| 【発明の名称】 |
非接触給電システム |
| 【発明者】 |
【氏名】高三 正己
【氏名】鈴木 和宏
【氏名】渡辺 勲
【氏名】森田 勝幸
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| 【要約】 |
【課題】床に埋め込まれた給電線から移動体へ非接触で効率よくエネルギーを供給できる給電システムを提供する。
【解決手段】床10には、移動体1をガイドするためのガイド溝11が形成されている。ガイド溝11を挟むようにして給電線12が埋め込まれている。給電線12は、交流電源に接続されている。移動体1の底面に、給電線12から非接触でエネルギーを受け取るためのコア21およびコイル23が設けられている。コア21は、E型形状である。突起22dは、突起22bおよび22cよりも長く、その先端がガイド溝11に挿入される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 給電線から移動体へ非接触でエネルギーを供給する非接触給電システムであって、移動体をガイドするためのガイド溝が形成され、そのガイド溝を挟むように給電線が設けられた床と、上記給電線に対向する位置にその給電線からエネルギーを受け取るための受電装置が設けられた移動体と、を有する非接触給電システム。 【請求項2】 請求項1に記載の非接触給電システムであって、上記移動体は、上記ガイド溝に挿入された状態で使用されるガイドローラを備える。 【請求項3】 請求項1に記載の非接触給電システムであって、上記受電装置は、コイルが巻き付けられている第1の突起、およびその第1の突起を挟むように形成された第2および第3の突起を有するE型形状のコアを備え、上記第1の突起は上記第2および第3の突起よりも長く、上記コアは、上記第1の突起の先端部が上記ガイド溝に挿入されるように上記移動体に取り付けられる。 【請求項4】 請求項1に記載の非接触給電システムであって、上記給電線が設けられている位置よりも深い位置に給電線に沿って磁性体が埋め込まれている。 【請求項5】 請求項1に記載の非接触給電システムであって、上記床は、複数の床ユニットから構成されており、互いに隣接する床ユニットに設けられている給電線の各先端部は、コネクタまたは端子により互いに接続される。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、移動体が給電線から非接触で得るエネルギーを使用して走行するシステムに係わる。 【0002】 【従来の技術】レールに沿って敷設された給電線から移動体に非接触でエネルギー(電力)を供給することにより、その移動体をそのレールに沿って走行させるシステム(以下、「非接触給電システム」と呼ぶ)は、従来からよく知られている。非接触給電システムは、たとえば、工場内で部品や製造物を搬送するために利用されている。 【0003】給電線には、通常、高周波の交流が与えられている。そして、非接触給電システムで使用される移動体は、通常、その給電線からエネルギーを得て負荷に供給するための電源回路を備える。電源回路は、たとえば、図7(a) に示すようなE型形状のコア101を備える。 【0004】給電線102aおよび102bは、図7(b) に示すように、支持部材103により案内レール104に取り付けられている。また、給電線102aおよび102bには、互いに反対方向に電流が流れており、それぞれコア101の窪み部に収容される。なお、給電線102aおよび102bは、不図示の交流電源に接続された1本の給電線102の往路部および復路部である。 【0005】給電線102aおよび102bに電流が流れると、それぞれその周辺に磁束が発生する。従って、給電線102aおよび102bに交流を与えると、コイル105を通過する磁束がその交流の周波数に従って変化する。このとき、コイル105には、通過する磁束の変化に伴って起電力が発生する。そして、このコイル105からの出力電圧は、整流された後に負荷106に供給される。ここで、負荷106は、移動体を走行させるためのモータ、およびそのモータを制御するための制御回路を含む。 【0006】このように、非接触給電システムでは、給電線から移動体に非接触でエネルギーが供給され、移動体は、そのエネルギーを使用して走行する。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上述のような非接触給電システムにおいては、一般に、給電線を敷設するためのレール(図7では、案内レール104)が設けられる。ところが、この種のレールは、通常、床から所定の高さの位置に設けられるので、人や手押し台車などがそのレールを横切ろうとしたときに不便さを感じていた。 【0008】このため、給電線を床に埋め込むことにより、給電線を敷設するためのレールを不要としたシステムが考案されてきている。ただし、給電線が床に埋め込まれたシステムでは、エネルギー(電力)を取り出す際の効率が低くなるという問題が指摘されている。 【0009】本発明は、上記問題を解決するものであり、その課題は、床に埋め込まれた給電線から移動体へ非接触で効率よくエネルギーを供給できる給電システムを提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の非接触給電システムは、給電線から移動体へ非接触でエネルギーを供給する構成を前提とし、移動体をガイドするためのガイド溝が形成され且つそのガイド溝を挟むように給電線が設けられた床と、上記給電線に対向する位置にその給電線からエネルギーを受け取るための受電装置が設けられた移動体とを有する。 【0011】上記構成において、給電線の位置は、ガイド溝を基準に正確に決めることができる。一方、移動体はガイド溝にガイドされながら走行するので、移動体に取り付けられる受電装置の位置は、ガイド溝に対して固定的に定まる。従って、給電線に対して受電装置の相対位置を最適にすることが容易である。この結果、給電線から移動体へのエネルギー供給の効率の低下が抑えられる。 【0012】本発明の非接触給電システムにおいて、上記受電装置が、コイルが巻き付けられている第1の突起、およびその第1の突起を挟むように形成された第2および第3の突起を有するE型形状のコアを備え、上記第1の突起は上記第2および第3の突起よりも長く、上記コアは、上記第1の突起の先端部が上記ガイド溝に挿入されるように上記移動体に取り付けられるような構成を導入してもよい。 【0013】この構成によれば、給電線の周りに形成される磁束ループが磁性体を通過する割合が多くなるので、磁束の漏れが減少し、このことによっても効率の低下が抑えられる。 【0014】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態の非接触給電システムを示す図である。なお、図1では、給電線から供給される電力を使用して走行する移動体、およびその移動体が走行する床の一部が示されている。 【0015】移動体1が走行する床10には、その移動体1をガイドするためのガイド溝11が形成されている。ガイド溝11は、一定の深さであり、曲線部を除いて一定の幅である。また、床10には、ガイド溝11を挟むようにして給電線12(12a、12b)が埋め込まれている。給電線12は、ガイド溝11に対して所定の位置に設けられる。また、給電線12aおよび12bは、図7を参照しながら説明した給電線と同じように、不図示の交流電源に接続された1本の給電線12の往路部および復路部である。したがって、給電線12aおよび12bには、常に、互いに反対方向の電流が流れることになる。 【0016】移動体1は、例えば、工場内で部品や製造物を搬送する台車であり、床10の表面を走行する。タイヤ2は、床10の表面に接しており、不図示のモータにより駆動される。ガイドローラ3は、ガイド溝11に挿入されており、移動体1の走行経路を決定する。従って、移動体1は、ガイド溝11に沿って走行することになる。なお、図1においては描かれていないが、移動体1は、その底面に、給電線12から非接触でエネルギーを受け取るための受電装置を備える。 【0017】図2は、移動体1が備える受電装置および床10の断面を示す図である。ここでは、受電装置として、その要部であるコアおよびコイルのみを示している。コア21は、磁性体であり、3つの突起(22a〜22c)を有するE型形状に作成されている。中央部に設けられる突起22aには、コイル23が巻かれている。そして、コア21は、移動体がガイド溝11に沿って走行するときに、突起22aがガイド溝11に対向し、且つ、コア21の2つの窪み部がそれぞれ給電線12に対向するように移動体1の底部に取り付けられる。 【0018】上記構成において、給電線12に電流が流れると、給電線12の近傍に磁束が発生する。ここで、給電線12aおよび12bには、互いに反対方向の電流が流れるので、磁束は、あるタイミングにおいて、例えば、図2に示すような状態になる。すなわち、給電線12に電流が流れることによって発生する磁束は、コア21を通過する。したがって、給電線12に交流を与えれば、その与えられる交流と同じ周波数の交流電圧がコイル23から得られる。 【0019】なお、給電線12に電流が流れることにより発生する磁束は、図2に示すように、ガイド溝11を通過する。したがって、もし、ガイド溝11に異物(特に、導電性の磁性体)が存在したとすると、磁束がその異物を通過する際にその異物自体が発熱し、給電線12から移動体1へのエネルギー供給の効率が低下してしまう恐れがある。しかし、本実施形態のシステムでは、ガイド溝11に異物が入ったとしても、移動体1が走行する際、ガイドローラ3がその異物を除去する。このため、上述のような発熱が生じることはなく、エネルギー供給の効率の低下が抑えられる。この場合、異物を積極的に排除する機能、およびガイド溝11に異物が存在したことを検出する機能を設ければ、給電線12から移動体1への給電の信頼性が高まる。 【0020】上記構成のシステムにおいて、磁束ループに注目すると、突起22aと突起22bとの間、および突起22aと突起22cとの間にギャップ(ここで、「磁性体が存在しない領域」を意味する)が存在する。このため、「磁束の漏れ」が発生し、給電線12から移動体1へのエネルギー供給の効率が低くなる(給電容量が小さくなる)おそれがある。以下、このような効率の低下を抑えるための構成を示す。 【0021】図3は、本実施形態のシステムの第1の変形例を示す図である。第1の変形例のシステムでは、給電線12が設けられている位置よりも深い位置に磁性体31が給電線12に沿って埋め込まれている。このため、給電線12に電流が流れることにより発生する磁束は、突起22aと突起22bとの間、または突起22aと突起22cとの間の領域において、磁性体31を通過する。この結果、「磁束の漏れ」が減少し、給電線12から移動体1へのエネルギー供給の効率の低下が抑えられる。 【0022】図4は、本実施形態のシステムの第2の変形例を示す図である。第2の変形例のシステムでは、コア21の中央部の突起22dが、両端の突起22bおよび22cよりも長く形成されている。具体的には、突起22dは、コア21が移動体1の底部に取り付けられたときに、その先端部がガイド溝11に挿入されるような長さに形成される。これにより、突起22aと突起22bとの間、および突起22aと突起22cとの間のギャップが小さくなり、「磁束の漏れ」が減少するので、エネルギー供給の効率の低下が抑えられる。 【0023】なお、図3に示す方法と図4に示す方法とを組み合わせてもよい。すなわち、移動体1に図4に示すコア21を取り付けると共に、床10に磁性体31を埋め込んでもよい。 【0024】また、上記実施形態では、移動体1をガイドするためのガイド溝11を挟むように給電線12が設けられるので、給電線12の位置をガイド溝11を基準に決めることが出来る。一方、移動体1は、ガイド溝11にガイドされながら走行するので、移動体1に取り付けられるコア21の位置は、ガイド溝11に対して固定的に定まる。このため、給電線12とコア21との想定的な位置関係を容易に固定することができる。 【0025】次に、床10の構造を説明する。本実施形態のシステムをクリーンルームに適用した場合には、床10は、例えば、底床(コンクリート面など)から所定の高さ位置に多数の床材を敷き詰めることにより形成される。床材は、例えば、グレーチングである。グレーチングは、基本的に正方形または長方形であり、たとえば、アルミまたはSASから形成される。なお、非接触給電システムを実現するために、多数のグレーチングを敷き詰めることにより床を構成する方法については、本願の出願人による先の出願(特開平11−166311号)に詳しく開示されている。 【0026】移動体1の走行すべき経路上に配置されるグレーチングには、ガイド溝が形成されており、且つ、給電線が設けられている。そして、それらのグレーチングが順番に並べられると、図5に示すように、各グレーチングに形成されているガイド溝および給電線が互いに接続され、ガイド溝11および給電線12が形成される。 【0027】各グレーチングに設けられている給電線を互いに接続する方法の例を図6(a)〜図6(c) に示す通りである。図6(a) 〜図6(c) では、グレーチング41aおよび41bの境界付近を示している。 【0028】図6(a) に示す例では、グレーチングの端部の近傍において、給電線の先端にコネクタが設けられる。実施例では、グレーチング41aの給電線の先端に雌コネクタ51が設けられ、グレーチング41bの給電線の先端に雄コネクタ52が設けられている。そして、これらのグレーチングが並べられる際に、これらのコネクタを互いに接続することにより、各グレーチングに設けられている給電線が互いに接続される。 【0029】図6(b) に示す例では、グレーチングに設けられる給電線の先端にそれぞれ雌コネクタ51が設けられる。そして、これらのグレーチングが互いに隣接して並べられるときに、2つの雌コネクタ51の間に中間コネクタ53が挿入される。これにより、グレーチング41aおよび41bに設けられている給電線が互いに接続される。 【0030】図6(c) に示す例では、端子54が使用される。すなわち、各グレーチングに設けられる給電線の先端は、それぞれこの端子54に接続される。これにより、互いに隣接するグレーチングの給電線が接続される。 【0031】このように、本実施形態のシステムでは、床を構成するグレーチングにそれぞれ給電線を設け、コネクタまたは端子を用いてそれらの給電線を互いに接続する構成なので、床に給電線を埋め込む作業が簡単である。また、グレーチングの配置を変更することにより、移動体の走行経路を容易に変更できる。 【0032】 【発明の効果】床に埋め込まれた給電線から移動体へ非接触で効率よくエネルギーを供給することができる。具体的には、移動体をガイドするガイド溝を挟むように給電線を設けたので、給電線に対して受電装置の位置が最適になり、給電効率の低下が抑えられる。また、受電装置のコアの一部がそのガイド溝に挿入されるようにして使用されるので、磁束の漏れが減少し、これによっても給電効率の低下が抑えられる。さらに、床を構成する床材(グレーチング)にそれぞれ給電線を設け、コネクタまたは端子を用いてそれらの給電線を互いに接続する構成なので、給電線の敷設が簡単であり、また、移動体の走行経路を容易に変更できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003218 【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機製作所
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| 【出願日】 |
平成11年10月4日(1999.10.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074099 【弁理士】 【氏名又は名称】大菅 義之
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| 【公開番号】 |
特開2001−112103(P2001−112103A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−282855 |
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