| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両の冷却ファン故障検知装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 真志
【氏名】村上 浩
【氏名】茅野 守男
【氏名】落合 志信
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| 【要約】 |
【課題】バッテリを冷却する冷却ファンの故障検知を行うハイブリッド車両の冷却ファン故障検知装置を提供する。
【解決手段】冷却ファンの冷却能力を算出する冷却能力算出手段と、バッテリの発熱量を算出するバッテリ発熱量算出手段と、所定時間内における発熱量と冷却能力とからバッテリの想定温度変化量を算出する想定温度変化量算出手段と、所定時間内におけるバッテリの実温度変化量を算出する実温度変化量算出手段と、想定温度変化量算出部において算出された想定温度変化量と実温度変化量算出部において算出された実温度変化量とを比較した結果に基づいて冷却ファンの故障を検知する故障判定手段とを備えたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の推進力を出力するエンジンと、エンジンの出力を補助する補助駆動力を発生するモータと、該モータに電力を供給すると共に補助駆動力が必要ないときにモータを発電機として作動させて得られた電気エネルギーを充電するバッテリと該バッテリを冷却する冷却ファンとを備えたハイブリッド車両の冷却ファン故障検知装置であって、前記冷却ファン故障検知装置は、前記冷却ファンの冷却能力を算出する冷却能力算出手段と、前記バッテリの発熱量を算出するバッテリ発熱量算出手段と、前記発熱量と前記冷却能力とから前記バッテリの想定温度変化量を算出する想定温度変化量算出手段と、前記バッテリの実温度変化量を算出する実温度変化量算出手段と、前記想定温度変化量算出部において算出された想定温度変化量と実温度変化量算出部において算出された実温度変化量とを比較した結果に基づいて前記冷却ファンの故障を検知する故障判定手段と、を備えたことを特徴とする冷却ファン故障検知装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ハイブリッド車両に搭載されるバッテリの冷却を行う冷却ファンの故障検知装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、走行用の動力源としてエンジンの他にモータを備えたハイブリッド車両が知られている。ハイブリッド車両にはシリーズハイブリッド車とパラレルハイブリッド車がある。シリーズハイブリッド車はエンジンによって駆動される発電機の発電出力等を用いてモータを駆動し、モータによって車輪を駆動する車両である。したがって、エンジンと車輪が機械的に連結されていないため、エンジンを高燃費低エミッションの回転数領域にてほぼ一定回転で運転することができ、従来のエンジン車両に比べ良好な燃費及び低いエミッションを実現できる。 【0003】これに対しパラレルハイブリッド車は、エンジンに連結されたモータによってエンジンの駆動軸を駆動補助すると共に、このモータを発電機として使用して得られた電気エネルギーを蓄電装置に充電し、さらにこの発電された電気エネルギーは車両内の電装品にも用いられる。したがって、エンジンの運転負荷を軽減できるため、やはり従来のエンジン車に比べ良好な燃費及び低エミッションを実現できる。 【0004】上記パラレルハイブリッド車には、エンジンの出力軸にエンジンの出力を補助するモータが直結され、このモータが減速時等に発電機として機能してバッテリ等に蓄電をするタイプや、エンジンとモータのいずれか、あるいは、双方で駆動力を発生することができ発電機を別に備えたタイプのもの等がある。このようなハイブリッド車両にあっては、例えば、加速時においてはモータによってエンジンの出力を補助し、減速時においては減速回生によってバッテリ等への充電を行なう等様々な制御を行い、バッテリの電気エネルギー(以下、バッテリ残容量という)を確保して運転者の要求に対応できるようになっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ハイブリッド車両に用いられるバッテリは、バッテリ自身の温度が上昇すると充電効率が急激に低下してしまう温度が存在する。この温度はバッテリの性能によって予め決まっている温度である。バッテリの温度がこの温度を超えている状態において充電を行っても熱に変換されるだけで、充電された電力をバッテリに蓄えることができない。また、バッテリの温度が高い状態で充放電を行うとさらなる温度上昇が発生し、バッテリを劣化させてしまう。このため、車両に搭載されるバッテリはバッテリ自身を冷却する冷却ファンが備えられ、充電効率が急激に低下してしまう温度以下にバッテリ温度が保たれるようになっている。 【0006】しかしながら、冷却ファンが何らかの原因によって故障していることを知らずにバッテリの充放電を行うとバッテリの温度上昇が顕著になりバッテリの劣化を早めてしまう。そこで、冷却ファンが故障したこと検知する装置が必要となる。ところが、冷却ファンの故障検知を行うには、故障検知をするセンサや故障検知回路等を新たに備える必要があり、コストアップや車両重量の増加を招くという問題がある。また、断線ショート検出などの電気的な検出方法では冷媒の吸気口や排気口が何らかの原因で塞がれることによって冷却能力が低下していることを検出することは困難であるという問題もある。 【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、新たに故障検知回路やセンサを設けることなく冷却ファンの故障検知を行うことができるハイブリッド車両の冷却ファン故障検知装置を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、車両の推進力を出力するエンジン(例えば、実施形態におけるエンジン1)と、エンジンの出力を補助する補助駆動力を発生するモータ(例えば、実施形態におけるモータ2)と、該モータに電力を供給すると共に補助駆動力が必要ないときにモータを発電機として作動させて得られた電気エネルギーを充電するバッテリ(例えば、実施形態におけるバッテリ3)と該バッテリを冷却する冷却ファン(例えば、実施形態における冷却ファン18)とを備えたハイブリッド車両の冷却ファン故障検知装置であって、前記冷却ファン故障検知装置は、前記冷却ファンの冷却能力を算出する冷却能力算出手段(例えば、実施形態における温度差算出部62)と、前記バッテリの発熱量を算出するバッテリ発熱量算出手段(例えば、実施形態における入出力電力算出部61)と、前記発熱量と前記冷却能力とから前記バッテリの想定温度変化量を算出する想定温度変化量算出手段(例えば、実施形態における想定温度変化量算出部63)と、前記バッテリの実温度変化量を算出する実温度変化量算出手段(例えば、実施形態における実温度変化量算出部64)と、前記想定温度変化量算出部において算出された想定温度変化量と実温度変化量算出部において算出された実温度変化量とを比較した結果に基づいて前記冷却ファンの故障を検知する故障判定手段(例えば、実施形態における故障判定部66)とを備えたことを特徴とする。 【0009】請求項1に記載の発明によれば、バッテリの発熱量と冷却ファンの冷却能力とからバッテリの想定温度変化量を算出する想定温度変化量算出手段と、バッテリの実温度変化量を算出する実温度変化量算出手段と、想定温度変化量算出部において算出された想定温度変化量と実温度変化量算出部において算出された実温度変化量とを比較した結果に基づいて冷却ファンの故障を検知する故障判定手段とを備え、既に備えられているセンサ出力に基づき演算処理によって冷却ファンの故障を検知するようにしたため、新たに故障検知に必要なセンサ類を設けることなく冷却ファンの故障を検知することができるという効果が得られる。また、バッテリ温度の変化量に基づいて故障の判定を行うようにしたため、吸気口や排気口が塞がれることにより冷却能力が低下したことも検知することができるという効果も得られる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態によるハイブリッド車両の制御装置を図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態によるハイブリッド車両の一種であるパラレルハイブリッド車の全体構成を示すブロック図である。この図において、符号1は燃料の燃焼エネルギーで作動するエンジンであり、符号2はエンジンと併用して用いられ電気エネルギーで作動するモータである。エンジン1及びモータ2の両方の駆動力は、オートマチックトランスミッションあるいはマニュアルトランスミッションよりなるトランスミッション(図示せず)を介して駆動輪(図示せず)に伝達される。また、ハイブリッド車両の減速時には、駆動輪からモータ2に駆動力が伝達され、モータ2は発電機として機能し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。 【0011】符号3は、モータ2に電力を供給すると共に駆動力が必要ないときにモータを発電機として作動させて得られた電気エネルギーを充電するバッテリである。ここで、バッテリ3は、例えば、複数のセルを直列に接続したモジュールを1単位として、更に複数個のモジュールを直列に接続して、高圧系のバッテリとして構成される。バッテリ3を構成するモジュールには温度センサ19が取り付けられている。また、これらのモジュールはバッテリボックスに収納されており、このバッテリボックスにはモジュールを空冷によって冷却するための吸気口と排気口が設けられ、さらに排気口には冷却ファン18が備えられている。バッテリボックスの吸気口は車内の空気を取り入れることができる位置に設けられ、排気口は冷却ファン18によって排気される空気が車外に排出される位置に設けられている。なお、以下の説明において、単にバッテリ温度と称した場合は、モジュールのそれぞれに取り付けられた温度センサのうち最大出力値の温度のことである。 【0012】符号4はエンジン制御装置であり、エンジン回転数、車速等を所定期間毎にモニタしており、これらの結果からモータ回生や、アシスト、減速などのモードを判断する。また、エンジン制御装置4は、同時に前述したモードに対応して、アシスト/回生量の決定を行い、これらモードやアシスト/回生量に関する情報等をモータ制御装置5に出力する。モータ制御装置5は、上述したような情報をエンジン制御装置4から受け取ると、この指示通りにモータ2を駆動/回生させるパワードライブユニット7等の制御を行う。符号6はバッテリ制御装置であり、バッテリ3の残容量の算出を行う。また、バッテリ制御装置6は、バッテリ3の保護のために、バッテリ3の温度が所定値以下となるようにバッテリ3を収納するバッテリボックスに設置された冷却ファン18の制御も行う。なお、エンジン制御装置4、モータ制御装置5、バッテリ制御装置6は、CPU(中央演算装置)およびメモリにより構成され、制御装置の機能を実現するためのプログラムを実行することによりその機能を実現させる。 【0013】符号7はパワードライブユニットであり、スイッチング素子が2つ直列接続されたものが3つ並列接続されて構成されている。このパワードライブユニット7内部のスイッチング素子は、モータ制御装置5によってオン、オフされ、これによりバッテリ3からパワードライブユニット7に供給されている高圧系のDC分が三相線を介してモータ2に供給される。また、符号9は各種補機類を駆動するための12ボルトバッテリであり、この12Vバッテリ9はコンバータ8を介してバッテリ3に接続されている。コンバータ8は、バッテリ3からの電圧を降圧して12Vバッテリ9に供給する。符号10はプリチャージコンタクタ、符号11はメインコンタクタであり、バッテリ3とパワードライブユニット7は、これらのコンタクタを介して接続される。プリチャージコンタクタ10、及びメインコンタクタ11はモータ制御装置5によってオン、オフ制御が行われる。 【0014】符号12はモータ2の位置及び回転数を検出するセンサであり、符号13は三相線に流れている電流を検出する電流センサである。これらセンサ12,13の検出値は、モータ制御装置5に入力される。 【0015】符号14はパワードライブユニット7入力部の電圧を検出する電圧センサであり、符号15はパワードライブユニット7に入力される電流を検出する電流センサである。符号16は、バッテリ3側の電圧を検出する電圧センサである。この電圧センサ14、16および電流センサ15によって検出された電圧値及び電流値はモータ制御装置5へ入力される。符号17は、コンタクタを介してバッテリ3側を流れる電流を検出するバッテリ3側の電流センサであり、検出された電流値はバッテリ制御装置6に入力される。上述したように、各センサ14〜16は、コンタクタ10、11を介して、バッテリ3側の電圧及び電流と、コンタクタを介してパワードライブユニット7側の電圧及び電流を検出している。また、電流センサ15で検出される電流は、コンバータ8に流れている電流分を差し引いた値となる。 【0016】次に上述した構成からなるハイブリッド車両の各制御装置の動作を簡単に説明する。先ず、バッテリ制御装置6がバッテリ3側における入出電流、電圧等の値よりの残容量を算出し、その値をモータ制御装置5へ出力する。モータ制御装置5は、受け取った残容量をエンジン制御装置4へ出力する。エンジン制御装置5は、残容量、エンジン回転数、スロットル開度、エンジントルク、モータの実トルク等によりモード(アシスト、回生、始動、減速等)と、モータ2における必要電力を決定し、モードと要求電力をモータ制御装置5へ出力する。 【0017】モータ制御装置5は、エンジン制御装置4からモード及び要求電力を受け取ると、アシスト及び減速時において、パワードライブユニット7の入力側の電力(図1の電圧センサ14、及び電流センサ15側)が、エンジン制御装置5から受け取った要求電力になるようにフィードバックを行い、トルクを算出する。一方、モータ制御装置5は、クルーズ時において、バッテリ3の電力値(図1の電圧センサ16、及び電流センサ17側)が要求電力になるようにフィードバックを行いトルクを算出する。このようにトルクが算出されると、モータ制御装置5は算出したトルクに従ってパワードライブユニット7を制御する。また、モータ制御装置5は、始動時において、パワードライブユニット7を制御することにより、モータ2によるエンジン始動制御を行う。 【0018】次に、モータ制御装置5はパワードライブユニット7から、実トルクを受け取ると、実トルクをエンジン制御装置4へ出力する。エンジン制御装置4、モータ制御装置5、バッテリ制御装置6は、上述した処理を所定のタイミングで随時行うことにより、エンジン1、モータ2、バッテリ3の制御を行い、ハイブリッド車両を駆動させる。 【0019】次に、図2を参照して、図1に示すバッテリ制御装置6の構成を説明する。図2は、バッテリ制御装置6の構成を示すブロック図である。この図において、符号61は、バッテリ3の電圧及び充放電電流からバッテリ3の入出力電力を算出する入出力電力算出部である。符号62は、冷却ファン18の冷媒温度とバッテリ3の温度との温度差を算出する温度差算出部62である。符号63は、入出力電力算出部61の出力と温度差算出部62の出力から想定温度変化量を算出する想定温度変化量算出部である。符号64は、バッテリ3の温度から温度変化量を算出する実温度変化量算出部である。 【0020】符号65は、バッテリ3の入出力電力と、冷媒温度とバッテリ温度との温度差と、温度変化量との関係が定義された想定温度変化量マップである。符号66は、想定温度変化量算出部63の出力と実温度変化量算出部64の出力に基づいて冷却ファン18の故障を判定する故障判定部である。符号6aは、入出力電力算出部61、温度差算出部62、想定温度変化量算出部63、実温度変化量算出部64、想定温度変化量マップ65及び故障判定部66からなる故障検知部である。符号67は、バッテリ電圧、バッテリ電流及びバッテリ温度からバッテリ3の残容量を算出するバッテリ残容量算出部である。符号68は、バッテリ3の温度に応じて冷却ファン18を制御する冷却ファン制御部である。なお、バッテリ制御装置6において参照されるバッテリ電圧、バッテリ電流及びバッテリ温度は、それぞれ電圧センサ16、電流センサ17、温度センサ19の出力が用いられる。 【0021】次に、図2を参照してバッテリ制御装置6の動作を説明する。まず、バッテリ3の残容量の算出について説明する。バッテリ残容量算出部67は、バッテリ3の電圧、充放電の電流、バッテリの温度などを参照してバッテリ3の残容量を算出する。バッテリ電圧とバッテリ残容量の間には相関関係があり、バッテリ残容量が大きいほどバッテリ電圧も高くなる。バッテリ残容量が中程度(約20%〜80%)の時はこの間の残容量の変化に対してバッテリ電圧の変化は小さいが、バッテリ残容量が所定値(約80%)を超えるとバッテリ電圧の上昇が顕著になり、また、残容量が所定値(約20%)以下になるとバッテリ電圧の低下が顕著になる。よって、バッテリ電圧の上昇/低下が顕著になる現象を検出することでバッテリの残容量を推定できる。 【0022】また、バッテリ残容量が中程度の間の残容量の変化に対してバッテリ3の電圧変化は小さいため、この間は、バッテリ3の充電量及び放電量の積算によって、バッテリ残容量を算出している。ただし、電流の積算によって算出する手法は、電流検出の検出誤差も積算されてしまう。このため、電流積算によって算出されたバッテリ残容量は、修正値によってリセットすることで充放電電流の積算誤差による残容量の検出誤差を吸収する。この積算誤差のリセットは、バッテリ電圧の上昇/低下が顕著になる現象を検出した時点において、バッテリ残容量を所定値(ここでは、20%または80%)に置き換えることによって行われる。 【0023】また、バッテリ残容量算出部67には、バッテリ残容量が所定値になる時のバッテリ電圧の上限値及び下限値を、バッテリ温度とバッテリ充放電電流からなる図示しない3次元マップに記憶している。バッテリ残容量算出部67は、現時点のバッテリ温度とバッテリ充放電電流に基づいて、この3次元マップを参照して、バッテリ残容量が所定値なるときのバッテリ電圧を得る。この得られたバッテリ電圧に基づいて、バッテリ残容量の置き換えが行われる。このようにして算出された残容量はモータ制御装置5へ通知され、モータ制御装置5は、通知されたバッテリ残容量の値に応じて、モータ2の制御を行う。 【0024】次に、冷却ファン18を制御する動作について説明する。冷却ファン制御部68は、バッテリ温度を参照して、冷却ファン18の風量を制御する。冷却ファン18は、バッテリ温度に応じて風量を3段階(Hi/Lo/OFF)に切り換えることが可能である。風量が「Hi」の状態は、大きい風量を得ることができる状態であり、風量が「Lo」の状態は、小さい風量を得ることができる状態である。バッテリ3は、常に温度が低い状態で使用されるのが最適であるわけではなく、低温状態では充放電効率が悪くなる。また、前述したように高温状態でも充放電効率が悪くなるため、バッテリ3は常温(0〜50[℃]程度)付近で使用されるのが望ましい。したがって、バッテリ温度が低温の場合は、冷却ファン18を停止し、高温の場合は、冷却ファン18を「Hi」状態にする制御が冷却ファン制御部68によって行われる。 【0025】次に、図3、4を参照して、冷却ファンの故障検知を行う動作を説明する。図3は、図2に示す故障検知部6aが冷却ファンの故障検知を行う動作を示すフローチャートである。また、図4は、冷却ファン制御部68が故障検知処理を開始する指示を出す動作を示すフローチャートである。初めに図4を参照して、故障検知処理を開始する指示を出す動作について説明する。 【0026】まず、冷却ファン制御部68はバッテリ3の温度を読み取る(ステップS11)。この温度は、バッテリ3を構成するモジュールに取り付けられた温度センサ19の出力が用いられる。 【0027】次に、冷却ファン制御部68は、読み取ったバッテリ温度に応じて、冷却ファン18の風量を制御する。冷却ファン制御部68内には、バッテリ温度と冷却ファンの風量の関係が定義されたマップ(図示せず)が記憶されており、このマップを参照することによって、冷却ファン18の風量を決定し、この決定された風量を識別できる信号を冷却ファン18に対して出力する。これを受けて、冷却ファン18は、冷却ファン制御部68から出力された信号に基づいて風量を切り換える。また、同時に冷却ファン制御部68は、冷却ファンが動作する条件(ここでは、冷却ファン18が「Hi」または「Lo」の状態のこと)を満たしているか否かを判定する(ステップS12)。 【0028】この判定の結果、条件を満たしていなければ、ステップS11へ戻り、条件を満たすまで繰り返す。一方、冷却ファン18が動作する条件を満たしている場合、冷却ファン制御部68は、モータ制御装置5から出力されるパワーセーブ情報を読み取る(ステップS13)。ここでいうパワーセーブとは、バッテリ3の温度が上昇して、これ以上充放電を繰り返すと充放電の効率が悪化し、さらなる温度上昇が発生するために、モータ2の使用を制限することである。パワーセーブ情報は、このパワーセーブが実施されている状態であるか否かを示す情報であり、モータ制御装置5より出力される。 【0029】次に、冷却ファン制御部68は、パワーセーブ情報に基づいて、故障検知を開始する条件であるか(ここではパワーセーブが実施されているか)否かを判定する(ステップS14)。この判定の結果、読み取ったパワーセーブ情報がパワーセーブを実施していることを示す情報でない場合はステップS11へ戻り、処理を繰り返す。一方、パワーセーブが実施されている場合、冷却ファン制御部68は、故障判定部66へ故障検知を開始するように指示を出す(ステップS15)。 【0030】このように冷却ファン制御部68は、バッテリ温度及びパワーセーブ情報に基づいて、故障検知を行うか否かを決定する。 【0031】次に、図3を参照して、図2に示す故障検知部6aが冷却ファン18の故障を検知する動作を説明する。まず故障判定部66は、冷却ファン制御部68から故障検知の開始指示を読み取る(ステップS1)。続いて故障判定部66は、読み取った内容が故障検知を開始する指示であるか否かを判定する(ステップS2)。この判定の結果、通知された指示が故障検知開始を指示する内容でない場合、故障判定部66は、ステップS1へ戻り、開始指示が出されるまで待機する。 【0032】一方、冷却ファン制御部68から故障検知を開始する指示が出された場合、故障判定部66は、故障が発生しているかを判定する処理を開始する。故障判定部66は、冷却ファン制御部68から故障検知開始指示が出されている間だけ冷却ファン18が故障しているか否かを示す故障検知結果を出力する。この故障検知結果は以下に説明する動作によって出力される。 【0033】まず、入出力電力算出部61は、バッテリ3の電圧と充放電電流を読み取り、バッテリ3の入出力電力を算出する(ステップS3)。入出力電力は、電圧と電流を乗算することによって算出される。ただし、ここで算出される入出力電力は、所定時間内の平均電力である。ここでいう所定時間とは、例えば5分であり、図示しないタイマによって計測される。ここで算出される入出力電力は、バッテリ3の発熱量に相当する。バッテリ3が発する熱は、バッテリ3を出入りする電力に比例するため、ここでは、電力を算出することによってバッテリ3の発熱量を推定している。 【0034】次に、温度差算出部62は、バッテリ3を冷却する冷媒の温度とバッテリ3の温度を読み込み、その温度差を算出する(ステップS4)。ここでいう冷媒とは、ハイブリッド車両内の空気であり、バッテリ3は、ハイブリッド車両内の空気によって冷却される。したがって、冷媒温度は車内に設けられた気温センサ(図示せず)の出力が用いられる。この気温センサの出力は、空調装置(エアコン)に備えられた気温センサの出力を利用するようにしてもよい。ここで算出される温度差は、現時点における冷却ファン18の冷却能力に相当する。冷却ファン18の能力は、冷却する対象(ここではバッテリ3)と冷媒の温度差が大きいほど冷却能力が高くなるため、ここでは、この温度差を算出することによって冷却ファン18の冷却能力を推定している。 【0035】次に、実温度変化量算出部64は、所定時間内のバッテリ3の温度の変化量を算出する(ステップS5)。この変化量は、ステップS3において、平均電力を算出する場合に用いられたタイマによって計測された所定時間(ここでは、例えば5分とする)内のバッテリ3の温度変化量であり、この変化量を実温度変化量Tdと称する。 【0036】次に、想定温度変化量算出部63は、入出力電力算出部61において算出された入出力電力と、温度差算出部62において算出された温度差とに基づいて、想定温度変化量マップ65を参照して、バッテリ3の想定温度変化量Tmを求める(ステップS6)。ここで参照される想定温度変化量マップ65は、バッテリ3の発熱量に相当する入出力電力と、冷却ファン18の冷却能力に相当する冷媒とバッテリ温度との温度差と、バッテリ3において想定される温度変化量Tmとの関係が定義されている。このマップを参照することによって、冷媒とバッテリ温度の差がある温度差であるときに、所定時間内にバッテリ3に対してある電力を出入りさせると、どれだけバッテリ温度が変化するかを示す想定温度変化量Tmを得ることができる。 【0037】次に、故障判定部66は、想定温度変化量算出部63において求められた想定温度変化量Tmと実温度変化量算出部64において求められた実温度変化量Tdを比較する(ステップS7)。この判定の結果、実温度変化量Tdが想定温度変化量Tmより大きい値である場合、故障判定部66は、冷却ファン18が故障していると判断し、故障検知結果をモータ制御装置5へ通知する(ステップS8)。ただし、この故障検知結果がモータ制御装置5へ通知されるのは、冷却ファン制御部68から故障検知開始指示が出されている間だけである。一方、実温度変化量Tdが想定温度変化量Tmより大きい値でない場合、故障判定部66は、冷却ファン18は異常なしと判断し、その旨をモータ制御部5へ通知する。 【0038】この通知を受けて、モータ制御装置5は、冷却ファン18が故障している場合、車両の運転者に対して、警告を発するとともに、モータ2の使用を制限する。これによって、ハイブリッド車両は、エンジン1のみで走行することとなる。ただし、バッテリ3の温度が十分に低い範囲である場合のみ充放電を許可するようにしてもよい。 【0039】このように、バッテリの発熱量と冷却ファンの冷却能力と温度変化量とからなる想定温度変化量マップを備え、発熱量と冷却能力とに基づき想定温度変化量マップを参照して想定温度変化量を算出するようにしたため、想定温度変化量算出手段における演算処理を簡単にすることができ、想定温度変化量を高速に算出することができるという効果が得られる。さらに、想定温度変化量マップには、正常な状態である時のバッテリに対する入出力電力に応じた温度変化量が定義されているため、何らかの原因によってバッテリに異常な温度上昇が発生した状態も検知することができる。 【0040】なお、故障検知部6aでは、図3のステップS3〜S5に示す処理が常に動作しており、冷却ファン制御部68から故障検知開始指示が出された時点の故障検知結果を出力する。このようにすることによって、冷却ファン18が故障しているにもかかわらず、故障検知に要する時間内にバッテリ3の充放電が行われることを防止することができる。 【0041】また、バッテリ3を構成するモジュールに取り付けられる温度センサは全てのモジュールに取り付けるのではなく、冷却ファン18の冷却効果を最も受けやすい位置に配置されているモジュールに取り付けるようにしてもよい。 【0042】また、想定温度変化量算出部63は、バッテリ3の入出力電力と冷媒とバッテリの温度差に基づいて、直接演算によって想定温度変化量Tmを算出するようにしてもよい。このようにすることによって、想定温度変化量マップ65を記憶しておく必要がないために、故障検知部6aの記憶容量の規模を小さくすることができる。 【0043】また、想定温度変化量マップ65を備えた構成とする場合、このマップに記憶する値は、演算によって予め算出した値または、実測した値を用いるようにする。さらに、想定温度変化量算出部63は、バッテリ3の発熱量に相当する入出力電力から想定温度変化量を求めるようにして、故障判定部66は、この想定温度変化量と実温度変化量とによって故障検知を行うようにしてもよい。これは、パワーセーブが実施されるバッテリ温度が車内の気温より十分に高い場合に適用することができる。 【0044】すなわち、故障検知が行われるバッテリ温度が気温より十分に高い場合、冷却ファン18によって冷却がされていれば、入出力電力に応じた温度上昇の割合が冷却されていない場合に比べて小さくなるはずであり、この温度上昇の割合を予め求めておき、この割合に近い温度上昇が発生しているか否かによって故障判定を行えばよい。このとき、想定温度変化量マップは、バッテリ3の発熱量に相当する入出力電力と想定温度変化量との2次元マップとすればよい。このようにすることによって、冷媒温度を測定する必要がなくなり、故障判定の処理を簡単にすることができる。 【0045】このように、バッテリ制御装置6内においてバッテリ残容量を算出するために必要なセンサ出力のみを用いて、冷却ファン18の故障検知を行うようにしたため、故障検知を行うために新たにセンサ等を設けることなく故障検知を行うことができる。また、冷却ファン18の故障検知の結果に応じて、モータ2の使用を制限するようにしたため、バッテリ3のさらなる温度上昇を抑え、バッテリの劣化を防止することができる。 【0046】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、バッテリの発熱量と冷却ファンの冷却能力とからバッテリの想定温度変化量を算出する想定温度変化量算出手段と、バッテリの実温度変化量を算出する実温度変化量算出手段と、想定温度変化量算出部において算出された想定温度変化量と実温度変化量算出部において算出された実温度変化量とを比較した結果に基づいて冷却ファンの故障を検知する故障判定手段とを備え、既に備えられているセンサ出力に基づき演算処理によって冷却ファンの故障を検知するようにしたため、新たに故障検知に必要なセンサ類を設けることなく冷却ファンの故障を検知することができるという効果が得られる。また、バッテリ温度の変化量に基づいて故障の判定を行うようにしたため、吸気口や排気口が塞がれることにより冷却能力が低下したことも検知することができるという効果も得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月14日(1999.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−86601(P2001−86601A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【出願番号】 |
特願平11−261239 |
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