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【発明の名称】 ハイブリッド車及び回転電機
【発明者】 【氏名】金 弘中

【氏名】田原 和雄

【氏名】安嶋 耕

【氏名】植田 光城

【氏名】印南 敏之

【氏名】日野 徳昭

【氏名】宮崎 泰三

【氏名】羽二生 倫之

【氏名】大野 耕作

【要約】 【課題】バッテリを搭載したハイブリッド車において、エンジン始動時等の低回転領域における高トルク特性と高回転領域において高出力発電特性が得られる永久磁石形同期発電機を備えたハイブリッド車を提供する。

【解決手段】永久磁石形同期回転電機は一次巻線を有する固定子と界磁用磁石を有する回転子からなり、前記界磁用磁石は第1の界磁用磁石とこの第1界磁用磁石に対して相対回転が可能な第2界磁用磁石からなり、前記の第1と第2界磁用磁石は前記固定子磁極に対向しているとともに、前記の第1と第2界磁用磁石の合成した磁極の位相を第1界磁用磁石の磁極に対して回転子のトルク方向に伴い変化させる機構を有し、このトルク方向に伴い前記第1と第2界磁用磁石の同磁極中心が並ばせる手段と回転子に発生するトルク方向が反対になるに伴い第1と第2の界磁用磁石の磁極中心がずれる手段とを有している機構を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両を駆動する内燃機関と、電力の充放電を行うバッテリと、前記内燃機関のクランク軸と機械的に連結されていて前記バッテリから供給される電力によって前記内燃機関を始動すると共に前記内燃機関からの回転によって発電を行い前記バッテリを充電する回転電機と、前記回転電機の駆動又は発電を制御するインバータと、前記インバータを制御するコントローラと、前記内燃機関もしくは前記回転電機の回転数を検出する回転数検出手段を備えたハイブリッド車において、前記回転電機は一次巻線を有する固定子と界磁用磁石を有する回転子からなり、前記界磁用磁石は、回転方向に順次異なった極性の磁極が並んでいる第1の界磁用磁石とこの第1の界磁用磁石に対して相対回転が可能で回転方向に順次異なった極性の磁極が並んでいる第2の界磁用磁石からなり、前記の第1と第2の界磁用磁石は前記固定子磁極に対向しているとともに、前記の第1と第2の界磁用磁石の合成した磁極の位相を第1の界磁用磁石の磁極に対して回転子のトルク方向に伴い変化させる機構を有し、このトルク方向に伴い変化させる機構は、回転子に発生するトルク方向と第1と第2の界磁用磁石間の磁気作用力との釣合いにより前記第1と第2の界磁用磁石の同磁極中心が並ばせる手段と、回転子に発生するトルク方向が反対になるに伴い第1と第2の界磁用磁石の磁極中心がずれる手段とを有する回転電機を用いるハイブリッド車。
【請求項2】請求項1記載のハイブリッド車において、前記回転電機の低速回転時は電動機として働き、回転子に発生するトルク方向と第1と第2の界磁用磁石間の磁気作用力との釣合いにより前記第1と第2の界磁用磁石の同磁極中心が並ばせる手段と、高速回転時は発電機として働き、回転子に発生するトルク方向が反対になるに伴い第1と第2の界磁用磁石の磁極中心がすれる手段とを有する回転電機を用いるハイブリッド車。
【請求項3】請求項1または請求項2記載のハイブリッド車において、前記回転電機の低速回転時は電動機として働き、回転子に発生するトルク方向と第1と第2の界磁用磁石間の磁気作用力との釣合いにより前記第1と第2の界磁用磁石を初期位置に並ばせる手段と、高速回転時は発電機として働き、回転子に発生するトルク方向が反対になるに伴い第1と第2の界磁用磁石の磁極中心がすれる手段とを有し、トルク方向の変化に伴い磁極中心を変化させる機構は、前記第1界磁用磁石はシャフトに固定し、前記第2界磁用磁石はシャフトと分離すると共に、シャフトと第2界磁用磁石は磁極1極分の角度内で変位可能にし、前記第1界磁用磁石の磁極中心と第2界磁用磁石の磁極中心がずれるようにした回転電機を用いるハイブリッド車。
【請求項4】請求項1または請求項2記載のハイブリッド車において、前記回転電機の低速回転時は電動機として働き、回転子に発生するトルク方向と第1と第2の界磁用磁石間の磁気作用力との釣合いにより前記第1と第2の界磁用磁石を初期位置に並ばせる手段と、高速回転時は発電機として働き、回転子に発生するトルク方向が反対になるに伴い第1と第2の界磁用磁石の磁極中心がすれる手段とを有し、トルク方向の変化に伴い磁極中心を変化させる機構は、前記第1界磁用磁石はシャフトに固定し、前記第2界磁用磁石はシャフトと分離すると共に、シャフトにはボルトと第2界磁用磁石の内側にはナットになりお互いにネジの機能を持たせて接続し、第2界磁用磁石の側面から離れたところにはストッパーを設けた回転電機を用いるハイブリッド車。
【請求項5】請求項4記載の回転電機において、トルク方向の変化に伴い磁極中心を変化させる機構は、前記第1界磁用磁石はシャフトに固定し、前記第2界磁用磁石はシャフトと分離すると共に、シャフトにはボルトと第2界磁用磁石の内側にはナットになりお互いにネジの機能を持たせて接続し、第2界磁用磁石の側面から離れたところにはストッパーを設け、ストッパーを回転速度に応じてシャフトと平行に可変可能なサーボ機構を持たせた回転電機を用いるハイブリッド車。
【請求項6】一次巻線を有する固定子と界磁用磁石を有する回転子からなる回転電機であって、前記界磁用磁石は、回転方向に順次異なった極性の磁極が並んでいる第1の界磁用磁石とこの第1の界磁用磁石に対して相対回転が可能で回転方向に順次異なった極性の磁極が並んでいる第2の界磁用磁石からなり、前記の第1と第2の界磁用磁石は前記固定子磁極に対向しているとともに、前記の第1と第2の界磁用磁石の合成した磁極の位相を第1の界磁用磁石の磁極に対して回転子のトルク方向に伴い変化させる機構を有し、このトルク方向に伴い変化させる機構は、回転子に発生するトルク方向と第1と第2の界磁用磁石間の磁気作用力との釣合いにより前記第1と第2の界磁用磁石の同磁極中心が並ばせる手段と、回転子に発生するトルク方向が反対になるに伴い第1と第2の界磁用磁石の磁極中心がすれる手段とを有することを特徴とする回転電機。
【請求項7】請求項6記載の回転電機において、トルク方向の変化に伴い磁極中心を変化させる機構は、前記第1界磁用磁石はシャフトに固定し、前記第2界磁用磁石はシャフトと分離すると共に、シャフトにはボルトと第2界磁用磁石の内側にはナットになりお互いにネジの機能を持たせて接続し、第2界磁用磁石の側面から離れたところにはストッパーを設け、ストッパーを回転速度に応じてシャフトと平行に可変可能なサーボ機構を持たせたことを特徴とする回転電機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハイブリッド車に係り、特にハイブリッド車の駆動,発電を行う回転電機およびその制御方法に関し、回転電機の回転子が第1の界磁用磁石と第2の界磁用磁石から構成され、トルク方向に応じて有効磁束量変化が可能な回転電機およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハイブリッド車としては、(1)内燃機関であるエンジンの回転力で発電機を駆動して電力を得、この電力で車軸に連結されているモータを駆動し、モータが発生する駆動力で走行するシリースハイブリッド方式と、(2)エンジンの回転力の1部は電力に変換されるが、その他の回転力は車軸に駆動力として伝えられており、発電された電力を用いたモータ駆動力とエンジンの車軸駆動力の両方で走行するパラレルハイブリッドがある。
【0003】最近の動向では搭載するモータやバッテリの大きさ,コストの面から(2)のパラレルハイブリッド車が注目を浴びており、例えば特開平9−132042 号公報に記載されるようなエンジン及び2つのモータを遊星歯車機構の各軸に連結し、エンジン及び各回転電機の負荷,回転数によって動力を分配するタイプ(以下この方式を2モータ方式と呼ぶ。)のパラレルハイブリッド車は既に市販化されている。
【0004】しかしながらこの従来技術は、モータおよび前記モータを駆動するインバータ回路が2つ必要なことと、遊星歯車機構を新たに配置しなくてはならず、車両の大幅な改良が必要であり、それに伴う大幅なコストアップは避けられない。
【0005】そこで、特開平7−298696 号公報にあるようにエンジンのクランク軸に回転電機を直結させ、1つの回転電機で駆動,発電をモードによって切り分ける方式(以下この方式を1モータ方式と呼ぶ。)が、コストおよび現在の車両にアドオンできる点が前述した2モータ方式と比較して有利である。
【0006】1モータ方式および2モータ方式両方とも、回転電機の形式としては、回転子に永久磁石を配置した永久磁石界磁形回転電機、もしくは回転子にアルミニウム合金もしくは銅合金でできた2次導体をかご形に配置したかご形誘導回転電機を用いている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来技術で述べたように2モータ方式よりもコスト的には1モータ方式の方が有利であるが、1モータ方式にも次の様な制約が存在する。
【0008】(1)エンジン始動時等の低回転領域における高トルク特性と、高回転領域において高出力発電特性とを両立しなければならない。
【0009】(2)(1)のエンジン始動時に必要なトルク(モータが発生する最大トルク)を発生する回転数が、エンジンの最大許容回転数時のモータ回転数に対して1/10以下である。
【0010】(3)本発明は車両を搭載する回転電機に関するものであり、電源としてはある一定電圧を中心とした電圧変化幅内で充放電を行うバッテリを用いている。その為バッテリの充電電圧を大きく超える電圧で充電した場合には、最悪バッテリを破壊する危険性がある。
【0011】本発明は、エンジン始動等の低回転領域における高トルク特性と、高回転領域において高出力発電特性が得られる永久磁石形同期発電機を備えたハイブリッド車を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では、車両を駆動する内燃機関と、電力の充放電を行うバッテリと、前記内燃機関のクランク軸と機械的に連結されていて前記バッテリから供給される電力によって前記内燃機関を始動すると共に前記内燃機関からの回転によって発電を行い前記バッテリを充電する回転電機と、前記回転電機の駆動又は発電を制御するインバータと、前記インバータを制御するコントローラと、前記内燃機関もしくは前記回転電機の回転数を検出する回転数検出手段を備えたハイブリッド車において、前記回転電機は一次巻線を有する固定子と界磁用磁石を有する回転子からなり、前記界磁用磁石は、回転方向に順次異なった極性の磁極が並んでいる第1の界磁用磁石とこの第1の界磁用磁石に対して相対回転が可能で回転方向に順次異なった極性の磁極が並んでいる第2の界磁用磁石からなり、前記の第1と第2の界磁用磁石は前記固定子磁極に対向しているとともに、前記の第1と第2の界磁用磁石の合成した磁極の位相を第1の界磁用磁石の磁極に対して回転子のトルク方向に伴い変化させる機構を有し、このトルク方向に伴い変化させる機構は、回転子に発生するトルク方向と第1と第2の界磁用磁石間の磁気作用力との釣合いにより前記第1と第2の界磁用磁石の同磁極中心が並ばせる手段と、回転子に発生するトルク方向が反対になるに伴い第1と第2の界磁用磁石の磁極中心がずれる手段とを有することを特徴とする。
【0013】本発明の作用について説明する。
【0014】図6に永久磁石形同期回転電機の回転角速度に対する有効磁束,誘導起電力,端子電圧の特性を示す。
【0015】永久磁石形同期回転電機の誘導起電力E0 は回転子に配置されている永久磁石が発生する一定磁束Φと回転電機の回転角速度ωによって決定される。つまり図6に示す様に、回転電機の回転角速度ω(回転数)が上昇すると、回転電機の誘導起電力E0 は比例して上昇する。しかし、車両に搭載する上で必須の条件として、バッテリへの充電があげられる。バッテリに充電する為にはバッテリを破損しない様に、回転電機が発生する誘導起電力をバッテリ充電電圧以下に抑えなければならない。その為永久磁石形同期回転電機では、ある回転数以上の領域では永久磁石が発生する磁束を減らす為のいわゆる弱め界磁制御を行わなくてはならない。
【0016】誘導起電力が回転角速度に比例して上昇する為、弱め界磁制御の電流も大きくしなければならない故に、1次導体であるコイルに大電流を流す必要があり、おのずとコイルの発生する熱が増大する。そのため、高回転領域における回転電機としての効率の低下,冷却能力を超えた発熱による永久磁石の減磁等が起こりうる可能性がある。
【0017】そこで、本発明は回転電機の第1界磁用磁石と第2界磁用磁石に分割した回転子を同一軸上に配置し回転トルクの方向により第1と第2の界磁用磁石の磁極中心を変化させ、エンジン始動等のように低回転領域において電動機として働く時は第1回転子と第2回転子の同磁極の中心が揃えるようにして、固定子磁極と対向する永久磁石による有効磁束量を大にして、高トルク特性が得られる。次に発電機として働く時は、回転子の回転方向が同じであると、回転子が受けるトルク方向は電動機として働く時と反対になり、第1回転子と第2回転子の同期極の中心がずれて、固定子磁極と対向する永久磁石による有効磁束量を少なくすることになり、言い換えると弱め界磁効果があり、高回転領域において高出力発電特性が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態について説明する。
【0019】図1は本実施例の永久磁石形同期回転電機の配置レイアウトを示したものである(直結タイプ)。車両の駆動力を発生する内燃機関であるエンジン1と車両のトランスミッション3との間に本実施例の永久磁石形同期回転電機2を配置した構造となっている。エンジン1のクランク軸(図示せず)と永久磁石形同期回転電機2のシャフト(図2内回転子のシャフト22)とは直結もしくは遊星歯車減速機構などで構成される変速機を介して機械的に連結されている。
【0020】また、永久磁石形同期回転電機2のシャフトとトランスミッション3の入力軸とは、動力を遮断するクラッチ(図示せず)もしくは流体カップリングであるトルクコンバータ(図示せず)を介して直結されている。
【0021】この様な構成とすることで、クラッチもしくはトルクコンバータを作用させることで、本実施例の永久磁石形同期回転電機2はエンジン1を始動することができる。エンジン1始動後は、クラッチ及びトルクコンバータを作用させることで、エンジン1の駆動力をトランスミッション3の入力軸に伝達させることができると共に、トランスミッション3の入力軸にエンジン1+永久磁石形同期回転電機2の駆動力を伝えることができる。
【0022】また、永久磁石形同期回転電機2はバッテリ5からインバータ4を介して電気的に接続されており、エンジン1を始動もしくはアシストする際は電動機として用いる。
【0023】また、発電時においては、永久磁石形同期回転電機2で発生した電力をインバータ4で直流に変換し、バッテリ5を充電する。
【0024】図2は図1の回転電機の回転子同磁極中心がずれた場合概略を示す。固定子鉄心10には電機子巻線11がスロット内に巻装されており、内部に冷却水が流れる冷却水流路12をもったハウジング13に焼ばめされている。ここで、固定子鉄心10とハウジング13との締結方法は、焼ばめでなく圧入でもよい。
【0025】永久磁石埋め込み型回転子20はシャフト22に固定した第1回転子20Aとシャフト22と分離した第2回転子20Bからなる。勿論、永久磁石埋め込み型回転子のみならず、表面磁石型回転子でも良い。
【0026】第1回転子20Aには、永久磁石21Aが回転方向に順次異なった極性の磁極が並んでいる。同じく、第2回転子20Bには、永久磁石21Bが回転方向に順次異なった極性の磁極が並んでいる。第1と第2回転子の界磁用磁石は固定子磁極に対向している。
【0027】第2回転子20Bの内径側はナットとなり、それに当たるシャフトにはボルトとなり、お互いにネジの機能を持たせて接続し可変可能とする。
【0028】また、第2回転子20Bが固定子の中心から所定の変位以上はみ出さないように前記第2回転子20Bの側面から離れたところにはストッパー24を設ける。さらに、サーボ機構であるストッパー駆動用アクチュエータ25を設けて、前記ストッパー24をシャフトと平行に左右に可変可能にすれば、回転速度に応じて有効磁束量を制御可能である。
【0029】上記のようにすることで、トルクの方向に応じて永久磁石の有効磁束量を変化することについて述べる。
【0030】基本的に固定子には電機子巻線と回転子には永久磁石を用いる回転電機において、電動機として働く時と、発電機として働く時の回転子の回転方向が同じであれば、電動機として働く時と、発電機として働く時の回転子が受けるトルクの方向は反対になる。
【0031】上記に説明した基本理論を本発明の実施形態に係る回転電機に適用すると以下の通りである。
【0032】エンジン始動等のように低回転領域において電動機として働く時は、図3に示すように、第1回転子20Aと第2回転子20Bの同磁極の中心が揃えるようにして、固定子磁極と対向する永久磁石による有効磁束量を最大にして、高トルク特性が得られる。
【0033】次に発電機として働く時は、図2に示すように回転子の回転方向が同じであると、回転子が受けるトルク方向は電動機として働く時と反対になり、シャフト22に対して第2回転子20Bはボルトからナットが外れるように第1回転子20Aと第2回転子20Bの間の間隔が広がりながら同磁極の中心がずれて、固定子磁極と対向する永久磁石による有効磁束量を少なくすることになり、言い換えると弱め界磁効果があり、高回転領域において高出力発電特性が得られる。
【0034】図4は図1の回転電機の電源系統図を示す。
【0035】エンジン1に機械的に連結されている永久磁石形同期回転電機2の3相の端子はインバータ4と電気的に接続されており、インバータ4の直流側端子はバッテリ5及びその他高電圧系統に接続されている。また本実施例では高電圧系統の他にヘッドランプ,オーディオ等のために低電圧系統を設けている。低電圧系統への電力の供給は、高電圧系統からDC−DCコンバータ30を介して降圧し、低電圧バッテリ9およびその他の低電圧駆動デバイス(ヘッドランプ,オーディオ等)へ行っている。車両の運転モードによって、永久磁石形同期回転電機2は駆動,発電を切替えるが、モード切替および永久磁石形同期回転電機2への指令値はコントローラ11で判断,計算を行い、インバータ4に指令値を出力することで、永久磁石形同期回転電機2を制御する。また、コントローラ31はインバータ4に出力する指令値を、エンジンのスロットル開度,燃料噴射量を制御しているエンジンコントローラ32と通信もしくはダイレクトメモリアクセス等で共有することにより、永久磁石形同期回転電機2とエンジン1との協調制御を行っている。
【0036】次にコントローラ31内で行われている制御について説明する。
【0037】図5は図1の回転電機の制御ブロック図を示したものである。
【0038】まず、エンジンコントローラ(図4内の32)及び単独に設置しているセンサからの情報(バッテリ残量,運転モード,スロットル開度etc)、および永久磁石形同期回転電機2の回転数を基に、運転判断部201が永久磁石形同期回転電機2の運転動作を判断して電流指令値を出力する。運転判断部201から出力された電流指令値は、PID補償ブロック202を通り、現在の永久磁石形同期回転電機2の電流値との差分に対して非干渉制御等を行っている電流制御ブロック203に入力する。
【0039】電流制御ブロックからの出力は3相の交流に変換され、インバータを介して永久磁石形同期回転電機2を制御する。また、永久磁石形同期回転電機2の各相の電流(少なくとも2相の電流)および回転数(エンジン回転数でもよい。また変速機がある場合にはエンジン回転数の逓倍した値を用いても良い。)を検出し、各相の電流は2軸変換ブロック205で、2軸電流に変換し、電流指令値にフィードバックしている。また、回転数は運転判断部201に入力され、運転判断の判断情報となる。
【0040】図7は本発明の他の実施形態をなす回転電機を示す。
【0041】前記図2に示した第2回転子のネジ部23をなくし、回転角θ分可変できる機構を設けたことを特徴とする永久磁石形同期回転電機である。
【0042】図8は図7の回転電機の回転子概略図を示す。
【0043】前記図2に示した第2回転子のネジ部分の代わりに、シャフト22に歯車のように凹凸を設けて、第2回転子20Bの内径側にはシャフトが挿入できるように凸凹を設ける。ただし、シャフト22を第2回転子20Bの内径側に挿入したときには、かみ合う歯の幅より溝の幅を大きくして所定の回転角θ分可変できるようにする。さらに、かみ合う歯と溝の間にはスプリング26とダンパー27を設けることで、急な衝突を和らげる効果がある。
【0044】図9は本発明の他の実施形態をなす回転電機とエンジンとのレイアウト図を示す(横置きタイプ)。エンジン1と永久磁石形同期回転電機2はクランクプーリ6と永久磁石形同期回転電機2のシャフトに結合されたプーリ8の間を金属ベルト7で連結されている。クランププーリ6とプーリ8とを連結するものは金属ベルトでなくチェーンや歯付ベルトであっても良い。または、クランクプーリ6とプーリ8の代わりにギアを介して連結されても良い。
【0045】図9のような構成にすることでの利点はエンジン1と永久磁石形同期回転電機2との間に介在するクランクプーリ6,金属ベルト7,プーリ8によって、エンジン1と永久磁石形同期回転電機2の間にある速比をもった変速機構を有することである。例えばクランクプーリ6とプーリ8の半径比を2:1とすることで、永久磁石形同期回転電機2はエンジン1の2倍の速度で回転することになる。これに伴い、エンジン1の始動時においては、永久磁石形同期回転電機2はエンジン1始動時に必要なトルクの1/2を発生すればよい。そのため、永久磁石形同期回転電機2は小形にすることができる。その他の電気的な接続,役割は図5で述べた通りである。
【0046】以上の本発明の説明では、4極機を対象に述べたが、2極機、又は、6極機以上に適用出来る事は言うまでもない。一例として、図10には本発明を8極機に適用した場合の永久磁石形同期回転電機の回転子概略図を示す。また、回転子においては埋め込み磁石形でも、表面磁石形でも適用出来る事は言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】本発明の永久磁石形同期回転電機は第1界磁用磁石と第2界磁用磁石に分割した回転子を同一軸上に配置したトルクの方向により第1と第2の界磁用磁石の磁極中心を変化させるという構成により、固定子磁極と対向する永久磁石による有効磁束量を可変出来るという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】000232999
【氏名又は名称】株式会社日立カーエンジニアリング
【出願日】 平成11年9月1日(1999.9.1)
【代理人】 【識別番号】100075096
【弁理士】
【氏名又は名称】作田 康夫
【公開番号】 特開2001−69609(P2001−69609A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−246927