方側第2X軸方向上半部分9−1と下方側第2X軸方向下半部分13−2は、突合わせ接触し、上方環部分4と下方環部分5はそれぞれに1つの閉じた環を形成する。このような磁路の形成により、交流給電線1,1’により生成する磁力線は空気層(真空)を通過することがなく空気層の大きい磁気抵抗を受けることがない。このため、上側2次導体51と下側2次導体52には、高効率に起電力が誘導されて生起する。
【0027】図4と図5は、既述の第1領域にあるピックアップコイル2の走行・移動の途中経過を示している。図4(a),(b),(c)は、固定側上側永久磁石18と固定側下側永久磁石19にピックアップコイル2が最接近しつつある状態位置、それらがピックアップコイル2に最接近している状態位置、それらがピックアップコイル2から離れ去りつつある状態位置をそれぞれに示している。
【0028】図4(a)の状態位置の可動側上側永久磁石27と可動側下側永久磁石28は、後方側上側傾斜面US1と後方側下側傾斜面LS1に対する距離が段々と近くなっていくようにZ軸方向(走行方向前方)に進行している。この位置状態では、可動側上側永久磁石27と可動側下側永久磁石28は、固定側上側永久磁石18と固定側下側永久磁石19とから段々に強くなる斥力を受ける。従って、上方側第2X軸方向下半部分9−2と下方側第2X軸方向上半部分13−1が段々に離れて、上方環部分4と下方環部分5はそれぞれにそれらの開きが大きくなっている。
【0029】図4(b)の状態位置の可動側上側永久磁石27と可動側下側永久磁石28は、上側水平面US2と下側水平面LS2に対する距離が最も近くなった状態を維持しながらX軸方向に進行している。この位置状態では、可動側上側永久磁石27と可動側下側永久磁石28は、固定側上側永久磁石18と固定側下側永久磁石19とから最大斥力を受ける。従って、上方側第2X軸方向下半部分9−2と下方側第2X軸方向上半部分13−1が最大限に離れて、上方環部分4と下方環部分5はそれぞれにそれらの開きが最も大きくなっている。このようの最も大きく開いた結果として形成される上方環部分4と下方環部分5の上側開口部53と下側開口部54(図5に記載)を上側給電線支柱16と下側給電線支柱17が逆方向(相対的にマイナスZ方向)に素通りすることができる。図4(c)の移行状態は、図4(a)の移行状態に対して時間的に逆方向である。
【0030】図6は、本発明による非接触給電装置の実施の他の形態を示している。図5に表現される各部材と図6に表現される各部材の比較では、図5に示される部材18,19,27,28のみが、図6で示されそれらに対応する部材18’,19’,27’,28’に変更置換されている。このような置換を除いて、図5の実施の形態と図6の実施の形態とは全く同じである。
【0031】固定側上側永久磁石18に代えられて固定側上側電磁石18’が用いられ、固定側下側永久磁石19に代えられて固定側下側電磁石19’が用いられ、可動側上側永久磁石27に代えられて可動側上側電磁石27’が用いられ、可動側上下永久磁石28に代えられて可動側下側電磁石28’が用いられている。
【0032】固定側上側電磁石18’は、鉄心56とコイル57とから形成されている。固定側下側電磁石19’は、鉄心58とコイル59とから形成されている。可動側上側電磁石27’は、鉄心61とコイル62とから形成されている。可動側下側電磁石28’は、鉄心63とコイル64とから形成されている。固定側上側電磁石18’と固定側下側電磁石19’とには、固定側電源65,66から励磁電流が供給される。可動側上側電磁石27’と可動側下側電磁石28’とには、可動側電源67,68から励磁電流が供給される。このような電磁石18’,19’,27’,28’は、既述の複数の傾斜面に対してそれぞれに対応して複数が設けられ得る。
【0033】このように、圧倒的に多い領域である既述の第2領域で、交流給電線1,1’である1次導体が作る磁束は、高透磁率の材料で作成され完全に閉じる環の中を通り、低透磁率の空気層を通らないので、大きな磁気抵抗部がなく磁束の発生効率が極めて高くなっている。傾斜面は、可動側磁石の円滑な通過を促進している。既述の実施の形態で、上方側第2X軸方向上半部分9−1と下方側第2X軸方向下半部分13−2とは、スライド式に可動であるが、上方側Y軸方向部分8と下方側Y軸方向部分12とが撓む構造にすることは技術的に可能である。
【0034】移動体の進行方向に、上側給電線支柱16と下側給電線支柱17とを所々に希にしか存在しないような配置構成にすることは技術的に十分に可能であるから、ほとんどの領域で高効率に一次側と二次側とを磁気的に結合することができる。上側給電線支柱16と下側給電線支柱17とが存在する領域とそれらが存在しない領域での磁気結合の差に伴う二次導体の電圧変動に伴う派生問題は、二次電力変換回路側に平滑回路手段を設けることにより十分に克服することができる。十分な反発力は、希土類の高残留磁束密度の永久磁石によって得ることができる。
【0035】
【発明の効果】本発明による非接触給電装置及び非接触給電方法は、鉄心が有効に閉じた磁路を形成し高効率磁気結合が達成されるので、電力供給の損失を実質的に全線にわたって完全に回避することができる。磁気的に鉄心の開閉が自動的に行われ、スムーズな両領域間の渡りが可能である。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成11年10月12日(1999.10.12)
【代理人】 【識別番号】100102864
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 実 (外1名)
【公開番号】 特開2001−119805(P2001−119805A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願平11−290291