| 【発明の名称】 |
集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置及びその保護方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】長田 実
【氏名】前橋 栄一
【氏名】秦 広
|
| 【要約】 |
【課題】高圧回路にき電区分通過中のみブスラインを遮断する装置を設けることによって、き電区分に囚われない運転操作を可能とするとともに、高圧回路の焼損を防止可能な集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置及びその保護方法を提供する。
【解決手段】集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置において、き電区分の地点近傍に配置される地上子51と、この地上子51を検知するセンサ52と、このセンサ52から信号を取り込み、出力信号を出力する制御装置53と、この制御装置53が接続されるとともに、集電装置を有する複数の車両を含む電気車のブスライン30に配置される開閉器54とを備え、前記地上子51の前記センサ52による検知に基づいて制御装置53により前記開閉器54を動作させ、き電区分の地点到達寸前に前記電気車のブスライン30を開路し、この電気車のき電区分の地点通過直後に前記電気車のブスライン30を閉路する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置において、(a)き電区分の地点近傍に配置される地上子と、(b)該地上子を検知するセンサと、(c)該センサから信号を取り込み、出力信号を出力する制御装置と、(d)該制御装置が接続されるとともに、電気車のブスラインに配置される開閉器とを備え、(e)前記地上子の前記センサによる検知に基づいて制御装置により前記開閉器を動作させ、前記き電区分の地点到達寸前に前記電気車のブスラインを開路し、該電気車のき電区分の地点通過直後に前記電気車のブスラインを閉路することを特徴とする、集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置。 【請求項2】 請求項1記載の集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置において、前記電気車のブスラインの閉路を、前記電気車の最後部車両に配置される制御装置とそれに接続されるセンサによる前記地上子の検知により行うことを特徴とする、集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置。 【請求項3】 請求項1記載の集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置において、前記電気車のブスラインの閉路を、前記電気車の制御装置内の距離計の設定距離に基づいて行うことを特徴とする、集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置。 【請求項4】 請求項1記載の集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置において、前記電気車のブスラインの閉路を、前記電気車の制御装置内のタイマの設定遅延時間に基づいて行うことを特徴とする、集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置。 【請求項5】 請求項1記載の集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置において、前記電気車のブスラインの閉路を、前記地上子と所定距離をとって配置される他の地上子を前記センサで検知して前記制御装置に取り込むことにより実行することを特徴とする、集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置。 【請求項6】 集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護方法において、(a)き電区分の地点近傍に配置される地上子をセンサで検知すると、該センサからの信号を制御装置に取り込み、該制御装置から出力信号を出力し、(b)該出力信号により前記電気車のブスラインに配置される開閉器をき電区分の地点到達寸前に開路させ、(c)前記電気車のき電区分の地点の通過直後に、前記開閉器を閉路することを特徴とする、集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、直流き電区間を運行する集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置及びその保護方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図11はかかる従来の直流き電区間のき電回路図、図12はその直流き電回路を運行する集電装置を有する複数の車両を含む電気車の主回路及び高圧補助回路の構成図である。 【0003】図11に示すように、変電所1から開閉器2を介して各き電区A,B(例えば、5〜10km)にき電され、集電装置を有する複数の車両を含む電気車(図示なし)に給電される。通常、開閉器2は「入り」が定位である。 【0004】その電気車は、図12に示すように、複数の主回路、高圧補助回路(図示なし)及び高圧引き通し線を接続する高圧回路を有している。ここで、11は先頭車両、12は先頭車両に従属する電車であり、主回路、高圧補助回路及び高圧引き通し線を有している。その主回路20は、パンタグラフ21、主開閉器(MS)22、主電動機(MM)23、車輪24、レール25、アース26から構成されており、ブスライン30は、ブスヒューズ(BF)31、ブススイッチ(BS)32、車両間に配置される高圧引き通し線33から構成されている。なお、35は異常高電圧の印加を保護するギャップである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図13に示すように、例えば、架線電圧1500Vのき電線のAき電区分には力行の電車が存在せず、Bき電区分に力行の電車41が多数集中したような場合には、Bき電区分の電圧降下が発生して、架線電圧は1500V以下となる。 【0006】このような、列車負荷によって直流き電区分の両端の架線電圧が著しく異なっている状態で、高圧引き通し線33を持つ集電装置を有する複数の車両を含む電気車がき電区分A,Bを跨ぐと、高圧回路に過電流が流れて回路を焼損するといった問題があった。しかしながら、今まで、これを防止する適切な装置がなかった。 【0007】すなわち、図12に示した集電装置を有する複数の車両を含む電気車では、上記した高圧回路に過電流が流れることにより、ブスライン30のブスヒューズ31が溶断し、ブスライン30としての機能を果たさなくなるといった問題があった。 【0008】また、現行の方式ではたとえノッチオフの状態でき電区分の地点を通過しても過電流が流れる場合がある。従って、き電区分の手前で停止しなければ防止できない。更に、当該き電区間内に存在する複数の電気車の各々のノッチ条件によって架線電圧は変動するため、状態の変化は予測不可能である。 【0009】つまり、上記の回路の焼損の問題は、運転士の通常の運転操作で防止できるものではなかった。 【0010】そこで、本発明では、異なるき電区分への進入時にはブスラインを一時的に開放しておけばよいという点に着目して、システムの設計を行うようにした。 【0011】本発明は、上記状況に鑑みて、高圧回路にき電区分通過中のみブスラインを遮断する装置を設けることによって、き電区分に囚われない運転操作を可能とするとともに、高圧回路の焼損を防止可能な、集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置及びその保護方法を提供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、〔1〕集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置において、き電区分の地点近傍に配置される地上子と、この地上子を検知するセンサと、このセンサから信号を取り込み、出力信号を出力する制御装置と、この制御装置が接続されるとともに、電気車のブスラインに配置される開閉器とを備え、前記地上子の前記センサによる検知に基づいて制御装置により前記開閉器を動作させ、前記き電区分の地点到達寸前に前記電気車のブスラインを開路し、前記電気車のき電区分の地点通過直後に前記電気車のブスラインを閉路するようにしたものである。 【0013】〔2〕上記〔1〕記載の集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置において、前記電気車のブスラインの閉路を、前記電気車の最後部車両に配置される制御装置とそれに接続されるセンサによる前記地上子の検知により行うようにしたものである。 【0014】〔3〕上記〔1〕記載の集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置において、前記電気車のブスラインの閉路を、前記電気車の制御装置内の距離計の設定距離に基づいて行うようにしたものである。 【0015】〔4〕上記〔1〕記載の集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置において、前記電気車のブスラインの閉路を、前記電気車の制御装置内のタイマの設定遅延時間に基づいて行うようにしたものである。 【0016】〔5〕上記〔1〕記載の集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護装置において、前記電気車のブスラインの閉路を、前記地上子と所定距離をとって配置される他の地上子を前記センサで検知して前記制御装置に取り込むことにより実行するようにしたものである。 【0017】〔6〕集電装置を有する複数の車両を含む電気車の高圧回路の保護方法において、き電区分の地点近傍に配置される地上子をセンサで検知すると、このセンサからの信号を制御装置に取り込み、この制御装置から出力信号を出力し、この出力信号により前記電気車のブスラインに配置される開閉器をき電区分の地点到達寸前に開路させ、前記電気車のき電区分の地点の通過直後に、前記開閉器を閉路するようにしたものである。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。 【0019】図1は本発明の第1実施例を示す直流き電回路を運行する集電装置を有する複数の車両を含む電気車の主回路、高圧補助回路(図示なし)及び高圧引き通し線の構成図である。 【0020】この図において、51はき電区分の地点に配置される地上子、52はその地上子51を検知する車両に搭載されるセンサ、53はそのセンサ52からの信号を取り込む制御装置、54はその制御装置53からの出力信号により動作する高圧補助回路及び高圧引き通し線に接続されるブスライン30に挿入される開閉器である。 【0021】ここで、地上子51は例えば、磁界や電波を発生する能動的装置であり、必ずしも地上面に配置するものに限定されるものではなく、レールの脇に配置される建造物やポールに配置するようにしてもよい。ただし、その場合には、センサ52はそれに対応して、先頭車両11の適合した箇所に配置し、地上子51を検知するように構成する。 【0022】このように、き電区分の地点に配置される地上子51がセンサ52によって検知されると、先頭車両11にある制御装置53にその検知情報が取り込まれ、その制御装置53からの出力信号によって、ブスライン30の開閉器54を開路する。そして、この集電装置を有する複数の車両を含む電気車の最後部車両17に配置されるセンサ56によって地上子51が検出されると、制御装置55からの出力信号によって開閉器54を閉路して原状に復する。その他の部分は、従来のものと同様であり、それらの説明は省略する。 【0023】図2は本発明の第1実施例を示す直流き電回路を運行する集電装置を有する複数の車両を含む電気車の複数の主回路、高圧補助回路及び高圧引き通し線の保護フローチャートである。 【0024】(1)まず、き電区分の地点に設置された地上子51を先頭車両11に設けられるセンサ52が検知したか否かをチェックする(ステップS1)。 【0025】(2)次に、センサ52が地上子51を検知すると、そのセンサ52に接続される制御装置53にその検知情報を取り込む(ステップS2)。 【0026】(3)次に、制御装置53からの出力信号により開閉器54を開路し、ブスライン30を開く(ステップS3)。 【0027】(4)次に、最後部車両17に設けられるセンサ56によって地上子51が検知されたか否かをチェックする(ステップS4)。 【0028】(5)次に、センサ56が地上子51を検知すると、センサ56が接続される制御装置55にこれを取り込む(ステップS5)。 【0029】(6)次に、制御装置55からの出力信号により開閉器54を閉路し、ブスライン30を原状に復する(ステップS6)。 【0030】上記実施例では、ブスライン30の原状への復帰を最後部車両17のセンサ56と制御装置55を用いて行うようにしたが、これに代えて、先頭車両11に配置された制御装置53内に距離計を設け、この距離計により、例えば、車輪の1回転毎に1パルスを出力させ、その車輪の回転数に応じたパルス数を制御装置でカウントして、所定カウント数になると所定距離、つまり、集電装置を有する複数の車両を含む電気車の長さに対応した距離と判断して、その設定距離の通過によってブスライン30の復帰をさせるようにしてもよい。 【0031】以下、その説明を行う。 【0032】図3は本発明の第2実施例を示す距離計を用いたブスラインの復帰手段を有する直流き電回路を運行する集電装置を有する複数の車両を含む電気車の複数の主回路、高圧補助回路及び高圧引き通し線の構成図である。 【0033】この図に示すように、先頭車両11の制御装置53内には距離計53Aを備え、予め設定された距離(編成車両の長さ)を経過したら、ブスライン30に挿入されている開閉器54を閉じて原状に復するようにする。 【0034】図4は本発明の第2実施例を示す直流き電回路を運行する複数編成電車の複数の主回路、高圧補助回路及び高圧引き通し線の保護フローチャートである。 【0035】(1)まず、き電区分の地点に設置された地上子51を先頭車両11に設けられるセンサ52が検知したか否かをチェックする(ステップS11)。 【0036】(2)次に、センサ52が地上子51を検知すると、そのセンサ52に接続される制御装置53にその検知情報を取り込む(ステップS12)。 【0037】(3)次に、制御装置53からの出力信号により開閉器54を開路し、ブスライン30を開く(ステップS13)。 【0038】(4)次に、制御装置53内の距離計53Aの設定距離を通過したか否かをチェックする(ステップS14)。 【0039】(5)距離計53Aが設定距離を計測すると、制御装置53からの出力信号により開閉器54を閉路し、ブスライン30を原状に復する(ステップS15)。 【0040】距離計53Aの設定距離は予め編成される電車の長さによって適正に設定することができる。 【0041】第1実施例では、ブスラインの復帰を最後部車両のセンサと制御装置を用いて行うようにしたが、これに代えて、第2実施例では、車両に配置された制御装置53内に距離計53Aを設けるのみで、ブスライン30の復帰を行わせることができ、コストを低減させることができる。 【0042】また、上記実施例では、ブスライン30の原状への復帰を最後部車両17のセンサ56と制御装置55を用いたり、距離計53Aに基づいて行うようにしたが、これに代えて、先頭車両11に配置された制御装置53内にタイマを設けて、その遅延時間の設定によってブスライン30の復帰をさせるようにしてもよい。 【0043】以下、その説明を行う。 【0044】図5は本発明の第3実施例を示すタイマを用いたブスラインの復帰手段を有する直流き電回路を運行する集電装置を有する複数の車両を含む電気車の複数の主回路、高圧補助回路及び高圧引き通し線の構成図である。 【0045】この図に示すように、先頭車両11の制御装置53内にはタイマ53Bを備え、予め設定された遅延時間を経過したら、ブスライン30に挿入されている開閉器54を閉じて原状に復するようにする。 【0046】図6は本発明の第3実施例を示す直流き電回路を運行する集電装置を有する複数の車両を含む電気車の複数の主回路、高圧補助回路及び高圧引き通し線の保護フローチャートである。 【0047】(1)まず、き電区分の地点に設置された地上子51を先頭車両11に設けられるセンサ52が検知したか否かをチェックする(ステップS21)。 【0048】(2)次に、センサ52が地上子51を検知すると、そのセンサ52に接続される制御装置53にその検知情報を取り込み(ステップS22)。 【0049】(3)次に、制御装置53からの出力信号により開閉器54を開路し、ブスライン30を開く(ステップS23)。 【0050】(4)次に、制御装置53内のタイマ53Bの設定遅延時間がタイムアップしたか否かをチェックする(ステップS24)。 【0051】(5)タイマ53Bがタイムアップすると、制御装置53からの出力信号により開閉器54を閉路し、ブスライン30を原状に復する(ステップS25)。 【0052】タイマ53Bの設定遅延時間は予め編成される車両数とき電区分の地点での車両の走行速度によって適正に設定することができる。 【0053】第1実施例では、ブスラインの復帰を最後部車両のセンサと制御装置を用いて行うようになし、第2実施例では、距離計に基づいて行うようにしたが、これに代えて、第3実施例では、車両に配置された制御装置53内にタイマ53Bを設けるのみで、ブスライン30の復帰を行わせることができ、コストを低減させることができる。 【0054】更に、ブスライン30の原状への復帰を上記した地上子51から所定の距離を有する電気車の前方にブスライン30の原状への復帰用の他の地上子を設置することにより、その他の地上子のセンサによる検出によりブスライン30の復帰をさせるようにしてもよい。 【0055】以下、その説明を行う。 【0056】図7は本発明の第4実施例を示す他の地上子を設置したブスラインの復帰手段を有する直流き電回路を運行する集電装置を有する複数の車両を含む電気車の複数の主回路、高圧補助回路及び高圧引き通し線の構成図である。 【0057】この図に示すように、き電区分の地点には第1の地上子61を配置し、その第1の地上子61から前方に所定距離、つまり、集電装置を有する複数の車両を含む電気車の長さに対応した距離の地点に第2の地上子62を配置する。 【0058】そして、先頭車両11にはセンサ52が接続される制御装置53を備え、第1の地上子61のセンサ52の検知により、ブスライン30に挿入されている開閉器54を開き、第2の地上子62のセンサ52の検知により、ブスライン30に挿入されている開閉器54を閉じるようにする。つまり、制御装置53は、第1の地上子61が検知されるとブスライン30に挿入されている開閉器54を開路し、第2の地上子62が検知されるとブスライン30に挿入されている開閉器54を開路する、フリップフロップ制御を行うように構成する。 【0059】図8は本発明の第4実施例を示す直流き電回路を運行する集電装置を有する複数の車両を含む電気車の主回路、高圧補助回路及び高圧引き通し線の保護フローチャートである。 【0060】(1)まず、き電区分の地点に設置された第1の地上子61を先頭車両11に設けられるセンサ52が検知したか否かをチェックする(ステップS31)。 【0061】(2)次に、センサ52が第1の地上子61を検知すると、そのセンサ52に接続される制御装置53にその検知情報を取り込む(ステップS32)。 【0062】(3)次に、制御装置53からの出力信号により開閉器54を開路し、ブスライン30を開く(ステップS33)。 【0063】(4)次に、第2の地上子62をセンサ52が検知したか否かをチェックする(ステップS34)。 【0064】(5)第2の地上子62が検知されると、制御装置53からの出力信号により開閉器54を閉路し、ブスライン30を原状に復する(ステップS35)。 【0065】この実施例では、第1の地上子の前方の編成される車両の長さに対応した地点に新たな第2の地上子を配置することにより、この第2の地上子を検知することにより、ブスライン30の復帰を行わせることができ、コストを低減させることができる。 【0066】なお、図9に示すように、き電区分の地点の地上子51を検出して、編成された電気車が通過した後その電気車が停止し、バックをして、その電気車がき電区分の地点の地上子51を再び逆方向から検知したような場合には、再び、センサ56の検知信号により、制御装置53はブスライン30に挿入される開閉器54を開く、更に、電気車がバックして、センサ52が地上子51を検知すると、ブスライン30に挿入される開閉器54は閉じられて、電気車がき電区分の地点に到達する以前の状態にセットされる。 【0067】次に、編成された電気車がき電区分の地点の途中までバックしてきた場合には、センサ56の検知信号により、制御装置53はブスライン30に挿入される開閉器54を一旦開路するが、再び、電気車が前方に移動すると、センサ56が地上子51を検知することにより、開閉器54は再び閉路されることになる。つまり、制御装置55は、センサ52と56が地上子51を検知する毎に開閉器54のオン・オフを繰り返す信号を出力するモードにすることにより、き電区分での車両の逆行時も的確な高圧回路の保護を行うことができる。 【0068】図10は本発明の実施例を示す複数編成電車の高圧回路の保護装置の開閉器の構成図である。 【0069】この図に示すように、開閉器54は、サイリスタ71,72を並列に逆接続した構成にして、トリガ回路にプラスパルスを入力することにより、サイリスタ71,72はともに遮断され、トリガ回路にマイナスパルスを入力することにより、サイリスタ71,72をともに閉路することができる。 【0070】また、き電区分の地点以外にもブスヒューズ溶断の原因がある場合には、ゲートトリガ回路を論理OR回路とすればよい。 【0071】なお、サイリスタなどの素子以外に接触器等の使用でも可能であるが、主回路電流を遮断できる程度のものが必要となる。また、先頭車両に設置する制御装置は、地上子から信号を受信した際に、制御引き通し線の状態を反転させれば良い。 【0072】更に、分割編成にも機能させることができる。 【0073】なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。 【0074】 【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、直流き電区分の両端の架線電圧が列車負荷によって著しく異なっている状態で、高圧引き通しを持つ集電装置を有する複数の車両を含む電気車がき電区分を跨いでも、高圧回路に過電流が流れることはないため、高圧回路の焼損を防止することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000173784 【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
|
| 【出願日】 |
平成11年9月7日(1999.9.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089635 【弁理士】 【氏名又は名称】清水 守 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−78301(P2001−78301A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月23日(2001.3.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−252481 |
|