トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 ハイブリッド車両における内燃機関制御方法および車両
【発明者】 【氏名】木村 秋広

【要約】 【課題】定常走行時における、ハイブリッド車両の燃料消費率を向上させる。

【解決手段】定常運転状態下における車両の車速及び駆動トルクから燃料消費とバッテリ充放電との関係を表す特性線を決定する。特性線が横軸(充放電量0近傍)において右上に凸となる特性を有している場合には、内燃機関の放電時動作点及び充電時動作点として(fc1,pb1)及び、(fc2,pb2)がそれぞれ決定される。これら2点を結ぶ直線と横軸との交点である平均燃料消費点fc4は特性線と横軸との交点である平均燃料消費点fc3よりも小さい。内燃機関は、決定された放電時動作点と充電時動作点の2点でのみ動作させられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動源としての内燃機関と、その内燃機関の駆動出力を車輪に伝達する出力伝達軸と、その出力伝達軸との間で電気−力の変換を行なう電動機と、前記出力伝達軸が有するエネルギの少なくとも一部を前記電動機により回生することにより充電されると共に前記電動機の力行時には放電するバッテリとを備える車両を、車両運転用に必要なエネルギと内燃機関の出力するエネルギとが均衡する第1の運転ポイントで継続的に、または両者の大小関係が異なる2以上の第2の運転ポイントにおいて交互に、それぞれ運転可能な車両の制御方法であって、車両の走行状態を検出し、その検出された車両の走行状態に基づいて、前記第1の運転ポイントで制御を行なった場合と、前記2以上の第2の運転ポイントで交互に運転を行なった場合のいずれか望ましい方を選択し、その選択された運転ポイントで、少なくとも前記内燃機関および前記電動機を運転する車両の制御方法。
【請求項2】 前記第1の運転ポイントおよび第2の運転ポイントは、前記内燃機関の燃料消費と前記バッテリの充放電量とにより定められたポイントである請求項1記載の車両の制御方法。
【請求項3】 前記車両の走行状態に基づく前記望ましい運転ポイントの選択は、前記第1の運転ポイントで運転を継続した場合と、前記2以上の第2の運転ポイントで交互に運転した場合との総合的な燃料消費量が小さい方を、前記走行状態と関係付けて予め記憶し、その記憶した関係に基づいて、いずれか一方の運転ポイントによる運転を選択する請求項2記載の車両の制御方法。
【請求項4】 前記車両の走行状態に基づく前記望ましい運転ポイントの選択は、前記第1の運転ポイントで運転を継続した場合と、前記2以上の第2の運転ポイントで交互に運転した場合との車両搭載機器の信頼性が高い方を、前記走行状態に関係付けて予め記憶し、その記憶した関係に基づいて、いずれか一方の運転ポイントによる運転を選択する請求項1記載の車両の制御方法。
【請求項5】電動機及び内燃機関を駆動源に有する車両における内燃機関の制御方法であって、車両が定常走行状態にあるか否かを判断し、車両が定常走行状態にある場合には、定常走行車速及び駆動トルクに基づき燃料消費とバッテリ充放電との関係を決定し、決定した前記燃料消費とバッテリ充放電との関係が燃料消費に関する所定特性を有するか否かを判断し、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係が前記所定特性を有する場合には、その平均燃料消費が、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係の有する平均燃料消費よりも小さくなるようにバッテリ放電時内燃機関動作点及びバッテリ充電時内燃機関動作点をそれぞれ決定し、前記バッテリ放電時内燃機関動作点及び前記バッテリ充電時内燃機関動作点において前記内燃機関を動作させる、内燃機関の制御方法。
【請求項6】請求項5において、前記所定特性は、前記バッテリ放電時内燃機関動作点と前記バッテリ充電時内燃機関動作点とを結ぶ直線上にあってバッテリ充放電量が実質的に0である第1平均燃料消費点が、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係を満たしバッテリ充放電量が実質的に0である第2平均燃料消費点よりも小さい特性である、内燃機関の制御方法。
【請求項7】請求項5または請求項6において、前記2つの内燃機関動作点において、総充電量と総放電量とが等しくなるように前記内燃機関を動作させる、内燃機関の制御方法。
【請求項8】請求項5乃至請求項7のいずれか一つの請求項において、前記バッテリ放電時内燃機関動作点及び前記バッテリ充電時内燃機関動作点は、前記第1平均燃料消費点が最小となるように決定されることを特徴とする、内燃機関の制御方法。
【請求項9】請求項5乃至請求項8のいずれか一つの請求項において、前記所定特性は前記定常車速と予め関連付けられており、前記バッテリ放電時内燃機関動作点及び前記バッテリ充電時内燃機関動作点は、前記定常車速及び駆動トルクに基づき選択されることを特徴とする、内燃機関の制御方法。
【請求項10】請求項5において、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係が前記所定特性を有しない場合には、バッテリ充電状態に従って前記内燃機関の動作点を決定することを特徴とする、内燃機関の制御方法。
【請求項11】電動機及び内燃機関を駆動源として有する車両であって、車速を検出する車速検出手段と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、検出された車速及び検出されたアクセル開度に基づき駆動トルクを計算する駆動トルク計算手段と、検出された車速が所定期間にわたり実質的に一定であるか否かを判定する車速状態判定手段と、前記車速状態判定手段により車速が実質的に一定であると判定された場合には、その検出車速と計算駆動トルクとに基づき燃料消費とバッテリ充放電との関係を決定する第1決定手段と、決定した前記燃料消費とバッテリ充放電との関係が燃料消費に関する所定特性を有するか否か判断する第1判断手段と、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係が前記所定特性を有する場合には、その平均燃料消費が、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係の有する平均燃料消費よりも小さくなるようにバッテリ放電時内燃機関動作点及びバッテリ充電時内燃機関動作点をそれぞれ決定する第2決定手段と、決定された前記バッテリ放電時内燃機関動作点及び前記バッテリ充電時内燃機関動作点に従い前記内燃機関を動作させる内燃機関制御手段とを備える、車両。
【請求項12】請求項11において、前記所定特性は、前記バッテリ放電時内燃機関動作点と前記バッテリ充電時内燃機関動作点とを結ぶ直線上にあってバッテリ充放電量が実質的に0である第1平均燃料消費点が、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係を満たしバッテリ充放電量が実質的に0である第2平均燃料消費点よりも小さい特性である、車両。
【請求項13】請求項11または請求項12において、前記内燃機関制御手段は、前記2つの内燃機関動作点において、総充電量と総放電量とが等しくなるように前記内燃機関を動作させる、車両。
【請求項14】請求項11乃至請求項13のいずれか一つの請求項において、前記第2決定手段は、前記第1平均燃料消費点が最小となるように前記バッテリ放電時内燃機関動作点及び前記バッテリ充電時内燃機関動作点を決定する、車両。
【請求項15】請求項11乃至請求項14のいずれか一つの請求項において、前記所定特性は前記定常車速と予め関連付けられており、前記第1決定手段はさらに、前記定常車速及び駆動トルクに基づき前記バッテリ放電時内燃機関動作点及び前記バッテリ充電時内燃機関動作点を決定する、車両。
【請求項16】請求項11において、前記第2決定手段は、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係が前記所定特性を有しない場合には、バッテリ充電状態に従って前記内燃機関の動作点を決定する、車両。
【請求項17】電動機及び内燃機関を駆動源として有する車両における内燃機関制御の設計方法であって、定常走行車速及び駆動トルクに基づき、車両が定常走行にある場合の燃料消費値に対するバッテリ充電値及びバッテリ放電値をそれぞれ計算して燃料消費とバッテリ充放電との関係を求め、計算された前記燃料消費値に対するバッテリ放電値の中から第1の値を選択し、計算された前記燃料消費値に対するバッテリ充電値の中から第2の値を選択し、選択された前記第1の値及び第2の値を結ぶ直線上にあり且つバッテリ充放電値が実質的に0である第1平均燃料消費点を算出し、求めた前記燃料消費に対するバッテリ充放電の関係を満たすと共にバッテリ充放電値が実質的に0である第2平均燃料消費点を算出し、前記第1及び第2平均燃料消費点を比較して、前記第1平均燃料消費点が前記第2平均燃料消費点よりも小さい場合には、選択された前記第1の値及び第2の値をそれぞれバッテリ放電時内燃機関動作点及びバッテリ充電時内燃機関動作点に決定し、求めた前記燃料消費に対するバッテリ充放電の関係と、前記決定したバッテリ放電時内燃機関動作点及びバッテリ充電時内燃機関動作点とを関連付け、定常走行車速及び駆動トルクから前記バッテリ放電時内燃機関動作点及びバッテリ充電時内燃機関動作点を決定できるようにした、内燃機関制御の設計方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力源としてモータ及び内燃機関を備える車両、すなわちハイブリッド車両における内燃機関の制御方法に関する。より詳細には、定常走行時におけるハイブリッド車両の燃費を向上させるハイブリッド車両における内燃機関の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハイブリッド車両における内燃機関の制御は、一般的に、要求トルクと共にバッテリの充電状態(SOC)を考慮して実行されてきた。すなわち、常に目標SOCと実SOCとの差分に基づいて充放電量が決定され、決定された充放電量及び要求トルクに基づいて内燃機関の出力すべき駆動トルクが決定されていた。したがって、バッテリの充電状態に比重をおいた制御が行われており、内燃機関の燃費率、あるいは、システム全体(エンジン効率、モータ効率、駆動系の摩擦損失等)の効率、システム全体の耐久性、信頼性を考慮にいれた内燃機関の制御は行われていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、システム全体の効率という点で検討すると、定常走行状態では、内燃機関及びモータに対して要求される出力トルクも一定であり、また、当初は存在していた実SOCと目標SOCとの差分も、終局的には実SOCが目標SOCに収束することにより消失する。したがって、SOCを基準にして内燃機関の動作点を決定している上記従来の内燃機関の制御方法では、定常走行状態において、最終的に内燃機関のみが動作する結果を招いていた。すなわち、従来の内燃機関の制御方法では、実SOCが目標SOCに到達した後においては、内燃機関はモータをジェネレータとして作動させて発電させた電力をバッテリに充電するために余分な駆動力を出力できない。また、定常走行状態では、短時間しか用いることのできないバッテリをエネルギ源とすることはできない。したがって、たとえ、内燃機関に要求される回転域が内燃機関の効率の観点からは最適な回転域でない場合(一般的に、低回転域)であっても、その回転域で内燃機関を動作させざるをえなかった。このような従来の制御方法は、結果として内燃機関を燃料消費率の良い回転域で運転することができず、車両システム全体の燃料消費率を向上できないという問題を有していた。
【0004】本発明は、定常走行時における、ハイブリッド車両の燃料消費率を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、駆動源としての内燃機関と、その内燃機関の駆動出力を車輪に伝達する出力伝達軸と、その出力伝達軸との間で電気−力の変換を行なう電動機と、前記出力伝達軸が有するエネルギの少なくとも一部を前記電動機により回生することにより充電されると共に前記電動機の力行時には放電するバッテリとを備える車両を、車両運転用に必要なエネルギと内燃機関の出力するエネルギとが均衡する第1の運転ポイントで継続的に、または両者の大小関係が異なる2以上の第2の運転ポイントにおいて交互に、それぞれ運転可能な車両の制御方法を提供する。この制御方法は、車両の走行状態を検出し、その検出された車両の走行状態に基づいて、前記第1の運転ポイントで制御を行なった場合と、前記2以上の第2の運転ポイントで交互に運転を行なった場合のいずれが望ましい方を選択し、その選択された運転ポイントで、少なくとも前記内燃機関および前記電動機を運転することを特徴とする。したがって、本発明の第1の態様は、ハイブリッド車両におけるシステム全体として望ましい運転ポイントにて運転することができる。なお、上記出力伝達軸は、内燃機関の出力軸と直接結合されているものでも良く、あるいは、他のギヤ機構(例えば、プラネタリギヤ)を介して内燃機関と間接的に接続されているものであっても良い。
【0006】なお、前記第1の運転ポイントおよび第2の運転ポイントは、前記内燃機関の燃料消費と前記バッテリの充放電量とにより定められたポイントとすることができる。この場合には、燃料消費とバッテリ充放電量とを考慮して望ましい運転ポイントを定めることができる。また、前記車両の走行状態に基づく前記望ましい運転ポイントの選択は、前記第1の運転ポイントで運転を継続した場合と、前記2以上の第2の運転ポイントで交互に運転した場合とにおける総合的な燃料消費量が小さい方や、車両搭載機器の信頼性が高い方を選択することとすれば、システム全体の燃料消費を向上させることや、システム全体の信頼性を向上させることができる。
【0007】次に本発明の第2の態様は、電動機及び内燃機関を駆動源として有する車両における内燃機関の制御方法を提供する。この制御方法は、車両が定常走行状態にあるか否かを判断し、車両が定常走行状態にある場合には、定常走行車速及び駆動トルクに基づき燃料消費とバッテリ充放電との関係を決定し、決定した前記燃料消費とバッテリ充放電との関係が燃料消費に関する所定特性を有するか否かを判断し、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係が前記所定特性を有する場合には、その平均燃料消費が、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係の有する平均燃料消費よりも小さくなるようにバッテリ放電時内燃機関動作点及びバッテリ充電時内燃機関動作点をそれぞれ決定し、前記バッテリ放電時内燃機関動作点及び前記バッテリ充電時内燃機関動作点において前記内燃機関を動作させることを特徴とする。したがって、本発明の第2の態様は、定常走行時における、ハイブリッド車両の燃料消費率を向上させることができる。
【0008】また、前記所定特性は、前記バッテリ放電時内燃機関動作点と前記バッテリ充電時内燃機関動作点とを結ぶ直線上にあってバッテリ充放電量が実質的に0である第1平均燃料消費点が、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係を満たしバッテリ充放電量が実質的に0である第2平均燃料消費点よりも小さい特性とすることができる。この場合には、車両システム全体としての平均燃料消費率を向上することができる。
【0009】前記内燃機関は、前記2つの内燃機関動作点において、総充電量と総放電量とが等しくなるように動作させられるものであっても良い。また、前記バッテリ放電時内燃機関動作点及び前記バッテリ充電時内燃機関動作点は、前記第1平均燃料消費点が最小となるように決定されるものであっても良い。このような場合には、内燃機関を燃料消費率の良い回転域で運転させることが可能となり、車両システム全体としての燃料消費を抑制することができる。
【0010】また、前記所定特性は前記定常車速と予め関連付けられており、前記バッテリ放電時内燃機関動作点及び前記バッテリ充電時内燃機関動作点は、前記定常車速及び駆動トルクに基づき選択されるものであっても良い。
【0011】さらに、本制御方法は、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係が前記所定特性を有しない場合には、バッテリ充電状態に従って前記内燃機関の動作点を決定することを特徴とする。
【0012】次に、本発明の第3の態様は、電動機及び内燃機関を駆動源として有する車両を提供する。この車両は、車速を検出する車速検出手段と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、検出された車速及び検出されたアクセル開度に基づき駆動トルクを計算する駆動トルク計算手段と、検出された車速が所定期間にわたり実質的に一定であるか否かを判定する車速状態判定手段と、前記車速状態判定手段により車速が実質的に一定であると判定された場合には、その検出車速と計算駆動トルクとに基づき燃料消費とバッテリ充放電との関係を決定する第1決定手段と、決定した前記燃料消費とバッテリ充放電との関係が燃料消費に関する所定特性を有するか否か判断する第1判断手段と、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係が前記所定特性を有する場合には、その平均燃料消費が、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係の有する平均燃料消費よりも小さくなるようにバッテリ放電時内燃機関動作点及びバッテリ充電時内燃機関動作点をそれぞれ決定する第2決定手段と、決定された前記バッテリ放電時内燃機関動作点及び前記バッテリ充電時内燃機関動作点に従い前記内燃機関を動作させる内燃機関制御手段とを備えることを特徴とする。したがって、本発明の第3の態様では、定常走行時における、ハイブリッド車両の燃料消費率を向上させることができる。
【0013】また、前記所定特性は、前記バッテリ放電時内燃機関動作点と前記バッテリ充電時内燃機関動作点とを結ぶ直線上にあってバッテリ充放電量が実質的に0である第1平均燃料消費点が、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係を満たしバッテリ充放電量が実質的に0である第2平均燃料消費点よりも小さい特性とすることができる。この場合には、車両システム全体としての平均燃料消費率を向上することができる。
【0014】前記内燃機関制御手段は、前記2つの内燃機関動作点において、総充電量と総放電量とが等しくなるように前記内燃機関を動作させるものであっても良い。また、前記第2決定手段は、前記第1平均燃料消費点が最小となるように前記バッテリ放電時内燃機関動作点及び前記バッテリ充電時内燃機関動作点を決定することができる。このような場合には、内燃機関を燃料消費率の良い回転域で運転させることが可能となり、車両システム全体としての燃料消費を抑制することができる。
【0015】また、前記所定特性は前記定常車速と予め関連付けられており、前記第1決定手段はさらに、前記定常車速及び駆動トルクに基づき前記バッテリ放電時内燃機関動作点及び前記バッテリ充電時内燃機関動作点を決定することができる。
【0016】さらに、前記第2決定手段は、前記燃料消費とバッテリ充放電との関係が前記所定特性を有しない場合には、バッテリ充電状態に従って前記内燃機関の動作点を決定することを特徴とする。
【0017】続いて、本発明の第4の態様は、電動機及び内燃機関を駆動源として有する車両における内燃機関制御の設計方法を提供する。この設計方法は、定常走行車速及び駆動トルクに基づき、車両が定常走行にある場合の燃料消費値に対するバッテリ充電値及びバッテリ放電値をそれぞれ計算して燃料消費とバッテリ充放電との関係を求め、計算された前記燃料消費値に対するバッテリ放電値の中から第1の値を選択し、計算された前記燃料消費値に対するバッテリ充電値の中から第2の値を選択し、選択された前記第1の値及び第2の値を結ぶ直線上にあり且つバッテリ充放電値が実質的に0である第1平均燃料消費点を算出し、求めた前記燃料消費に対するバッテリ充放電の関係を満たすと共にバッテリ充放電値が実質的に0である第2平均燃料消費点を算出し、前記第1及び第2平均燃料消費点を比較して、前記第1平均燃料消費点が前記第2平均燃料消費点よりも小さい場合には、選択された前記第1の値及び第2の値をそれぞれバッテリ放電時内燃機関動作点及びバッテリ充電時内燃機関動作点に決定し、求めた前記燃料消費に対するバッテリ充放電の関係と、前記決定したバッテリ放電時内燃機関動作点及びバッテリ充電時内燃機関動作点とを関連付け、定常走行車速及び駆動トルクから前記バッテリ放電時内燃機関動作点及びバッテリ充電時内燃機関動作点を決定できるようにしたことを特徴とする。したがって、本発明の第4の態様では、定常走行時における、ハイブリッド車両の燃料消費率を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るハイブリッド車両における内燃機関の制御方法について、図面を参照して好適な発明の実施の形態に基づき説明する。
【0019】図1は本発明の実施の形態を適用するために適当な車両の概略図の一例である。車両10は、いわゆるハイブリッド型車両であり、駆動源としての内燃機関(エンジン)12及びモータ(電動機:ジェネレータとしても機能する)14、モータ14との間で電力を充放電するバッテリ16、内燃機関12及びモータ14を駆動制御する主制御部40、及び車両の運転状態を検出するための各種センサを備えている。モータ14はその出力軸(図示しない)が内燃機関12の出力軸(図示しない)に結合されるように備えられており、内燃機関12の出力トルクとモータ14の出力トルクの合計が車両10の出力トルクとなる。
【0020】モータ14は、バッテリ放電時には駆動トルクを発生するモータとして機能し、バッテリ充電時には内燃機関12によって駆動されるジェネレータとして機能する。モータ14には、インバータ15が接続されており、これによりバッテリ16の直流電流は交流電流に変換されてモータ14に与えられ、また、モータ14により発電された交流電流は直流電流に変換されてバッテリ16に充電される。本発明の実施の形態では、最も一般的な、いわゆる1モータ式のハイブリッド車両を適用例として用いている。しかしながら、本発明は、駆動トルク発生源としてのモータと電力発生源としてのジェネレータとをそれぞれ別個に備える、いわゆる2モータ式のハイブリッド車両にも適用し得る。
【0021】主制御部40は、演算手段として中央処理装置(CPU)42、内燃機関制御プログラム等のプログラム、燃料消費とバッテリ充放電との関係を示すマップ等を格納している不揮発メモリであるROM44、検出されたデータ、計算結果等を一時的に格納する揮発メモリであるRAM46、及びCPU42と車速センサ30、アクセル開度センサ32、SOCセンサ34、内燃機関制御用ECU20、モータ制御用22、クルーズコントロールスイッチ36を相互に接続する入出力インターフェース50を備えている。
【0022】内燃機関制御用ECU20は、主制御部40からの指令に基づき内燃機関12を制御し、モータ制御用ECU22は、主制御部40からの指令に基づきインバータ15を介してモータ14を制御する入出力インターフェースを介して接続されている。車速センサ30は、車両10の車速を検出し、アクセル開度センサ32は、アクセル18の踏み込み量を検出する。SOCセンサ34は、バッテリ16の充電状態(SOC)を検出し、クルーズコントロールスイッチ36は、車両10の車速をアクセル操作なくして一定に保持するクルーズコントロール機能のON・OFFスイッチである。
【0023】次に、上記構成を備える車両10の基本動作について簡単に説明する。車両10の出力駆動トルクは、内燃機関12によって生成される駆動トルクとモータ14によって生成される駆動トルクの合計であり、一般的に、内燃機関12の運転効率が悪いとされる低回転域(例えば、0発進時)では、車両10の駆動トルクはモータ14のみによって供給される。内燃機関12が作動している状態であって、さらに駆動トルクが要求されるとき(例えば、加速時)には、車両の駆動トルクは内燃機関12により生成される駆動トルクとモータ14により出力される駆動トルクの合計となる。モータ14がジェネレータとして作用する回生時には、車両の出力駆動トルクは内燃機関12が生成した駆動トルクとモータ14において発電のために消費される消費トルクの差分となる。
【0024】次に本発明の実施の形態における制御方法の根拠となる燃料消費とバッテリ充放電との関係を図2、図3及び図4を参照して説明する。図2及び図3は、駆動軸の出力トルクを一定とした場合における、燃料消費とバッテリ充放電との関係を表す特性線であって、横軸近傍において右上に凸となる特性を有する特性線を示すグラフである。これに対して、図4は横軸近傍において右上に凸とならない特性を有する特性線を示すグラフである。ここで、横軸近傍において右上に凸となる特性とは、バッテリ放電時内燃機関動作点とバッテリ充電時内燃機関動作点とを結ぶ直線上にあってバッテリ充放電量が実質的に0である第1平均燃料消費点が、燃料消費とバッテリ充放電との関係を満たしバッテリ充放電量が実質的に0である第2平均燃料消費点よりも小さくなる特性を意味するものとする。
【0025】ここで、図2、図3及び図4には説明を簡単なものとするためにそれぞれ1つの代表的な特性線が図示されているが、現実には、個々の車速及び駆動トルクに対応する複数の特性線がROM44中に記憶されている。特に、図2に示される特性は、一般的に、車速が40km/h以下で出現しやすい。したがって、車速が低い領域から高い領域に移行するにつれ、例えば、図2に図示される特性線から、例えば、図4に図示される特性線までがROM44中に記憶されている。
【0026】図2に図示するグラフは、横軸に燃料消費値(g/sec)を示し、縦軸にバッテリ電力(kw)を示している。縦軸において、正側はバッテリの放電電力を示し、負側はバッテリの充電電力を示している。図示する特性線上に記されているPeは、内燃機関12の出力を示しており、Pe=2kw、3kw、4kw、5kw及び6kwの各点が例示されている。この特性線と横軸との交点は、定常走行下でバッテリ充電状態(SOC)が安定(均衡)している場合における内燃機関動作点の収束点及び、特性線の有する平均燃料消費点fc3を意味する。図2のグラフに図示されている放電時内燃機関動作点(fc1,pb1)及び、充電時内燃機関動作点(fc2,pb2)は、特性線の左下からその2点においてだけ特性線と接するようにした直線と特性線の接点である。この2点を結ぶ直線と横軸との交点は、バッテリ充放電量の差分が0となるように内燃機関を動作させた場合における平均燃料消費点fc4を意味する。そして、この平均燃料消費点fc4と特性線のSOC安定時における燃料消費fc3を比較すると、平均燃料消費点fc4はよりも小さな値を取ることが分かる。
【0027】したがって、特性線がこのような所定特性を有する場合には、SOCに基づきバッテリ充放電量を決定していた従来の内燃機関制御方法に代えて、敢えてバッテリ16を放電(モータ14を動作)させると共に、その放電量を補填するために内燃機関12をより高い回転域で動作させる制御を用いることにより、車両システム全体の燃料消費が改善されることになる。すなわち、内燃機関12の2つの動作点のうち、放電時内燃機関動作点(fc1,pb1)では、積極的にEV走行放電させることによりバッテリ16を放電させ、充電時内燃機関動作点(fc2,pb2)では、内燃機関12が効率良く作動し得る中・高回転域にて内燃機関12を動作させて、バッテリ充電を行うと共に走行に必要な駆動力を得るのである。この結果、SOCに基づき充放電量を決定していた従来の内燃機関の制御を実行した場合の平均燃料消費点fc3でなく、平均燃料消費点fc4を取ることとなり、車両システム全体の燃料消費を改善することができる。
【0028】なお、上記特性線は車速及び駆動トルクから一義的に決定される特性であるため、実施に当たっては、既述のように、予め各車速及び駆動トルクに対する特性線を取得しておき、ROM44中に記憶しておくことが好ましい。また、上記放電時内燃機関動作点(fc1,pb1)及び、充電時内燃機関動作点(fc2,pb2)が存在するか否か、すなわち、特性線が右上に凸となる特性を有するか否かについても予め得られる情報なので、ROM44中に記憶されている特性線と関連付けて予めROM44中に記憶しておくことが好ましい。さらに、放電時内燃機関動作点(fc1,pb1)及び、充電時内燃機関動作点(fc2,pb2)についても、ROM44中に記憶されている特性線と関連付けて予めROM44中に記憶しておくことが好ましい。
【0029】さらに、これら相互の関係を予め図5に示すようなマップとしてROM44中に記憶しておくことが好ましい。このようなマップを備えることにより、車速及び駆動トルクから、放電時内燃機関動作点(fc1,pb1)及び、充電時内燃機関動作点(fc2,pb2)を容易に決定することができる。あるいは、図4に示すような特性線の場合には、内燃機関動作点(fc3,pb3)を決定することができる。したがって、本発明の実施の形態においては、右上に凸となる特性及び放電時内燃機関動作点(fc1,pb1)及び、充電時内燃機関動作点(fc2,pb2)が車速及び駆動トルクと相互に関連付けられたマップを備えるものとする。
【0030】なお、本発明の実施の形態では、放電時内燃機関動作点及び充電時内燃機関動作点として、その平均燃料消費fc4が最も小さくなる点をそれぞれ選択したが、平均燃料消費fc4が、特性線のSOC安定時における燃料消費fc3よりも小さくなるので有れば、どのように放電時内燃機関動作点及び充電時内燃機関動作点を決定しても良い。かかる場合にも、従来の制御方法と比較して車両システム全体の燃料消費が改善されるからである。
【0031】既述の観点からは、バッテリ放電時(EV走行時)には、内燃機関12を動作させない、すなわち、放電時内燃機関動作点として特性線と縦軸との切片を選択する方がより平均燃料消費を向上させることができる。しかしながら、図2に図示する特性線においては、特性線と縦軸との切片を放電時内燃機関動作点とすると、その平均燃料消費fc5が特性線のSOC安定時燃料消費fc4よりも大きくなるため、放電時内燃機関動作点として特性線と縦軸との切片を選択していない。
【0032】特性線が図3に図示するような特性を有する場合には、その平均燃料消費fc4は、特性線のSOC安定時平均燃料消費fc3より小さくなり、特性線と縦軸との切片を放電時内燃機関動作点として選択することが可能になる。したがって、このような場合には、特性線と縦軸との切片が放電時内燃機関動作点として選択される。図3に示す放電時内燃機関動作点を取る場合には、放電時内燃機関動作点では内燃機関12は動作せず、車両は完全なEV走行(モータ14のみから駆動トルクが発生)にて走行する。この結果、内燃機関12は効率の悪い低回転域において動作する必要がなく、平均燃料消費fc3もより小さくなる。
【0033】なお、図2及び図3に図示する特性線、及び選択された放電時及び充電時内燃機関動作点は一例であり、その平均燃料消費が特性線のSOC安定時平均燃料消費よりも小さければ、ハイブリッド車における燃料消費が改善される。例えば、放電時及び充電時内燃機関動作点は、上記以外の特性線上の他の点であっても良い。
【0034】図2及び図3に示される特性線に対して、図4に示される特性線は、横軸近傍で右上に凸となる特性を有しておらず、この場合には、従来通りSOCに基づく内燃機関の制御が実行される。これらの特性線は、予め測定されROM44内に記憶されている。すなわち、このような特性線では、特性線に接する接線と横軸との最も燃料消費が小さくなる交点(すなわち、平均燃料消費)は、特性線と横軸との交点と一致するからである。したがって、本発明に係る内燃機関の制御方法によらずとも、従来実行されてきたSOCに基づく内燃機関の制御によって適切な燃料消費が実現されるので、SOCに基づいた制御を実行する。
【0035】次に、上記燃料消費とバッテリ充放電の特性をふまえて定常走行時における燃料消費を向上させるための内燃機関の制御方法について図6を参照して説明する。図6は、本発明の実施の形態に従う内燃機関の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0036】制御ルーチンは開始後、車両10の運転状態が定常運転状態にあるか否かを判定する(ステップS100)。判定にあたっては、例えば、アクセル開度センサ32によって検出されたアクセル開度が所定時間にわたって実質的に一定であるか否か、車速センサ30によって検出された車速が所定時間にわたって実質的に一定であるか否か、あるいは、クルーズコントロール機能を有する車両においては、クルーズコントロールスイッチ36がONになっているか否かが判定される。そして、アクセル開度、車速が所定時間にわたって実質的に一定である場合、クルーズコントロールスイッチ36がONの場合に、定常運転状態にあると判定する。
【0037】ステップ100において、車両10の運転状態は、定常運転状態にないと判定した場合には、SOCに基づいた制御を実行する(ステップS120)。すなわち、アクセル開度、車速に基づき決定された要求トルク、目標SOCと実SOCとの差分、システム全体における損失等を考慮して内燃機関12が出力すべき最終的な駆動トルクを決定する。そして、かかる駆動トルクを出力するように、特性線上における内燃機関12の動作点を決定する。これに対して、車両10の運転状態が定常運転状態にあると判定した場合には、検出された車速とアクセル開度に基づいて駆動トルクが計算される(ステップS110)。
【0038】次に、車速及び駆動トルクから燃料消費とバッテリ充放電との関係を表す特性線を決定する(ステップS130)。なお、特性線は検出された車速と駆動トルクとからリアルタイムに計算されても良いが、本発明の実施形態では、既述のように、予め車速と駆動トルクとによって決定される2次元マップをROM44内に有しており、このマップに基づいて決定するものとする。このとき得られた特性線は、例えば、図2、図3及び図4に図示される特性線である。
【0039】続いて、特性線が横軸近傍(充放電量0近傍)において右上に凸となる特性を有しているか否かを判定する(ステップS140)。この特性は、既述のように、一般的に、車速が40km/h以下で出現しやすい特性であるため、特性線を決定する際にどの特性線に現れるか予め解っており、特性線に関連付けられている。したがって、ステップ130にて決定された特性線に基づいて、付随的に判定することができる。
【0040】特性線が横軸近傍で右上に凸となる特性を有していないと判定した場合には(ステップS140:No)、既述のSOCに基づいた制御(ステップS120)を実行する。
【0041】これに対して、特性線が横軸近傍で右上に凸となる特性を有していると判定した場合には(ステップS140:Yes)、内燃機関12の放電時動作点と充電時動作点とがそれぞれ決定される(ステップS150)。これら2点は、図2及び図3のグラフと共に説明したようにステップS130にて決定された特性線に依存する点であり、特性線と予め関連付けられている。したがって、これら2点は、予めROM44に格納されているマップに基づいて決定される。具体的には、例えば、図2及び図3においては、放電時内燃機関動作点として(fc1,pb1)が決定され、充電時内燃機関動作点として(fc2,pb2)が決定される。そして、内燃機関12は、原則的にこれら2点でのみ動作させられる。ただし、これら2点は、2点を結ぶ直線と横軸との交点である平均燃料消費点fc4が、特性線と横軸との交点である平均燃料消費点fc3よりも小さくなる点であればどのように選択されてもかまわないことは既述の通りである。
【0042】このように内燃機関動作点を決定した後、その放電時動作点と充電時動作点の2点で内燃機関を動作させる処理を行う(ステップS160)。すなわち、本発明の実施の形態において、本発明に係る制御方法が実行される場合には、内燃機関は放電時動作点と充電時動作点の2点でのみ動作させられる。したがって、放電時動作点と充電時動作点の2点間の切り替えは、ほぼ瞬時に切り替えられる。このとき、内燃機関は、充電時間:放電時間=|pb1|:|pb2|の関係を満たすように、放電時動作点と充電時動作点とで動作するよう制御されることが好ましい。ここで、放電時動作点と充電時動作点の2点間の切り替えは、燃費の観点からは前述のように瞬時に切り替えられることが好ましいが、切り替えに伴う内燃機関動作音等の変化により運転者等に不快感を与える場合には、燃料消費とバッテリ充放電との関係を示す特性線に沿い、不快感を与えない範囲で迅速に変化させてもよい。
【0043】特性線が図2の特性を示す場合、内燃機関12は放電時内燃機関動作点(fc1,pb1)において要求トルクとモータ14が出力し得るトルクの差分を出力すべく動作し、充電時内燃機関動作点(fc2,pb2)では、要求トルクに加え必要な発電量を得るためにモータ14をジェネレータとして駆動するために要求されるトルクを出力すべく動作する。一般的に、充電時内燃機関動作点(fc2,pb2)における内燃機関12の回転域は高く、効率の高い運転が可能になる。
【0044】これに対して、特性線が図3の特性を示す場合、内燃機関12は放電時内燃機関動作点(fc1,pb1)において駆動トルクを出力するために動作せず、要求トルクはすべてモータ14によって出力される。すなわち、完全なEV走行状態に入る。一方、充電時内燃機関動作点(fc2,pb2)では、内燃機関12は、要求トルクに加え必要な発電量を得るためにモータ14をジェネレータとして駆動するために要求されるトルクを出力すべく動作する。したがって、一般的に、最も効率の良いといわれる中・高回転域においてのみ内燃機関12は動作することになり、その平均燃料消費fc4はより改善される。また、平均燃料消費fc4は内燃機関の起動に必要なエネルギを考慮したものであっても良い。
【0045】なお、放電時動作点と充電時動作点の2点間の切り替えは、上記時間比によることなく、SOCが第1しきい値(例えば、70%)を上回ったら放電時動作点で動作させ、第2しきい値(例えば、50%)を下回ったら充電時動作点で動作させるようにしてもよい。かかる場合にも、内燃機関の平均燃料消費値を向上させることができるからである。本制御ルーチンはステップ160にて終了し、所定の周期で繰り返し実行される。
【0046】以上、発明の実施の形態に基づき本発明に係るハイブリッド車両における内燃機関の制御方法を説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0047】例えば、上記発明の実施の形態では、バッテリ充放電に関して何ら上限及び下限をもたない場合について説明したが、本発明はバッテリ充放電に上限及び下限等の制限が存在する場合にも同様に適用され得る。すなわち、制限の枠内で特性線上に放電時及び充電時内燃機関動作点を取り、fc4<fc3なる関係が成り立つ際には、本発明を上記発明の実施の形態と同様にして用いることができる。また、その結果、燃料消費が改善される。
【0048】また、定常走行中に目標SOCが意図的に引き上げられた場合、例えば、ナビゲーション情報に基づき、今後SOCの低下が予想されるため目標SOCが60%から75%に引き上げられた場合には、現SOCが60%から75%に到達するまでは充電時内燃機関動作点(図2中の(fc2,pb2))で連続運転される。そして、現SOCが75%に到達したところで、上記発明の実施の形態で説明したように、内燃機関は、充電時及び放電時内燃機関動作点にて動作させられる。このように、内燃機関が過渡的に放電側または充電側にシフトして動作する場合であっても、上記放電時及び充電時内燃機関動作点のいずれか一方の動作点において内燃機関は動作させられる。そして、現SOCが目標SOCに到達した後は、本発明に係る制御方法を適用することにより、車両システム全体での燃料消費が向上される。
【0049】さらに、上記発明の実施の形態では、特性線、特性線の有する充放電量0付近における右上に凸の特性、充電時及び放電時内燃機関動作点を予め車速及び駆動トルクと関連付けてマップとして備えている。しかしながら、現実の車速及び駆動トルクに基づいて、特性線を算出し、特性線が充放電量0付近において右上に凸となる特性を有するか否かを判断し、及び充電時及び放電時内燃機関動作点をリアルタイムに計算する構成を備えても良い。この場合には、より柔軟性に富む制御を実行することができる。
【0050】また、上記発明の実施の形態では、車両システム全体における内燃機関の燃料消費量を低減する観点から内燃機関の動作点を決定する構成を備えるが、この他にも、例えば、車両システム全体における車両搭載機器の信頼性を向上させる観点から内燃機関の動作点を決定する構成を備えても良い。かかる場合には、車両システムの信頼性、耐久性を向上させることができる。
【0051】さらに、フライホイルバッテリを備える場合であっても、燃料消費とフライホイルバッテリ入出力パワーを算出することによって、上記発明の実施の形態を適用することができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成11年6月28日(1999.6.28)
【代理人】 【識別番号】100096817
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 孝雄 (外3名)
【公開番号】 特開2001−16705(P2001−16705A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−181411