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【発明の名称】 ハイブリッド車両の制御装置
【発明者】 【氏名】若城 輝男

【氏名】松原 篤

【氏名】澤村 和同

【氏名】▲高橋▼ 秀幸

【氏名】沖 秀行

【氏名】北島 真一

【要約】 【課題】加速性能の向上とシフトアップのスムーズ化を図ることができるハイブリッド車両の制御装置を提供する。

【解決手段】エンジンとモータとモータに電力を供給し又はモータの回生エネルギーを蓄電するバッテリを備えたハイブリッド車両の制御装置において、運転者の瞬間的な加速意思を判定する加速意思判定手段(S304,S308,S309)と、加速意思判定手段により運転者から加速要求があった場合に、エンジン回転数に応じてエンジンに対するモータの駆動力を設定するアシスト量決定手段と、アシスト量決定手段により決定されたアシスト量に基づいてモータによるアシストを行うモータECUと、該モータECUによるアシストを行う時間を決定するアシスト時間設定手段(S305)とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の推進力を出力するエンジンと、車両の運転状態に応じて該エンジンの出力補助を行う補助駆動力を発生するモータと、該モータに電力を供給し又は少なくとも車両減速時のモータの回生作動により得られた回生エネルギーを蓄える蓄電装置を備えたハイブリッド車両であって、前記車両の運転状態に応じてモータによるエンジン出力補助の可否を判定するアシスト判定手段と、該アシスト判定手段によりアシストを行う判定をした場合、前記エンジンの運転状態に応じて前記モータの補助駆動力を設定する第1アシスト量決定手段と、該第1アシスト量決定手段により決定されたアシスト量に基づいて前記モータによるアシストを行うアシスト制御手段とを備えたハイブリッド車両の制御装置において、運転者の加速意思を判定する加速意思判定手段と、該加速意思判定手段により運転者の加速意思が所定以上の場合、前記第1アシスト量決定手段とは異なるアシスト量を設定する第2アシスト量決定手段とを備え、前記加速意思判定手段により運転者の加速意思が所定以上の場合、前記第2アシスト量決定手段にて設定されたアシスト量に基づいて前記アシスト制御手段により前記モータを駆動させてエンジンの出力補助を行うことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】 前記加速意思判定手段により運転者の加速意思が所定以上と判定された場合、前記第2アシスト量決定手段にて設定されたアシスト量に基づいて前記アシスト制御手段によりアシスト行う時間を設定するアシスト時間設定手段を備え、該アシスト時間設定手段により設定された設定時間に基づいてアシスト制御手段によりアシストが開始されると、上記第1アシスト量設定手段により設定されたアシスト量となるよう上記アシスト制御手段により徐々にアシスト量を増加させ、前記アシストを行う時間が終了したら徐々にアシスト量を減算させることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】 前記加速意思判定手段は、スロットル開度が所定以上で、かつスロットル開度の変化量が所定以上である場合に加速意思が所定以上と判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハイブリッド車両の制御装置に係り、特に、燃費向上を目的とするギア比のハイレシオ化に対しても加速性能を確保できるハイブリッド車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両走行用の駆動源としてエンジンの他にモータを備えたハイブリッド車両が知られている。このハイブリッド車両の一種に、モータをエンジンの出力を補助する補助駆動源として使用するパラレルハイブリッド車がある。このパラレルハイブリッド車は、例えば、加速時においてはモータによってエンジンの出力をアシストし、減速時においては減速回生によってバッテリ等への充電を行う等、様々な制御を行い、バッテリの残容量を確保しつつ運転者の要求を満足できるようになっている。(例えば、特開平7−123509号公報に示されている)。アシストが必要かどうかは、スロットル開度が所定の閾値を超えているかどうかにより判定され、その閾値を超えている場合にモータを駆動してエンジンの出力をアシストするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したハイブリッド車両においては、ガソリンエンジン車では単にブレーキ装置において熱エネルギーとして放出されていたエネルギーを回生エネルギーとしてバッテリに蓄電する等、多くの燃費向上対策を講じており、更なる改善を図るために、例えば、ギア比のハイレシオ化による燃費向上対策、つまりエンジンが低回転数で走行できるようなシフト設定が検討されつつある。ところが、このようにギア比をハイレシオ化すると、例えばカーブにさしかかってアクセルペダルを放し、カーブの終わりで再加速する場合に、ギア比が高くなっている分、思うように加速できず商品性が損なわれるという問題がある。また、上記のようにギア比をハイレシオ化すると発進時に必要トルクを確保するために通常どおりのギア比に設定された1stギアに比較して、例えば2ndギアのレシオ差が大きくなるため、シフトアップ時におけるエンジン回転数の差が大きくなり、駆動力に段差がでてしまうという問題がある。そこで、この発明は、加速性能の向上とシフトアップのスムーズ化を図ることができるハイブリッド車両の制御装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車両の推進力を出力するエンジン(例えば、実施形態におけるエンジンE)と、車両の運転状態に応じて該エンジンの出力補助を行う補助駆動力を発生するモータ(例えば、実施形態におけるモータM)と、該モータに電力を供給し又は少なくとも車両減速時のモータの回生作動により得られた回生エネルギーを蓄える蓄電装置(例えば、実施形態におけるバッテリ3)を備えたハイブリッド車両であって、前記車両の運転状態に応じてモータによるエンジン出力補助の可否を判定するアシスト判定手段(例えば、実施形態におけるステップS125,S136)と、該アシスト判定手段によりアシストを行う判定をした場合、前記エンジンの運転状態に応じて前記モータの補助駆動力を設定する第1アシスト量決定手段(例えば、実施形態におけるステップS239)と、該第1アシスト量決定手段により決定されたアシスト量に基づいて前記モータによるアシストを行うアシスト制御手段(例えば、実施形態におけるモータECU1)とを備えたハイブリッド車両の制御装置において、運転者の加速意思を判定する加速意思判定手段(例えば、実施形態におけるステップS304,S308,S309)と、該加速意思判定手段により運転者の加速意思が所定以上の場合、前記第1アシスト量決定手段とは異なるアシスト量(例えば、実施形態におけるスクランブルアシスト演算値SCRAST)を設定する第2アシスト量決定手段(例えば、実施形態におけるステップS401)とを備え、前記加速意思判定手段により運転者の加速意思が所定以上の場合、前記第2アシスト量決定手段にて設定されたアシスト量に基づいて前記アシスト制御手段により前記モータを駆動させてエンジンの出力補助を行うことを特徴とする。
【0005】このように構成することで、加速意思判定手段により運転者の加速意思が所定以上であると判定された場合には、第2アシスト量決定手段により設定された、例えばエンジン回転数に応じたアシスト量でアシスト制御手段を介してモータを駆動する。これによって、運転者の瞬間的なアシスト要求に応じてモータによるアシストが可能となる。
【0006】請求項2に記載した発明は、前記加速意思判定手段により運転者の加速意思が所定以上と判定された場合、前記第2アシスト量決定手段にて設定されたアシスト量に基づいて前記アシスト制御手段によりアシスト行う時間を設定するアシスト時間設定手段(例えば、実施形態におけるステップS305)を備え、該アシスト時間設定手段により設定された設定時間に基づいてアシスト制御手段によりアシストが開始されると、上記第1アシスト量設定手段により設定されたアシスト量となるよう上記アシスト制御手段により徐々にアシスト量を増加させ(例えば、実施形態におけるステップS405,S408,S409)、前記アシストを行う時間が終了したら徐々にアシスト量を減算させる(例えば、実施形態におけるステップS229,S230,S231)ことを特徴とする。
【0007】このように構成することで、加速意思判定手段により運転者から加速要求があった場合に、上記アシスト時間設定手段により設定された間において、上記アシスト量となるまで徐々にアシスト量を増加させてスムーズな加速が可能となる。また、アシスト時間設定手段によるアシストを行う時間が終了したら徐々にアシスト量を減少させることにより、通常状態(例えば、実施形態におけるスクランブルアシスト要求フラグF_MASTSCR=0の状態)への復帰がスムーズになされる。
【0008】請求項3に記載した発明は、前記加速意思判定手段は、スロットル開度が所定以上(例えば、実施形態におけるスロットルが全開か否かを示すステップS308)で、かつスロットル開度の変化量(例えば、実施形態におけるステップS309)が所定以上(例えば、1deg)である場合に加速意思が所定以上と判定することを特徴とする。このように構成することで、アクセルペダルの踏み込み量が大きく、かつ瞬間的である場合を加速意思ありとして判定することが可能となる。尚、スロットル開度の変化量は、車速の変化量で置きかえることが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1はパラレルハイブリッド車両において適用した実施形態を示しており、エンジンE及びモータMの両方の駆動力は、マニュアルトランスミッションよりなるトランスミッションTを介して駆動輪たる前輪Wf,Wfに伝達される。また、ハイブリッド車両の減速時に前輪Wf,Wf側からモータM側に駆動力が伝達されると、モータMは発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
【0010】モータMの駆動及び回生作動は、モータECU1からの制御指令を受けてパワードライブユニット2により行われる。パワードライブユニット2にはモータMと電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリ3が接続されており、バッテリ3は、例えば、複数のセルを直列に接続したモジュールを1単位として更に複数個のモジュールを直列に接続したものである。ハイブリッド車両には各種補機類を駆動するための12ボルトの補助バッテリ4が搭載されており、この補助バッテリ4はバッテリ3にダウンバータ5を介して接続される。FIECU11により制御されるダウンバータ5は、バッテリ3の電圧を降圧して補助バッテリ4を充電する。
【0011】FIECU11は、前記モータECU1及び前記ダウンバータ5に加えて、エンジンEへの燃料供給量を制御する燃料供給量制御手段6の作動と、スタータモータ7の作動の他、点火時期等の制御を行う。そのために、FIECU11には、ミッションの駆動軸回転数に基づいて車速Vを検出する車速センサS1からの信号と、エンジン回転数NEを検出するエンジン回転数センサS2からの信号と、トランスミッションTのシフトポジションを検出するシフトポジションセンサS3からの信号と、ブレーキペダル8の操作を検出するブレーキスイッチS4からの信号と、クラッチペダル9の操作を検出するクラッチスイッチS5からの信号と、スロットル開度THを検出するスロットル開度センサS6からの信号と、吸気管負圧PBを検出する吸気管負圧センサS7からの信号とが入力される。尚、図1中、31はバッテリ3を保護し、バッテリ3の残容量SOCを算出するバッテリECUを示す。このハイブリッド車両の制御モードには、「アイドル停止モード」、「アイドルモード」、「減速モード」、「加速モード」及び「クルーズモード」の各モードがある。
【0012】<モータ動作モード判別>次に、図2のフローチャートに基づいて前記各モードを決定するモータ動作モード判別について説明する。ステップS002において、ニュートラルポジション判定フラグF_NSWのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。ステップS002における判定結果が「YES」、つまりニュートラルポジションであると判定された場合は、ステップS028に進み、エンジン停止制御実施フラグF_FCMGのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。ステップS028における判定結果が「NO」である場合はステップS030の「アイドルモード」に移行して制御を終了する。「アイドルモード」では、燃料カットに続く燃料供給が再開されてエンジンEがアイドル状態に維持される。ステップS028における判定結果が「YES」である場合はステップS029に進み、「アイドル停止モード」に移行して制御を終了する。アイドル停止モードでは一定の条件でエンジンが停止される。
【0013】ステップS002における判定結果が「NO」、つまりインギアであると判定された場合は、ステップS003に進み、ここでクラッチ接続判定フラグF_CLSWのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。判定結果が「YES」でありクラッチが「断」と判定された場合は、ステップS028に進む。ステップS003における判定結果が「NO」でありクラッチが「接」であると判定された場合は、ステップS004に進む。
【0014】ステップS004においてはIDLE判定フラグF_THIDLMGのフラグ値が「1」か否かを判定する。判定結果が「NO」、つまりスロットルが全閉であると判定された場合はステップS017に進む。ステップS004における判定結果が「YES」、つまりスロットルが全閉でないと判定された場合はステップS005に進み、モータアシストアシスト判定フラグF_MASTのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。ステップS005における判定結果が「NO」である場合はステップS017に進む。ステップS005における判定結果が「YES」である場合は、ステップS013の「加速モード」に進む。そして、ステップS013の加速モードに至った後にステップS014においてアシスト許可フラグF_ACCASTのフラグ値が「1」であるか否かを判定し、判定結果が「YES」である場合は制御を終了する。ステップS014における判定結果が「NO」である場合は、ステップS017に進む。
【0015】ステップS017においてはエンジン制御用車速VPが「0」か否かを判定する。判定結果が「YES」、つまり車速が0であると判定された場合はステップS028に進む。ステップS017における判定結果が「N0」、つまり車速が0でないと判定された場合はステップS018に進む。ステップS018においては、エンジン回転数NEとクルーズ/減速モード下限エンジン回転数#NERGNLxとを比較する。ここでクルーズ/減速モード下限エンジン回転数#NERGNLxにおける「x」は各ギアにおいて設定された値(ヒステリシスを含む)である。
【0016】ステップS018における判定の結果、エンジン回転数NE≦クルーズ/減速モード下限エンジン回転数#NERGNLx、つまり低回転側であると判定された場合は、ステップS028に進む。一方、ステップS018における判定の結果、エンジン回転数NE>クルーズ/減速モード下限エンジン回転数#NERGNLx、つまり高回転側であると判定された場合は、ステップS019に進む。ステップS019においてはブレーキON判定フラグF_BKSWのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。ステップS019における判定結果が「YES」、つまりブレーキを踏み込んでいると判定された場合はステップS020に進む。ステップS019における判定結果が「NO」、つまりブレーキを踏み込んでいないと判定された場合はステップS021に進む。
【0017】ステップS020においてはIDLE判定フラグF_THIDLMGのフラグ値が「1」か否かを判定する。判定結果が「NO」、つまりスロットルが全閉であると判定された場合はステップS025の「減速モード」に進み、制御を終了する。尚、減速モードではモータMによる回生制動が実行される。ステップS020における判定結果が「YES」、つまりスロットルが全閉でないと判定された場合はステップS021に進む。
【0018】ステップS021においてはフューエルカット実行フラグF_FCのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。判定結果が「YES」、つまりフューエルカット中であると判定された場合はステップS025に進む。ステップS021の判定結果が「NO」である場合は、ステップS024において「クルーズモード」に移行して制御を終了する。このクルーズモードではモータMは駆動せず車両はエンジンEの駆動力で走行する。
【0019】<バッテリ残容量SOCのゾーニング>次に、バッテリ残容量SOCのゾーンニング(いわゆる残容量のゾーン分け)について説明する。バッテリの残容量の算出はバッテリECU31にておこなわれ、例えば、電圧、放電電流、温度等により算出される。この一例を説明すると通常使用領域であるゾーンA(SOC40%からSOC80%ないし90%)を基本として、その下に暫定使用領域であるゾーンB(SOC20%からSOC40%)、更にその下に、過放電領域であるゾーンC(SOC0%からSOC20%)が区画されている。ゾーンAの上には過充電領域であるゾーンD(SOC80%ないし90%から100%)が設けられている。各ゾーンにおけるバッテリ残容量SOCの検出は、ゾーンA,Bでは電流値の積算で行い、ゾーンC,Dはバッテリの特性上電圧値等を検出することにより行われる。尚、各ゾーンの境界には、上限と下限に閾値を持たせてあり、かつ、この閾値はバッテリ残容量SOCの増加時と減少時とで異なるようにしてヒステリシスを設定してある。
【0020】ここで、バッテリ3が交換等によりバッテリECU31での残容量SOCがリセットされバッテリ残容量SOCが算出できない場合には、SOCの初期値をゾーンCとDの境目である20%と仮定し、この暫定値に更に所定量(例えば、20%程度)が足し込まれるまで可能な限り充電を主体とした運転制御を行う。これにより実際のSOCがゾーンBにある場合にはゾーンAに入ることとなり、バッテリ残容量SOCがゾーンAにいる場合には、ゾーンAのままか、ゾーンDに入ろうとして電圧で判断されて充電主体の運転制御が停止される。よって、現在のバッテリ3の残容量SOCが検出される。
【0021】「アシストトリガ判定」図3、図4に示すのはアシストトリガ判定のフローチャート図、具体的にはアシスト/クルーズのモードを領域により判定するフローチャート図である。ステップS100においてエネルギーストレージソーンCフラグF_ESZONECのフラグ値が「1」か否かを判定する。判定結果が「YES」、つまりバッテリ残容量SOCがCゾーンにあると判定された場合はステップS137において最終アシスト指令値ASTPWRFが0以下であるか否かを判定する。ステップS137における判定結果が「YES」、つまり最終アシスト指令値ASTOWRFが0以下であると判定された場合は、ステップS138においてクルーズ発電量減算係数KTRGRGNに1.0を代入し、ステップS125においてモータアシスト判定フラグF_MASTに「0」を代入してリターンする。
【0022】ステップS100及びステップS137における判定結果が「NO」の場合はステップS101において発進アシストトリガ判定がなされる。この発進アシストトリガ判定処理は発進性能の向上を目的として、吸気管負圧PBが所定圧以上の高負圧の発進時にアシストトリガ値とアシスト量とを通常のアシスト量とは別に算出するための処理であり、その処理の結果、発進アシスト制御が必要と判定された場合には、発進アシスト要求フラグF_MASTSTRに「1」がセットされる。
【0023】次に、ステップS102で発進アシスト要求フラグF_MASTSTRが「1」であるか否かを判定し、フラグ値が「1」である場合は、通常のアシスト判定から外れるべくステップS135に進み、クルーズ発電量の減算係数KTRGRGNに「0」をセットし、次のステップS136でモータアシスト判定フラグF_MASTに「1」をセットしてリターンする。前記ステップS102における判定の結果、発進アシスト要求フラグF_MASTSTRが「1」でない場合は、ステップS103のスクランブルアシストトリガ判定処理に進む。このスクランブルアシストトリガ判定処理は、加速時に一時的にアシスト量を増量することにより、加速感を向上させるための判定であり、基本的にはスロットルの変化量が大きいときにはフラグ値に「1」を代入するようになっている。詳細は後述する。
【0024】そして、スクランブルアシストトリガ判定処理においてセットされるスクランブルアシスト要求フラグF_MASTSCRが「1」であるか否かが次のステップS104で判定され、フラグ値が「1」である場合は、このアシストトリガ判定処理から抜けるようにステップS135に進む。スクランブルアシスト要求フラグF_MASTSCRが「1」でない場合は、次のステップS105でスロットルアシストトリガ補正値DTHASTの算出処理が行われる。この補正値算出処理はエアコン等による負荷がある場合にアシストトリガ閾値の持ち上げ量を求めるためのものである。
【0025】次に、ステップS106で、スロットルアシストトリガテーブルからスロットルアシストトリガの基準となる閾値MTHASTNを検索する。このスロットルアシストトリガテーブルは、図5の実線で示すように、エンジン回転数NEに対して、モータアシストするか否かの判定の基準となるスロットル開度の閾値MTHASTNを定めたもので、エンジン回転数NEに応じて閾値が設定されている。
【0026】次のステップS107,ステップS108で、前記ステップS106で求められたスロットルアシストトリガの基準閾値MTHASTNに前述のステップS105で算出された補正値DTHASTを加えて、高スロットルアシストトリガ閾値MTHASTHを求めるとともに、この高スロットルアシストトリガ閾値MTHASTHからヒステリシスを設定するための差分#DMTHASTを引いて、低スロットルアシストトリガ閾値MTHASTLを求める。これら高低スロットルアシストトリガ閾値を図5のスロットルアシストトリガテーブルの基準閾値MTHASTNに重ねて記載すると破線で示すようになる。
【0027】そして、ステップS109において、スロットル開度の現在値THEMがステップS107,108で求めたスロットルアシストトリガ閾値MTHAST以上であるか否かが判断される。この場合のスロットルアシストトリガ閾値MTHASTは前述のヒステリシスを持った値であり、スロットル開度が大きくなる方向にある場合は高スロットルアシストトリガ閾値MTHASTH、スロットル開度が小さくなる方向にある場合は低スロットルアシストトリガ閾値MTHASTLがそれぞれ参照される。
【0028】このステップS109における判定結果が「YES」である場合、つまりスロットル開度の現在値THEMがスロットルアシストトリガ閾値MTHAST(高低のヒステリシスを設定した閾値)以上である場合は、ステップS114に、判定結果が「NO」、つまりスロットル開度の現在値THEMがスロットルアシストトリガ閾値MTHAST(高低のヒステリシスを設定した閾値)以上でない場合はステップS110に進む。ステップS114では、スロットルモータアシスト判定フラグF_MASTTHに「1」をセットし、一方ステップS110では、スロットルモータアシスト判定フラグF_MASTTHに「0」をセットする。
【0029】ここまでの処理は、スロットル開度THがモータアシストを要求する開度であるか否かの判断を行っているもので、ステップS109でスロットル開度の現在値THEMがスロットルアシストトリガ閾値MTHAST以上と判断された場合には、スロットルモータアシスト判定フラグF_MASTTHを「1」にして、前述した「加速モード」においてこのフラグを読むことによりモータアシストが要求されていると判定される。
【0030】一方、ステップS110でスロットルモータアシスト判定フラグF_MASTTHに「0」がセットされるということは、スロットル開度によるモータアシスト判定の領域でないことを示す。この実施形態では、アシストトリガの判定をスロットル開度THとエンジンの吸気管負圧PBとの両方で判定することとしており、スロットル開度の現在値THEMが前記スロットルアシストトリガ閾値MTHAST以上である場合にスロットル開度THによるアシスト判定がなされ、この閾値を超えない領域においては後述の吸気管負圧PBによる判定がなされる。
【0031】次に、ステップS111においては、図7に示すように上記スロットルアシストトリガ閾値MTHASTから、所定のスロットル開度のデルタ値(例えば10deg)を引くことで、最終スロットルアシストトリガ下限閾値MTHASTFLを求める。次に、ステップS112において、最終スロットルアシストトリガ下限閾値MTHASTFLとスロットルアシストトリガ閾値MTHASTを、図8に示すようにスロットル開度の現在値THEMで補間算出して、クルーズ発電量減算係数テーブル値KTHRGNを求め、ステップS113においてクルーズ発電量減算係数テーブル値KTHRGNをクルーズ発電量減算係数KTRGRGNに代入する。そして、ステップS116において、吸気管負圧アシストトリガ補正値DPBASTの算出処理が行われる。この補正値算出処理もエアコン等による負荷がある場合にアシストトリガ閾値の持ち上げ量を求めるためのものである。
【0032】次に、ステップS117で、吸気管負圧アシストトリガテーブルから吸気管負圧アシストトリガの閾値MASTL/Hを検索する。この吸気管負圧アシストトリガテーブルは、図6の2本の実線で示すように、エンジン回転数NEに対して、モータアシストするか否かの判定のための高吸気管負圧アシストトリガ閾値MASTHと、低吸気管負圧アシストトリガ閾値MASTLとを定めたもので、ステップS117の検索処理においては、吸気管負圧PBAの増加に応じて、あるいはエンジン回転数NEの減少に応じて図6の高閾値ラインMASTHを下から上に通過すると、モータアシスト判定フラグF_MASTを「0」から「1」にセットし、逆に吸気管負圧PBAの減少に応じて、あるいはエンジン回転数NEの増加に応じて低閾値ラインMASTLを上から下に通過すると、モータアシスト判定フラグF_MASTを「1」から「0」にセットするようになっている。尚、図5は各ギア毎に、またストイキ/リーンバーン毎に持ち替えを行っている。
【0033】そして、次のステップS118で、モータアシスト判定フラグF_MASTのフラグ値が「1」であるか否かを判定し、判定結果が「1」である場合はステップS119に、判定結果が「1」でない場合はステップS120に進む。そして、ステップS119においては、吸気管アシストトリガ閾値MASTを、ステップS117で検索した吸気管負圧アシストトリガの低閾値MASTLとステップS116で算出された補正値DPBASTとを加えた値として算出し、ステップS121において、吸気管負圧の現在値PBAが、ステップS119で求めた吸気管アシストトリガ閾値MAST以上か否かを判定する。判定結果が「YES」の場合は、ステップS135に進む。判定結果が「NO」の場合はステップS122に進む。また、ステップS120においては、吸気管アシストトリガ閾値MASTを、ステップS117で検索した吸気管負圧アシストトリガの高閾値MASTHとステップS116で算出された補正値DPBASTとを加えた値として算出し、ステップS121に進む。
【0034】次に、ステップS122においては、図7に示すように上記吸気管負圧アシストトリガ閾値MASTから、所定の吸気管負圧のデルタ値#DCRSPB(例えば100mmHg)を引くことで、最終吸気管負圧アシストトリガ下限閾値MASTFLを求める。次に、ステップS123において、最終吸気管負圧アシストトリガ下限閾値MASTFLと吸気管負圧アシストトリガ閾値MASTを、図7に示すように吸気管負圧の現在値PBAで補間算出して、クルーズ発電量減算係数テーブル値KPBRGNを求め、ステップS124においてクルーズ発電量減算係数テーブル値KPBRGNをクルーズ発電量減算係数KTRGRGNに代入する。そして、ステップS125においてモータアシスト判定フラグF_MASTに「0」を代入してリターンする。
【0035】「加速モード」図9,10に基づいて加速モードについて説明する。ステップS200において加速モードか否かを判定する。判定結果が「YES」、つまり加速モードであると判定された場合はステップS202において最終アシスト指令値ASTPWRFを加速アシスト最終演算値ACCASTFに代入してステップS203に進む。ステップS200における判定結果が「NO」、つまり加速モード以外であると判定された場合は、加速アシスト最終演算値ACCASTFに「0」を代入してステップS203に進む。そして、ステップS203において加速モードに設定し、ステップS204に進む。
【0036】ステップS204においては、図11に示すようにバッテリ残容量SOCに応じてスロットルアシスト量係数KAPWRTHをテーブル検索し、次のステップS205においては図12に示すようにバッテリ残容量SOCに応じて吸気管負圧アシスト量係数KAPWRPBをテーブル検索する。そして、ステップS206に進む。
【0037】ステップS206ではスロットルモータアシスト判定フラグF_MASTTHが「1」か否かを判定する。判定結果が「YES」、つまりスロットルアシスト領域であると判定された場合は、ステップS207に進みエネルギーストレージゾーンBフラグF_ESZONEBが「1」であるか否かを判定する。判定結果が「NO」、つまりバッテリ残容量SOCがBゾーン以外であると判定された場合は、ステップS208においてスロットルアシスト量係数KAPWRTHに「1」をセットし、ステップS209に進む。ステップS207の判定結果が「YES」である場合は、ステップS209に進む。ステップS209では図13に示すようにエンジン回転数NEに応じて高スロットルアシスト量閾値APWRTHHと低スロットルアシスト量閾値APRWTHLとを設定する。尚、両者間にはエンジン回転数NEに対応して一定の幅が設定されている。
【0038】次に、ステップS210に進みここで加速アシスト演算値ACCASTを求める。この加速アシスト演算値ACCASTは、図14に示すように、スロットルアシストリガ閾値MTHASTと、このスロットルアシストリガ閾値MTHASTから所定開度(例えばエンジン回転数NEの関数で求められる開度)変化したスロットルTH開度#MTHASTHとの間を、上記ステップ209で求めた高スロットルアシスト量閾値APWRTHHと低スロットルアシスト量閾値APRWTHLとの間で補間算出することにより求める。そして、ステップS211で加速アシスト演算値ACCASTをスロットルアシスト量係数KAPWRTHをかけた値としてセットし、ステップS214に進む。
【0039】ステップS206における判定結果が「NO」、つまり吸気管負圧アシスト領域であると判定された場合は、ステップS212に進み、図示しないマップによりエンジン回転数NEと吸気管負圧PBに応じたアシスト量を検索してマップ値#ASTPWRを加速アシスト演算値ACCASTにセットする。そして、ステップS213で加速アシスト演算値ACCASTを吸気管負圧アシスト量係数KAPWRPBをかけた値としてセットしステップS214に進む。尚、上記マップ値#ASTPWRはMT車の各ギア毎に持ち替えを行っている。また、ストイキ領域とリーンバーン領域での持ち替えも行っている。
【0040】ステップS214においては制御用車速VPが高車速時アシストCUT判定車速#VACCAST以上であるか否かを判定する。判定結果が「YES」、つまり制御用車速VP≧高車速時アシストCUT判定車速#VACCASTである(高車速、例えば180km/h)と判定された場合はステップS220に進み、アシスト許可フラグF_ACCASTが「1」か否かを判定する。判定結果が「NO」、つまりアシスト許可フラグF_ACCASTFが「0」であると判定された場合はステップS225に進み、加速アシスト最終演算値ACCASTFに「0」を代入し、ステップS226においてアシスト許可フラグF_ACCASTに「0」をセットしてステップS236に進む。
【0041】また、ステップS220における判定結果が「YES」、つまりアシスト許可フラグF_ACCASTが「1」であると判定された場合は、ステップS221において前回が加速モードか否かを判定する。判定結果が「NO」、つまり前回は加速モードではないと判定された場合はステップS225に進む。ステップS221における判定結果が「YES」、つまり前回が加速モードであると判定された場合はステップS222に進み、DACCATC徐々減算更新タイマTACCATCが「0」か否かを判定する。判定の結果、DACCATC徐々減算更新タイマTACCATCが「0」ではないと判定された場合はステップS235に進む。ステップS222の判定の結果、DACCATC徐々減算更新タイマTACCATCが「0」であると判定された場合はステップS223に進む。
【0042】ステップS223においては、DACCATC徐々減算更新タイマTACCATCにタイマ値#TMACCATCを代入し、ステップS224において加速アシスト最終演算値ACCASTFから徐々加算項#DACCATCづつ抜いてゆき、ステップS224Aにおいて加速アシスト最終演算値ACCASTFが「0」以下か否かを判定する。判定の結果「0」以下である場合はステップS225に進む。判定の結果「0」を超えている場合はステップS235に進む。
【0043】ステップS214における判定結果が「NO」、つまり制御用車速VP<高車速時アシストCUT判定車速#VACCASTである(高車速)と判定された場合はステップS215に進み、ここで発進アシスト算出処理が行われる。この発進アシスト算出処理は発進性能の向上を目的として、吸気管負圧PBが所定圧以上の高負圧の発進時にアシスト量を通常のアシスト量とは別に算出するための処理である。そして、ステップS216において、発進アシスト許可フラグF_STRASTが「1」か否かを判定する。判定結果が「YES」、つまり発進アシストが許可されていると判定された場合はリターンする。
【0044】ステップS216における判定結果が「NO」、つまり発進アシストが許可されていないと判定された場合はステップS217に進み、スクランブルアシスト算出処理を行う。この内容については後述する。そして、ステップS218においてスクランブルアシスト許可フラグF_SCRASTが「1」か否かを判定する。判定結果が「YES」、つまりスクランブルアシストが許可されたと判定された場合はリターンする。ステップS218における判定結果が「N」、つまりスクランブルアシストが許可されていないと判定された場合は、ステップS219に進み、エネルギーストレージゾーンCフラグF_ESZONECが「1」であるか否かを判定する。
【0045】ステップS219における判定結果が「YES」、つまりバッテリ残容量SOCがゾーンCである場合はステップS220に進む。ステップS219における判定結果が「NO」である場合はステップS227に進み、徐々加算徐々減算更新タイマTACCASTが「0」か否かを判定する。判定の結果、徐々加算徐々減算更新タイマTACCASTが「0」ではないと判定された場合はステップS235に進む。ステップS227の判定の結果、徐々加算徐々減算更新タイマTACCASTが「0」であると判定された場合はステップS228に進む。
【0046】ステップS228では、徐々加算徐々減算更新タイマTACCASTにタイマ値#TMACCASTを代入し、ステップS229において、加速アシスト演算値ACCASTが加速アシスト最終演算値ACCASTF以上か否かを判定する。ステップS229における判定結果が「YES」、つまり加速アシスト演算値ACCAST≧加速アシスト最終演算値ACCASTFであると判定された場合は、ステップS232において徐々加算項#DACCASTPを加速アシスト最終演算値ACCASTFに加算し、ステップS233において加速アシスト最終演算値ACCASTFが加速アシスト演算値ACCAST以下であるか否かを判定する。
【0047】ステップS233における判定結果が「YES」、つまり加速アシスト最終演算値ACCASTF≦加速アシスト演算値ACCASTであると判定された場合は、ステップS235においてアシスト許可フラグF_ACCASTに「1」をセットしステップS236に進む。ステップS233における判定結果が「NO」、つまり加速アシスト最終演算値ACCASTF>加速アシスト演算値ACCASTであると判定された場合は、ステップS234において加速アシスト演算値ACCASTを加速アシスト最終演算値ACCASTFに代入してステップS235に進む。
【0048】ステップS229における判定結果が「NO」、つまり加速アシスト演算値ACCAST<加速アシスト最終演算値ACCASTFであると判定された場合はステップS230において、徐々減算項#DACCASTM(例えば、0.3W)を加速アシスト最終演算値ACCASTFから減算し、ステップS231において加速アシスト最終演算値ACCASTFが加速アシスト演算値ACCAST以上であるか否かを判定する。ステップS231における判定結果が「YES」、つまり加速アシスト最終演算値ACCASTF≧加速アシスト演算値ACCASTであると判定された場合はステップS235に進む。ステップS231における判定結果が「NO」、つまり加速アシスト最終演算値ACCASTF<加速アシスト演算値ACCASTであると判定された場合はステップS234に進む。
【0049】ステップS236においては、図15に示すように制御用車速VPによるアシスト量上限値#ASTVHGのテーブル検索によりアシスト量上限値ASTVHGを求める。そして、次のステップS237において加速アシスト最終演算値ACCASTFがアシスト量上限値ASTVHG以上であるか否かを判定し、判定結果が「YES」、つまり加速アシスト最終演算値ACCASTF≧アシスト量上限値ASTVHGであると判定された場合は、ステップS238において加速アシスト最終演算値ACCASTFにアシスト上限値ASTVHGを代入してステップS239に進む。ステップS237において、加速アシスト最終演算値ACCASTF<アシスト量上限値ASTVHGであると判定された場合は、ステップS239に進む。そして、ステップS239においてアシスト最終演算値ACCASTFを最終アシスト指令値ASTPWRFに代入し、ステップS240において最終充電指令値REGENFに「0」を代入して制御を終了する。
【0050】「スクランブルアシスト算出処理」次に、ステップS217におけるスクランブルアシスト算出処理について説明する。このスクランブルアシストは一定条件下での加速時において一時的にアシストを増量することにより加速感を向上させるものである。図16はスクランブルアシストトリガ判定のフローチャート図を示し、図17はアシスト量を決定するフローチャート図を示している。
【0051】図16のステップS301でエンジン回転数NEがスクランブルアシスト実行下限値#NSCASTL以下であるか否かを判定する。ここで、このスクランブルアシスト実行下限値#NSCASTLは、エンジン回転数が増加するときは例えば1000rpm、減少するときは例えば800rpmというようにヒステリシスが設定されている。
【0052】そして、ステップS301における判定の結果、エンジン回転数NEがスクランブルアシスト実行下限値#NSCASTL以下の低回転である場合は、この処理から抜けてステップS305に進む。そして、ステップS305においてタイマTSCRHLDに所定値#TMSCRHLD(例えば3秒)をセットし、ステップS306でスクランブルアシスト要求フラグF_MASTSCRに「0」をセットしてリターンする。上記ステップS301における判定の結果、エンジン回転数NEがスクランブルアシスト実行下限値#NSCASTLを越えた高回転である場合は、ステップS302に進み、ここでエンジン回転数NEがスクランブルアシスト実行上限値#NSCASTH以下であるか否かを判定する。このスクランブルアシスト実行上限値#NSCASTHも、エンジン回転数が増加するときは例えば4200rpm、減少するときは例えば4000rpmというようにヒステリシスが設定されている。
【0053】そして、ステップS302における判定の結果、エンジン回転数NEがスクランブルアシスト実行上限値#NSCASTHを越えた高回転である場合は、この処理から抜けてステップS305に進む。ステップS302における判定の結果、エンジン回転数NEがスクランブルアシスト実行上限値#NSCASTH以下の低回転である場合は、次のステップS303に進む。ステップS303では制御用車速VPがスクランブルアシスト実行上限車速#VSCRAST以下であるか否かを判定する。この上限車速にも回転数の場合と同様、車速増加の場合が例えば150km/h、減少の場合が例えば140km/hというようにヒステリシスが設定されている。
【0054】ステップS303の判定の結果、制御用車速VPがスクランブルアシスト実行上限車速#VSCRASTを越えた高車速である場合は、この処理を抜けてステップS305に進む。ステップS303における判定の結果、制御用車速VPがスクランブルアシスト上限車速#VSCRAST以下である場合は、次のステップS304に進む。ここまでのステップS300からステップS304までの処理は、スクランブルアシスト制御の実行をエンジン回転数NEと制御用車速VPとが特定の範囲内の場合に制限しているもので、スクランブルアシスト制御がシフトチェンジの時の駆動力低下を補うもので、エンジンの中負荷領域での出力レスポンスの向上を行うため、このスクランブルアシストトリガ判定処理から抜けるようにしている。
【0055】次に、ステップS304でスロットル全開フラグF_WOTが「1」であるか否かを判別する。判定の結果、スロットル開度大でない場合は処理から抜けてステップS305に進み、スロットル開度大である場合は次のステップS307に進む。尚、今回は運転者の加速意思の1つとしてステップS304でスロットル開度の全開を検出しているが、スロットル開度に閾値を設け、閾値以上でフラグを立てるようにしてもよい。ステップS307では、後述のステップS311でセットされるスクランブルアシスト要求フラグF_MASTSCRが「1」であるか否かを判定する。
【0056】ステップS307における判定結果が「NO」である場合は、ステップS308において前回サイクル時のスロットル全開フラグF_WOTが「1」であるか否かを判定する。つまり前述のステップS304でのスロットル全開フラグF_WOTが「1」である場合に、それが前回サイクルから継続していたか否かが判定されるのである。前回サイクル時のスロットル全開フラグF_WOTが「1」である場合は、例えば登坂走行等によりスロットル全開状態が継続していることを示すから、この処理から抜けるようにステップS306に進む。
【0057】ステップS308における判定の結果、前回サイクル時のスロットル全開フラグF_WOTが「1」でない、つまり今回サイクルでスロットルが全開となった場合は、加速要求によるものであるから、ステップS309に進み、ここでスロットル開度の変化量DTHEMがスクランブルアシスト判定閾値#DTHSCAST(例えば、1deg)以上であるか否かを判定する。ステップS309における判定結果が「NO」である場合は、つまり加速要求が小さいか減速状態であるから、この処理から抜けてステップS306に進み、ステップS309における判定結果が「YES」である場合は加速要求が大きいため次のステップS310に進む。
【0058】そして、ステップS310でタイマーTSCRHLDが「0」であるか否かを判定し、「0」でなければ次のステップS311でスクランブルアシスト要求フラグF_MASTSCRに「1」をセットする。一方、タイマーTSCRHLDが「0」になればこの処理を終了すべくステップS306に進む。尚、この実施形態では加速意思としてスロットル開度を用いたが、アクセル開度を用いてもよい。
【0059】次に、図17のステップS400においてスクランブルアシスト要求フラグF_MASTSCRが「1」であるか否かを判定する。判定結果が「NO」、つまりスクランブルアシスト要求フラグF_MASTSCRが「0」である場合はステップS413においてスクランブルアシスト許可フラグF_SCRASTに「0」を代入してリターンする。ステップS400における判定結果が「YES」、つまりスクランブルアシスト要求フラグF_MASTSCRが「1」である場合は、ステップS401に進み、図18に示すようにエンジン回転数NEに応じたアシスト値#SCRASTを検索してスクランブルアシスト演算値SCRASTを設定する。ここで、スクランブルアシスト値は各ギア毎に持ち替えを行っている。
【0060】次に、ステップS402においてスクランブルアシスト演算値SCRASTにスロットルアシスト量係数KAPWRTHをかけ、ステップS403において徐々加算、徐々減算更新タイマTSCRASTが「0」か否かを判定する。判別結果が「NO」である場合はステップS411に進む。ステップS403における判別結果が「YES」である場合はステップS404に進み、徐々加算、徐々減算更新タイマTSCRASTを、所定値#TMSCRAST、例えば50msでセットする。
【0061】次に、ステップS405においてスクランブルアシスト演算値SCRASTがスクランブルアシスト最終演算値SCRASTF以上か否かを判定する。判定結果が「YES」、つまりスクランブルアシスト演算値SCRAST≧スクランブルアシスト最終演算値SCRASTFである場合は、ステップS408でスクランブルアシストトリガ最終演算値SCRASTFに徐々加算項#DSCRASTP(例えば1kw)を加算してゆき、ステップS409で、スクランブルアシスト最終演算値SCRASTFがスクランブルアシスト演算値SCRAST以下であるか否かを判別する。
【0062】ステップS409における判定結果が「YES」、つまりスクランブルアシスト最終演算値SCRASTF≦スクランブルアシスト演算値SCRASTであると判定された場合は、ステップS411においてスクランブルアシスト許可フラグF_SCRASTに「1」を代入し、ステップS412において最終アシスト指令値ASTPWRFにスクランブルアシスト最終演算値SCRASTFを代入してリターンする。尚。このスクランブルアシスト最終演算値SCRASTFは通常のアシスト量の1.5倍程度の値である。
【0063】ステップS409における判定結果が「NO」、つまりスクランブルアシスト最終演算値SCRASTF>スクランブルアシスト演算値SCRASTであると判定された場合は、ステップS410において、スクランブルアシスト演算値SCRASTをスクランブルアシスト最終演算値SCRASTFに代入してステップS411に進む。ステップS405における判別結果が「NO」、つまりスクランブルアシスト演算値SCRAST<スクランブルアシスト最終演算値SCRASTFである場合は、ステップS406でスクランブルアシストトリガ最終演算値SCRASTFから徐々減算項#DSCRASTM(例えば500w)を減算してゆき、ステップS407で、スクランブルアシスト最終演算値SCRASTFがスクランブルアシスト演算値SCRAST以上か否かを判別する。
【0064】ステップS407における判定結果が「YES」、つまりスクランブルアシスト最終演算値SCRASTF≧スクランブルアシスト演算値SCRASTである場合はステップS411に進む。また、ステップS407における判別結果が「NO」、つまりスクランブルアシスト最終演算値SCRASTF<スクランブルアシスト演算値SCRASTである場合はステップS410に進む。
【0065】したがって、例えば、運転者が1速から2速、あるいは2速から3速にシフトチェンジをしたような場合に、ギア比のレシオを高くしていると通常ならば出力が落ちてしまうが、この実施形態では図16に示すように一定の条件を満たした状態で(ステップS300〜ステップS303)運転者がアクセルペダルを踏み込むと(ステップS304)、ステップS305においてタイマセットした間はスクランブル要求フラグF_MASTSCRがセットされている(ステップS306)。
【0066】その結果、この間に図17に示すように通常より増量された出力でアシストがかかるため(ステップS412)、図19に2速の場合を例にして示すように斜線で示す部分に加速度(G)を上乗せすることができる。よって運転者の意に沿った加速感を与えることができる。また、図20に示すようにギア比をハイレシオ化しているため、例えば低ギア(1速、2速)で走行した後のシフトチェンジでのエンジン回転数NEの落ち込みDを抑えて、加速感のある運転を行うことができる。尚、図20においては破線は対策前を示す。
【0067】また、上記スクランブルアシストをかける際には、図17のステップS405、ステップS408、ステップS409、ステップS411に示すように徐々に出力を増量しているので(図21の前半に示す)、運転者に違和感を与えることはなくスムーズなトルクアシストを確保することができる。一方、上記ステップS305においてセットした時間が過ぎステップS310においてタイマ値が「0」となり、ステップS306でスクランブル要求フラグF_MASTSCRがリセットされると、ステップS400の判別の後ステップS413でスクランブルアシスト許可フラグF_SCRASTがリセットされる。
【0068】したがって、図9、図10の加速モードにおけるステップS218の判別結果が「NO」となり、ついでステップS229においては、加速アシスト演算値ACCAST<加速アシスト最終演算値ACCASTFとなっているためアシスト量は徐々に減算され(ステップS230、ステップS231、ステップS235)、この場合にも運転者に違和感を与えることはない(図21の後半に示す)。よって、車両旋回時においてアイドル状態で低回転化した状態から、旋回を終えて再加速するような場合における加速性能を向上させて商品性を高めることができ、また、MT車において1速から2速、2速から3速のレシオ差が大きい場合でも、シフトアップ時における出力段差をなくすことができる。したがって、燃費向上のためギア比がハイレシオ化している場合でも、十分な加速性能とスムーズなシフトアップ性能を確保することができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、加速意思判定手段により運転者の加速意思が所定以上であると判定された場合には、第2アシスト量決定手段により設定された、例えばエンジン回転数に応じたアシスト量でアシスト制御手段を介してモータを駆動する。これによって、運転者の瞬間的なアシスト要求に応じてモータによるアシストが可能となるため、車両旋回時においてアイドル状態で低回転化した状態から、旋回を終えて再加速するような場合における加速性能を向上させて商品性を高めることができ、また、1速から2速、2速から3速のレシオ差が大きい場合でも、シフトアップ時における出力段差をなくすことができる効果がある。したがって、燃費向上のためギア比がハイレシオ化している場合でも、十分な加速性能とスムーズなシフトアップ性能を確保することができる効果がある。
【0070】請求項2に記載した発明によれば、加速意思判定手段により運転者から加速要求があった場合に、上記アシスト時間設定手段により設定された間において、上記アシスト量となるまで徐々にアシスト量を増加させてスムーズな加速が可能となるため、急激にアシスト量が増加した場合に比較して違和感のない加速を実現できる効果がある。また、遅延手段によりアシストを行う時間が終了したら徐々にアシスト量を減少させることにより、スムーズなアシスト解除を行えるため、急激にアシスト量を抜いた場合に比較して通常状態への復帰を違和感なく行えるという効果がある。
【0071】請求項3に記載した発明によれば、アクセルペダルの踏み込み量が大きく、かつ瞬間的である場合を加速意思ありとして判定することが可能となるため、第1アシスト量決定手段によるアシストとは異なる運転者のアシストの意思を確実に判定することができる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成11年7月30日(1999.7.30)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外8名)
【公開番号】 特開2001−45609(P2001−45609A)
【公開日】 平成13年2月16日(2001.2.16)
【出願番号】 特願平11−218218