| 【発明の名称】 |
ハイブリッド自動車のモータ制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 実
【氏名】落合 志信
【氏名】吉川 慎司
【氏名】原 一広
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| 【要約】 |
【課題】ドライバーの加減速の指示に対しては迅速に応答しながら、アイドリング時あるいはクルーズ時には、エネルギーマネージメントにおける収支を合わせることができるハイブリッド自動車のモータ制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンと、バッテリ1によって動作するモータ2と、バッテリによって動作する電装品5とを有するハイブリッド自動車のモータ制御装置に、バッテリに出し入れされる電力を検出する第1の電力検出手段6と、モータに出し入れされる電力を検出する第2の電力検出手段7と、走行モード判別部11と、走行モード判別部での判別に基づいて第1または第2の電力検出手段による検出値のいずれかを選択する電力検出値選択部16と、選択された検出値に基づいてモータに出し入れする電力を制御するモータ制御部15、3とを設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料を燃焼することによって自動車の駆動力を発生するエンジンと、バッテリから供給される電力によって自動車の駆動力を発生するモータと、前記バッテリから供給される電力によって動作する電装品とを有するハイブリッド自動車において、前記バッテリから供給される電力またはこのバッテリに充電される電力を検出する第1の電力検出手段と、前記モータに供給される電力またはこのモータから取り出される電力を検出する第2の電力検出手段と、所定のパラメータに基づいて自動車の走行モードを判別する走行モード判別部と、この走行モード判別部での判別に基づいて、前記第1の電力検出手段による検出値または第2の電力検出手段による検出値のうちのいずれかを選択する電力検出値選択部と、この電力検出値選択部で選択された検出値に基づいて、前記モータに供給する電力またはこのモータから取り出す電力を制御するモータ制御部とを有することを特徴とするハイブリッド自動車のモータ制御装置。 【請求項2】 燃料を燃焼することによって自動車の駆動力を発生するエンジンと、バッテリから供給される電力によって自動車の駆動力を発生するモータと、前記バッテリから供給される電力によって動作する電装品とを有するハイブリッド自動車において、前記バッテリとモータとの間で送受される電力を検出する電力検出手段と、この電力検出手段による検出値に基づいて、前記モータに供給する電力またはこのモータから取り出す電力を制御するモータ制御部と、所定のパラメータに基づいて自動車の走行モードを判別する走行モード判別部と、この走行モード判別部での判別に基づいて、前記モータを制御する際のモータトルクの変化率を規定するゲインを切り換えるゲイン切換部とを有し、前記モータ制御部は、前記ゲイン切換部で切り換えられたゲインによって規定される変化率で、前記モータに供給する電力またはこのモータから取り出す電力を制御することを特徴とするハイブリッド自動車のモータ制御装置。 【請求項3】 燃料を燃焼することによって自動車の駆動力を発生するエンジンと、バッテリから供給される電力によって自動車の駆動力を発生するモータと、前記バッテリから供給される電力によって動作する電装品とを有するハイブリッド自動車において、前記バッテリから供給される電力またはこのバッテリに充電される電力を検出する第1の電力検出手段と、前記モータに供給される電力またはこのモータから取り出される電力を検出する第2の電力検出手段と、所定のパラメータに基づいて自動車の走行モードを判別する走行モード判別部と、この走行モード判別部での判別に基づいて、前記第1の電力検出手段による検出値または第2の電力検出手段による検出値のうちのいずれかを選択する電力検出値選択部と、この電力検出値選択部で選択された検出値に基づいて、前記モータに供給する電力またはこのモータから取り出す電力を制御するモータ制御部と、前記走行モード判別部での判別に基づいて、前記モータを制御する際のモータトルクの変化率を規定するゲインを切り換えるゲイン切換部とを有し、前記モータ制御部は、前記ゲイン切換部で切り換えられたゲインによって規定される変化率で、前記モータに供給する電力またはこのモータから取り出す電力を制御することを特徴とするハイブリッド自動車のモータ制御装置。 【請求項4】 前記走行モード判別部は、自動車の走行モードが、自動車を加速させるアシストモード、自動車を減速させる減速モード、自動車を一定の速度で走行させるクルーズモード、自動車をアイドリング状態とするアイドルモードのいずれであるかを判別し、前記電力検出値選択部は、自動車の走行モードがクルーズモードまたはアイドルモードであると判別された場合には、第1の電力検出手段による検出値を選択し、自動車の走行モードがアシストモードまたは減速モードであると判別された場合には、第2の電力検出手段による検出値を選択することを特徴とする請求項1または3に記載のハイブリッド自動車のモータ制御装置。 【請求項5】 前記走行モード判別部は、自動車の走行モードが、自動車を加速させるアシストモード、自動車を減速させる減速モード、自動車を一定の速度で走行させるクルーズモード、自動車をアイドリング状態とするアイドルモードのいずれであるかを判別し、前記ゲイン切換部で切り換えられるゲインは、自動車の走行モードがクルーズモードまたはアイドルモードであると判別された場合のゲインが、自動車の走行モードがアシストモードまたは減速モードであると判別された場合のゲインより小さいことを特徴とする請求項2または3に記載のハイブリッド自動車のモータ制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンとモータを併用するハイブリッド自動車のモータ制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車のドライバビリティを向上させるには、例えばドライバーが自動車を加速あるいは減速させようとした場合に、ドライバーの加減速の指示に遅れなく反応する自動車の制御装置が必要である。エンジンとモータを併用するハイブリッド自動車の場合には、モータに供給する電力、あるいはモータから取り出す電力の量を遅れなく制御する必要がある。これは、ハイブリッド自動車が、モータに電力を供給し、モータによってエンジンをアシストすることによって加速を行い、モータを発電機として使用し、発電された電力をモータから取り出すことによって減速を行うからである。 【0003】上記のような遅れのない制御のためには、制御装置のゲインを大きくし、モータに供給するか、あるいはモータから取り出す電力を制御するときの単位時間当たりの電力の変化量を大きくし、単位時間当たりのモータトルクの変化量を大きくすればよい。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のような制御を行うには、モータに出し入れする電力を制御する構成にする必要があるが、このような構成にすると、アイドリング時または自動車を一定速度で走行させるクルーズ時に、エネルギーマネージメントにおける収支が合わなくなるという問題がある。すなわち、アイドル時またはクルーズ時には、モータを発電機として動作させ、発電によるエネルギーをバッテリに送り返し、バッテリを充電する。このとき、モータに出し入れする電力を検出していると、バッテリに充電される電力を正確に把握できない。これは、バッテリにはモータの他にも各種の電装品が接続されていて、これらの電装品で電力が消費されるので、モータに出し入れする電力とバッテリに出し入れする電力とは必ずしも一致しないためである。 【0005】この問題を解決するためには、バッテリに出し入れする電力を検出する構成にすればよい。ところが、バッテリに出し入れする電力を検出し、この検出値を所定値になるように制御すると、モータが発電を行うアイドリング時またはクルーズ時には、エアコン、ヘッドライト、デフロスター等の電装品が消費する電力と、バッテリへ戻す電力との合計を、モータが発電する電力で賄うので、電装品によって消費される電力の変動が、そのままモータによって発電される電力の変動として現れる。上記の構成で、アイドリング時に電装品をオン、オフすると、モータによって発電される電力が変動し、この変動によってエンジンの負荷が変動して、エンストを起こす可能性がある。 【0006】また、上記の構成で、クルーズ時に電装品をオン、オフすると、上記アイドリング時と同様に、モータによって発電される電力が変動し、この変動によってエンジンの負荷が変動して、クルーズ中の車体挙動が変化する可能性がある。 【0007】本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、その第1の目的は、ドライバーの加減速の指示に対しては迅速に応答しながら、アイドリング時あるいはクルーズ時には、エネルギーマネージメントにおける収支を合わせることができるハイブリッド自動車のモータ制御装置を提供することである。 【0008】また、本発明の第2の目的は、ドライバーの加減速の指示に対しては迅速に応答しながら、アイドリング時に電装品がオン、オフされた場合にもエンストを防止することができ、またクルーズ時に電装品がオン、オフされた場合にも車体挙動の変化を防止することができるハイブリッド自動車のモータ制御装置を提供することである。 【0009】また、本発明の第3の目的は、ドライバーの加減速の指示に対しては迅速に応答しながら、アイドリング時あるいはクルーズ時には、エネルギーマネージメントにおける収支を合わせることができ、かつ、アイドリング時に電装品がオン、オフされた場合にもエンストを防止することができ、またクルーズ時に電装品がオン、オフされた場合にも車体挙動の変化を防止することができるハイブリッド自動車のモータ制御装置を提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、燃料を燃焼することによって自動車の駆動力を発生するエンジン(実施形態ではエンジン10)と、バッテリ(実施形態ではメインバッテリ1)から供給される電力によって自動車の駆動力を発生するモータ(実施形態ではモータ2)と、前記バッテリから供給される電力によって動作する電装品(実施形態では電装品5)とを有するハイブリッド自動車において、前記バッテリから供給される電力またはこのバッテリに充電される電力を検出する第1の電力検出手段(実施形態では第1の電力検出手段6)と、前記モータに供給される電力またはこのモータから取り出される電力を検出する第2の電力検出手段(実施形態では第2の電力検出手段7)と、所定のパラメータに基づいて自動車の走行モードを判別する走行モード判別部(実施形態では走行モード判別部11)と、この走行モード判別部での判別に基づいて、前記第1の電力検出手段による検出値または第2の電力検出手段による検出値のうちのいずれかを選択する電力検出値選択部(実施形態では電力検出値選択部16)と、この電力検出値選択部で選択された検出値に基づいて、前記モータに供給する電力またはこのモータから取り出す電力を制御するモータ制御部(実施形態ではフィードバック処理部15およびパワードライブユニット3)とを有することを特徴とするハイブリッド自動車のモータ制御装置である。 【0011】上記構成によれば、電力検出値選択部が、走行モード判別部で判別された走行モードに基づいて、第1の電力検出手段による検出値または第2の電力検出手段による検出値のうちのいずれかを選択する、すなわちバッテリから供給される電力またはこのバッテリに充電される電力を検出するか、あるいはモータに供給される電力またはこのモータから取り出される電力を検出するかのいずれかを選択するので、走行モードがアシストモードまたは減速モードのときには、ドライバーの加減速の指示に対して迅速に応答し、走行モードがアイドルモードまたはクルーズモードのときには、エネルギーマネージメントにおける収支を合わせることができるハイブリッド自動車のモータ制御装置を提供することができる。 【0012】請求項2に記載の発明は、燃料を燃焼することによって自動車の駆動力を発生するエンジンと、バッテリから供給される電力によって自動車の駆動力を発生するモータと、前記バッテリから供給される電力によって動作する電装品とを有するハイブリッド自動車において、前記バッテリとモータとの間で送受される電力を検出する電力検出手段(実施形態では第1の電力検出手段6または第2の電力検出手段7)と、この電力検出手段による検出値に基づいて、前記モータに供給するか、あるいはこのモータから取り出す電力を制御するモータ制御部と、所定のパラメータに基づいて自動車の走行モードを判別する走行モード判別部と、この走行モード判別部での判別に基づいて、前記モータを制御する際のモータトルクの変化率を規定するゲインを切り換えるゲイン切換部(実施形態ではゲイン切換部14)とを有し、前記モータ制御部は、前記ゲイン切換部で切り換えられたゲインによって規定される変化率で、前記モータに供給する電力またはこのモータから取り出す電力を制御することを特徴とするハイブリッド自動車のモータ制御装置である。 【0013】上記構成によれば、ゲイン切換部が、走行モード判別部で判別された走行モードに基づいて、モータを制御する際のモータトルクの変化率を規定するゲインを切り換えるので、走行モードがアシストモードまたは減速モードのときには、ドライバーの加減速の指示に対して迅速に応答し、走行モードがアイドルモードのときには、電装品がオン、オフされた場合にもエンストを防止することができ、また走行モードがクルーズモードのときには、電装品がオン、オフされた場合にも車体挙動の変化を防止することができるハイブリッド自動車のモータ制御装置を提供することができる。 【0014】請求項3に記載の発明によれば、燃料を燃焼することによって自動車の駆動力を発生するエンジンと、バッテリから供給される電力によって自動車の駆動力を発生するモータと、前記バッテリから供給される電力によって動作する電装品とを有するハイブリッド自動車において、前記バッテリから供給される電力、またはこのバッテリに充電される電力を検出する第1の電力検出手段と、前記モータに供給される電力、またはこのモータから取り出される電力を検出する第2の電力検出手段と、所定のパラメータに基づいて自動車の走行モードを判別する走行モード判別部と、この走行モード判別部での判別に基づいて、前記第1の電力検出手段による検出値または第2の電力検出手段による検出値のうちのいずれかを選択する電力検出値選択部と、この電力検出値選択部で選択された検出値に基づいて、前記モータに供給する電力、またはこのモータから取り出す電力を制御するモータ制御部と、前記走行モード判別部での判別に基づいて、前記モータを制御する際のモータトルクの変化率を規定するゲインを切り換えるゲイン切換部とを有し、前記モータ制御部は、前記ゲイン切換部で切り換えられたゲインによって規定される変化率で、前記モータに供給する電力、またはこのモータから取り出す電力を制御することを特徴とするハイブリッド自動車のモータ制御装置である。 【0015】上記構成によれば、電力検出値選択部が、走行モード判別部で判別された走行モードに基づいて、第1の電力検出手段による検出値または第2の電力検出手段による検出値のうちのいずれかを選択し、かつ、ゲイン切換部が、走行モード判別部で判別された走行モードに基づいて、モータを制御する際のモータトルクの変化率を規定するゲインを切り換えるので、走行モードがアシストモードまたは減速モードのときには、ドライバーの加減速の指示に対して迅速に応答し、走行モードがアイドルモードあるいはクルーズモードのときには、エネルギーマネージメントにおける収支を合わせることができ、かつ、走行モードがアイドルモードのときには、電装品がオン、オフされた場合にもエンストを防止することができ、また走行モードがクルーズモードのときには、電装品がオン、オフされた場合にも車体挙動の変化を防止することができるハイブリッド自動車のモータ制御装置を提供することができる。 【0016】請求項4に記載の発明によれば、前記走行モード判別部は、自動車の走行モードが、自動車を加速させるアシストモード、自動車を減速させる減速モード、自動車を一定の速度で走行させるクルーズモード、自動車をアイドリング状態とするアイドルモードのいずれであるかを判別し、前記電力検出値選択部は、自動車の走行モードがクルーズモードまたはアイドルモードであると判別された場合には、第1の電力検出手段による検出値を選択し、自動車の走行モードがアシストモードまたは減速モードであると判別された場合には、第2の電力検出手段による検出値を選択することを特徴とする請求項1または3に記載のハイブリッド自動車のモータ制御装置である。上記構成によれば、自動車の走行モードがクルーズモードまたはアイドルモードのときには、第1の電力検出手段による検出値が選択され、バッテリに充電される電力が検出され、この検出に基づいた制御が行われるので、エネルギーマネージメントにおける収支を合わせることができる。また、自動車の走行モードがアシストモードまたは減速モードのときには、第2の電力検出手段による検出値が選択され、モータに供給される電力またはこのモータから取り出される電力が検出され、この検出に基づいた制御が行われるので、ドライバーの加減速の指示に対して迅速に応答することができる。 【0017】請求項5に記載の発明によれば、前記走行モード判別部は、自動車の走行モードが、自動車を加速させるアシストモード、自動車を減速させる減速モード、自動車を一定の速度で走行させるクルーズモード、自動車をアイドリング状態とするアイドルモードのいずれであるかを判別し、前記ゲイン切換部で切り換えられるゲインは、自動車の走行モードがクルーズモードまたはアイドルモードであると判別された場合のゲインが、自動車の走行モードがアシストモードまたは減速モードであると判別された場合のゲインより小さいことを特徴とする請求項2または3に記載のハイブリッド自動車のモータ制御装置である。 【0018】上記構成によれば、自動車の走行モードがクルーズモードまたはアイドルモードのときのゲインが、自動車の走行モードがアシストモードまたは減速モードのときのゲインより小さいので、自動車の走行モードがクルーズモードまたはアイドルモードのときには、電装品がオン、オフされた場合にも、ゲインによって規定されるモータトルクの変化率が小さいので、エンジンの負荷変動も小さい。従って、アイドルモードのときにはエンストを防止することができ、クルーズモードのときには車体挙動の変化を防止することができる。また、自動車の走行モードがアシストモードまたは減速モードのときには、ゲインによって規定されるモータトルクの変化率が大きいので、ドライバーの加減速の指示に対して迅速に応答することができる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態であるハイブリッド自動車のモータ制御装置を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態であるハイブリッド自動車のモータ制御装置の主要な構成を示すブロック図である。この図における符号1はメインバッテリであり、このメインバッテリ1の端子1aからは150Vの電圧が出力される。符号2は、メインバッテリ1から供給される電力によって駆動され、自動車を走行させる、あるいはエンジンをアシストするモータである。メインバッテリ1とモータ2との間には、モータ2へ供給する電力の量を制御するためのパワードライブユニット3が設けられている。 【0020】前記メインバッテリ1の端子1aには、さらに、電圧を変換するためのDC−DCコンバータ4を介して各種の電装品5、例えばヘッドライト、デフロスター、エアコン等が接続されている。各種の電装品5は12Vの電圧で動作するので、前記DC−DCコンバータ4は、メインバッテリ1が出力する150Vの電圧を12Vに変換する。 【0021】メインバッテリ1の端子1aとパワードライブユニット3の端子3aとを接続するラインにおける、メインバッテリ1の端子1aに最も近い位置に、第1の電力検出手段6が設けられている。この第1の電力検出手段6は、メインバッテリ1から取り出されるか、あるいはこのメインバッテリ1に戻される電力を検出する。この第1の電力検出手段6は、具体的には後述する電流センサと電圧センサによって構成されている。 【0022】メインバッテリ1の端子1aとパワードライブユニット3の端子3aとを接続するラインにおける、パワードライブユニット3の端子3aに最も近い位置に、第2の電力検出手段7が設けられている。この第2の電力検出手段7は、パワードライブユニット3を経由してモータ2に送られるか、あるいはモータ2から取り出され、パワードライブユニット3を経由して、このパワードライブユニット3の端子3aから取り出される電力を検出する。この第2の電力検出手段7もまた、電流センサと電圧センサによって構成されている。 【0023】前記第1の電力検出手段6および第2の電力検出手段7の出力は、後述するモータ制御ユニット8に入力されている。 【0024】符号9は、後述するエンジン10を制御するためのエンジン制御ユニットであり、このエンジン制御ユニット9は、具体的にはCPU(中央演算装置)およびメモリによって構成されている。このエンジン制御ユニット9は、自動車の走行モードを判別するための走行モード判別部11と、この走行モード判別部11で判別された走行モードを記憶するための走行モード記憶部12と、前記走行モード判別部11で判別された走行モードに基づいて目標電力を算出する目標電力算出部13とを内蔵している。この目標電力算出部13で算出される目標電力とは、前記メインバッテリ1から取り出すか、このメインバッテリ1に戻す電力、あるいは前記モータ2に送るか、このモータ2から取り出す電力を制御する際の目標電力である。 【0025】このため、走行モード判別部11の出力は、走行モード記憶部12および目標電力算出部13に入力されている。また、走行モード判別部11の出力は、エンジン制御ユニット9の外部にも出力されている。さらに、走行モード記憶部12、目標電力算出部13の出力も、エンジン制御ユニット9の外部に出力されている。 【0026】走行モード判別部11は、所定のパラメータから現時点での走行モードを判別する。走行モード判別部11は、所定の時間毎に前記判別を繰り返す。繰り返し行われる判別の結果は、走行モード記憶部12へ送られ、この走行モード記憶部12は、現時点から一回前の判定の結果すなわち前回の判定での走行モードを記憶する。 【0027】符号8は、前記モータ2を制御するためのモータ制御ユニットであり、このモータ制御ユニット8は、具体的にはCPU(中央演算装置)およびメモリによって構成されている。このモータ制御ユニット8は、走行モードによってゲインを切り換えるゲイン切換部14と、このゲイン切換部14で切り換えられたゲインでモータ2を制御するフィードバック処理部15と、電力の検出値を選択する電力検出値選択部16とを内蔵している。 【0028】モータ制御ユニット8には、前記エンジン制御ユニット9からの3本の出力が入力されている。ゲイン切換部14には、前記走行モード判別部11からの出力が入力されている。フィードバック処理部15には、前記走行モード記憶部12および目標電力算出部13からの出力が入力されている。電力検出値選択部16には、前記走行モード判別部11からの出力が入力されている。 【0029】ゲイン切換部14の出力は、フィードバック処理部15に入力されている。フィードバック処理部15の出力は、モータ制御ユニット8の外部に出力されている。電力検出値選択部16は、前記第1の電力検出手段6および第2の電力検出手段7からの出力を入力し、この電力検出値選択部16からの出力は、フィードバック処理部15に入力されている。 【0030】ゲイン切換部14は、前記走行モード判別部11から送られた自動車の走行モードに関する情報に基づいて、モータ2を制御するフィードバック系のゲインを切り換え、切り換えられたゲインに関する情報をフィードバック処理部15へ送る。フィードバック処理部15は、ゲイン切換部14から送られたゲインに関する情報に基づいたゲインで前記パワードライブユニット3を制御し、このパワードライブユニット3は、モータ2へ送る電力またはモータ2から取り出す電力の量を制御する。電力検出値選択部16は、前記走行モード判別部11から送られた自動車の走行モードに関する情報に基づいて、前記第1の電力検出手段6からの出力または第2の電力検出手段7からの出力のうちのいずれかを選択し、選択した出力をフィードバック処理部15へ送る。 【0031】図2は、本発明の一実施形態である、ハイブリッド自動車の一種であるパラレルハイブリッド自動車の制御システムを示すブロック図である。この図において、符号10は燃料を燃焼することによって作動するエンジンであり、符号2はエンジンと併用して用いられる、電気エネルギーで作動するモータである。エンジン10およびモータ2の両方の駆動力は、オートマチックトランスミッションあるいはマニュアルトランスミッションより成るトランスミッション(図示せず)を介して駆動輪(図示せず)に伝達される。また、ハイブリッド自動車の減速時には、駆動輪からモータ2に回転が伝達され、モータ2は発電機として機能し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。 【0032】符号1は、自動車をモータ2の駆動力で走行させるときにモータ2に電力を供給すると共に、自動車を減速させるとき等にモータ2を発電機として機能させ、発電によって得られた電気エネルギーを充電するメインバッテリである。このメインバッテリ1は、複数のセルを直列に接続して1つのモジュールとし、このモジュールをさらに複数直列に接続して高圧電圧(150V)を出力するように構成されている。メインバッテリ1を構成する各モジュールには温度センサ17が取り付けられている。また、これらのモジュールはバッテリボックスに収納されており、このバッテリボックスにはモジュールを空冷によって冷却するための吸気口と排気口が設けられ、さらに排気口には冷却ファン18が設けられている。バッテリボックスの吸気口は車内の空気を取り入れることができる位置に設けられ、排気口は冷却ファン18によって排気される空気を車外に排出することができる位置に設けられている。 【0033】符号9はエンジン制御ユニットであり、このエンジン制御ユニット9は、エンジン回転数Ne、車速、アクセルペダル踏込量Ap等を所定期間毎にモニタしており、これらのモニタ結果から、このエンジン制御ユニット9に内蔵された走行モード判別部11が自動車の走行モードを判別する。走行モードには、自動車が加速しているアシストモード、自動車が減速している減速モード、自動車が一定の速度で走行しているクルーズモード、自動車は停車しているがエンジンはかかっているアイドリングの状態であるアイドルモードの4種類がある。 【0034】また、エンジン制御ユニット9は、走行モードに関する情報をモータ制御ユニット8に送出する。モータ制御ユニット8は、走行モードに関する情報をエンジン制御ユニット9から受け取ると、この情報に従って、内蔵されたゲイン切換部14がゲインを切り換え、切り換えられたゲインでフィードバック処理部15がパワードライブユニット3を制御し、パワードライブユニット3はモータ2へ送る電力またはモータ2から取り出す電力の量を制御する。 【0035】符号19はバッテリ制御ユニットであり、メインバッテリ1の残容量SOCを算出する。また、バッテリ制御ユニット19は、メインバッテリ1の保護のために、メインバッテリ1の温度が所定値以下となるようにメインバッテリ1を収納するバッテリボックスに設置された冷却ファン18の制御も行う。 【0036】なお、エンジン制御ユニット9、モータ制御ユニット8、バッテリ制御ユニット19は、CPU(中央演算装置)およびメモリにより構成され、各制御ユニットの機能を実現するためのプログラムを実行することによりその機能を実現させる。 【0037】符号3はパワードライブユニットであり、スイッチング素子が2つ直列接続されたものが3つ並列接続された構成となっている。このパワードライブユニット3内部のスイッチング素子は、モータ制御ユニット8に内蔵されたフィードバック処理部15によってオン、オフされ、これによりメインバッテリ1からパワードライブユニット3に供給されている直流電流を三相交流電流に変換し、変換した三相交流電流を三相線3u、3v、3wを介してモータ2に供給する。 【0038】符号20は各種の電装品5を駆動するための12Vバッテリであり、この12Vバッテリ20は、DC−DCコンバータ4を介して、メインバッテリ1とパワードライブユニット3とをつなぐラインに接続されている。DC−DCコンバータ4は、メインバッテリ1からの電圧(150V)を降圧して12Vとし、この電圧を電装品5または12Vバッテリ20に供給する。 【0039】符号21はプリチャージコンタクタ、符号22はメインコンタクタであり、メインバッテリ1とパワードライブユニット3は、これらのコンタクタを介して接続される。プリチャージコンタクタ21およびメインコンタクタ22はモータ制御ユニット8によってオン、オフされる。なお、符号23は、プリチャージ時すなわちプリチャージコンタクタ21がオンされたときのメインバッテリ1へのプリチャージ電流を制限するための抵抗である。 【0040】符号24はモータ2の回転数を検出する回転センサであり、符号25u、25v、25wは、三相線3u、3v、3wに流れる電流を検出する電流センサである。回転センサ24による検出値および電流センサ25u、25v、25wによる検出値は、モータ制御ユニット8に入力される。 【0041】符号6aは、メインバッテリ1の端子1aとパワードライブユニット3の端子3aとを結ぶラインの、メインバッテリ1の端子1aに最も近い位置に設けられた電圧センサであり、符号6bはメインバッテリ1の端子1aに最も近い位置に設けられた電流センサである。すなわち、電圧センサ6aはメインバッテリ1の端子1aの電圧を検出し、電流センサ6bはメインバッテリ1の端子1aを流れる電流を検出する。これらの二つのセンサ、すなわち電圧センサ6aおよび電流センサ6bによって第1の電力検出手段7が構成されている。電圧センサ7aおよび電流センサ7bによって検出された電圧値および電流値は、モータ制御ユニット8とバッテリ制御装置19との両方に入力される。 【0042】符号7aは、パワードライブユニット3の端子3aとメインバッテリ1の端子1aとを結ぶラインの、パワードライブユニット3の端子3aに最も近い位置に設けられた電圧センサであり、符号7bはパワードライブユニット3の端子3aに最も近い位置に設けられた電流センサである。すなわち、電圧センサ7aはパワードライブユニット3の端子3aの電圧を検出し、電流センサ7bはパワードライブユニット3の端子3aを流れる電流を検出する。これらの二つのセンサ、すなわち電圧センサ7aおよび電流センサ7bによって第2の電力検出手段7が構成されている。電圧センサ7aおよび電流センサ7bによって検出された電圧値および電流値は、モータ制御ユニット8に入力される。 【0043】メインバッテリ1の端子1aとパワードライブユニット3の端子3aとを結ぶラインの、電流センサ6bと電流センサ7bとの間にDC−DCコンバータ4が接続されているので、電流センサ7bで検出される電流は、電流センサ6bで検出される電流と、DC−DCコンバータ4を流れる電流との和となる。 【0044】次に、上述した構成から成るハイブリッド自動車の制御システムの動作を簡単に説明する。先ず、バッテリ制御ユニット19が、メインバッテリ1の端子1aにおける電流、電圧よりメインバッテリ1の残容量SOCを算出し、算出した値をモータ制御ユニット8へ送る。モータ制御ユニット8は、受け取った残容量SOCをエンジン制御ユニット9へ送る。 【0045】エンジン制御ユニット9に内蔵された目標電力算出部13は、残容量SOC、アクセルペダル踏込量Ap、エンジン回転数Ne、車速、吸気管負圧Pb、ブレーキのオン、オフ等から目標電力を算出する。また、走行モード判別部11は、エンジン回転数Neまたは車速と、アクセルペダル踏込量Apとから自動車の走行モード(アシストモード、減速モード、クルーズモード、アイドルモード)を判別する。 【0046】モータ制御ユニット8に内蔵されたフィードバック処理部15は、目標電力に基づいてモータ2に必要な電力を算出する。また、モータ制御ユニット8は、エンジン制御ユニット9から走行モードに関する情報を受け取ると、受け取った走行モードに応じた動作を行う。すなわち、走行モードがアシストモードまたは減速モードのときには、パワードライブユニット3の端子3aでの電力、すなわち第2の電力検出手段7で検出される電力が、前記目標電力になるようにフィードバック制御が行われる。一方、走行モードがクルーズモードまたはアイドルモードのときには、メインバッテリ1の端子1aでの電力、すなわち第1の電力検出手段6で検出される電力が、前記目標電力になるようにフィードバック制御が行われる。また、モータ制御ユニット8は、エンジン10の始動時に、パワードライブユニット3を制御してモータ2によるエンジン1の始動制御を行う。 【0047】エンジン制御ユニット9、モータ制御ユニット8、バッテリ制御ユニット19は、上述した処理を所定のタイミングで行うことにより、エンジン10、モータ2、メインバッテリ1の制御を行い、ハイブリッド自動車を制御する。 【0048】次に、図3のフローチャートを参照し、フィードバック処理部15で用いられるゲインの設定と、フィードバック処理部15がパワードライブユニット3へ送る指示電力Pcmdの算出とのフローを説明する。パワードライブユニット3は、送られた指示電力Pcmdに従って、指示された電力をモータ2へ供給するか、あるいはモータ2から取り出す。なお、以下の文中におけるS1等の符号はフローチャート中のステップを表している。 【0049】まず、ステップS1で走行モード判別部11が所定のパラメータから走行モードの判別を行い、走行モードがアシストモードあるいは減速モードのときにはステップS21へ進み、走行モードがクルーズモードあるいはアイドルモードのときにはステップS22へ進む。 【0050】ステップS21では、電力検出値選択部16が第2の電力検出手段7からの検出値を選択し、選択した検出値をフィードバック処理部15へ送る。すなわち、走行モードがアシストモードまたは減速モードのときには、電力検出手段として、パワードライブユニット3の端子3aに近い第2の電力検出手段7が選択される。その後、フローチャート上ではステップS31へ進む。 【0051】また、ステップS22では、電力検出値選択部16が第1の電力検出手段6からの検出値を選択し、選択した検出値をフィードバック処理部15へ送る。すなわち、走行モードがクルーズモードまたはアイドルモードのときには、電力検出手段として、メインバッテリ1の端子1aに近い第1の電力検出手段6が選択される。その後、フローチャート上ではステップS32へ進む。 【0052】ステップS31では、再度走行モード判別部11が走行モードの判別を行い、走行モードが減速モードのときにはステップS411へ進み、走行モードがアシストモードのときにはステップS412へ進む。 【0053】また、ステップS32でも、走行モード判別部11が走行モードの判別を行い、走行モードがクルーズモードのときにはステップS421へ進み、走行モードがアイドリングモードのときにはステップS422へ進む。 【0054】ステップS411では、フィードバック処理部15が前回の走行モードを判別する。すなわち、走行モード記憶部12は、この走行モード記憶部12内部に記憶されていた前回の走行モードに関する情報をフィードバック処理部15へ送り、フィードバック処理部15は送られた情報から前回の走行モードを判別する。判別の結果、前回の走行モードがアシストモードまたはアイドルモードであればステップS511へ進み、これ以外のモードであればステップS511を跳ばしてステップS611へ進む。 【0055】ステップS511では、フィードバック処理部15が、指示電力Pcmdのゼロクリア、すなわちパワードライブユニット3への指示電力Pcmdを0にする処理を行い、その後ステップS611へ進む。 【0056】ステップS611では、フィードバック処理部15がゲイン切換部14からのゲインに関する情報を入力し、入力した情報に基づいてフィードバック処理部15内部で使用するゲインをゲイン1(Kp1、Ki1)に設定する。すなわち、この場合には、ステップS1、S31で走行モードが減速モードであることが走行モード判別部11で判別されているので、この判別結果がゲイン切換部14に送られる。ゲイン切換部14は、走行モードの判別結果(減速モード)に基づいて、ゲインをこの減速モードに応じたゲイン1(Kp1、Ki1)に切り換える。さらに、ゲイン切換部14は、切り換えたゲインをフィードバック処理部15へ送り、フィードバック処理部15は、自身の内部に送られたゲインを設定する。その後、フローチャート上ではステップS7へ進む。 【0057】ステップS412では、フィードバック処理部15が前回の走行モードを判別する。すなわち、走行モード記憶部12は、この走行モード記憶部12内部に記憶されていた前回の走行モードに関する情報をフィードバック処理部15へ送り、フィードバック処理部15は送られた情報から前回の走行モードを判別する。判別の結果、前回の走行モードが減速モード、クルーズモードまたはアイドルモードであればステップS512へ進み、これ以外のモードであればステップS512を跳ばしてステップS612へ進む。 【0058】ステップS512では、フィードバック処理部15が、指示電力Pcmdのゼロクリア、すなわちパワードライブユニット3への指示電力Pcmdを0にする処理を行い、その後ステップS612へ進む。 【0059】ステップS612では、フィードバック処理部15がゲイン切換部14からのゲインに関する情報を入力し、入力した情報に基づいてフィードバック処理部15内部で使用するゲインをゲイン2(Kp2、Ki2)に設定する。すなわち、この場合には、ステップS1、S31で走行モードがアシストモードであることが走行モード判別部11で判別されているので、この判別結果がゲイン切換部14に送られる。ゲイン切換部14は、走行モードの判別結果(アシストモード)に基づいて、ゲインをこのアシストモードに応じたゲイン2(Kp2、Ki2)に切り換える。さらに、ゲイン切換部14は、切り換えたゲインをフィードバック処理部15へ送り、フィードバック処理部15は、自身の内部に送られたゲインを設定する。その後、フローチャート上ではステップS7へ進む。 【0060】ステップS421では、フィードバック処理部15が前回の走行モードを判別する。すなわち、走行モード記憶部12は、この走行モード記憶部12内部に記憶されていた前回の走行モードに関する情報をフィードバック処理部15へ送り、フィードバック処理部15は送られた情報から前回の走行モードを判別する。判別の結果、前回の走行モードがアシストモードまたはアイドルモードであればステップS521へ進み、これ以外のモードであればステップS521を跳ばしてステップS621へ進む。 【0061】ステップS521では、フィードバック処理部15が、指示電力Pcmdのゼロクリア、すなわちパワードライブユニット3への指示電力Pcmdを0にする処理を行い、その後ステップS621へ進む。 【0062】ステップS621では、フィードバック処理部15がゲイン切換部14からのゲインに関する情報を入力し、入力した情報に基づいてフィードバック処理部15内部で使用するゲインをゲイン3(Kp3、Ki3)に設定する。すなわち、この場合には、ステップS1、S32で走行モードがクルーズモードであることが走行モード判別部11で判別されているので、この判別結果がゲイン切換部14に送られる。ゲイン切換部14は、走行モードの判別結果(クルーズモード)に基づいて、ゲインをこのクルーズモードに応じたゲイン3(Kp3、Ki3)に切り換える。さらに、ゲイン切換部14は、切り換えたゲインをフィードバック処理部15へ送り、フィードバック処理部15は、自身の内部に送られたゲインを設定する。その後、フローチャート上ではステップS7へ進む。 【0063】ステップS422では、フィードバック処理部15が前回の走行モードを判別する。すなわち、走行モード記憶部12は、この走行モード記憶部12内部に記憶されていた前回の走行モードに関する情報をフィードバック処理部15へ送り、フィードバック処理部15は送られた情報から前回の走行モードを判別する。判別の結果、前回の走行モードがアシストモード、減速モードまたはクルーズモードであればステップS522へ進み、これ以外のモードであればステップS522を跳ばしてステップS622へ進む。 【0064】ステップS522では、フィードバック処理部15が、指示電力Pcmdのゼロクリア、すなわちパワードライブユニット3への指示電力Pcmdを0にする処理を行い、その後ステップS622へ進む。 【0065】ステップS622では、フィードバック処理部15がゲイン切換部14からのゲインに関する情報を入力し、入力した情報に基づいてフィードバック処理部15内部で使用するゲインをゲイン4(Kp4、Ki4)に設定する。すなわち、この場合には、ステップS1、S32で走行モードがアイドルモードであることが走行モード判別部11で判別されているので、この判別結果がゲイン切換部14に送られる。ゲイン切換部14は、走行モードの判別結果(アイドルモード)に基づいて、ゲインをこのアイドルモードに応じたゲイン4(Kp4、Ki4)に切り換える。さらに、ゲイン切換部14は、切り換えたゲインをフィードバック処理部15へ送り、フィードバック処理部15は、自身の内部に送られたゲインを設定する。その後、フローチャート上ではステップS7へ進む。 【0066】ステップS7では、フィードバック処理部15が、パワードライブユニット3へ送るための指示電力Pcmdを算出する。このステップS7での動作については、後に詳細に述べる。以上がゲイン設定および指示電力算出のフローである。 【0067】図4は、上記フローのステップS1、S31、S32における走行モード判定方法を説明するための概念図である。この図における横軸はエンジン回転数Neまたは車速、縦軸はアクセルペダル踏込量Apである。 【0068】走行モード判別部11に、エンジン回転数Neあるいは車速と、アクセルペダル踏込量Apとが入力される。走行モード判別部11は、エンジン回転数Neあるいは車速が低く、アクセルペダル踏込量Apが大きい場合には、走行モードがアシストモードであると判定し、エンジン回転数Neあるいは車速が高く、アクセルペダル踏込量Apが小さい場合には、走行モードが減速モードであると判定する。また、これらの中間の領域であれば、走行モードがクルーズモードであると判定する。また、エンジン回転数Neあるいは車速と、アクセル開度Apとの両方が小さい場合には、走行モードがアイドルモードであると判定する。 【0069】図5は、上記フローのステップS511、S512、S521、S522における、走行モード切り換え時の指示電力Pcmdのゼロクリアを説明するための状態遷移図である。この図における横軸は時間、縦軸はモータ2へ供給される電力の量またはモータ2から取り出される電力の量を表している。図中の破線から上側では、モータ2へ電力が供給され、モータ2が駆動されている。図中の破線から下側では、モータ2から電力が取り出され、モータ2は発電機として作動している。 【0070】図5(a)は、走行モードがアシストモードから他のモード、すなわちアイドルモード、クルーズモードあるいは減速モードへ移行する場合を示しており、図5(b)は、その逆に、走行モードがアイドルモード、クルーズモードあるいは減速モードからアシストモードへ移行する場合を示している。アシストモードでは、モータ2によってエンジン10をアシストするので、モータ2へ電力が供給される。これに対し、アイドルモード、クルーズモードあるいは減速モードでは、モータ2から電力が取り出される。従って、アシストモードからその他のモードへ移行する場合、およびその逆に、その他のモードからアシストモードへ移行する場合には、必然的にモータ2へ供給する電力を0とする点を通過する。そこで、この切り換えを速くするために、指示電力Pcmdの切り換えに先だって、指示電力Pcmdのゼロクリアを行う。 【0071】図5(c)は、走行モードがアイドルモードからその他のモード、すなわちクルーズモードあるいは減速モードへ移行する場合を示しており、図5(d)は、その逆に、走行モードがクルーズモードあるいは減速モードからアイドルモードへ移行する場合を示している。アイドルモードにおいては、モータ2による回生量(モータ2から取り出される電力の量)が増大し、エンジン10への負荷が増大すると、エンストの可能性がある。従って、アイドルモードからの切り換えまたはアイドルモードへの切り換えにおいては、モータ2への指示電力Pcmdの符号が反転しなくても、指示電力Pcmdのゼロクリアを行う。なお、モータ2への指示電力Pcmdの符号の反転とは、例えば、モータ2から電力を取り出している状態から、モータ2へ電力を供給する状態への移行を意味する。 【0072】図5(e)および(f)は、上記図5(a)〜(d)以外の場合を示している。図5(e)は、減速モードからクルーズモードへ移行する場合を示しており、図5(f)は、その逆に、クルーズモードから減速モードへ移行する場合を示している。これらの場合には、指示電力Pcmdのゼロクリアは必要ないので行われない。 【0073】図6は、前記指示電力Pcmd算出のステップ(図3のステップS7)の詳細な動作を示したフローチャートである。なお、以下の説明におけるS71等の符号は、このフローチャート中のステップを表している。 【0074】まず、ステップS71で、目標電力算出部13が目標電力を出力し、フィードバック処理部15は、出力された目標電力を入力し、目標電力を取得する。このとき、目標電力算出部13は、走行モードがアシストモードあるいは減速モードであれば、モータ2に供給するか、あるいはモータ2から取り出す電力の目標値を出力し、走行モードがクルーズモードあるいはアイドルモードであれば、バッテリ1から取り出すか、あるいはバッテリ1へ戻す電力の目標値を出力する。 【0075】次に、ステップS72で、電力検出値選択部16は、走行モードに応じて、第1の電力検出手段6または第2の電力検出手段7からの検出値(実電力)のうちのいずれかを選択し、選択した検出値をフィードバック処理部15へ送る。すなわち、走行モードがクルーズモードあるいはアイドルモードであれは、第1の電力検出手段6からの検出値が選択され、走行モードがアシストモードあるいは減速モードであれば、第2の電力検出手段7からの検出値が選択される。 【0076】次に、ステップS73で、フィードバック処理部15は、送られた検出値(実電力)と目標電力との差をとり、その結果を偏差として保持する。 【0077】次に、ステップS74で、フィードバック処理部15は、前記偏差にPゲインKpをかけ、その結果をPとして保持し、前記偏差にIゲインKiをかけ、その結果にIn−1を加え、その結果をInとして保持する。なお、前記Pは比例項であり、前記Inは積分項である。また、In−1は、Inの一回前の積分項である。 【0078】最後に、ステップS75で、フィードバック処理部15は、前記PとInとの和をとり、この和を指示電力Pcmdとし、この指示電力Pcmdをパワードライブユニット3へ送る。 【0079】なお、上記ステップS74およびS75において、積分項Inを用いずに、比例項Pのみから指示電力Pcmdを算出することも可能である。 【0080】図7は、上記フローのステップS71での目標電力の算出方法を説明するための図である。図7(a)および(b)は、走行モードがアシストモードのときの目標電力の算出方法を示した図であり、図7(c)は、走行モードが減速モードのときの目標電力の算出方法を示した図であり、図7(d)は、走行モードがクルーズモードのときの目標電力の算出方法を示した図である。 【0081】図7(a)の横軸はエンジン回転数Neまたは車速であり、縦軸は吸気管負圧Pbである。図7(b)の横軸はアクセルペダル踏込量Apであり、縦軸は走行モードがアシストモードのときの目標電力である。図7(c)の横軸はエンジン回転数Neまたは車速であり、縦軸は走行モードが減速モードのときの目標電力である。図7(d)の横軸はエンジン回転数Neまたは車速であり、縦軸は走行モードがクルーズモードのときの目標電力である。 【0082】走行モードがアシストモードのときには、まず、図7(a)に示すように、目標電力算出部13は、エンジン回転数Neあるいは車速と、吸気管負圧Pbとから、モータアシストを行うか否かを決定する。エンジン回転数Neあるいは車速と、吸気管負圧Pbとが、この図の左上の領域Aにある場合、すなわちエンジン回転数Neあるいは車速が低く、吸気管負圧Pbが高い場合には、モータアシストを行う。逆に、エンジン回転数Neあるいは車速と、吸気管負圧Pbとが、この図の右下の領域Bにある場合、すなわちエンジン回転数Neあるいは車速が高く、吸気管負圧PBが低い場合には、モータアシストを行わない。 【0083】次に、図7(b)に示す関係によって、目標電力算出部13は、アクセルペダル踏込量Apからアシストモードでの目標電力を算出する。すなわち、アクセルペダル踏込量Apが大きければ、目標電力も大きくなる。なお、このモードでの目標電力は、モータ2へ供給される電力すなわちモータ2を駆動する電力の目標値である。 【0084】走行モードが減速モードのときには、図7(c)に示す関係によって、目標電力算出部13は、エンジン回転数Neあるいは車速から目標電力を算出する。すなわち、エンジン回転数Neあるいは車速が高ければ、目標電力は大きくなる。このとき、ブレーキがオンであるかオフであるかが考慮され、ブレーキがオンであれば、ブレーキがオフである場合より目標電力は大きくなる。なお、このモードでの目標電力は、モータ2から取り出される電力すなわち回生電力の目標値である。 【0085】走行モードがクルーズモードのときには、図7(d)に示す関係によって、目標電力算出部13は、エンジン回転数Neあるいは車速から目標電力を算出する。すなわち、エンジン回転数Neあるいは車速が高ければ、目標電力は大きくなる。なお、このモードでの目標電力は、モータ2から取り出される電力すなわち回生電力の目標値である。 【0086】図8は、各走行モードと、各走行モードで設定されるゲイン、すなわちPゲインKpおよびIゲインKiとの関係を示した表である。これらのゲインは、前述した図3のステップS611、S612、S621、S622で設定されるゲインである。図8に示した表におけるゲインの大小関係は、Kp1>Kp2>Kp3>Kp4、Ki1>Ki2>Ki3>Ki4である。 【0087】なお、上記実施形態は、自動車の走行モードに応じて電力を検出する位置を選択する手段と、自動車の走行モードに応じてモータ制御のフィードバック系のゲインを切り換える手段とを兼ね備えているが、本発明はこの構成に限られることはなく、どちらか一方のみを備える構成であってもよい。 【0088】すなわち、メインバッテリ1に出し入れする電力を検出する第1の電力検出手段6、モータ2に出し入れする電力を検出する第2の電力検出手段7、これらの検出手段のうちのいずれかの検出値を選択する電力検出値選択部16を備え、ゲインを切り換えるゲイン切換部14を備えていない構成であっても、走行モードに応じて電力を検出する位置が変わるので、走行モードがアシストモードまたは減速モードのときには、モータ2に出し入れする電力を制御し、ドライバーの加減速の指示に対して迅速に応答し、走行モードがアイドルモードまたはクルーズモードのときには、メインバッテリ1に出し入れする電力を制御し、エネルギーマネージメントにおける収支を合わせることができるという効果が得られる。 【0089】逆に、ゲインを切り換えるゲイン切換部14を備え、第1の電力検出手段6、第2の電力検出手段7、電力検出値選択部16を備えず、一つの電力検出手段のみを備える構成であっても、走行モードに応じてモータ制御のフィードバック系のゲインが変わるので、走行モードがアシストモードまたは減速モードのときには、ゲインを上げることによって、ドライバーの加減速の指示に対して迅速に応答し、走行モードがアイドルモードのときには、ゲインを下げることによって、モータ2によるエンジン10への負荷の変動を小さくし、電装品5がオン、オフされた場合にもエンストを防止することができ、また走行モードがクルーズモードのときには、同様にゲインを下げることによって、モータ2によるエンジン10への負荷の変動を小さくし、電装品5がオン、オフされた場合にも車体挙動の変化を防止することができるという効果が得られる。 【0090】 【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、ドライバーの加減速の指示に対しては迅速に応答しながら、アイドリング時あるいはクルーズ時には、エネルギーマネージメントにおける収支を合わせることができるハイブリッド自動車のモータ制御装置を提供することができる。 【0091】請求項2に記載の発明によれば、ドライバーの加減速の指示に対しては迅速に応答しながら、アイドリング時に電装品がオン、オフされた場合にもエンストを防止することができ、またクルーズ時に電装品がオン、オフされた場合にも車体挙動の変化を防止することができるハイブリッド自動車のモータ制御装置を提供することができる。 【0092】請求項3に記載の発明によれば、ドライバーの加減速の指示に対しては迅速に応答しながら、アイドリング時あるいはクルーズ時には、エネルギーマネージメントにおける収支を合わせることができ、かつ、アイドリング時に電装品がオン、オフされた場合にもエンストを防止することができ、またクルーズ時に電装品がオン、オフされた場合にも車体挙動の変化を防止することができるハイブリッド自動車のモータ制御装置を提供することができる。 【0093】請求項4に記載の発明によれば、自動車の走行モードがクルーズモードまたはアイドルモードのときには、第1の電力検出手段による検出値が選択され、バッテリに充電される電力が検出され、この検出に基づいた制御が行われるので、エネルギーマネージメントにおける収支を合わせることができる。また、自動車の走行モードがアシストモードまたは減速モードのときには、第2の電力検出手段による検出値が選択され、モータに供給される電力またはこのモータから取り出される電力が検出され、この検出に基づいた制御が行われるので、ドライバーの加減速の指示に対して迅速に応答することができる。 【0094】請求項5に記載の発明によれば、自動車の走行モードがクルーズモードまたはアイドルモードのときのゲインが、自動車の走行モードがアシストモードまたは減速モードのときのゲインより小さいので、自動車の走行モードがクルーズモードまたはアイドルモードのときには、電装品がオン、オフされた場合にも、ゲインによって規定されるモータトルクの変化率が小さいので、エンジンの負荷変動も小さい。従って、アイドルモードのときにはエンストを防止することができ、クルーズモードのときには車体挙動の変化を防止することができる。また、自動車の走行モードがアシストモードまたは減速モードのときには、ゲインによって規定されるモータトルクの変化率が大きいので、ドライバーの加減速の指示に対して迅速に応答することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月4日(1999.10.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−112108(P2001−112108A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−283579 |
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