| 【発明の名称】 |
移動ロボット |
| 【発明者】 |
【氏名】肥後 徳仁
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| 【要約】 |
【課題】移動ロボットにおいて、設備の故障などで待機状態になったとき、無駄な消費電力を防止して、バッテリの消費電力を低く抑える。
【解決手段】周辺設備から異常が発生した旨の信号を受けると、その異常を発生した周辺設備が作業中の設備であるか否かを判断し、「YES」のとき、走行用およびロボット本体駆動用のサーボモータの駆動装置への電力供給を停止し、サーボモータを断電する。次に、走行制御装置、ロボット本体制御装置、走行路探索用の磁気センサ回路への電力供給を断つ。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 移動台車にロボット本体を搭載し、それら移動台車およびロボット本体の動力源をバッテリとした移動ロボットにおいて、前記移動台車の移動や前記ロボット本体の動作を停止させるべき異常の発生を検知する検知手段と、この検知手段が前記異常の発生を検知したとき、少なくとも前記移動台車の移動用および前記ロボット本体の駆動用のモータへの通電を停止する低消費電力モードを実行する制御手段とを具備してなる移動ロボット。 【請求項2】 前記異常は周辺設備の故障であり、その故障の発生を検知する検知手段は設備側から送信される信号を受信する通信手段である事を特徴とする請求項1記載の移動ロボット。 【請求項3】 前記異常は前記移動台車の移動経路中に障害物が存在することであり、その障害部の存在を検知する検知手段は障害物センサであることを特徴とする請求項1記載の移動ロボット。 【請求項4】 前記バッテリは充電可能で、この充電式バッテリの蓄電状態を検出する蓄電状態検出手段を備え、前記制御手段は、前記蓄電状態検出手段が前記バッテリの蓄電量が所定レベル以下となったとき、前記バッテリを遮断することを特徴とする請求項2記載の移動ロボット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、周辺設備が故障したときなどに、バッテリの無駄な電力消費を防ぐために低消費電力モードを実行するようにした移動ロボットに関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】移動台車にロボット本体を搭載してなる移動ロボットは、充電式のバッテリを動力源として動作して移動したり、ロボット本体による作業を行ったりする。バッテリの残容量が少なくなってくると、移動ロボットは途中で作業を中断して充電ステーションへ移動し、そして充電を受けた後、元の位置に戻り、中断した作業を再開するようになっている。従って、移動ロボットの作業能率を向上するには、バッテリの無駄な消費をできるだけ抑えて充電回数をできるだけ少なくすることが好ましい。 【0003】ところで、周辺設備が故障したりして、作業を継続できなくなったような場合、移動ロボットは作業を途中で停止したままの状態で待機することとなる。この場合、従来の移動ロボットでは、待機状態においても、ロボット本体のアームの駆動源であるサーボモータに姿勢保持のための電流を供給し続けていた。このため、無駄に電力を消費し、バッテリの充電回数の増加原因になったり、また、バッテリが上がることもある。 【0004】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、周辺設備の故障などで待機状態になったとき、無駄な電力消費を防止して、バッテリの消費電力を低く抑えることができる移動ロボットを提供するにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明は、移動台車の移動やロボット本体の動作を停止させるべき異常が発生すると、少なくとも移動台車の移動用およびロボット本体の駆動用のモータへの通電を停止する低消費電力モードを実行するので、待機中の無駄な電力消費を極力抑えることができる。この場合、移動停止原因は周辺設備の故障、或いは移動経路中に障害物が存在することとすることができる。 【0006】ところで、低消費電力モードの実行中でも、制御手段などには電源を供給し続けるため、バッテリは電力を消費する。バッテリが上がると、移動ロボットを充電ステーションまで自走させることができなくなる。このことを考慮して、請求項4の発明は、バッテリの蓄電量が所定レベル以下となったとき、バッテリを遮断するので、少なくとも移動ロボットを充電ステーションまで自走させることができ、移動ロボットを人力で移動させねばならなくなるといった事態の発生を防止できる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図2に示すように、移動ロボット1は、移動台車2上にロボット本体3を搭載して構成されている。上記移動台車2の底部には、例えば中央の左右両側に車輪4(1個のみ図示)が設けられていると共に、前後両側にも車輪5が設けられており、そのうち、中央の車輪4は、図3に示すサーボモータ6によって回転駆動される駆動輪とされている。また、ロボット本体3は、例えば水平多関節型のロボットから構成され、各アームは図3に示す関節用のサーボモータ7によって駆動される。そして、移動ロボット1は、充電式のバッテリ8(図4参照)を搭載し、このバッテリ8を駆動源として自動走行したり、ロボット本体3による各種の作業を行ったりする。なお、走行用サーボモータ6は2個の車輪4毎に設けられ、関節用サーボモータ7は関節毎に設けられているが、図3にはそれぞれ1台のみ示した。 【0008】上記移動ロボット1は、例えば、床面に張り付けられた磁気テープによって構成される走行案内部に沿って自動走行するようになっており、移動台車2の下部には、磁気テープを検出するための走行路検出手段としての磁気センサ9が設けられている。また、この自動走行時に障害物との衝突を避けるために、移動台車2の前後両側には、走行方向前方に存在する障害物を検出する例えば超音波センサなどの障害物センサ10が設けられている。 【0009】図3は移動ロボット1の電気的構成の概略を示す。同図のように、移動ロボット1は制御手段としての主制御装置11を備え、この主制御装置11に、走行制御装置12、ロボット本体制御装置13、検知手段としての無線通信制御装置14、磁気センサ6からの出力信号を処理する磁気センサ回路15、障害物センサ7からの出力信号を処理する障害物センサ回路16、蓄電状態検出手段としてのバッテリ残量計17などが接続されている。 【0010】上記走行制御装置12は、主制御装置11からの走行指令に基づき、駆動回路18を介してサーボモータ6を駆動し、移動台車2を自動走行させる。また、ロボット本体制御装置13は、主制御装置11からの作業指令に基づき、駆動回路19を介してサーボモータ7を駆動し、ロボット本体3を動作させる。 【0011】ところで、移動台車2の駆動輪を構成する車輪4には機械式の制動手段として例えば電磁ブレーキ(図示せず)が設けられている。また、ロボット本体3の各関節には、関節を回転駆動する前記サーボモータ7の他に、機械式の制動手段として例えば電磁ブレーキ(図示せず)が設けられている。これら車輪4の電磁ブレーキおよびロボット本体3の電磁ブレーキは、いずれも電磁ソレノイドが断電されると制動状態となって車輪および関節を動かないように固定するもので、走行制御装置12およびロボット本体制御装置13は、主制御装置11から走行指令および作業指令があったとき、電磁ソレノイドに通電して電磁ブレーキを制動解除状態にする。 【0012】前記バッテリ8は、電力供給のために、図4に示すように主制御装置11、走行制御装置12、ロボット本体制御装置13、無線通信制御装置14、磁気センサ回路15、障害物センサ回路16、駆動回路18,19などに導電線により接続されている。そのうち、走行制御装置12、ロボット本体制御装置13、駆動回路18,19、磁気センサ回路15に対しては、スイッチ要素としてのリレー20〜24を介して接続されている。そして、それらリレー20〜24は、主制御装置11によって開閉制御される。 【0013】ここで、前記バッテリ残量計17は、バッテリ8の充放電電流を検出する電流センサ25に接続されている。このバッテリ残量計17は、積分器を備え、電流センサ25の検出電流を積分して充電時の電力と放電時の電力を検出する。そして、バッテリ残量計17は、記憶部に記憶した蓄電量に対し、充電時には積分器による充電量を加算し、放電時には減算するようになっており、従って、バッテリ残量計17は常に現在のバッテリ8の蓄電容量データを保有しており、主制御装置11は、バッテリ残量計17から与えられる蓄電容量情報によって、バッテリ8の蓄電量が所定値以下となったとき、充電ステーションに走行して充電を受けるように移動ロボット1を制御する。なお、図4中、26は充電ステーションの充電カップに接続される受電カップである。 【0014】一方、図5に示すように、移動ロボット1の移動経路周辺の設備、例えば、組立ステーションを構成する各種の装置、コンベアなどの各設備には、当該設備を統括制御する制御装置27が設けられている。この制御装置27には、設備の電力系の異常、圧縮空気の供給系の異常、機械的動作の異常、電気部品の異常などを検出する各種の異常検出用センサ28が設けられている。 【0015】なお、電力系の異常としては停電や漏電など、圧縮空気の供給系の異常としてはコンプレッサの停止や配管の異常などがあり、また、機械的動作の異常としては可動部分のロックやベアリングの焼付きなどがある。そして、異常検出用センサとしては、電力系の異常に対しては停電や漏電などの検出回路、圧縮空気の供給系の異常に対しては圧力センサなど、機械的動作の異常に対しては駆動モータの過負荷電流を検出する過負荷検出用の電流センサなど、電気部品の異常に対しては電流センサなどが考えられる。 【0016】そして、制御装置27は、異常検出用センサ28から異常検出信号の入力があったとき、異常が発生した旨の信号を通信制御装置29から移動ロボット1による作業システム全体を統括管理する管理装置30に送る。すると、管理装置30の制御装置31は、無線通信制御装置32から設備を特定してその設備に異常が発生した旨の信号を空中伝播信号、例えば電波信号として送信するようになっている。 【0017】次に上記の構成において設備異常を生じた場合の制御内容を図1に示すフローチャートをも参照しながら説明する。なお、この図1に示すフローチャートは割込みルーチンとなっている。今、異常検出用センサ28が設備の異常を検出して検出信号を出力したとする。すると、設備の制御装置27が管理装置30に異常検出信号を出力するため、管理装置30は無線通信制御装置32から異常発生信号を異常を発生した設備を特定する信号と共に送信する。 【0018】移動ロボット1の無線通信制御装置14が管理装置30側から送信された異常発生信号を設備特定信号と共に受信すると、主制御装置11は、図1(a)に示す異常発生対応ルーチンに入り、異常を発生した設備が自身に関連する設備、すなわち移動台車2の移動を停止すべき設備であるか、ロボット本体1が現在作業中の設備であるかなど、自身の移動や動作を中止して待機状態になるべき設備であるが否かを判断する(ステップS1)。 【0019】異常を発生した設備がその移動ロボット1自身に関連する設備であった場合には、主制御装置11は、ステップS1で「YES」となってステップS2以降の低消費電力モードの実行に入り、まずステップS2で車輪4の電磁ブレーキおよびロボット本体3の関節の電磁ブレーキを断電すると共に、リレー22および23をオフし、走行用サーボモータ6および関節用サーボモータ7の駆動回路18および19への電力供給を停止する。 【0020】駆動回路18および19への電力供給を停止すると、走行用サーボモータ6および関節用サーボモータ7への電流の供給が停止される。これにより、ロボット本体3は作業を中断する。このとき、電磁ブレーキが制動状態になっているので、移動台車2が動いたりやロボット本体3の姿勢が変化したりすることはない。次に、主制御装置11は、ステップS3に移行し、ここでリレー20,21,24をオフして走行制御装置12、ロボット本体制御装置13、磁気センサ回路15への電力供給を停止し、リターンとなる。 【0021】設備が修理され、異常がなくなると、設備の制御装置27がその旨の信号を管理装置30に送る。すると、管理装置30は、その設備を特定して異常解消信号を無線通信制御装置32から送信する。そして、移動ロボット1が異常解消信号を受信すると、その主制御装置11は、図1(b)の異常解消対応ルーチンに入り、まずステップSA1で異常を解消した設備が自身に関連する設備であるか否かを判断し、そうであった場合には、ステップSA1で「YES」となってステップSA2に移行する。 【0022】主制御装置11は、ステップSA2で車輪4の電磁ブレーキおよびロボット本体3の関節の電磁ブレーキに通電すると共に、リレー22および23をオンし、走行用サーボモータ6および関節用サーボモータ7の駆動回路18および19への電力供給を再開する。次に主制御装置11は、ステップSA3に移行し、ここでリレー20,21,24をオンして走行制御装置12、ロボット本体制御装置13、磁気センサ回路15への電力供給を再開し、リターンとなる。 【0023】さて、設備に異常が発生すると、上述のように、その設備に関連する移動ロボット1は、そこで待機状態となる。待機状態となった移動ロボット1以外の移動ロボット1は、異常を発生した設備が自身に関連したものでないことから、他の設備での作業をそのまま継続し、作業を終了すると次の設備へと移動する。 【0024】このため、正常な設備から異常を発生した設備に移動する移動ロボット1は、その異常を発生した設備で停止している移動ロボット1を障害物センサ10により検出する。すると、障害物センサ回路16は障害物検出信号(異常発生信号)を出力し、検知手段としての主制御装置11はその検出信号に基づき、走行制御装置12に走行停止指令を出力すると共に、前述したと同様の低消費電力モードを実行する。 【0025】設備の異常が解除され、当該設備で停止していた移動ロボット1が移動すると、障害物センサ回路16からの障害物検出信号に基づき待機状態にあった移動ロボット1は、障害物センサ16が障害物を検出しなくなることに基づき、前述したと同様にして低消費電力モードを解消し、そして異常が解除された設備へと移動する。 【0026】このように本実施例によれば、設備側に異常が発生すると、移動ロボット1は低消費電力モードとなって主制御装置11、無線通信制御装置14、障害物センサ回路16以外の装置への電力供給を停止するので、設備の異常によって移動ロボット1が待機状態となった場合の消費電力量を必要最小限のものに抑えることができる。このため、設備の異常解消後に動作を再開して間もなくバッテリ8を充電するために充電ステーションに移動しなければならなくなるという不具合を極力防止することができる。 【0027】なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるものではなく、以下のような拡張或いは変更が可能である。設備の異常によって待機状態となる場合には、障害物センサ回路16への電力供給も停止するように構成しても良い。周辺設備に異常が発生したとき、移動ロボット1に異常発生を伝達するための空中伝搬信号は、電波に限られず、光、超音波などであっても良い。周辺設備に異常が発生したとき、移動ロボット1に異常発生を伝達する手段はは空中伝播信号によるものに限らず、有線によるものであっても良い。 【0028】低消費電力モードでは、走行制御装置12、ロボット本体制御装置13、磁気センサ回路15に通電するものであっても良く、要は電力を比較的多く消費する走行用サーボモータ6および関節用サーボモータ7を断電する構成であれば、バッテリ8の蓄電量の早期減少を防止できるものである。 【0029】設備の異常判断は種々の形態のものが考えられる。例えば、移動ロボットでは、一般に各設備で予め決められたシーケンスに基づき動作するため、各シーケンスでの処理時間が決められている。そこで、各処理毎にタイムアップ時間を設定し、その時間を越えても処理が終了しない場合、異常と判断するようにしても良い。また、視覚装置によって異常を判断したりするようにしても良い。図1(a)のルーチンは設備の異常発生信号を受信した時、直ちに実行するのではなく、所定時間経過後に実行するようにしても良い。障害物センサ10によって障害物を検出した時も同様である。本発明には、移動ロボット1自身が搭載している設備の異常を検出して低消費電力モードに入るように構成したものも含まれる。バッテリ8と各負荷を接続する電源線にリレーを設け、周辺設備の異常により、移動ロボット1が低消費電力モードに入った状態で、バッテリ残量計17によるバッテリ8の蓄電量が所定値以下となったとき、主制御装置11がリレーを開路してバッテリ8を遮断するようにしても良い。つまり、低消費電力モードに入っても、主制御装置11、無線通信制御装置14、障害物センサ回路16などにはバッテリ8から電源が供給されるため、バッテリ8は電力を消費し続け、設備の異常が長く続くと、蓄電量がゼロとなってしまい、充電ステーションまで走行できなくなる。しかし、上記のように構成すれば、バッテリ8の蓄電量が所定値まで低下したとき、主制御装置11がリレーを開路してバッテリ8を遮断するので、主制御装置11、無線通信制御装置14、障害物センサ回路16などにもバッテリ8から電源が供給されなくなり、充電ステーションまで走行できる電力量を残しておくことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成11年10月5日(1999.10.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071135 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 強
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| 【公開番号】 |
特開2001−112102(P2001−112102A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−284117 |
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