| 【発明の名称】 |
車両の駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】服部 昇
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| 【要約】 |
【課題】平行減速歯車組の一方に生じる軸直角方向の荷重に対抗するために必要な軸受の数を軽減すると共に遊星減速歯車機構の小型化を可能にする車両の駆動装置を提供する。
【解決手段】モータ1からの動力が同軸上に配した遊星減速歯車機構2を経て一方の小歯車3aに入力され、この小歯車3aと回転自在に噛み合う他方の大歯車3bを介して、モータ1に対してオフセット配置した差動機構4に出力する平行減速歯車組3を具えた車両の駆動装置において、小歯車3aをモータ1および遊星減速歯車機構2の間に配置し、平行減速歯車組3のうちの一方の小歯車3aの両端付近を軸受B1 ,B4 を介して支持する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電動機からの動力が同軸上に配した前記遊星減速歯車機構を経て一方の歯車に入力され、この歯車と回転自在に噛み合う他方の歯車を介して、前記電動機に対してオフセット配置した差動機構に出力する平行減速歯車組を具えた車両の駆動装置において、前記平行減速歯車組のうちの一方の歯車を前記電動機および前記遊星減速歯車機構の間に配置したことを特徴とする車両の駆動装置。 【請求項2】 前記平行減速歯車組のうちの一方の歯車の両端付近を軸受を介して支持することを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電動機からの動力が同軸上に配した前記遊星減速歯車機構を経て一方の歯車に入力され、この歯車と回転自在に噛み合う他方の歯車を介して、前記電動機に対してオフセット配置した差動機構に出力する平行減速歯車組を具えた車両の駆動装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の車両の駆動装置としては、例えば、特開平10−325456号公報に開示された図3,4の如きものがある。図3は、電気自動車のパワートレーンを例示した断面図であり、図4は、図3に示したパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。 【0003】符号10は、動力源としてのモータであって、軸受B1 を介してケース100に対して回転自在に支持された中空軸11と、この中空軸11を介してモータ10に係合された遊星減速歯車機構12と、後述の平行歯車減速組13を構成する一方の小歯車13aとが同軸上に配置され、この小歯車13aと回転自在に噛み合う平行減速歯車組13を構成する他方の大歯車13bを介して、モータ10とオフセット位置に差動機構14が配置されている。 【0004】遊星減速歯車機構12は、中空軸11に形成されたサンギア12sを入力とし、歯車13aと一体に取り付けられたキャリア12cを出力とする。キャリア12cは、複数のピニオンギア12pを回転自在に支持する。遊星減速歯車機構12は、第1の減速比r1 を与え、サンギア12sに入力されたモータ10の回転は、ケースに固定されたリングギア12rの内周をピニオンギア12pが連れ回されることにより、キャリア12cに出力される。 【0005】平行減速歯車組13は、第2の減速比r2 を与え、キャリア12cに取り付けられた小歯車13aは、シャフト13fが一体に設けられている。シャフト13fの一方は中空軸11内に貫通させて、2つの軸受B2 ,B3 を介して中空軸11に対して回転自在に支持され、また、シャフト13fの他方は、軸受B4 を介してケース100に対して回転自在に支持される。小歯車13aに嵌合する大歯車13bは、モータ10に対してオフセット配置した差動機構14の外周部に取り付けられている。 【0006】従って、上記駆動装置は、第1軸上のモータ10の動力に遊星減速歯車機構12で第1の減速比r1 を与えた後、平行減速歯車組13で第2の減速比r2 を与えることにより、第1軸上のモータ10の動力を減速して第2軸上の差動機構14に伝達する。なお、装置全体の減速比rは、r=(減速比r1 )×(減速比r2 ) ・・・(*) で与えられる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した駆動装置にあっては、小歯車13aに生じる軸直角方向の荷重に対抗するため、軸受を取り付ける必要がある。このため、小歯車13aの入力側にあっては、中空軸11がケース100に対して軸受B1 で支持され、シャフト13fが中空軸11に対して軸受B2 ,B3 で支持されている。また、小歯車13aの出力側にあっては、シャフト13fがケース100に対して軸受B4 で支持されている。 【0008】しかしながら、上記配列の結果として、2つの改善すべき課題が生じることが明らかになった。 【0009】第1の課題は、小歯車13aに生じる軸直角方向の荷重に対抗するために4つの軸受を必要とすることである。 【0010】この場合、軸受の個数が多いために装置自体がコスト高になるという不都合がある。また、上記装置にあっては、軸受に軸直角方向の荷重がかかることで生じるフリクションロスが、4つの軸受それぞれに生じることになるために、全体としてのフリクションロスが大きくなってしまうという不都合がある。 【0011】第2の課題は、小歯車13aに設けたシャフト13fの一方が中空軸11内を貫通し、2つの軸受B2 ,B3 を介して中空軸11に対して回転自在に支持される二重筒構造であるため、中空軸11に形成されたサンギア12sの小径化、即ち、遊星減速歯車機構12の小型化が困難なことである。 【0012】この場合、遊星減速歯車機構12は、車両搭載上の要件(例えば、レイアウト)や重量の制限などから、リングギア12rの外径に自ずと限界が生じる。このため、サンギア12sの径が大きいということは、α(サンギア歯数/リングギア歯数)の値が小さくできにくいため、大きな減速比が得られにくいことを意味する。 【0013】従って、上記装置にあっては、減速比rが小さい分だけモータで発生するトルクを大きくする必要があるため、使用されるモータは、サイズの大きな重いものとなるのに加えて、高価なものとなるという不都合がある。 【0014】本発明の解決すべき課題は、上述の事実に鑑みてなされたものであり、平行減速歯車組のうちの一方の歯車に生じる軸直角方向の荷重に対抗するために必要な軸受の数を軽減すると共に、遊星減速歯車機構の小型化を可能にすることにより、これらに起因する問題を解消することである。 【0015】 【課題を解決するための手段】この目的のため、第1発明による車両の駆動装置は、電動機からの動力が同軸上に配した前記遊星減速歯車機構を経て一方の歯車に入力され、この歯車と回転自在に噛み合う他方の歯車を介して、前記電動機に対してオフセット配置した差動機構に出力する平行減速歯車組を具えた車両の駆動装置において、前記平行減速歯車組のうちの一方の歯車を前記電動機および前記遊星減速歯車機構の間に配置したことを特徴とするものである。 【0016】第2発明である車両の駆動装置は、上記第1発明において、前記平行減速歯車組のうちの一方の歯車の両端付近を軸受を介して支持することを特徴とするものである。 【0017】 【発明の効果】第1発明による車両の駆動装置は、前記平行減速歯車組のうちの一方の歯車を前記電動機および前記遊星減速歯車機構の間に配置したことから、まず、電動機からの動力は、同軸上に配した遊星減速歯車機構を経て第1の減速比が与えられた後、該遊星減速歯車機構の前方に配した平行減速歯車組のうちの一方の歯車に入力され、この一方の歯車と回転自在に噛み合う他方の歯車を介して、前記電動機に対してオフセット配置した差動機構に第2の減速比を与えられた状態で出力される。 【0018】この場合、前記平行減速歯車機構に設けた軸部材を前記遊星減速歯車機構の内部に貫通させる構造ではないため、前記平行減速歯車組の一方の歯車を前記遊星減速歯車機構の内部で支持する必要がない。 【0019】つまり、前記遊星減速歯車機構では軸直角方向の力を生じないため、前記平行減速歯車組の一方の歯車を支持するだけよいから、軸受の数を軽減することができる。また、前記遊星減速歯車機構の大きさを変更することなくサンギアの小径化が図れるため、減速比の自由度が大きくなり、大きな減速比が得られる。 【0020】従って第1発明によれば、軸受の数が軽減された分、製造コストを抑えることができると共に、軸直角方向の荷重がかかるために軸受に対して生じるフリクションロスを小さく抑えることができる。 【0021】また第1発明によれば、前記遊星減速歯車機構を大きくすることなく大きな減速比が得られるため、従来と同じ最大駆動力を出力するに際して必要な最大電動機トルクを小さくすることができるから、使用される電動機は、サイズの小さな軽量のものになるのに加え、安価なもので済ませることができる。 【0022】第2発明による車両の駆動装置は、上記第1発明において、前記平行減速歯車組のうちの一方の歯車の両端付近を軸受を介して支持するから、軸受の数を最小限に抑えることができる。従って第2発明によれば、上記第1発明の作用効果を最も効率的に得ることができる。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。 【0024】図1は、電気自動車のパワートレーンを例示した断面図であり、図2は、図1に示したパワートレーンの作用を説明するためのスケルトン図である。 【0025】符号1は、動力源としてのモータであって、ケース100に対して回転自在に突き当てたシャフト2fと、このシャフト2fを介してモータ1に係合された遊星減速歯車機構2と、後述の平行歯車減速機構3を構成する一方の小歯車3aとが同軸(第1軸)上に配置され、この小歯車3aと嵌合して平行歯車減速機構3を構成する他方の大歯車3bを介して、モータ1とオフセット位置(第2軸)に差動機構4が配置されている。 【0026】遊星減速歯車機構2は、シャフト2fに形成されたサンギア2sを入力とし、小歯車3aと一体に取り付けられたキャリア2cを出力とする。キャリア2cは、複数のピニオンギア2pを回転自在に支持すると共に、軸受B4 を介してケース100に対して回転自在に支持される。 【0027】遊星減速歯車機構2は、第1の減速比r1 を与え、サンギア2sに入力されたモータ1の回転は、ケース100に固定されたリングギア2rの内周をピニオンギア2pが連れ回されることにより、キャリア2cに出力される。 【0028】平行減速歯車組3は、第2の減速比r2 を与え、キャリア2cに取り付けられた小歯車3aは、中空のシャフト部3fと一体に設けられている。小歯車3aは、シャフト部3fの内部にシャフト2fを貫通させることにより、モータ1と遊星減速歯車機構2の間に配置される。 【0029】また、シャフト部3fの一方は、軸受B1 を介してケース100に対して回転自在に支持され、シャフト部3fの他方は、キャリア2cにスプライン嵌合(符号S)される。小歯車3aと回転自在に噛み合う大歯車3bは、モータ1に対してオフセット配置した差動機構4の外周部にボルト結合されている。 【0030】次に、本実施形態の作用を説明する。 【0031】モータ1からの動力は、同軸上に配した遊星減速歯車機構2を経て第1の減速比r1 が与えられた後、遊星減速歯車機構2の前方に配した平行減速歯車組3のうちの一方の小歯車3aに入力され、この小歯車3aと回転自在に噛み合う他方の大歯車3bを介して、モータ1に対してオフセット配置した差動機構4に第2の減速比r2 を与えられた状態で出力される。 【0032】従って、本駆動装置は、第1軸上のモータ1の動力に遊星減速歯車機構2で第1の減速比r1 を与えた後、平行減速歯車組3で第2の減速比r2 を与えることにより、第1軸上のモータ1の動力を減速して第2軸上の差動機構4に伝達する。なお、装置全体の減速比rは、r=(減速比r1 )×(減速比r2 ) ・・・(*) で与えられる。 【0033】この場合、図3,4で説明した従来装置のように、平行減速歯車組3の小歯車3aと一体に設けたシャフト3fを中空軸11を介して遊星減速歯車機構2の内部に貫通させる構造ではないため、小歯車3aを遊星減速歯車機構2の内部で支持する必要がない。 【0034】つまり、遊星減速歯車機構2では軸直角方向の力を生じないため、平行減速歯車組3の小歯車3aを支持するだけでよいから、軸受Bの個数を軽減することができる。また、遊星減速歯車機構2の大きさを変更することなくサンギア2sの小径化が図れるため、減速比r1 の自由度が大きくなり、大きな減速比が得られる。 【0035】従って、本実施形態によれば、軸受Bの数が軽減された分、製造コストを抑えることができると共に、軸直角方向の荷重がかかるために軸受Bに対して生じるフリクションロスを小さく抑えることができる。 【0036】また、本実施形態によれば、遊星減速歯車機構2を大きくすることなく大きな減速比が得られるため、従来と同じ最大駆動力を出力するに際して必要な最大電動機トルクを小さくすることができるから、使用されるモータ1は、サイズの小さな軽量のものになるのに加え、安価なもので済ませることができる。 【0037】特に本実施形態の場合、平行減速歯車組3の小歯車3aの両端を軸受B1 ,B4 を介して支持することにより、従来装置では4つ必要であった軸受Bが最小個数である2つに抑えられるため、上記作用効果を効率的に得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月23日(1999.6.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059258 【弁理士】 【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−16710(P2001−16710A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月19日(2001.1.19) |
| 【出願番号】 |
特願平11−176657 |
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