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【発明の名称】 電気車制御装置およびDC/DCコンバータ
【発明者】 【氏名】六藤 孝雄

【要約】 【課題】変電所から見た電気車自体の負荷変動を抑制し、これにより饋電電圧を安定させ電気車の計画走行特性の発揮を実現することができる電気車制御装置を得ることを目的とする。

【解決手段】車両の制動時には、ラインスイッチLs1をオフにし、インバータ7を介して誘導電動機8からの回生電力を蓄電装置5に供給してこれを充電する。そして、車両の力行時には、蓄電装置5に充電された電力を放電しこの放電電力をインバータ7を介して誘導電動機8に供給してこれを回転駆動する。蓄電装置5の電圧が設定値以下に低下するとラインスイッチLs1をオンにして饋電回路からの電力を誘導電動機8に供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 集電手段を介して地上の饋電回路と接続される両極の給電端子、この給電端子間に接続され車両駆動用の電動機負荷を有する主回路、および上記電動機負荷を制御して車両の力行、制動を行う制御手段を備えた電気車制御装置において、上記主回路にコンデンサからなる蓄電装置を備え、上記車両の制動時に上記電動機負荷からの回生電力により上記蓄電装置を充電し、上記車両の力行時、上記蓄電装置からの放電電力を上記電動機負荷に供給するようにしたことを特徴とする電気車制御装置。
【請求項2】 給電端子間に互いに直列に第1のラインスイッチおよび蓄電装置を接続し、上記蓄電装置の両極間に電動機負荷を接続し、車両の制動時には上記第1のラインスイッチをオフにして上記電動機負荷からの回生電力により上記蓄電装置を充電し、上記車両の力行時には、上記蓄電装置からの放電電力を上記電動機負荷に供給し上記蓄電装置の電圧が所定の設定値より低下すると上記第1のラインスイッチをオンにして饋電回路からの電力を上記電動機負荷に供給するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電気車制御装置。
【請求項3】 蓄電装置と直列に、第2のラインスイッチと限流抵抗との並列接続体を接続し、給電端子間の電圧Vpが蓄電装置の電圧Vcより大のときに第1のラインスイッチをオンする場合、上記第2のラインスイッチをオフした状態で上記第1のラインスイッチをオンし、Vp=Vcとなった後上記第2のラインスイッチをオンするようにしたことを特徴とする請求項2記載の電気車制御装置。
【請求項4】 給電端子間に互いに直列に第1のラインスイッチおよび第3のラインスイッチを接続し、上記第3のラインスイッチの両極間に、電動機負荷および蓄電装置と上記電動機負荷の方向へ通流可能なダイオードとの並列接続体を直列にして接続し、車両の制動時には上記第1のラインスイッチをオフ、第3のラインスイッチをオンにして上記電動機負荷からの回生電力により上記蓄電装置を充電し、上記車両の力行時には、上記第1のラインスイッチをオン、第3のラインスイッチをオフにして饋電回路からの電力に上記蓄電装置からの放電電力を加算して上記電動機負荷に供給し上記蓄電装置が電力を放出した後は上記ダイオードを経て上記饋電回路の電力を上記電動機負荷に供給するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電気車制御装置。
【請求項5】 可逆変換可能なDC/DCコンバータの1次側と第1のラインスイッチとを互いに直列にして給電端子間に接続し、上記DC/DCコンバータの2次側に蓄電装置を接続し、上記DC/DCコンバータの1次側に電動機負荷を接続し、車両の制動時には上記第1のラインスイッチをオフにして上記DC/DCコンバータを介して上記電動機負荷からの回生電力により上記蓄電装置を充電し、上記車両の力行時には、上記DC/DCコンバータを介して上記蓄電装置からの放電電力を上記電動機負荷に供給し上記蓄電装置が電力を放出した後は上記第1のラインスイッチをオンにして饋電回路からの電力を上記電動機負荷に供給するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電気車制御装置。
【請求項6】 車両の運転情報や路線情報等の車両情報を入手する手段を備え、蓄電装置の利用率が増大するよう上記車両情報に基づきDC/DCコンバータによる上記蓄電装置の充放電動作を制御するようにしたことを特徴とする請求項5記載の電気車制御装置。
【請求項7】 電動機負荷と並列にスイッチと放電抵抗との直列接続体を接続し、車両の制動時において蓄電装置の電圧が所定の設定値を越えたとき上記スイッチをオンにして上記電動機負荷からの回生電力を上記放電抵抗に分流させるようにしたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の電気車制御装置。
【請求項8】 車両の制動時において蓄電装置の電圧が所定の設定値を越えたとき第1のラインスイッチをオンにして電動機負荷からの回生電力を饋電回路に分流させるようにしたことを特徴とする請求項1ないし3、5または6のいずれかに記載の電気車制御装置。
【請求項9】 電動機負荷は、直流電力と可変電圧可変周波数の交流電力との相互変換を行うインバータおよびこのインバータに接続された交流電動機からなることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の電気車制御装置。
【請求項10】 直流電源とコンデンサからなる蓄電装置との間で直流電力を双方向に変換するDC/DCコンバータであって、正極側が上記直流電源の正極側に接続された第1のスイッチング素子、この第1のスイッチング素子と逆並列に接続された第1のダイオード、正極側が上記第1のスイッチング素子の負極側に接続され負極側が上記直流電源の負極側に接続された第2のスイッチング素子、上記第2のスイッチング素子と逆並列に接続された第2のダイオード、および上記蓄電装置と直列にして上記第2のスイッチング素子の両極間に接続されたリアクトルを備え、上記第2のスイッチング素子をオフとし上記第1のスイッチング素子をオンオフ制御することにより上記直流電源から蓄電装置に電力を変換し、上記第1のスイッチング素子をオフとし上記第2のスイッチング素子をオンオフ制御することにより上記蓄電装置から直流電源に電力を変換するDC/DCコンバータ。
【請求項11】 直流電源の両極を給電端子の両極とみなすことにより、請求項5または6に記載のDC/DCコンバータとして請求項10に記載のDC/DCコンバータを適用したことを特徴とする電気車制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気車においてその供給饋電電圧の変動を抑制することができる電気車制御装置、およびこれに使用するDC/DCコンバータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気車に電力を供給する饋電回路の饋電電圧は、当該電気車の計画走行特性を発揮させるため、その電圧変動を許容範囲に収める必要があり、このため、従来から各種の電圧降下対策が採用されている。この対策は、直流饋電系統と交流饋電系統とでは異なるが、基本的には、饋電変電所から電気車のパンタグラフまでの電圧降下を少なくするため、例えば、饋電線の抵抗やリアクタンス降下を低減すること、また、変電所間隔が長い場合には中間に饋電区分所を設け電気車に並列饋電すること等の方式が採用される。
【0003】ところで、饋電変電所の負荷になる列車は、力行、惰行、制動とその運転形態に応じて電力を消費、また回生し、これに伴って饋電電圧を大きく変動させる。また、この饋電電圧の変動は、列車位置によりその饋電線抵抗やリアクタンスが異なり饋電変電所から遠方になるほど電圧変動が大きくなる。更に、饋電区間内に同時に走行する列車の本数や編成車両数によっても負荷消費電力が大幅に異なる。また、各列車の相互位置と運転状況により消費電力が同時に重なったり、回生電力を消費する列車が他に在線しないと饋電電圧は上昇して回生失弧する等して饋電電圧は大幅に変動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、電気車はその運転形態の変化によりそれ自体負荷変動が大きいという特性を有し、また、列車密度や編成規模に応じて変電所が電力を供給すべき電気車の数量も大幅に変動する。このため、饋電電圧の変動を、従来のように、地上の饋電回路側における電圧降下対策で補償するとすると、その要求仕様が時として過大となり、電圧変動補償が不完全なものとなって電気車の計画走行特性が確保できなかったり、対策のための設備費用が膨大になるという問題点があった。
【0005】この発明は以上のような問題点を解消するためになされたもので、変電所から見た電気車自体の負荷変動を抑制し、これにより饋電電圧を安定させ電気車の計画走行特性の発揮を実現することができる電気車制御装置およびこれに使用するDC/DCコンバータを得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電気車制御装置は、集電手段を介して地上の饋電回路と接続される両極の給電端子、この給電端子間に接続され車両駆動用の電動機負荷を有する主回路、および上記電動機負荷を制御して車両の力行、制動を行う制御手段を備えた電気車制御装置において、上記主回路にコンデンサからなる蓄電装置を備え、上記車両の制動時に上記電動機負荷からの回生電力により上記蓄電装置を充電し、上記車両の力行時、上記蓄電装置からの放電電力を上記電動機負荷に供給するようにしたものである。
【0007】また、この発明に係る電気車制御装置は、その給電端子間に互いに直列に第1のラインスイッチおよび蓄電装置を接続し、上記蓄電装置の両極間に電動機負荷を接続し、車両の制動時には上記第1のラインスイッチをオフにして上記電動機負荷からの回生電力により上記蓄電装置を充電し、上記車両の力行時には、上記蓄電装置からの放電電力を上記電動機負荷に供給し上記蓄電装置の電圧が所定の設定値より低下すると上記第1のラインスイッチをオンにして饋電回路からの電力を上記電動機負荷に供給するようにしたものである。
【0008】また、この発明に係る電気車制御装置は、その蓄電装置と直列に、第2のラインスイッチと限流抵抗との並列接続体を接続し、給電端子間の電圧Vpが蓄電装置の電圧Vcより大のときに第1のラインスイッチをオンする場合、上記第2のラインスイッチをオフした状態で上記第1のラインスイッチをオンし、Vp=Vcとなった後上記第2のラインスイッチをオンするようにしたものである。
【0009】また、この発明に係る電気車制御装置は、その給電端子間に互いに直列に第1のラインスイッチおよび第3のラインスイッチを接続し、上記第3のラインスイッチの両極間に、電動機負荷および蓄電装置と上記電動機負荷の方向へ通流可能なダイオードとの並列接続体を直列にして接続し、車両の制動時には上記第1のラインスイッチをオフ、第3のラインスイッチをオンにして上記電動機負荷からの回生電力により上記蓄電装置を充電し、上記車両の力行時には、上記第1のラインスイッチをオン、第3のラインスイッチをオフにして饋電回路からの電力に上記蓄電装置からの放電電力を加算して上記電動機負荷に供給し上記蓄電装置が電力を放出した後は上記ダイオードを経て上記饋電回路の電力を上記電動機負荷に供給するようにしたものである。
【0010】また、この発明に係る電気車制御装置は、可逆変換可能なDC/DCコンバータの1次側と第1のラインスイッチとを互いに直列にして給電端子間に接続し、上記DC/DCコンバータの2次側に蓄電装置を接続し、上記DC/DCコンバータの1次側に電動機負荷を接続し、車両の制動時には上記第1のラインスイッチをオフにして上記DC/DCコンバータを介して上記電動機負荷からの回生電力により上記蓄電装置を充電し、上記車両の力行時には、上記DC/DCコンバータを介して上記蓄電装置からの放電電力を上記電動機負荷に供給し上記蓄電装置が電力を放出した後は上記第1のラインスイッチをオンにして饋電回路からの電力を上記電動機負荷に供給するようにしたものである。
【0011】また、この発明に係る電気車制御装置は、車両の運転情報や路線情報等の車両情報を入手する手段を備え、蓄電装置の利用率が増大するよう上記車両情報に基づきDC/DCコンバータによる上記蓄電装置の充放電動作を制御するようにしたものである。
【0012】また、この発明に係る電気車制御装置は、その電動機負荷と並列にスイッチと放電抵抗との直列接続体を接続し、車両の制動時において蓄電装置の電圧が所定の設定値を越えたとき上記スイッチをオンにして上記電動機負荷からの回生電力を上記放電抵抗に分流させるようにしたものである。
【0013】また、この発明に係る電気車制御装置は、その車両の制動時において蓄電装置の電圧が所定の設定値を越えたとき第1のラインスイッチをオンにして電動機負荷からの回生電力を饋電回路に分流させるようにしたものである。
【0014】また、この発明に係る電気車制御装置の電動機負荷は、直流電力と可変電圧可変周波数の交流電力との相互変換を行うインバータおよびこのインバータに接続された交流電動機からなるものである。
【0015】また、この発明に係るDC/DCコンバータは、直流電源とコンデンサからなる蓄電装置との間で直流電力を双方向に変換するDC/DCコンバータであって、正極側が上記直流電源の正極側に接続された第1のスイッチング素子、この第1のスイッチング素子と逆並列に接続された第1のダイオード、正極側が上記第1のスイッチング素子の負極側に接続され負極側が上記直流電源の負極側に接続された第2のスイッチング素子、上記第2のスイッチング素子と逆並列に接続された第2のダイオード、および上記蓄電装置と直列にして上記第2のスイッチング素子の両極間に接続されたリアクトルを備え、上記第2のスイッチング素子をオフとし上記第1のスイッチング素子をオンオフ制御することにより上記直流電源から蓄電装置に電力を変換し、上記第1のスイッチング素子をオフとし上記第2のスイッチング素子をオンオフ制御することにより上記蓄電装置から直流電源に電力を変換するものであり、また、この発明に係る電気車制御装置は、当該DC/DCコンバータを介して蓄電装置の充放電を行うようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1における電気車制御装置で、特にその主回路構成を示す図である。ここでは直流給電方式で説明している。図において、1および2は直流饋電回路を構成するそれぞれ架線およびレールである帰線、P、Nは集電手段であるパンタグラフ3およびスリップリング(図示せず)を介して架線1および帰線2に接続される給電端子、4は第1のラインスイッチ(Ls1)、5は大容量の電気二重層コンデンサからなる蓄電装置、6はアーススイッチ(Gsw)で、通常閉路されている。7は直流電力と可変電圧可変周波数の3相交流電力との相互変換を行うインバータ、8はこのインバータ7の出力により回転駆動される誘導電動機(IM)である。9および10は互いに直列となってインバータ7の直流側端子間に接続された放電抵抗(Re)およびサイリスタスイッチ(Th)である。
【0017】図2はインバータ7の内部構成例で、サイリスタやGTO素子(Th1〜Th6)とダイオード(Dd1〜Dd6)とを逆並列接続して3相インバータ回路を構成し、力行時には直流電源Bt(実際は蓄電装置5または給電端子P、N)からの電力をPWM方式でVVVF(可変電圧可変周波数)制御して誘導電動機8に供給し速度制御がなされる。制動時には誘導電動機8を発電機として動作させその電圧、電流を制御して電源側へ電力を回生することができる。
【0018】図3はスイッチング素子に電界効果形トランジスタ(Tr1〜Tr6)を使用してPWM3相インバータ回路を構成したものである。
【0019】次に動作について説明する。図4は列車の運転形態に応じたラインスイッチLs1の動作と蓄電装置5の電圧の変化を示す。なお、説明の便宜上、ここでは、架線電圧Vpは標準値1500V一定と仮定し、この架線電圧Vpが変化することについては、次の実施の形態の説明で触れることにする。
【0020】図4において、時間t0までは列車は惰行状態で、蓄電装置5は架線電圧Vp=1500Vに充電されているものとする。この時間t0で列車が制動状態に入ると、ここでラインスイッチLs1をオフとし、誘導電動機8の運動エネルギーをインバータ7で回生し、その回生電力により蓄電装置5を充電する。この充電量により蓄電装置5の電圧は1500Vから上昇し、この上昇分は列車の回生電力量に相当する値に達する(時間t1)。次にこの時間t1から列車が力行に入ると、蓄電装置5が直流電源となってインバータ7が交流電力に変換し誘導電動機8を回転駆動する。
【0021】蓄電装置5の放電が続き、その電圧が架線電圧Vp=1500Vまで低下すると(時間t2)、それ以上の放電電力は取り出せないので、更に力行を継続したい場合は、この時間t2でラインスイッチLs1をオンにする。これにより、誘導電動機8を駆動する電力は主として架線1から導入されることになるが、蓄電装置5の内部抵抗と饋電回路の抵抗との比に応じて蓄電装置5からも一部電流が供給される。なお、この点については更に後述する。時間t3で惰行状態になった後は、先の説明と同様の動作を繰り返すことになる。
【0022】図5は、図4において、ラインスイッチLs1をオンした時間t2以降における等価回路を示すもので、以下、この図により、当該時点における地上の饋電回路側から見た列車負荷変動抑止効果について説明する。同図において、饋電変電所は、電圧源Es、ダイオードDd、内部抵抗Rsで模擬し、饋電線抵抗はRr、列車蓄電装置は電圧源Ecと内部抵抗Rc、列車負荷はRtでそれぞれ表現している。そして、饋電回路からの電流をI1、蓄電装置からの電流をI2、負荷の電流をI3、負荷の印加電圧(架線電圧に相当する)をVpとすると、以下の(1)〜(3)式が成立する。
Vp=Es−(Rs+Rr)・I1 ・・・(1)
Vp=Ec−Rc・I2 ・・・(2)
I1+I2=I3 ・・・(3)
【0023】以上の3式から電流I1とI3との関係は(4)式で求められる。
I1={Rc/(Rs+Rr+Rc)}I3−(Ec−Es)/(Rs+Rr+Rc) ・・・(4)
(4)式第2項は、蓄電装置の電圧Ecが饋電回路電圧Esより高い場合にその電圧差に応じて得られる電流減量分であるが、この電圧差が零、即ち、Ec=Esの場合にも、(4)式第1項の係数Rc/(Rs+Rr+Rc)は1より小であるからI1<I3が成立する。即ち、蓄電装置による補償がない場合は、I1=I3であるから、この蓄電装置の設置により、饋電回路から流入する電流I1が減少し、従って、架線電圧Vpの変動が抑制されることになる。
【0024】図6は図1の電気車制御装置を適用した場合の饋電回路の電流を従来と比較して示したタイミングチャートである。同図(a)は従来の場合の電流値、(b)はこの発明における電流値、(c)は列車の速度と走行状態を示す。先ず、力行時は、従来は力行のためのエネルギーがそのまま饋電回路から供給されるので、同図(a)のように電流がその全過程で立ち上がるが、この発明による(b)では、一点鎖線で示すように、先ず、充電された蓄電装置5の放電電力により誘導電動機8が駆動され饋電回路からの電流は流れない。蓄電装置5の電圧が降下し、架線電圧Vpと同程度になると、ラインスイッチLs1をオンにするので、この時点から饋電回路の電流が立ち上がる。以上のように、列車の回生電力を蓄電装置5に充電し、再力行時にその蓄電電力を有効に利用するので、エネルギー効率が増大するとともに、饋電回路から見た負荷電流も短時間小規模なものに減少して、電圧変動が抑制されるという効果がある。
【0025】次に、列車の制動時は、従来(a)の場合は回生電流が饋電回路に流出するのに対し、本発明(b)では、回生電力は蓄電装置5に吸収され饋電回路側へは流出しない。従って、一般に歪波である回生電流が流れて高周波や誘導障害を発生するという不具合が起こらない。特に、軌道回路を使用する信号設備への障害が軽減されるという効果がある。また、通常、列車の回生制動は、その回生電力を有効に消費する、力行状態の他の列車の存在が前提で動作するものである。そして、このように、他の列車の存在は確率的なものであり、この点で、饋電回路への回生による制動動作には不安定性が残る。しかし、この発明では、蓄電装置5を設けて回生電力を吸収するので、安定した回生制動動作が確実に得られるという利点がある。
【0026】なお、以上の説明では、回生時のエネルギーをすべて蓄電装置5の充電エネルギーで吸収するものとしたが、現実的には、この方式は必ずしも得策でない場合がある。即ち、蓄電装置5は車両に搭載するものであるので、その重量、容積には制約がある。従って、特殊な路線条件、例えば、長い下り勾配路線で回生制動による抑速運転を続ける場合等を考慮すると、あらゆる運転条件での回生電力をすべて蓄電装置5で吸収する構成とすることは必ずしも経済的でない。そこで、図1に示す放電抵抗ReおよびサイリスタスイッチThを設け、回生電力による充電が進み蓄電装置5の電圧が、その容量で定まる所定の設定値を越えたときは、これを検出してサイリスタスイッチThをオンして放電抵抗Reを投入し、インバータ7からの回生電流をこの放電抵抗Reに分流することにより、蓄電装置5を合理的な容量の範囲に設定しつつ、かつ回生制動を安定に作用させることができる。
【0027】なお、蓄電装置を車上に設置して電圧補償を行うこの発明の方式は、地上に設置する従来の方式と比較すると、例えば、列車の走行密度が低い線区では、線区の全区間に分散して設ける必要がある地上設置方式より経済的となる。また、特定の列車のみが回生制御装置を有している場合や、編成両数が大きく消費電力が大きい列車等では回生電力の有効利用のため、また饋電線負荷の軽減のために車上に蓄電装置を設けるこの発明による方式が特に経済性で優れている。
【0028】実施の形態2.図7はこの発明の実施の形態2における電気車制御装置の主回路構成を示す図である。ここでは、架線電圧の変動を考慮するとともに、蓄電装置5を大きな突入電流を発生することなく初期充電できる対策を採用した回路について説明する。以下、図7の構成を、図1の回路と異なる点を中心に説明する。11および12は蓄電装置5と直列にして給電端子P、N間に接続された第2のラインスイッチ(Ls2)および限流抵抗(Re1)である。13、14および15は、それぞれ、給電端子P、N間の電圧、従って架線電圧Vpを検出する電圧検出器(DCPT1)、蓄電装置5の電圧Vcを検出する電圧検出器(DCPT2)およびインバータ7の直流側電圧Vdを検出する電圧検出器(DCPT3)である。
【0029】次に、初期充電を含む各ラインスイッチLs1、Ls2の動作を図8のフローチャートに基づき説明する。スタートで初期設定としてラインスイッチLs1、Ls2を共にオフとする(ステップS1)。次に、電圧検出器DCPT1とDCPT2との出力からステップS2でVc<Vp?を判断し、YESであれば蓄電装置5の初期充電が必要となる。力行または惰行の状態にあるときに(ステップS3でYES)、ラインスイッチLs1をオン、Ls2をオフにする(ステップS4)。これにより、架線1−パンタグラフPt−ラインスイッチLs1−限流抵抗Re1−蓄電装置C−アーススイッチGsw−帰線2のルートが形成され、蓄電装置は架線電圧Vpに対して限流抵抗Re1で電流が制限された状態で初期充電される。蓄電装置が充電されその電圧Vcが上昇し、Vc<Vpの条件が成立しなくなれば(ステップS2でNO)、ラインスイッチLs1をオフ、Ls2をオンにし(ステップS5)、限流抵抗Re1を短絡して初期充電を完了し(ステップS6)、本来の列車運転に移行する(ステップS7)。なお、ステップS3でNO(制動)の場合は、ラインスイッチLs1をオフのままにとどめる(ステップS8)。
【0030】列車運転に入り、運転状態が制動になれば、ラインスイッチLs1をオフとしてインバータ7からの回生電力により蓄電装置が充電される。蓄電装置は予め架線電圧Vp(DC1500V程度)に初期充電されているので、回生電力による充電動作により蓄電装置の電圧Vcは更に上昇する。インバータ7の電圧Vdがその上限値(DC1900V程度)を越えると、電圧検出器DCPT3がこれを検知してサイリスタスイッチThをオンさせ放電抵抗Re2に分流させることで、電圧上昇を抑えるとともに安定した回生制動動作が得られる。
【0031】続いて、列車運転が力行状態になれば、蓄電装置電圧Vcと架線電圧Vpとが比較され、Vc>Vpの場合はラインスイッチLs1はオフされ、蓄電装置の電荷は誘導電動機8の駆動に消費されて蓄電装置電圧Vcは降下する。この電圧Vcが更に降下してVc<Vpが成立するとラインスイッチLs1をオンにして架線電圧からインバータ7へ給電する。
【0032】以上のように、この実施の形態においては、蓄電装置の充放電制御のため蓄電装置電圧Vcと比較すべき対象を架線電圧の標準値1500Vとするのではなく、列車密度等で常に変動する架線電圧Vpとしたので、ラインスイッチLs1のオン時の突入電流を抑えることができる。また、初期充電時も必要な限流手段を確実に適用することができる。
【0033】逆に、上述した比較対象の電圧を、架線電圧Vpではなく、例えば、DC1500VまたDC1400Vとした場合は、ラインスイッチLs1投入時点における架線電圧Vpと蓄電装置電圧Vcとの差電圧に応じた突入電流が流れることになる。もっとも、ラインスイッチLs1のオン動作とラインスイッチLs2のオフ/オン動作を常に連動させることにより、上記突入電流を低減することができる。
【0034】実施の形態3.図9はこの発明の実施の形態3における電気車制御装置の主回路構成を示す図である。ここでは、利用効率の高い蓄電装置の接続構成を採用している。以下、図1の回路と異なる部分を中心に説明する。図9において、16はラインスイッチLs1と直列にして給電端子P、N間に接続された第3のラインスイッチLs3で、ここでは、蓄電装置(C)5はこのラインスイッチLs1とLs3との接続点とインバータ7の正極端子との間に直列に接続されている。17は蓄電装置5と並列に図示の向きの極性が接続されたダイオード(Dd)である。
【0035】次に動作を図10を参照して説明する。列車が力行状態に入ると、ラインスイッチLs1をオン、Ls3をオフにする。蓄電装置5が後述する制動時の回生電力で充電されていると、架線電圧Vpにこの蓄電装置電圧Vcが加算されてインバータ7に供給され誘導電動機8が駆動される。蓄電装置5の電荷が放出されてしまうと、ダイオードDdが通電し、以降、架線電圧Vpがインバータ7に供給される。
【0036】列車が制動状態に入ると、ラインスイッチLs1をオフ、Ls3をオンとしてインバータ7からの回生電力により蓄電装置5を充電する。この充電動作で蓄電装置電圧Vcが上昇し、その容量で定まる所定の設定値を越えるとサイリスタスイッチThをオンして回生電流を放電抵抗Reに分流させ電圧上昇を抑えて回生制動の安定化を図る点は先の形態例と同様である。
【0037】先の形態例の場合、インバータの制御可能な電圧上限値を例えば、DC1900Vとすると、蓄電装置は最大このDC1900Vまで充電する機能を持たせたものとするが、その蓄電電力は架線電圧Vpの標準値DC1500Vに近い値までの放電電力しか利用できず利用効率が低いという欠点がある。
【0038】これに対し、実施の形態3の回路構成においては、制動時に例えば、DC400V(インバータの最大電圧DC1900V−架線標準電圧DC1500V)まで充電された蓄電装置5の電荷は、力行時、架線電圧DC1500Vに加算され、DC1900Vの直流電源としてインバータ7に供給され誘導電動機8が駆動される。そして、力行状態が続くと、やがて、蓄電装置5の電荷はすべて放出され、以後ダイオードDdを経て架線からの給電が継続される。即ち、蓄電装置5は充電した電荷を全量利用することができ、利用効率が極めて高くなるという利点がある。
【0039】実施の形態4.図11はこの発明の実施の形態4における電気車制御装置の主回路構成を示す図である。ここでは、双方向に直流電力を変換可能なDC/DCコンバータ18を介して蓄電装置5を接続している。図12は、列車の運転状態に対する蓄電装置電圧の変化を示すタイミングチャートである。この場合、DC/DCコンバータ18を適切に制御することにより、蓄電装置5の充電電圧は架線電圧やインバータの回生電圧との高低差の制約を受けないので、力行、惰行、制動の列車運転状態に合わせて充放電動作が自由に制御できる。
【0040】これに伴う利点を列挙すると以下の通りである。
(1)蓄電装置に、制動時の回生電力を有効に充電し、力行時にその充電電力のすべてを放出して駆動エネルギーに利用できるので、列車の消費電力が低減するとともに、蓄電装置の利用効率が向上する。
(2)蓄電装置の電圧定格を自由に設定できるので、一般にその電圧仕様が低い大容量電気二重層コンデンサの適用が容易となる。
(3)車上に車両の運転情報や路線情報等の車両情報を入力する手段を備え、この車両情報に基づきDC/DCコンバータを制御することにより、例えば、路線の上り勾配が続く特定の区間で蓄電装置の蓄電電力を有効に利用するようにしたり、また、下り勾配が続く特定の区間では、その手前で蓄電装置を完全な放電状態として当該区間における回生電力を最大限吸収できる条件を確保するなど、蓄電装置の利用率の向上を図ることができる。
(4)蓄電装置とDC/DCコンバータとの組み合わせ制御により、架線電圧変動範囲を抑制し、誘導電動機を制御するインバータの電圧制御範囲を狭くして動作を安定化させるとともに電力変換効率を上げることができる。
【0041】実施の形態5.ここでは、実施の形態4(図11)で使用するDC/DCコンバータの具体的な回路構成例について説明する。図13において、Tr1、Tr2はオンオフを繰り返すことができる、IGBTや電界効果形パワートランジスタ等の第1および第2のスイッチング素子、Dd1、Dd2はそれぞれTr1、Tr2と各並列に接続されたダイオード、Btは直流電源、L1、C1は平滑フィルタを構成するリアクトル、コンデンサ、C2は電気二重層コンデンサや大容量電解コンデンサ等の蓄電装置、L2はリアクトルである。
【0042】この内、Tr1、L2、C2、Dd2はBtからC2に充電するためのチョッパー回路を形成し、Tr2、L2、C2、Dd1はC2からBtに逆充電するためのチョッパー回路を形成している。そして、このDC/DCコンバータを先の図11の回路に適用する場合は、直流電源Btの両極が、図11のラインスイッチLs1とアーススイッチGswとの間に位置する関係となるよう設置する。
【0043】次に動作について説明する。電圧の高い電源Btから電圧の低い蓄電装置C2への充電は、Tr2がオフの状態でTr1をオンオフして行われる。即ち、図14に示すように、Tr1がオンの期間Bt−L1−Tr1−L2−C2−Btの回路で電流Ixが流れ電流が規定の上限値Iuに達すればTr1をオフする。電流IxはリアクトルL2に貯えられたエネルギーでL2−C2−Dd2−L2の回路で減衰し、電流Ixが規定の下限値Idになれば、再びTr1をオンする。以上のように電流IxをIuとIdの間の電流値に保ちBtからC2への充電ができる。
【0044】また逆に、電圧の低い蓄電装置C2から電圧の高い電源Btへの充電は、Tr1がオフの状態でTr2をオンオフして行われる。即ち、図15に示すように、Tr2がオンするとC2−L2−Tr2−C2の回路で充電された電荷が放電され、電流Ixが上昇して規定の上限値Iuに達すればTr2をオフする。すると、リアクトルL2に貯えられたエネルギーで電圧が上昇してL2−Dd1−L1−Bt−C2−L2の回路で電流Ixが持続して流れ、これが減衰して規定の下限値Idになれば再びTr2をオンする。このようにしてC2からBtへの逆充電が行われる。
【0045】即ち、電源Btと蓄電装置C2との間での充放電は、以上で述べたTr1、Tr2のスイッチング動作による電流制御により、主回路をスイッチ等で切り換えることなく直接行うことができる。更に、電源Btの電圧と蓄電装置の電圧を検出し、電源Bt電圧が所定の設定値(例えばDC1500V)になるまで蓄電装置C2から電源Btに電流を供給すれば、先の図11の回路における力行制御電圧をDC1500Vに保つことができる。また、蓄電装置C2の電圧が所定の設定値(例えばDC600V)になるまで電源Btから蓄電装置C2に電流を供給すれば蓄電装置C2を一定のDC600Vで充電することができる。以上のように、蓄電装置の電圧を力行時に都合のよい値に保つこともでき、また、回生電力を蓄電装置の最大許容電圧まで充電しておくこともできる。
【0046】実施の形態6.ここでは、この発明に関連して更に採り得る変形例のいくつかについて簡単に説明する。
(1)上述した各形態例では、列車の制動時、回生電力を蓄電装置の充電動作で吸収し、その電圧が設定値を越えたときはサイリスタスイッチをオンして放電抵抗に分流する方式としたが、この電圧が設定値が越えたときは、ラインスイッチLs1をオンにして饋電回路側へ回生する方式としてもよい。流出する回生電流による高調波等は例えば高調波フィルタを設置して除去する等の対策の必要はあるが、放電抵抗が不要となり、またその分流による電力損失が軽減される利点がある。
【0047】既述した通り、DC1500Vを定格とするインバータは、通常、直流電圧は最高DC1900V程度から最低DC1000V程度までの範囲で制御可能であるので、回生電力を車上のみで処理する場合は、この電圧範囲内で回生制御が可能であるが、上述したように、饋電回路側へ回生する場合は、通常の架線電圧変動範囲、即ち、饋電変電所の送り出し電圧DC1650V(標準+10%)から線路端における許容下限電圧DC1125V(標準−25%)までの範囲で制御する必要がある。
【0048】(2)また、各形態例では、いずれも直流饋電方式に適用した場合について説明したが、交流饋電方式においても、車両に設けたコンバータとインバータとの間の直流回路に蓄電装置を接続することにより、上述形態例と同様に適用でき同等の効果を奏する。
(3)また、電動機負荷としては、インバータで誘導電動機を駆動する方式に限られるものではなく、例えば、チョッパー制御装置により直流電動機を駆動する方式等であってもよいことは勿論である。
(4)更に、図13で説明したDC/DCコンバータは、その双方向変換が簡便円滑になし得るという特性を活用して、上述した適用例以外の分野に利用することもできる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る電気車制御装置は、集電手段を介して地上の饋電回路と接続される両極の給電端子、この給電端子間に接続され車両駆動用の電動機負荷を有する主回路、および上記電動機負荷を制御して車両の力行、制動を行う制御手段を備えた電気車制御装置において、上記主回路にコンデンサからなる蓄電装置を備え、上記車両の制動時に上記電動機負荷からの回生電力により上記蓄電装置を充電し、上記車両の力行時、上記蓄電装置からの放電電力を上記電動機負荷に供給するようにしたので、饋電回路から見た電気車自体の負荷変動が抑制され、饋電電圧が安定し電気車の計画走行特性が発揮される。
【0050】また、この発明に係る電気車制御装置は、その給電端子間に互いに直列に第1のラインスイッチおよび蓄電装置を接続し、上記蓄電装置の両極間に電動機負荷を接続し、車両の制動時には上記第1のラインスイッチをオフにして上記電動機負荷からの回生電力により上記蓄電装置を充電し、上記車両の力行時には、上記蓄電装置からの放電電力を上記電動機負荷に供給し上記蓄電装置の電圧が所定の設定値より低下すると上記第1のラインスイッチをオンにして饋電回路からの電力を上記電動機負荷に供給するようにしたので、簡単な構成で制動、力行時の蓄電装置の充放電の動作が確実になされる。
【0051】また、この発明に係る電気車制御装置は、その蓄電装置と直列に、第2のラインスイッチと限流抵抗との並列接続体を接続し、給電端子間の電圧Vpが蓄電装置の電圧Vcより大のときに第1のラインスイッチをオンする場合、上記第2のラインスイッチをオフした状態で上記第1のラインスイッチをオンし、Vp=Vcとなった後上記第2のラインスイッチをオンするようにしたので、蓄電装置充電時の突入電流が確実に抑制される。
【0052】また、この発明に係る電気車制御装置は、その給電端子間に互いに直列に第1のラインスイッチおよび第3のラインスイッチを接続し、上記第3のラインスイッチの両極間に、電動機負荷および蓄電装置と上記電動機負荷の方向へ通流可能なダイオードとの並列接続体を直列にして接続し、車両の制動時には上記第1のラインスイッチをオフ、第3のラインスイッチをオンにして上記電動機負荷からの回生電力により上記蓄電装置を充電し、上記車両の力行時には、上記第1のラインスイッチをオン、第3のラインスイッチをオフにして饋電回路からの電力に上記蓄電装置からの放電電力を加算して上記電動機負荷に供給し上記蓄電装置が電力を放出した後は上記ダイオードを経て上記饋電回路の電力を上記電動機負荷に供給するようにしたので、簡単な構成で制動、力行時の蓄電装置の充放電の動作が確実になされ、蓄電装置の高い利用効率が達成される。
【0053】また、この発明に係る電気車制御装置は、可逆変換可能なDC/DCコンバータの1次側と第1のラインスイッチとを互いに直列にして給電端子間に接続し、上記DC/DCコンバータの2次側に蓄電装置を接続し、上記DC/DCコンバータの1次側に電動機負荷を接続し、車両の制動時には上記第1のラインスイッチをオフにして上記DC/DCコンバータを介して上記電動機負荷からの回生電力により上記蓄電装置を充電し、上記車両の力行時には、上記DC/DCコンバータを介して上記蓄電装置からの放電電力を上記電動機負荷に供給し上記蓄電装置が電力を放出した後は上記第1のラインスイッチをオンにして饋電回路からの電力を上記電動機負荷に供給するようにしたので、饋電電圧や電動機負荷の電圧との高低差の制約を受けず、充放電の動作が自由に制御できる。
【0054】また、この発明に係る電気車制御装置は、その車両の運転情報や路線情報等の車両情報を入手する手段を備え、蓄電装置の利用率が増大するよう上記車両情報に基づきDC/DCコンバータによる上記蓄電装置の充放電動作を制御するようにしたので、蓄電装置の充放電動作を、車両運行時の電力節減等に一層有効なものとすることができる。
【0055】また、この発明に係る電気車制御装置は、その電動機負荷と並列にスイッチと放電抵抗との直列接続体を接続し、車両の制動時において蓄電装置の電圧が所定の設定値を越えたとき上記スイッチをオンにして上記電動機負荷からの回生電力を上記放電抵抗に分流させるようにしたので、蓄電装置に支障を及ぼすことなく安定した回生制動動作が確保される。
【0056】また、この発明に係る電気車制御装置は、車両の制動時において蓄電装置の電圧が所定の設定値を越えたとき第1のラインスイッチをオンにして電動機負荷からの回生電力を饋電回路に分流させるようにしたので、蓄電装置に支障を及ぼすことなく、回生制動動作を保つことができる。
【0057】また、この発明に係る電気車制御装置の電動機負荷は、直流電力と可変電圧可変周波数の交流電力との相互変換を行うインバータおよびこのインバータに接続された交流電動機からなるので、車両の制動、力行による蓄電装置の充放電動作が円滑になされる。
【0058】また、この発明に係るDC/DCコンバータは、直流電源とコンデンサからなる蓄電装置との間で直流電力を双方向に変換するDC/DCコンバータであって、正極側が上記直流電源の正極側に接続された第1のスイッチング素子、この第1のスイッチング素子と逆並列に接続された第1のダイオード、正極側が上記第1のスイッチング素子の負極側に接続され負極側が上記直流電源の負極側に接続された第2のスイッチング素子、上記第2のスイッチング素子と逆並列に接続された第2のダイオード、および上記蓄電装置と直列にして上記第2のスイッチング素子の両極間に接続されたリアクトルを備え、上記第2のスイッチング素子をオフとし上記第1のスイッチング素子をオンオフ制御することにより上記直流電源から蓄電装置に電力を変換し、上記第1のスイッチング素子をオフとし上記第2のスイッチング素子をオンオフ制御することにより上記蓄電装置から直流電源に電力を変換するので、直流電源と蓄電装置との間の電力変換が、双方向に連続してなされる。
【0059】また、この発明に係る電気車制御装置は、当該DC/DCコンバータを介して蓄電装置の充放電を行うようにしたので、充放電の切換、電圧の変換が円滑になされる。
【出願人】 【識別番号】390022460
【氏名又は名称】株式会社指月電機製作所
【出願日】 平成11年8月31日(1999.8.31)
【代理人】 【識別番号】100093562
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 俊英
【公開番号】 特開2001−69604(P2001−69604A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−244624