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【発明の名称】 車両制御装置
【発明者】 【氏名】吉野 康徳

【氏名】川畑 文昭

【氏名】磯野 宏

【氏名】山本 貴之

【氏名】酒井 朗

【要約】 【課題】自車以外の他車、走行路に設けた検出装置、基地などから送信される車両情報に基づいて自車を安全かつ的確に走行させる。

【解決手段】送受信器38は、前方車両の走行路面の状態、前方車両の走行状態、前方車両の運転操作状態などを表す車両情報を受信するとともに、自車にて各種センサ及びマイクロコンピュータ21を用いて検出又は計算した車両情報を送信する。マイクロコンピュータ21は、前記受信した車両情報及び自車にて検出又は計算した自車に関する車両情報に基づいて、車両の制動時における作動、車両の操舵時における作動、前方車両との接触を回避又は緩和するための作動などの各種作動を制御する。また、マイクロコンピュータ21は前記各種車両情報に基づいて特定の車両情報の異常も検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】前方の車両に関して検出又は演算された車両情報を受信する受信手段と、前記受信した車両情報を用いて車両の作動を制御する作動制御手段とを備えたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】前記請求項1に記載した車両制御装置において、前記受信手段によって受信された車両情報を前記作動制御手段による車両の作動制御に採用すべきかを判定する採用判定手段を設けたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項3】前記請求項2に記載した車両制御装置において、前記車両情報には、車種、車両に搭載された車両制御装置及び車両の走行状態のうちの少なくともいずれかを表す付属情報が付加されており、前記採用判定手段は、前記付属情報に基づいて車両情報の採用を判定するものである車両制御装置。
【請求項4】前記請求項1乃至請求項3のうちのいずれか一つに記載した車両制御装置において、前記車両情報は、前方の車両の走行路面の状態、前方の車両の走行状態、及び前方の車両の運転操作状態のうちのいずれかを表すものを含む車両制御装置。
【請求項5】前記請求項1乃至請求項4のうちのいずれか一つに記載した車両制御装置において、前記作動制御手段は、車両の制動時における作動、車両の操舵時における作動、前方の車両との接触を回避又は緩和するための作動のうちのいずれかの作動を制御するものである車両制御装置。
【請求項6】前記請求項1乃至請求項3のうちのいずれか一つに記載した車両制御装置において、前記車両情報は、タイヤと路面との路面摩擦係数を含む車両制御装置。
【請求項7】前記請求項6に記載した車両制御装置において、前記作動制御手段は、前記車両情報である路面摩擦係数を用いて車体速度又は車輪のスリップ率を計算する計算手段を含む車両制御装置。
【請求項8】自車に搭載されて自車に関する車両情報を検出又は演算する検出手段と、自車以外の他車又は走行路近傍に設けた固定装置にて検出又は演算された車両情報を受信する受信手段と、前記検出手段によって検出又は演算された車両情報と前記受信した車両情報とに基づいて同検出又は演算された車両情報及び同受信した車両情報のうちの少なくともいずれかの異常を判定する異常判定手段とを備えたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項9】自車に搭載されて自車に関する車両情報を検出又は演算する検出手段と、前記検出手段によって検出又は演算された車両情報を送信する送信手段と、自車以外の他車又は走行路近傍に設けた固定装置にて検出又は演算された車両情報と前記送信された車両情報とに基づいて判定された車両情報の異常の判定結果を表す情報を受信する受信手段とを備えたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項10】自車に搭載されて自車に関する車両情報を検出又は演算する検出手段と、自車以外の他車又は走行路近傍に設けた固定装置にて検出又は演算された車両情報であって自車以外の2台以上に関する車両情報を受信する受信手段と、前記検出手段によって検出又は演算された車両情報と前記受信した2台以上に関する車両情報とに基づいて同検出又は演算された車両情報及び同受信した車両情報の少なくともいずれかの車両情報の異常を判定する異常判定手段とを備えたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項11】自車に搭載されて自車に関する車両情報を検出又は演算する検出手段と、前記検出又は演算された車両情報を送信する送信手段と、自車以外の他車又は走行路近傍に設けた固定装置にて検出又は演算された車両情報であって自車以外の2台以上に関する車両情報と前記送信された車両情報とに基づいて判定された車両情報の異常の判定結果を表す情報を受信する受信手段とを備えたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項12】前記請求項10又は請求項11に記載した車両制御装置において、前記自車以外の2台の車両は自車の前後の車両を含んでおり、前記車両情報は自車及び前記前後の車両の車体速度及び車間距離を表す情報である車両制御装置。
【請求項13】前記請求項8又は請求項10に記載した車両制御装置において、前記受信手段によって受信された車両情報を前記異常判定手段による車両情報の異常判定に採用すべきかを判定する採用判定手段を設けたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項14】前記請求項13に記載した車両制御装置において、前記受信手段によって受信された車両情報には、車種、車両に搭載された車両制御装置及び車両の走行状態のうちの少なくともいずれかを表す付属情報が付加されており、前記採用判定手段は、前記付属情報に基づいて車両情報の採用を判定するものである車両制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自車、他車、道路に沿って設けた固定通信装置(路上ビーコン)、種々の情報を集中的に管理する基地などの各間における通信を用いた相互の情報交換により、車両の作動を制御したり、車両情報の異常を検出したり、車両情報の異常を交信したりする車両制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、特開平9−132093号公報に示されているように、車両に搭載された各種センサにより検出される情報や、道路に沿って配置された固定通信装置(路上ビーコン)から与えられる情報、更には他車間との通信情報に基づいて、自車周辺における他車の位置、車速、加速及び減速度等を認識し、自車との相対的な危険度を車線毎に求め、同求めた危険度に応じて運転者に対して左又は右への車線変更を指示するようにした受信情報を用いた車両制御装置は知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装置にあっては、受信情報を用いて車線変更を指示するのみであり、同受信情報を他の用途に利用することについては言及していない。
【0004】
【発明の概略】本発明は、他車、走行路近傍に設けた固定装置などにより検出又は演算された車両情報を用いた車両制御装置を改良することを目的とする。特に、本発明は、これらの車両情報を用いて、自車の作動を制御したり、検出又は演算された車両情報の異常を判定したり、同車両情報の異常を表す情報の受信により同異常を認識したりすることを目的とする。
【0005】前記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、前方の車両に関して検出又は演算された車両情報を受信する受信手段と、前記受信した車両情報を用いて車両の作動を制御する作動制御手段とを備えたことにある。この場合、前記車両情報は、例えば、前方の車両の走行路面の状態、前方の車両の走行状態、及び前方の車両の運転操作状態のうちのいずれかを表すものを含む。また、前記作動制御手段は、例えば、車両の制動時における作動、車両の操舵時における作動、前方の車両との接触を回避又は緩和するための作動のうちのいずれかの作動を制御するものである。
【0006】前記のように構成した本発明によれば、受信手段が、自車の前方を走行中の車両に関する車両情報(前方の車両の走行路面の状態、前方の車両の走行状態、及び前方の車両の運転操作状態)すなわち自車が将来走行する位置に関する車両情報を事前に入手し、作動制御手段が、この入手した車両情報に応じて車両の作動(車両の制動時における作動、車両の操舵時における作動、前方の車両との接触を回避又は緩和するための作動)を制御する。したがって、将来走行する位置に関する車両情報に基づいて自車の作動を的確に制御することができ、自車を安全かつ的確な特性で走行させることができる。
【0007】特に、前記車両情報として、タイヤと路面との路面摩擦係数を採用すれば、自車が将来走行する路面の状況を認識することができて、車両を的確かつ良好な特性で走行させることができる。例えば、前記作動制御手段に、前記路面摩擦係数を用いて車体速度又は車輪のスリップ率を計算する計算手段を設けるようにすれば、車体速度又は車輪のスリップ率が正確に計算され、車両の作動を的確に制御することが可能となる。
【0008】また、本発明の他の特徴は、前記受信手段及び作動制御手段を備えた車両制御装置において、受信手段によって受信された車両情報を作動制御手段による車両の作動制御に採用すべきかを判定する採用判定手段を設けたことにある。この場合、前記車両情報には、車種、車両に搭載された車両制御装置及び車両の走行状態のうちの少なくともいずれかを表す付属情報が付加されており、前記採用判定手段が、付属情報に基づいて車両情報の採用を判定するとよい。
【0009】これによれば、同一又は同種の車両、同一又は同種の車両制御装置を搭載した車両、同一又は類似の走行状態で走行中の車両に関する車両情報のみを用いて、作動制御手段が車両の作動を制御することができるようになるので、車両の作動制御がより良好に行われるようになる。
【0010】また、本発明の他の構成上の特徴は、自車に搭載されて自車に関する車両情報を検出又は演算する検出手段と、自車以外の他車又は走行路近傍に設けた固定装置にて検出又は演算された車両情報を受信する受信手段と、前記検出又は演算された車両情報と前記受信した車両情報とに基づいて同検出又は演算された車両情報及び同受信した車両情報のうちの少なくともいずれかの異常を判定する異常判定手段とを備えたことにある。
【0011】これによれば、自車にて検出又は演算された車両情報の異常が、自車以外の他車又は走行路近傍に設けた固定装置にて検出又は演算された車両情報を利用して判定されるようになるので、車両情報の異常判定が的確になされるようになる。また、自車における車両情報のみを用いて車両情報の異常を判定するのに比べて、同異常判定のためにだけ設けたセンサ、演算装置などの複雑な構成を必要とすることもなくなる。
【0012】また、本発明の他の構成上の特徴は、自車に搭載されて自車に関する車両情報を検出又は演算する検出手段と、前記検出又は演算された車両情報を送信する送信手段と、自車以外の他車又は走行路近傍に設けた固定装置にて検出又は演算された車両情報と前記送信された車両情報とに基づいて判定された車両情報の異常判定結果を表す情報を受信する受信手段とを備えたことにもある。
【0013】これによれば、自車にて検出又は演算された車両情報の異常が、自車以外の他車又は走行路近傍に設けた固定装置にて検出又は演算された車両情報を用いて判定され、自車は前記判定結果を受信するので、車両情報の異常判定が的確になされるとともに、自車内にて車両情報の異常判定を行う必要がなくなる。
【0014】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記検出手段、受信手段及び異常判定手段を備えて自車にて車両情報の異常判定を行う車両制御装置、又は前記検出手段、送信手段及び受信手段を備えて車両情報の異常判定結果を受信する車両制御装置において、自車の車両情報と自車以外の2台以上に関する車両情報とに基づいて車両情報の異常の判定がなされるようにすることにある。この場合、前記自車以外の2台の車両は自車の前後の車両を含んでおり、前記車両情報を自車及び前記前後の車両の車体速度及び車間距離を表す情報とするとよい。
【0015】これによれば、3台以上の車両情報の比較により同車両情報の異常判定がなされることになり、異常判定の精度を向上させることができる。
【0016】さらに、本発明の他の構成上の特徴は、前記自車に異常判定手段を備えた車両制御装置において、前記受信手段によって受信された車両情報を前記異常判定手段による車両情報の異常判定に採用すべきかを判定する採用判定手段を設けたことにある。この場合、前記車両情報には、車種、車両に搭載された車両制御装置及び車両の走行状態のうちの少なくともいずれかを表す付属情報が付加されており、前記採用判定手段が、付属情報に基づいて車両情報の採用を判定するとよい。
【0017】これによれば、同一又は同種の車両、同一又は同種の車両制御装置を搭載した車両、同一又は類似の走行状態で走行中の車両に関する車両情報のみを用いて、異常判定手段が車両情報の異常を判定することができるようになるので、同異常の判定がより精度よく行われるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1は、走行路10にて自車20Aの前方を他車20B(以下、前方車両20Bという)が走行している状態を示している。走行路10の近傍には、走行路10に沿って適宜間隔を隔てて設けた固定通信装置40(以下、路上ビーコン40という)が配置されているとともに、走行路10とは離れた適宜位置には基地50が配置されており、これらは無線通信により互いに情報を交換し合っている(図示2点鎖線参照)。なお、これらの路上ビーコン40及び基地50は、共に複数ずつ設けられているが、路上ビーコン40は基地50に比べて多数設けられている。また、図1において、Labは自車20Aと前方車両20Bとの車間距離を示している。
【0019】自車20A及び前方車両20Bを含む他車は、図2に示すように、図6,7,9,11〜14,16,17のフローチャートに対応したプログラムを実行するマイクロコンピュータ21をそれぞれ備えている。マイクロコンピュータ21には、車輪速度センサ22a〜22d、前方車間距離センサ23、油圧センサ24a〜24d、踏み込み量センサ25及び操舵角センサ26が接続されている。車輪速度センサ22a〜22dは各輪の車輪速度Vwa〜Vwdを検出し、前方車間距離センサ23は前方車両20Bとの車間距離Labを検出する。
【0020】油圧センサ24a〜24dは、各輪に対して制動力を付与するためのホイールシリンダ31a〜31d内の油圧Pa〜Pd(以下、ブレーキ油圧Pa〜Pdという)を検出する。ホイールシリンダ31a〜31dには、ブレーキペダル32の踏み込み操作及びブレーキ電気制御装置33によって制御されるブレーキ油圧制御装置34からブレーキ油圧Pa〜Pdがそれぞれ供給されるようになっている。ブレーキ電気制御装置33は、マイクロコンピュータなどにより構成されたアンチロック制御装置33a及び自動ブレーキ装置33bからなり、これらの装置33a,33bはマイクロコンピュータ21ともデータの交換を行うようになっている。
【0021】アンチロック制御装置33aは、ブレーキペダル32の急な踏み込み操作によって各輪がロックしそうな場合に、ブレーキ油圧制御装置を制御してホイールシリンダ31a〜31dに供給されるブレーキ油圧を低下させて各輪のロックを回避するものである。なお、前記各輪がロックしそうな状態は、マイクロコンピュータ21にて計算されかつ供給されるスリップ率によって判定され、また前記ブレーキ油圧を低下させているときにはアンチロックブレーキの作動状態を表すアンチロックブレーキ信号がマイクロコンピュータ21に出力される。自動ブレーキ装置33bは、車両10Aを緊急に停止させることが必要である場合に、ブレーキペダル32の踏み込み操作とは独立してブレーキ油圧制御装置34を制御してホイールシリンダ31a〜31dにブレーキ油圧を供給するものである。
【0022】踏み込み量センサ25は、ブレーキペダル32の踏み込み量BRを検出するものである。なお、油圧センサ24a〜24dによって検出されたブレーキ油圧Pa〜Pd及び踏み込み量センサ25によって検出された踏み込み量BRはブレーキ電気制御装置33にも入力され、ブレーキ油圧制御装置34の制御に利用されるようになっている。
【0023】操舵角センサ26は、ハンドルの操舵角θを検出する。この操舵角センサ26によって検出された操舵角θは、マイクロコンピュータ21に接続されて同コンピュータ21とデータの交換を行うパワーステアリング制御装置35にも供給されるようになっている。パワーステアリング制御装置35は、パワーステアリング機構36と協働して、ハンドルの操舵力をアシスト制御するものである。
【0024】また、マイクロコンピュータ21には、エアバック制御装置37も接続されている。エアバック制御装置37は、車体の前面に組み付けられて前方車両20Bとの接触時に膨張して同接触を緩和するための保護装置としてのエアバック37a(図3参照)を制御する。
【0025】さらに、マイクロコンピュータ21には、アンテナ38aを介して、前方車両20Bを含む複数の他車、路上ビーコン40、基地50などとのデータの交換を行うための送受信器38が接続されている。送受信器38が自車20Aにて検出され又は計算された車両情報を送信する際には、自車20A(発信源)を表すコード情報、時刻を表す時刻情報なども同時に送信されるが、以下の説明では特別に明記しない限り、前記コード情報及び時刻情報も車両情報と共に送信されるものとする。
【0026】路上ビーコン40も、図4に示すように、図示しない各種プログラムを実行するマイクロコンピュータ41を備えている。マイクロコンピュータ41には、車体速度センサ42及び車体位置センサ43が接続されている。車体速度センサ42は、走行路10を走行中の車両20A,20Bの車体速度V40を検出する。車体位置センサ43は、走行路10を走行中の車両20A,20Bの位置P40、少なくとも所定位置を車両20A,20Bが通過したことを検出する。また、マイクロコンピュータ41には、アンテナ44aを介して、車両20A,20Bを含む複数の車両、他の路上ビーコン40、基地50などとのデータの交換を行うための送受信器44が接続されている。なお、この路上ビーコン40においても、送受信器44が同ビーコン40にて検出され又は計算された車両情報を送信する際には、同ビーコン40(発信源)を表すコード情報、時刻を表す時刻情報なども同時に送信されるが、以下の説明では特別に明記しない限り、前記コード情報及び時刻情報も車両情報と共に送信されるものとする。
【0027】基地50は、図5に示すように、図示しない各種プログラムを実行する比較的大型のコンピュータ装置51を備えている。コンピュータ装置51には、アンテナ52aを介して、車両20A,20Bを含む複数の車両、路上ビーコン40、他の基地50、他の通信施設などとのデータの交換を行うための送受信器52が接続されている。さらに、コンピュータ装置51は、電話回線、その他の回線を通じて道路情報、気象情報なども入力するとともに出力するようになっている。なお、この基地50においても、送受信器52が同基地50を発信源とする情報を送信する際には、基地50(発信源)を表すコード情報、時刻を表す時刻情報なども同時に送信されるが、以下の説明では特別に明記しない限り、前記コード情報及び時刻情報も車両情報と共に送信されるものとする。
【0028】次に、これらの車両20A,20B、路上ビーコン40、基地50などからなる通信システムの動作について、自車20Aの動作を中心にして説明する。
【0029】自車20Aのマイクロコンピュータ21は、図6のメインプログラムを所定時間毎に繰り返し実行する。なお、以下に説明する動作は、上述した構成を有する他の車両(例えば、前方車両20B)についても同様である。メインプログラムの実行は、ステップ100にて開始され、ステップ102にて同マイクロコンピュータ21に接続された車輪速度センサ22a〜22d、前方車間距離センサ23、油圧センサ24a〜24d、踏み込み量センサ25及び操舵角センサ26から、車輪速度Vwa〜Vwd、車間距離Lab、ブレーキ油圧Pa〜Pd、踏み込み量BR及び操舵角θを入力する。
【0030】次に、ステップ104にて、送受信器38によって他車(例えば、前方車両20B)から受信した車輪速度Vwa〜Vwd、車間距離Lab、ブレーキ油圧Pa〜Pd、踏み込み量BR、操舵角θ、その他の計算された車両の状態量、運転操作を表す情報などを含む各種車両情報を入力する。また、同ステップ104においては、送受信器38によって路上ビーコン40及び基地50から受信した各種車両情報も入力する。路上ビーコン40からの各種車両情報には、路上ビーコン40自体が車体速度センサ42及び車体位置センサ43によって検出した車体速度V40及び車体位置P40に関する情報、及びビーコン40自体が検出及び入力した情報に基づいて計算した情報が含まれるとともに、他車(例えば、前方車両20B)及び基地50から受信した情報も含まれる。基地50からの各種情報には、他車(例えば、前方車両10B)、路上ビーコン40、他の基地50及びその他の情報発信装置から送信された情報が含まれるとともに、基地50自体にて受信した情報に基づいて計算した情報も含まれる。
【0031】次に、詳しくは後述するが、ステップ106〜110にて、前記検出及び受信した各種情報に基づいて、自車10Aに関する各種車両状態量(各種車両情報)の計算、同各種車両状態量(各種車両情報)の異常の判定、及び自車の作動を制御する。そして、ステップ112にて、前記自車10Aにて検出及び計算した車両情報、及び他車(例えば、前方車両10B)、路上ビーコン40、基地50などから受信した車両情報を送受信器38に出力する。送受信器38は、前記各種情報をアンテナ38aを介して送信する。なお、この送信情報は、他車、路上ビーコン40、基地50などによって受信される。前記ステップ112の処理後、ステップ114にてこのメインプログラムの実行を一旦終了する。
【0032】次に、前記ステップ106にて計算される各種車両状態量(各種車両情報)の計算の具体例について説明すると、図7はタイヤと走行路面との間の路面摩擦係数μaを計算するμ計算ルーチンをフローチャートで示している。このルーチンの実行は、ステップ200にて開始され、ステップ202にて前記ステップ102の処理によって入力した踏み込み量BRが所定量以上であるか否かを判定する。ブレーキペダル32が踏み込み操作されず、又は同ブレーキペダル32の踏み込み操作が浅くて前記踏み込み量BRが所定量以上でなければ、ステップ202にて「NO」と判定して、ステップ210にてこのμ計算ルーチンの実行を終了する。この場合、路面摩擦係数μaは計算されない。
【0033】ブレーキペダル32がある程度深く踏み込み操作されて前記踏み込み量BRが所定量以上であれば、ステップ202にて「YES」と判定して、ステップ204にて、マイクロコンピュータ21内に設けられて図8のグラフに対応したブレーキ油圧−スリップ率テーブルを参照することにより路面摩擦係数μaを計算する。この路面摩擦係数μaの計算においては、後述する図9の車体速度・スリップ率計算ルーチンにて前回計算された各輪のスリップ率のうちの最大値を採用するとともに、同採用したスリップ率の車輪に対応したホイールシリンダ(ホイールシリンダ31a〜31dのうちのいずれか)に付与されているブレーキ油圧(ブレーキ油圧Pa〜Pdのうちのいずれか)を採用して、同採用したスリップ率とブレーキ油圧とにより規定される点が図8のグラフのいずれの領域(低μ領域、中μ領域及び高μ領域のいずれか)に属するかを判定する。そして、前記規定される点が低μ領域に属すれば路面摩擦係数μaを予め決められた小さな値に設定し、前記規定される点が中μ領域に属すれば路面摩擦係数μaを予め決められた前記よりも大きな中程度の値に設定し、前記規定される点が高μ領域に属すれば路面摩擦係数μaを予め決められた前記よりも大きな値に設定する。
【0034】前記ステップ204の処理後、ステップ206にて、アンチロック制御装置33aから同装置30の作動状態を表すアンチロックブレーキ信号が入力されているか否かを判定する。アンチロックブレーキ信号が入力されていなければ、ステップ206にて「NO」と判定して、このμ計算ルーチンの実行を終了する。この場合、路面摩擦係数μaは前記ステップ204にて計算された値に設定される。
【0035】一方、アンチロックブレーキ信号が入力されていれば、ステップ206にて「YES」と判定して、ステップ208にて路面摩擦係数μaを前記低μ領域に対応した予め決められた小さな値に設定する。この場合、前記ステップ204にて計算された路面摩擦係数μaよりも、このステップ208による低μ領域の決定が優先する。そして、ステップ210にて、このμ計算ルーチンの実行を終了する。
【0036】このように、ブレーキペダル32がある程度深く踏み込み操作されて、自車20Aにて路面摩擦係数μaが検出された場合には、図6のステップ112にて実行される図17の送信制御ルーチンのステップ510にて前記検出された路面摩擦係数μa及び同検出時刻が送受信器38に出力される。送受信器38は、これらの情報をアンテナ38aを介して送信する。
【0037】なお、本実施形態においては、ブレーキ油圧及びスリップ率によって規定される路面摩擦係数領域(μ領域)を低路面摩擦係数領域(低μ領域)、中路面摩擦係数領域(中μ領域)及び高路面摩擦係数領域(高μ領域)の3つの領域に区分したが、この領域の区分数をさらに多くすれば、路面摩擦係数μaをさらに細かな分解能で精度よく決定できる。また、同処理においては、各輪のスリップ率のうちの最大のスリップ率を採用するようにしたが、各輪のスリップ率の平均値と各ホイールシリンダ31a〜31dのブレーキ油圧Pa〜Pdの平均値とを用いてブレーキ油圧−スリップ率テーブルを参照することにより、路面摩擦係数μaを計算するようにしてもよい。この場合も、スリップ率の平均値とブレーキ油圧Pa〜Pdの平均値とによって規定される点が図8のグラフのいずれの領域に属するかを判定することにより、路面摩擦係数μaを決定するようにすればよい。
【0038】次に、前記と同様なステップ106にて実行されて車体速度及び各輪のスリップ率を計算する車体速度・スリップ率計算ルーチンについて説明する。この車体速度・スリップ率計算ルーチンは、図9のステップ220に開始され、ステップ222にて前方車両20Bにて検出されかつ同車両20Bから送信された路面摩擦係数μbを所定の短時間内に受信したか否かを判定する。なお、この前方車両20Bからの路面摩擦係数μbの受信は、前方車両20Bが前述した図7のμ計算ルーチンの実行により路面摩擦係数μbを計算して、図17の送信制御ルーチンの実行により前記計算した路面摩擦係数μbを送信したことに対応する。路面摩擦係数μbを受信していれば、ステップ222にて「YES」と判定し、ステップ224にて前記受信した路面摩擦係数μbを自車制御用の路面摩擦係数μxとして決定する。路面摩擦係数μbを受信していなければ、ステップ222にて「NO」と判定して、プログラムをステップ226に進める。
【0039】ステップ226においては、自車20Aにて所定時間内に路面摩擦係数μaを検出したか否かを判定する。なお、この自車20Aの路面摩擦係数μaの検出は、自車20Aが前述した図7のμ計算ルーチンの実行により路面摩擦係数μaを計算(検出)したことに対応する。路面摩擦係数μaを検出していれば、ステップ226にて「YES」と判定し、ステップ228にて前記検出した路面摩擦係数μaを自車制御用の路面摩擦係数μxとして決定する。路面摩擦係数μaを検出していなければ、ステップ226にて「NO」と判定して、プログラムをステップ230に進める。
【0040】ステップ230においては、自車制御用の路面摩擦係数μxを前記高μ領域に対応した大きな値に設定する。このようなステップ222〜230の処理により、前方車両20Bによって検出された路面摩擦係数μbが優先され、次に自車10Aによって検出された路面摩擦係数μaが優先されることになる。
【0041】前記ステップ222〜230の処理後、ステップ232にて各車輪速度Vwa〜Vwdに基づいて車体速度Vaを計算する。この計算においては、ブレーキペダル32の踏み込み量BRが小さいときには、検出車輪速度Vwa〜Vwdのうちの従動輪(エンジンによって駆動されない側の車輪)である2輪の車輪速度を平均して車体速度Vaとして計算する。一方、ブレーキペダル32の踏み込み量BRが所定量よりも大きいときには、すなわち自車10Aが減速状態にあるときには各車輪速度Vwa〜Vwd及び前記決定した自車制御用の路面摩擦係数μxを用いて車体速度Vaを計算する。基本的には、各車輪速度Vwa〜Vwdの最大値は車体速度Vaに近いと考えられるので、まず、図10のグラフに示すように、各車輪速度Vwa〜Vwdの最大値を車体速度Vaとして計算する。なお、図10のグラフにおいては、車輪速度に関しては簡単のために2輪のみを示している。
【0042】しかし、この車体速度Vaの減速度が大きいときには車輪がロックしかけてスリップ状態にあるもので、このスリップ状態では各車輪速度Vwa〜Vwdの最大値は車体速度Vaよりも小さくなって同車体速度Vaに一致しない。すなわち、この状態では、車体速度Vaは所定の減速度以上で減速することはなく、しかもこの減速度は車輪と路面との間の路面摩擦係数μが小さくなるほど小さくなるものである。これらの点を考慮して、前記ステップ222〜230の処理によって決定した自車制御用の路面摩擦係数μxが小さくなるにしたがって小さくなる傾向を示す減速度を設定し、前記各車輪速度Vwa〜Vwdの最大値の減少率が前記設定した減速度を超えた場合には、同設定した減速度に経過時間を乗じた値を前記設定した減速度を超えない状態にあった各車輪速度Vwa〜Vwdの最大値から順次減算することにより車体速度Vaを計算する。
【0043】前記ステップ232の処理後、ステップ234にて、各車輪速度Vwa〜Vwdと前記計算した車体速度Vaに基づいて各輪のスリップ率を計算して、ステップ236にてこの車体速度・スリップ率計算ルーチンの実行を終了する。このようにして計算された自車20Aの車体速度Va及び各輪のスリップ率は、図6のステップ112にて実行される図17の送信制御ルーチンのステップ510にて前記計算された時刻と共に車両情報として送受信器38に出力される。送受信器38は、これらの車両情報をアンテナ38aを介して送信する。
【0044】このように、自車制御用の路面摩擦係数μxを考慮して、各車輪速度Vwa〜Vwdに基づいて車体速度Vaを計算した結果、車体速度Vaの計算精度が良好になる。また、この場合、前方車両20Bによって短時間前に検出された路面摩擦係数μbを受信している場合には、自車20Aが将来通過する路面の路面摩擦係数μxを用いて車体速度Vaを計算するので、車体速度Vaの計算精度がより良好になる。そして、この車体速度Vaを用いて、各車輪のスリップ率を計算するので、スリップ率の計算精度も良好になる。
【0045】次に、図6のメインプログラムのステップ108にて各種車両状態量(各種車両情報)の異常検出の具体例について説明すると、図11は、自車20A、他車(例えば、前方車両20B)及び路上ビーコン40でそれぞれ検出された車体速度の異常を検出する車体速度異常検出ルーチンをフローチャートで示している。このルーチンの実行は、ステップ300にて開始され、ステップ302にて、自車20Aで前記のようにして計算した車体速度を車体速度Vaとして設定し、他車(例えば、前方車両2A)で前記のようにして計算するとともに他車から受信した車体速度を車体速度Vbとして設定し、路上ビーコン40で検出されるとともに同ビーコン40から受信した自車20A及び他車の車体速度をそれぞれ車体速度V4a,V4bとして設定する。
【0046】次に、ステップ304〜308にて、|(Va/V4a)−1|<α,|(Vb/V4b)−1|<α,|(Vb/V4b)−1|<αなる比較判定処理をそれぞれ実行する。なお、αは予め決められた正の小さな値である。車体速度Va,Vb,V4a,V4bがそれぞれ正常であれば、車体速度Va,V4aはほぼ同じであってVa/V4aはほぼ「1」となるとともに、車体速度Vb,V4bもほぼ同じであってVb/V4bもほぼ「1」となる。したがって、この場合には、ステップ304,306にて共に「YES」と判定して、ステップ310にて異常フラグFFa,FFb,FF40をそれぞれ”0”に設定する。なお、これらの異常フラグFFa,FFb,FF40は、”0”により自車20A、他車及び路上ビーコン40によって計算又は検出された車体速度がそれぞれ正常であることを表し、”1”により自車20A、他車及び路上ビーコン40によって計算又は検出された車体速度がそれぞれ異常であることを表す。
【0047】一方、自車20A、他車及び路上ビーコン40のいずれかの車体速度の検出に異常が発生した場合には、車体速度Va,Vb,V4a(V4b)のいずれかだけが他の値とはある程度以上異なった値になる。なお、自車20A、他車及び路上ビーコン40の各車体速度の検出において、2以上の車体速度の検出に同時に異常が発生する可能性は極めて少ないので、一つの異常発生のみを考慮すれば充分である。自車20Aによる車体速度の検出に異常が発生すれば、車体速度Va,V4aが異なる値を示してVa/V4aは「1」とはある程度以上異なった値になるとともに、車体速度Vb,V4bはほぼ同じであってVb/V4bはほぼ「1」となる。したがって、この場合には、ステップ304,308にてそれぞれ「NO」、「YES」と判定して、ステップ314にて異常フラグFFaを”1”に設定する。
【0048】また、他車による車体速度の検出に異常が発生すれば、車体速度Va,V4aはほぼ同じであってVa/V4aはほぼ「1」となるとともに、車体速度Vb,V4bが異なる値を示してVb/V4bは「1」とはある程度以上異なった値となる。したがって、この場合には、ステップ304,306にてそれぞれ「YES」、「NO」と判定して、ステップ312にて異常フラグFFbを”1”に設定する。また、また、路上ビーコン4による車体速度の検出に異常が発生すれば、車体速度V4a,V4bがVa,Vbとはそれぞれある程度以上異なる値を示して、Va/V4a,Vb/V4bは共に「1」とはある程度以上異なった値となる。したがって、この場合には、ステップ304,308にて共に「NO」と判定して、ステップ316にて異常フラグFF40を”1”に設定する。
【0049】前記ステップ310〜316の処理後、ステップ318にてこの車体速度以上検出ルーチンの実行を終了する。このような、車体速度異常検出ルーチンの実行により、自車20A以外の他車及び路上ビーコン40にて検出又は演算されるとともに送信された車体速度を表す車両情報に基づいて自車20Aによる車体速度の検出の異常が判定されるので、簡単かつ的確に前記異常の判定がなされるようになる。そして、この場合には、例えば路上ビーコン40などの他から送信された自車20Aに関する車体速度を用いて、自車20Aの作動を制御することができるので、前記異常に的確に対処することができるようにもなる。
【0050】また、前記のようにして検出された自車20A、他車及び路上ビーコン40による車体速度の検出における異常は、前記”1”又は”0”に設定された異常フラグFFa,FFb,FF40に基づいて、図6のステップ112にて実行される図17の送信制御ルーチンのステップ510にて前記異常の検出された時刻と共に車両情報として送受信器38に出力される。送受信器38は、これらの車両情報をアンテナ38aを介して送信する。その結果、他車及び路上ビーコン40においても、前記異常を認識することが可能となる。
【0051】この点に関し、他車(例えば、前方車両20B)と自車20Aとの関係を逆にすれば、自車20Aによる車体速度の検出の異常が他車にて検出され、同他車から前記異常を表す車両情報を受信することもでき、同受信に基づき前記異常に対処することも可能である。さらに、路上ビーコン40においても、前記図11の車体速度異常検出ルーチンを実行するとともに、同ルーチンにて検出された異常が自車20A又は他車に送信されるようにすれば、自車20A又は他車において、前記異常の判定を行うことなく、同異常を認識できるようにもなる。
【0052】次に、前記と同様なステップ108にて実行されて自車20Aの前方車間距離センサ23による車間距離Labの異常を検出する車間距離センサ異常検出ルーチンについて説明する。この車間距離センサ異常検出ルーチンは、図12のステップ330にて開始され、ステップ332にて、前記自車20Aで計算された自車20Aの車体速度Vaを微分することにより自車20Aの加速度Gaを計算する。次に、ステップ334にて、前方車両20Bにて計算されかつ受信した前方車両20Bの車体速度Vbを微分することにより前方車両20Bの加速度Gbを計算する。なお、前記に代えて、路上ビーコン40によって検出されかつ同ビーコン40から受信した自車20A及び前方車両20Bの各車体速度V4a,V4bをそれぞれ微分することにより、自車20A及び前方車両20Bの各加速度Ga,Gbを計算するようにしてもよい。前記ステップ332,334の処理後、ステップ336にて、路上ビーコン40によって検出されかつ同ビーコン40から受信した前方車両20B及び自車20Aが同一地点を通過した各時刻をtb,taとして設定する。
【0053】次に、ステップ338,340にて、自車20A及び前方車両20Bの各加速度Ga,Gbの各絶対値|Ga|,|Gb|がそれぞれ所定の微小値β1未満であるか否かをそれぞれ判定する。これらの判定処理は、自車20A及び前方車両20Bが共にほぼ等速度で走行しているか否かを判定するもので、いずれか一方の車両でもほぼ等速度で走行していなければ、ステップ338,340のいずれかにて「NO」と判定して、ステップ346にてこの車間距離センサ異常検出ルーチンの実行を終了する。一方、両車両20A,20Bが共にほぼ等速で走行していれば、ステップ338,340にて共に「YES」と判定してプログラムをステップ342に進める。
【0054】ステップ342においては、路上ビーコン40にて検出された自車20Aの車体速度をV4aとして設定するとともに、自車20Aの前方車間距離センサ23によって検出された車間距離をLabとして設定して、不等式|{V4a(ta−tb)/Lab}−1|>β2が成立するか否かを判定する。なお、β2は、所定の微小な値である。前記不等式においては、車体速度V4aは適性であるものとして扱っており、車間距離Labが正常であればV4a(ta−tb)/Labがほぼ「1」になることに基づいている。したがって、前方車間距離センサ23によって検出された車間距離Labが正常であれば、|{V4a(ta−tb)/Lab}−1|はほぼ「0」であり、この場合には、ステップ342にて「NO」と判定して、ステップ346にてこの車間距離センサ異常検出ルーチンの実行を終了する。
【0055】また、前方車間距離センサ23によって検出された車間距離Labが異常であれば、|{V4a(ta−tb)/Lab}−1|はほぼ「0」にならないので、ステップ342にて「YES」と判定して、ステップ344にて検出車間距離Labの異常を表す異常フラグを”1”に設定する。なお、この異常フラグは通常”0”に設定されている。ステップ344の処理後、ステップ346にてこの車間距離センサ異常検出ルーチンの実行を終了する。
【0056】このような車間距離センサ異常検出ルーチンの実行により、前方車間距離センサ23の異常を的確に判定できる。そして、この前方車間距離センサ23の異常検出時には、自車の前方車間距離センサ23によって検出された前記車間距離に代えて、例えば、路上ビーコン40のような他の装置にて検出又は計算されるとともに同他の装置から送信されたた車間距離を利用することができる。この場合、例えば、前記不等式中のV4a(ta−tb)を自車20Aと前方車両20Bとの車間距離として利用できる。
【0057】このようにして検出車間距離Labの異常が判定された場合には、図6のステップ112にて実行される図17の送信制御ルーチンのステップ510にて前記異常の検出された時刻と共に車両情報として送受信器38に出力される。送受信器38は、これらの車両情報をアンテナ38aを介して送信する。その結果、他車及び路上ビーコン40においても、前記異常を認識することが可能となる。
【0058】なお、前記不等式においては、路上ビーコン40によって検出された自車20Aの車体速度V4aに代えて、路上ビーコン40によって検出された前方車両20Bの車体速度V4b、自車20Aで計算された車体速度Va、前方車両20Bで計算された車体速度Vbを用いても同一の結果が得られる。したがって、路上ビーコン40によって検出された車体速度が異常であっても、検出車間距離の異常を的確に判定できる。
【0059】次に、図6のメインプログラムのステップ110における自車制御の具体例について説明すると、図13は、自車20Aのパワーステアリング装置36を制御するパワーステアリング制御ルーチンをフローチャートで示している。このルーチンの実行は、ステップ400にて開始され、ステップ402にて前方車両20Bが急制動されたか否かを判定し、ステップ404にて前方車両20Bが急操舵されたか否かを判定する。これらの急制動及び急操舵に関する車両情報は、前方車両20Bから送信されるものであり、前方車両20Bは、詳しくは後述する図17の送信制御ルーチンの実行により、同車両20Bの急制動時及び急操舵時に急制動及び急操舵をそれぞれ表す車両情報を送信する。前方車両20Bからの急制動及び急操舵を表す車両情報を受信していなければ、ステップ402,404にて共に「NO」と判定してプログラムをステップ406に進める。
【0060】ステップ406においては、走行路面に障害物が存在しているという情報を受信したか否かを判定する。この情報は、路上ビーコン40又は基地50から送信されるもので、路上ビーコン40又は基地50は他の走行車両などからの通報に基づいて前記情報を送信する。なお、他車が前記情報を受信するとともに、再送信する場合もある。自車20Aが走行路面に障害物が存在しているという情報を受信していなければ、ステップ406にて「NO」と判定して、ステップ410にてこのパワーステアリング制御ルーチンの実行を終了する。この場合、パワーステアリング制御装置35は、操舵角センサ26からのハンドル操舵角、マイクロコンピュータ21から供給される車体速度Va、図示しない操舵トルクセンサからの操舵トルクなどに応じてパワーステアリング機構36を制御する。パワーステアリング機構36は、前記制御により、ハンドルの回動操作に対して適度なアシスト力を付与して運転者によるハンドル操作をアシストする。
【0061】一方、前方車両20Bからの急制動及び急操舵を表す車両情報を受信したり、路上ビーコン40、基地50又は他車から走行路面に障害物が存在しているという情報を受信した場合には、ステップ402〜406のいずれかにて「YES」と判定して、プログラムをステップ408に進める。ステップ408においては、パワーステアリング制御装置35にハンドルの回動操作に対してアシスト量を増加させるための制御信号を出力する。パワーステアリング制御装置35はこの制御信号を所定時間保持し、同制御信号に基づいてパワーステアリング機構36を制御して同機構36によるハンドルの回動操作に対して前記所定時間だけアシスト量を増加させる。その結果、運転者は、ハンドルを軽快に回動操作することができるようになり、走行路に障害物が存在していたり、同障害物の存在のために前方車両20Bが急制動又は急操舵されたりした場合には、自車20Aを左右に軽快に移動させることができて、同障害物を容易に回避できるようになる。
【0062】次に、前記と同様なステップ110にて実行されて自車20Aのブレーキ油圧制御装置34を制御するためのブレーキ制御ルーチンについて説明する。このブレーキ制御ルーチンは、図14のステップ420にて開始され、ステップ422にて、上記図9の車体速度・スリップ率計算ルーチンにて決定した自車制御用の路面摩擦係数μxが前回決定した路面摩擦係数μxに対して変化したか否かを判定する。前記決定した路面摩擦係数μxが変化していれば、ステップ422にて「YES」と判定し、ステップ424にて前記決定した路面摩擦係数μxをアンチロック制御装置33aに出力する。アンチロック制御装置33aは、前記出力された路面摩擦係数μxを新たな決定路面摩擦係数μxが入力されるまで保持する。また、前記決定した路面摩擦係数μxが変化していなければ、ステップ422にて「NO」と判定して、プログラムをステップ426に進める。
【0063】ステップ426においては、上記図9の車体速度・スリップ率計算ルーチンにて計算されたスリップ率が前回計算されたスリップ率に対して変化したか否かを判定する。前記計算したスリップ率が変化していれば、ステップ426にて「YES」と判定し、ステップ428にて前記計算したスリップ率をアンチロック制御装置33aに出力する。アンチロック制御装置33aは、前記出力された計算スリップ率を新たな計算スリップ率が入力されるまで保持する。また、前記計算したスリップ率が変化していなければ、ステップ426にて「NO」と判定して、ステップ430にてこのブレーキ制御ルーチンの実行を一旦終了する。
【0064】このようにして路面摩擦係数μ及びスリップ率の供給されたアンチロック制御装置33aは、各輪毎に前記入力したスリップ率が所定値よりも大きいことを条件に、図15に示す制動トルク曲線を表すパラメータを記憶したスリップ率−制動トルクテーブルを参照して、前記制動トルク曲線にしたがって制動トルクが最大となるようにブレーキ油圧制御装置34を制御し、ブレーキ油圧制御装置34は前記制御に応じたブレーキ油圧を各ホイールシリンダ31a〜31dにそれぞれ供給する。この場合、アンチロック制御装置33aは、前記保持した路面摩擦係数μ及びスリップ率に応じて最大の制動トルクが得られるようにホイールシリンダ31a〜31dに供給されるブレーキ油圧Pa〜Pdを決定する。なお、前記スリップ率が所定値よりも大きいことを条件とした制動制御は、アンチロック制御を意味し、この場合には、アンチロック制御装置33aからマイクロコンピュータ21にアンチロックブレーキ信号が出力される。
【0065】このように、自車20Aが走行する走行路の路面摩擦係数μx及び各輪のスリップ率が考慮されてブレーキ油圧が制御されるので、各輪に対する制動力の付与が的確になされる。特に、前方車両20Aにて検出されかつ同車両20Bから送信される路面摩擦係数μbを用いることにより、自車20Aが将来走行する路面の状態に応じて各輪に制動力が付与されるので、各輪に対してより的確な制動力が付与されることになる。
【0066】次に、前記と同様なステップ110にて実行されて自車20Aを自動的に停止させるとともに、エアバック37aを自動的に膨張させる接触回避ルーチンについて説明する。この接触回避ルーチンは、図16のステップ440にて開始され、ステップ442にて、前方車両20Bから受信した同車両20Bの車体速度Vbを微分することにより、同車両20Bの減速度Gbを計算する。そして、ステップ444にて、前記車体速度Vb及び減速度Gbを用いて前方車両20Bの停止距離Lbs(=Vb/2Gb)を計算する。また、ステップ446にて、自車20Aにて計算した自車20Aの車体速度Vaを微分することにより、自車20Aの減速度Gaを計算する。そして、ステップ448にて、前記車体速度Va及び減速度Gaを用いて自車20Aの停止距離Las(=Va/2Ga)を計算する。次に、前記計算した両停止距離Lbs,Lasと、自車の前方車間距離センサ23により検出された現在の車間距離Labとを用いて、両車両20A,20Bの停止時の車間距離Labs(=Lab+Lbs−Las)を計算する。
【0067】これらのステップ442〜450の処理後、ステップ452にて、停止制御フラグSCFが”1”であるか否かを判定する。この停止制御フラグSCFは、”1”により自動ブレーキ装置33bによる自車20Aの自動停止制御中であることを示し、”0”により同自動停止制御中でないことを表す。自車20Aが自動停止制御中でなくて停止制御フラグSCFが”0”であれば、ステップ452にて「NO」と判定してプログラムをステップ454以降に進める。
【0068】ステップ454においては、前記計算した停止時の車間距離Labsが所定距離L1未満であるか否かを判定する。所定距離L1は、両車両が安全に停止できる程度に比較的な大きな値に予め設定されている。車間距離Labsが所定距離L1以上(Labs≧L1)であれば、ステップ454にて「NO」と判定して、ステップ456にてこの接触回避ルーチンの実行を終了する。一方、車間距離Labsが所定距離L1未満(Labs<L1)であれば、ステップ454にて「YES」と判定し、ステップ458にて停止制御フラグSCFを”1”に設定してプログラムをステップ460以降に進める。
【0069】ステップ460においては、ブレーキペダル32の踏み込み操作量BRが所定値BF1未満であるか否かを判定する。ブレーキペダル32の踏み込み操作量BRが所定値BF1未満であれば、ステップ460にて「YES」と判定し、ステップ462にて自動ブレーキ装置33bに同装置33bの作動開始を指示する。自動ブレーキ装置33bは、ブレーキ油圧制御装置34を制御してホイールシリンダ31a〜31dにブレーキ油を供給して各輪に制動力を付与する。この場合も、自動ブレーキ装置33bは、前述したアンチロック制御装置33aの場合と同様に、前記図9の車体速度・スリップ率計算ルーチンにて計算した路面摩擦係数μx及び各輪のスリップ率を用いて各輪の制動を制御する。これにより、前方車両20Bとの車間距離Labがある程度小さくなると、運転者がブレーキペダル32を踏み込み操作しなくても、自車20Aは自動的に制動制御されることになる。
【0070】一方、ブレーキペダル32の踏み込み操作量BRが所定値BF1以上であれば、前記ステップ460にて「NO」と判定して、ステップ462の処理を実行することなく、プログラムをステップ464に進める。これは運転者によるブレーキペダル32の踏み込み操作を優先するもので、この場合、ブレーキペダル32の踏み込み操作によって自車20Aが制動される。なお、この場合も、各輪のスリップ率が大きくなると、前述したようなアンチロック制御装置33aの作動により、前記図9の車体速度・スリップ率計算ルーチンの実行によって決定及び計算した路面摩擦係数μx及びスリップ率を用いて、最大制動力が付与されるように、ブレーキ油圧制御装置34が制御される。
【0071】ステップ464においては、前方車両20Bとの車間距離Labが所定距離L0未満であるか否かを判定する。この所定値L0は、自車20Aが前方車両20Bに接近して車体同士が接触する可能性がある程度に小さな値に設定されている。前記車間距離Labが所定距離L0未満であれば、ステップ464にて「YES」と判定して、ステップ478にてエアバック制御装置37に同装置37の作動を指示する制御信号を出力して、ステップ480にてこの接触回避プログラムの実行を終了する。エアバック制御装置37は、前記制御信号に応答してエアバック37aを膨張させる。これにより、自車20Aと前方車両20Bの各車体同士の接触を回避することができる。
【0072】また、前記車間距離Labが所定距離L0以上に保たれていれば、ステップ464にて「NO」と判定し、ステップ456にてこの接触回避ルーチンの実行を一旦終了する。この場合には、接触回避ルーチンはふたたび実行されるが、前記ステップ458の処理によって停止制御フラグSCFが”1”に設定されているので、前記ステップ442〜450の計算処理後、ステップ452にて「YES」と判定してプログラムをステップ466以降に進める。
【0073】ステップ466においては、前記計算した自車20Aと前方車両20Bの停止時の車間距離Labsが所定距離L2以上であるか否かを判定する。この所定距離L2は、前記所定距離L1よりも大きく設定されている。車間距離Labsが所定距離L2未満であれば、ステップ466にて「NO」と判定し、ステップ460,462の前記制動制御動作を続行させる。一方、前記制動制御動作により、両車両20A,20Bの停止時の車間距離Labsが大きくなって所定距離L2以上になれば、ステップ466にて「YES」と判定する。そして、ステップ468にて停止制御フラグSCFを”0”に戻し、ステップ470にて自動ブレーキ装置37に同装置37の作動停止を指示するための制御信号を出力して、ステップ472にてこの接触回避ルーチンの実行を一旦終了する。なお、この場合には、この接触回避ルーチンはふたたび実行され、その場合には、停止制御フラグSCFが”0”に戻されているので、ステップ442〜452の処理後、ステップ454以降の処理が実行されるようになる。
【0074】このような接触回避ルーチンの実行により、前方車両20B又は路上ビーコン40からの車両情報すなわち前方車両20Bの車体速度Vbにより、自車20Aと前方車両20Bとの接触を未然に回避することができる。また、両車両20A,20Bがたとえ接触したとしても、エアバック37aにより車体同士の接触を回避することができる。
【0075】次に、図6のメインプログラムのステップ112の送信制御ルーチンについて説明する。この送信制御ルーチンは、図17のフローチャートに詳細に示されており、その実行がステップ500にて開始される。この実行開始後、ステップ502にて踏み込み量センサ25によって検出されたブレーキペダル32の踏み込み量BRに基づいて同ペダル32が急激に踏み込まれたか否か、すなわち自車20Aが急制動されたか否かを判定する。この判定においては、例えば、踏み込み量BRが所定値よりも大きくかつ同踏み込み量BRの微分値dBR/dtが所定値よりも大きいことを条件に、ブレーキペダル32が急激に踏み込まれたことが判定される。このステップ502の判定において、車両が急制動されたと判定された場合にはステップ504の処理を実行し、それ以外の場合はプログラムをステップ506に進める。ステップ504においては、自車20Aが急制動されたことを表す車両情報を送受信器38に出力する。これにより、送受信器38は急制動を表す車両情報を送信する。
【0076】前記ステップ502,504の処理後、ステップ506にて操舵角センサ26によって検出されたハンドルの操舵角θに基づいて同ハンドルが急激に回動操作されたか否か、すなわち自車20Aが急操舵されたか否かを判定する。この判定においては、例えば、操舵角θの絶対値|θ|が所定値よりも大きくかつ同操舵角θの微分値dθ/dtの絶対値|dθ/dt|が所定値よりも大きいことを条件に、ハンドルが急操舵されたことが判定される。このステップ506の判定において、車両が急操舵されたと判定された場合にはステップ508の処理を実行し、それ以外の場合はプログラムをステップ510に進める。ステップ510においては、自車20Aが急操舵されたことを表す車両情報を送受信器38に出力する。これにより、送受信器38は急操舵を表す車両情報を送信する。
【0077】次に、ステップ510にて、自車20Aの各種センサ及びマイクロコンピュータ21によって検出又は計算された車両情報、並びに他車(例えば、前方車両20B)、路上ビーコン40及び基地50から送信された受信車両情報を整理し、必要な車両情報のみが送信される。これらの車両情報の整理においては、車両情報の発信源(自車20A、他車、路上ビーコン40及び基地50)を表すコード及び送信時刻が参照される。
【0078】この送信制御ルーチンの実行により、必要な車両情報のみが他車(例えば、前方車両20B)、路上ビーコン40及び基地50に送信される。また、他車、路上ビーコン40及び基地50においても、独自に検出又は計算された車両情報、他から受信した車両情報を受信するとともに送信する。その結果、各車両においては、他から得た車両情報に基づいて、自車20Aの各種作動を制御したり、自車20Aに関する車両情報の異常を検出したり、自車20Aに関する車両情報の異常が知らされたりするので、自車20Aを安全かつ的確に走行させることができる。
【0079】特に、上記実施形態においては、自車20Aは、前方車両20Bが通過している路面の摩擦係数μbなどの前方車両20Bの走行路面の状態、車体速度Vbなどの前方車両20Bの走行状態、急操舵、急制動などの前方車両20Bの運転操作状態などを表す他車に関する車両情報を受信する。そして、前記受信した他車に関する車両情報を用いて、自車20Aは、自車20Aに関する路面摩擦係数μxの決定、自車20Aの車体速度Vb及びスリップ率の計算を含む自車20Aの制動動作、自車20Aの操舵動作、自車20Aと前方車両20Bとの接触を回避又は緩和するための動作など、自車20Aの作動状態を制御できるので、自車20Aを安全かつ的確に走行させることができる。さらに、前記各種車両情報を用いて、自車20Aにて車体速度、車間距離などの車両情報の異常を検出したり、他車、路上ビーコン40、基地50などで検出した前記車両情報の異常を受信できるので、前記のような車両情報の異常を運転者は簡単に認識できるようになると共に、同異常に迅速に対処できるようになる。
【0080】次に、上記実施形態の変形例について説明する。この変形例においては、上記実施形態の図6のメインプログラムを図18に示すように変形したメインプログラムが実行される。この変形したメインプログラムにおいては、ステップ104の処理がステップ104aのように変形されている。このステップ104aにおいては、送受信器38によって他車から直接受信され又は他車から路上ビーコン40若しくは基地50を介して間接的に受信された他車の車両の状態量、運転操作を表す情報などを含む各種車両情報が、自車20Aにて採用可能であるかを判定し、採用可能である車両情報のみを入力するようにしている。
【0081】この場合、上記実施形態の場合に説明した他車からの発信源を表すコード情報の中に、他車の車種を表す車種情報を含めておいたり、他車に搭載されている各種車両制御装置を表す車両制御装置情報を含めておいたりする。そして、自車20Aにて受信した他車の車種情報又は車両制御装置情報と、自車20Aに記憶されている自車20Aの車種情報又は車両制御装置情報とを比較して、両車両情報が同一若しくは同種の車種を表しており、又は両車両情報が同一又は同種の車両制御装置の車両搭載を表していることを条件に、前記各種車両情報が自車20Aにて採用可能であるかを判定するようにするとよい。この各種車両制御装置としては、上記実施形態で説明したパワーステアリング制御装置35、アンチロック制御装置33a、自動ブレーキ装置33bなどを含むブレーキ装置、ステアリング装置、エンジンシステム、サスペンション装置、駆動装置などである。
【0082】また、前記他車からの車両情報の採用可能の判定条件に代え又は加えて、同一又は類似の走行状態で走行中の他車からの車両情報であることを条件に、同車両情報の採用を判定するようにしてもよい。例えば、他車が自車とほぼ同一の走行速度で走行していること、他車が自車とほぼ同一旋回半径で旋回していること、他車が自車と同時に減速(制動)又は加速していることを条件に、他車からの車両情報を入力するようにしてもよい。
【0083】そして、図18のステップ106〜110においては、前記採用可能であると判定された他車の車両情報のみを用いて、上記実施形態で説明した各種状態量(各種車両情報)の計算及び異常検出、並びに自車の制御が行われる。その結果、これらの計算、異常検出及び制御が、同一又は同種の車両、同一又は同種の車両制御装置を搭載した車両、同一又は類似の走行状態で走行中の車両に関する車両情報のみを用いて行われるようになる。したがって、この変形例によれば、各種状態量(各種車両情報)の計算及び異常検出、並びに自車の制御の精度を向上させることができる。
【0084】また、上記実施形態及び変形例に係る図6及び図18のステップ108の各種状態量(各種車両情報)の異常検出においては、図19に示すように3台の車両が前後して走行していることを条件に、上記実施形態で説明した方法とは異なる方法によって車間距離及び車体速度の異常を検出することができる。
【0085】この場合、自車20A、前方車両20B及び後方車両20Cは、図2に破線で示す後方車間距離センサ27を備えている。この後方車間距離センサ27は、各車両の後方に位置する車両までの後方車間距離Lacを検出して、同検出した後方車間距離Lacをマイクロコンピュータ21に供給する。この後方車間距離Lacも、上述した他の車両情報と同様に、各車両20A,20B,20C、路上ビーコン40及び基地50間でそれぞれ互いに送受信される。なお、図19においては、自車20Aの前方車間距離センサ23によって検出される前方車両20Bとの前方車間距離をLabとして示し、自車20Aの後方車間距離センサ27によって検出される後方車両20Cとの後方車間距離をLacとして示している。また、後方車両20Cの前方車間距離センサ23によって検出される自車20Aとの前方車間距離をLcaとして示し、前方車両20Bの後方車間距離センサ27によって検出される自車20Aとの後方車間距離をLbaとして示している。
【0086】また、この場合、マイクロコンピュータ21は、前記図6及び図18のステップ108にて図20,21に示す車体速度及び車間距離異常検出ルーチンを実行するようになっている。また、路上ビーコン40は、上記実施形態で説明した走行路10を走行中の各車両20A,20B,20Cが所定位置を通過した時刻及び各車両20A,20B,20Cの走行速度を検出し、これらの検出結果に基づいて、3台以上の車両20A,20B,20Cが所定距離以内で相前後して走行中であることを検出する機能を有するとともに、同検出結果を表す情報を上述した種々の情報に加えて送信する機能も有する。
【0087】次に、前記車間距離及び車体速度の異常を検出する具体的動作について説明する。マイクロコンピュータ21は、上記実施形態と同様に、図6又は図18のメインプログラムを実行する。このメインプログラムにおいては、上記実施形態の場合と同様な処理を実行するが、ステップ102にて、少なくとも自車20Aの車輪速度センサ22a〜22dによって検出された車輪速度Vwa〜Vwd、自車20Aの前方車間距離センサ23によって検出された前方車間距離Lab及び自車20Aの後方車間距離センサ27によって検出された後方車間距離Lacを入力する。
【0088】また、ステップ104又はステップ104aにおいては、前方車両20Bから直接又は路上ビーコン40若しくは基地50を介して送信されて送受信器38にて受信し、同前方車両20Bにて検出又は計算された前方車両20Bの車体速度Vb及び後方車間距離Lba(自車20Aとの車間距離)を表す車両情報を少なくとも入力する。また、同ステップ104又はステップ104aにおいては、後方車両20Cから直接又は路上ビーコン40若しくは基地50を介して送信されて送受信器38にて受信し、同後方車両20Cにて検出又は計算された後方車両20Cの車体速度Vc及び前方車間距離Lca(自車20Aとの車間距離)を表す車両情報を少なくとも入力する。さらに、同ステップ104又はステップ104aにおいては、路上ビーコン40から送信されて送受信器38にて受信し、3台以上の車両20A,20B,20Cが所定距離以内で相前後して走行中であることの検出結果を表す情報も入力する。
【0089】また、ステップ106においては、前記入力した自車20Aの車輪速度Vwa〜Vwdに基づいて自車20Aの車体速度Vaを少なくとも計算しておく。なお、自車20Aが、変速機の出力軸の回転に応じて車体速度(車速)Vaを検出する車速センサを備えている場合には、前記のような計算によらなくても、ステップ102にて車速センサから車体速度Vaを入力しておくだけでよい。また、前方車両20B及び後方車両20Cにおいても同様であり、車体速度(車速)Vb,Vcを直接検出する車速センサを備えていれば、同検出した車体速度(車速)Vb,Vcを表す情報を送信するだけでよい。
【0090】ステップ108においては、自車20Aのマイクロコンピュータ21は、図20のステップ600にて車体速度及び車間距離異常検出ルーチンの実行を開始し、ステップ602にて、前記路上ビーコン40からの情報に基づいて、車両20A,20B,20Cが所定距離以内で相前後して走行中であるかを判定する。車両20A,20B,20Cが所定距離以内で相前後して走行中であれば、ステップ602にて「YES」と判定してプログラムをステップ604に進め、そうでなければステップ602にて「NO」と判定してステップ638にてこのルーチンの実行を終了する。
【0091】なお、本実施形態では、路上ビーコン40に、車両20A,20B,20Cが所定距離以内で相前後して走行中であるかを判定する機能をもたせるようにしたが、前記ステップ602にてこの判定をするようにしてもよい。この場合、路上ビーコン40によって検出された各車両20A,20B,20Cの所定位置の通過時刻及び各車両20A,20B,20Cの走行速度を表す情報を入力して、同入力した情報に基づいて、前記判定を行うようにすればよい。
【0092】ステップ604においては、前記説明した各車両20A,20B,20Cの走行速度Va,Vb,Vc及び車間距離Lab,Lac,Lba,Lcaを既に入力済み又は検出(又は計算)済みであるかを判定する。これは、以下の処理で利用する変数が用意されているかを確認する必要があるからである。特に、異常検出及び作動制御の精度を向上させるために、車両情報の採用を、同一又は同種の車両、同一又は同種の車両制御装置を搭載した車両、同一又は類似の走行状態で走行中の車両に関する車両情報のみに限定している場合には、前記変数の全てを入力済み又は検出(又は計算)済みでない場合がある。
【0093】前記変数の全てを入力済み又は検出(又は計算)済みでなければ、ステップ604にて「NO」と判定して、ステップ638にてこのルーチンの実行を終了する。一方、前記変数の全てを入力済み又は検出(又は計算)済みであれば、ステップ604にて「YES」と判定して、プログラムをステップ606に進める。
【0094】ステップ606においては、前記入力した前方車両20Bからの後方車間距離Lbaを時間微分して、前記入力した前方車両Bからの車体速度Vbから前記微分結果d(Lba)/dtを減算することにより、第1比較値Vba(=Vb−d(Lba)/dt)を計算する。また、同ステップ606においては、前記入力した後方車両20Cからの前方車間距離Lcaを時間微分して、前記入力した後方車両Bからの車体速度Vcに前記微分結果d(Lca)/dtを加算することにより、第2比較値Vca(=Vc+d(Lca)/dt)も計算する。なお、前記両微分演算は、所定の短時間ごとの後方車間距離Lba及び前方車間距離Lcaの変化に基づいて計算されるものである。
【0095】ここで、これらの第1及び第2比較値Vba,Vcaと自車の車体速度Vaとの関係について、図19を用いて説明しておく。いま、前方車両20Bの車体速度Vbが自車20Aの車体速度Vaに等しければ、後方車間距離Lbaは時間変化しないので、微分値d(Lba)/dtは「0」であり、第1比較値Vbaは、自車20Aの車体速度Vaと等しくなるはずである。また、前方車両20Bの車体速度Vbが自車20Aの車体速度Vaと異なれば、後方車間距離Lbaは時間変化し、その単位時間当たりの変化量は前記微分値d(Lba)/dtに等しく、この場合も、前方車両20Bの車体速度Vbから前記微分値d(Lba)/dtを減算した第1比較値Vbaは、自車20Aの車体速度Vaに等しくなるはずである。なお、前方車両20Bの車体速度Vbが自車20Aの車体速度Vaよりも大きければ、前記変化量である微分値d(Lba)/dtは正である。また、前方車両20Bの車体速度Vbが自車20Aの車体速度Vaよりも小さければ、前記変化量である微分値d(Lba)/dtは負である。
【0096】後方車両20Cの車体速度Vcが自車20Aの車体速度Vaに等しければ、前方車間距離Lcaは時間変化しないので、微分値d(Lca)/dtは「0」であり、第2比較値Vcaは、自車20Aの車体速度Vaと等しくなるはずである。また、後方車両20Cの車体速度Vcが自車20Aの車体速度Vaと異なれば、前方車間距離Lcaは時間変化し、その単位時間当たりの変化量は前記微分値d(Lca)/dtに等しく、この場合も、後方車両20Cの車体速度Vcに前記微分値d(Lca)/dtを加算した第2比較値Vcaは、自車20Aの車体速度Vaに等しくなるはずである。なお、後方車両20Cの車体速度Vcが自車20Aの車体速度Vaよりも大きければ、前記変化量である微分値d(Lca)/dtは負である。また、後方車両20Cの車体速度Vcが自車20Aの車体速度Vaよりも小さければ、前記変化量である微分値d(Lca)/dtは正である。
【0097】したがって、検出値Va,Vb,Vc,Lba,Lcaが正常であれば、第1及び第2比較値Vba,Vcaと自車20Aの車体速度Vaとの間には、常にVba=Vca=Vaの関係が成立するはずである。また、前方車両20Bによる後方車間距離Lbaと自車20Aによる前方車間距離Labが正常であれば、両車間距離Lba,Labの間には、常にLba=Labが成立するはずである。さらに、後方車両20Cによる前方車間距離Lcaと自車20Aによる後方車間距離Lacが正常であれば、両車間距離Lca,Lacの間にも、常にLca=Lacが成立するはずである。
【0098】次に、これらの関係を用いて、車体速度及び車間距離の異常を検出するステップ608以降の処理について説明する。ステップ608においては、第1比較値Vbaと第2比較値Vcaとが等しいか否かを判定し、ステップ610においては、自車20Aの車体速度Vaと第1比較値Vbaとが等しいか否かを判定する。なお、これらの一致判定及び後述する一致判定においては、両値が厳密に同一値でなくても、予め決めた所定の微小値以内であれば、すなわち両値がほぼ等しければ、両値は等しいとして判定する。
【0099】前記第1比較値Vbaと第2比較値Vcaとが等しく、かつ車体速度Vaと第1比較値Vbaとが等しければ、ステップ608及びステップ610にてそれぞれ「YES」と判定し、プログラムをステップ612に進める。これらの両ステップ608,610における「YES」との判定は、Va=Vba=Vcaであることを考慮すれば、前記前提のように車体速度Va,Vb,Vc及び車間距離Lba,Lcaが正常であることを意味する。
【0100】ステップ612においては、自車20Aにて検出された前方車間距離Labと前方車両20Bにて検出された後方車間距離Lbaとが等しいか否かを判定する。前方車間距離Labと後方車間距離Lbaとが等しければ、ステップ612にて「YES」を判定して、プログラムをステップ616に進める。一方、前方車間距離Labと後方車間距離Lbaとが等しくなければ、ステップ612にて「NO」と判定して、ステップ614にて、自車20Aの前方車間距離センサ23によって検出された前方車間距離Labが異常であることを表す異常フラグを“1”に設定して、プログラムをステップ616に進める。この異常フラグを“1”に設定する理由は、前記のように後方車間距離Lbaが正常であり、両車間距離Lba,Labは本来等しいはずだからである。
【0101】ステップ616においては、自車20Aにて検出された後方車間距離Lacと後方車両20Bにて検出された前方車間距離Lcaとが等しいか否かを判定する。後方車間距離Lacと前方車間距離Lcaとが等しければ、ステップ616にて「YES」を判定して、ステップ638にてこのルーチンの実行を終了する。一方、後方車間距離Lacと前方車間距離Lcaとが等しくなければ、ステップ616にて「NO」と判定して、ステップ618にて、自車20Aの後方車間距離センサ27によって検出された後方車間距離Lacが異常であることを表す異常フラグを“1”に設定して、ステップ638にてこのルーチンの実行を終了する。この異常フラグを“1”に設定する理由は、前記のように前方車間距離Lcaが正常であり、両車間距離Lca,Lacは本来等しいはずだからである。
【0102】一方、第1比較値Vbaと第2比較値Vcaとは等しいが、車体速度Vaと第1比較値Vbaとが等しくなくて、ステップ608にて「YES」と判定されるとともに、ステップ610にて「NO」と判定されると、ステップ620にて自車20Aにて計算された車体速度Vaが異常であることを表す異常フラグを“1”に設定して、ステップ638にてこのルーチンの実行を終了する。これは、ステップ608の判定処理によって車体速度Vb,Vcおよび車間距離Lba,Lcaが正常であることが確認され、ステップ610の判定処理により、前記車体速度Va,Vb,Vc及び車間距離Lba,Lcaのうちの残りの車体速度Vaの異常が確認されるからである。
【0103】また、ステップ608にて「NO」と判定すなわち第1比較値Vbaと第2比較値Vcaとが等しくないと判定されれば、図21のステップ622にて車体速度Vaと第2比較値Vcaとが等しいか否かを判定する。車体速度Vaと第2比較値Vcaとが等しければ、ステップ622にて「YES」と判定し、ステップ624に進む。これらの両ステップ608における「NO」との判定及びステップ622における「YES」との判定は、Vba≠Vca,Va=Vcaであることを考慮すれば、第1比較値Vbaが異常であることを意味する。また、この第1比較値Vbaは、車体速度Vb及び後方車間距離Lbaを用いて計算したものであることを考慮すれば、車体速度Vb又は後方車間距離Lbaが異常であることに相当する。
【0104】ステップ624においては、自車20Aにて検出された前方車間距離Labと前方車両20Bにて検出された後方車間距離Lbaとが等しいか否かを判定する。前方車間距離Labと後方車間距離Lbaとが等しければ、ステップ624にて「YES」を判定して、ステップ626にて前方車両20Bの車輪速度センサによって検出された車輪速度に基づいて計算された(又は車体速度センサによって検出された)車体速度Vbが異常であることを表す異常フラグを“1”に設定して、ステップ638にてこのルーチンの実行を終了する。この異常フラグを“1”に設定する理由は、前記のように車体速度Vb又は後方車間距離Lbaが異常であり、両車間距離Lba,Labが等しいことは後方車間距離Lbaが正常であることを意味し、後方車間距離Lbaが正常であれば、車体速度Vbが異常であるはずだからである。
【0105】一方、前方車間距離Labと後方車間距離Lbaとが等しくなければ、ステップ624にて「NO」と判定して、ステップ628にて前方車両20Bの後方車間距離センサによって検出された後方車間距離Lbaが異常であることを表す異常フラグを“1”に設定して、ステップ638にてこのルーチンの実行を終了する。この異常フラグを“1”に設定する理由は、前記のように車体速度Vb又は後方車間距離Lbaが異常であり、両車間距離Lba,Labが等しくないことは後方車間距離Lbaが異常である可能性が高いからである。
【0106】また、ステップ622にて「NO」すなわち車体速度Vaと第2比較値Vcaとが等しくないと判定されれば、ステップ630にて車体速度Vaと第1比較値Vbaとが等しいか否かを判定する。車体速度Vaと第1比較値Vbaとが等しくなければ、ステップ630にて「NO」と判定して、ステップ638にてこのルーチンの実行を終了する。この場合、Vba≠Vca,Va≠Vca,Va≠Vbaであり、これでは異常である検出値の特定が困難であるからである。なお、この場合には、他の方法により、車体速度Va,Vb,Vc及び車間距離Lab,Lac,Lba,Lcaの異常を検出するようにするとよい。
【0107】一方、ステップ630にて「YES」すなわち車体速度Vaと第1比較値Vbaとが等しいと判定されれば、ステップ632に進む。この場合におけるステップ608,622,630の判定は、Vba≠Vca,Va≠Vca,Va=Vbaであることを考慮すれば、第2比較値Vcaが異常であることを意味する。また、この第2比較値Vcaは、車体速度Vc及び前方車間距離Lcaを用いて計算したものであることを考慮すれば、車体速度Vc又は前方車間距離Lcaが異常であることに相当する。
【0108】ステップ632においては、自車20Aにて検出された後方車間距離Lacと後方車両20Cにて検出された前方車間距離Lcaとが等しいか否かを判定する。後方車間距離Lacと前方車間距離Lcaとが等しければ、ステップ632にて「YES」を判定して、ステップ634にて後方車両20Bの車輪速度センサによって検出された車輪速度に基づいて計算された(又は車体速度センサによって計算された)車体速度Vcが異常であることを表す異常フラグを“1”に設定して、ステップ638にてこのルーチンの実行を終了する。この異常フラグを“1”に設定する理由は、前記のように車体速度Vc又は前方車間距離Lcaが異常であり、両車間距離Lca,Lacが等しいことは前方車間距離Lcaが正常であることを意味し、前方車間距離Lcaが正常であれば、車体速度Vcが異常であるはずだからである。
【0109】一方、後方車間距離Lacと前方車間距離Lcaとが等しくなければ、ステップ632にて「NO」と判定して、ステップ636にて後方車両20Cの前方車間距離センサによって検出された前方車間距離Lcaが異常であることを表す異常フラグを“1”に設定して、ステップ638にてこのルーチンの実行を終了する。この異常フラグを“1”に設定する理由は、前記のように車体速度Vc又は後方車間距離Lcaが異常であり、両車間距離Lca,Lacが等しくないことは前方車間距離Lbaが異常である可能性が高いからである。
【0110】このような図20,21の車体速度及び車間距離異常検出ルーチンにより、車体速度Va,Vb,Vc及び車間距離Lab,Lac,Lba,Lcaの異常が検出され、この検出結果は、図6又は図18のステップ110の自車制御ルーチンにて利用されるとともに、ステップ112の送信制御ルーチンにて送信処理される。特に、送信制御ルーチンにおいては、上述したステップ510の処理により、前記”1”に設定された各種異常フラグが送受信器38を介して、車両情報として、他車(前方車両20B、後方車両20Cなど)、路上ビーコン40及び基地50に送信される。
【0111】その結果、車体速度Va,Vb,Vc及び車間距離Lab,Lac,Lba,Lcaの異常すなわちこれらの検出値Va,Vb,Vc,Lab,Lac,Lba,Lcaを検出又は計算する検出手段の異常が自車20Aにて検出され、他車(前方車両20B、後方車両20Cなど)、路上ビーコン40及び基地50もこの検出結果を入手できるので,自車20A、前方車両20B、後方車両20Cなどの他車、路上ビーコン40及び基地50は、この検出結果を各種制御にも利用できるようになる。
【0112】また、上記変形例では、自車20Aのマイクロコンピュータ21が、図20,21の車体速度及び車間距離異常検出ルーチンの実行によって車体速度Va,Vb,Vc及び車間距離Lab,Lac,Lba,Lcaの異常を検出するようにした。しかし、これに代えて、この異常検出に必要な車両情報を自車20A、前方車両20B、後方車両20Cなどの他車、路上ビーコン40及び基地50間で互いに交信し合い、自車20A以外の前方車両20B、後方車両20Cなどの他車、路上ビーコン40及び基地50が前記車体速度及び車間距離異常検出ルーチンを実行して、車体速度Va,Vb,Vc及び車間距離Lab,Lac,Lba,Lcaの異常、すなわちこれらの検出値Va,Vb,Vc,Lab,Lac,Lba,Lcaを検出又は計算する検出手段の異常を検出するようにしてもよい。そして、この場合、自車20A以外の前方車両20B、後方車両20Cなどの他車、路上ビーコン40及び基地50が、前記異常を検出した装置又は車両から前記異常の検出結果を表す情報を受信して、各種制御に利用するようにする。また、自車20A、前方車両20B、後方車両20Cなどの他車、路上ビーコン40及び基地50のうちの複数の装置が、前記異常を検出して互いに比較し合うようにしてもよい。
【0113】なお、上記図20のステップ606の車間距離の変化率の計算において、前方車両20Bの後方車間距離センサによって検出された後方車間距離Lba及び後方車両20Cの前方車間距離センサによって検出された前方車間距離Lcaを用いるようにしたが、これらに代えて、自車20Aの前方車間距離センサ23及び後方車間距離センサ27によってそれぞれ検出された前方車間距離Lab及び後方車間距離Lacを用いるようにしてもよい。これによれば、図20のステップ612〜618の処理により、前方車両20Bの後方車間距離センサ及び後方車両20Cの前方車間距離センサによってそれぞれ検出された後方車間距離Lba及び前方車間距離Lcaの異常が検出されるようになる。また、図21のステップ624,628,632,636の処理により、自車20Aの前方車間距離センサ23及び後方車間距離センサ27によってそれぞれ検出された前方車間距離Lab及び後方車間距離Lacの異常が検出されるようになる。
【0114】また、上記図20,21の車体速度及び車間距離異常検出ルーチンにおいては、前記ステップ606の車間距離の変化率d(Lba)/dt,d(Lca)/dtを計算する処理のために短時間の繰り返し処理を必要とするが、自車20A、前方車両20B及び後方車両20Cの車体速度Va,Vb,Vcが変化しない限り、各検出値Va,Vb,Vc,Lab,Lac,Lba,Lcaが変化しないので、前記異常検出ルーチンの実行を頻繁に繰り返し行う必要がない。したがって、前記変化率d(Lba)/dt,d(Lca)/dtの計算のみを短時間ごとに繰り返し実行し、実際の異常検出処理に関しては比較的長い所定時間ごとに実行するようにするとよい。
【0115】また、車体速度Va,Vb,Vcのいずれかが変化した場合には、前記異常検出は極めて有効である。したがって、前記異常検出の処理を比較的長い所定時間ごとに繰り返し実行するようにした場合であって、車体速度Va,Vb,Vc及び車間距離Lab,Lac,Lba,Lcaの異常が検出されない場合でも、車体速度Va,Vb,Vcのいずれかが変化した場合には、前記繰り返し実行に加えて、同車体速度Va,Vb,Vcのいずれかに応答して前記異常の検出を行うようにしてもよい。
【0116】また、上記図20,21の車体速度及び車間距離異常検出ルーチンにおいては、前後3台の車両に関する車体速度Va,Vb,Vc及び車間距離Lab,Lac,Lba,Lcaを用いて、これらの検出値Va,Vb,Vc,Lab,Lac,Lba,Lcaの異常を検出するようにした。しかし、前後4台以上の複数の車両に関する検出車体速度及び検出車間距離を用いてこれらの検出値の異常を検出するようにしてもよい。この場合、複数の車両のうちの1台の車両とそのすぐ前及び後の車両からなる3台の車両を1グループとして、各グループごとに上記車体速度及び車間距離異常検出ルーチンを実行し、前記検出値Va,Vb,Vc,Lab,Lac,Lba,Lcaの異常を判定する。この判定は、複数の車両のいずれか1台の車両又は複数台の車両で行われるようにしてもよいし、路上ビーコン40又は基地50で行われるようにしてもよい。そして、判定結果を互いに送受信し合えばよい。
【0117】上記のように、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、上記実施形態は種々に変形しても実施され得るものである。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成13年2月9日(2001.2.9)
【代理人】 【識別番号】100088971
【弁理士】
【氏名又は名称】大庭 咲夫 (外1名)
【公開番号】 特開2001−301485(P2001−301485A)
【公開日】 平成13年10月31日(2001.10.31)
【出願番号】 特願2001−34437(P2001−34437)