| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両の変速機ユニット |
| 【発明者】 |
【氏名】菅野 拓
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| 【要約】 |
【課題】従来の変速機ユニットの基本的なレイアウトを維持しつつ、ベルト式無段変速機へ油圧を供給することができる油圧回路を備えたハイブリッド車両の変速機ユニットを提供すること。
【解決手段】電磁クラッチとモータと変速機が変速機入力軸上に直列に配置され、第1ハウジングと第2ハウジングと第3ハウジングから構成されたハイブリッド車両の変速機ユニットにおいて、前記変速機としてベルト式無段変速機を備え、前記第3ハウジングは、サイドカバーとして変速機ユニットの端部に備え、該第3ハウジングに前記入力軸および前記出力軸を支持する支持部を設けるとともに、油圧供給源からの油圧を前記第1及び第2軸心油路へ油圧を供給するハウジング第1油路60及びハウジング第2油路61を設けたこととした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンと変速機入力軸を断接する電磁クラッチとエンジンと共に動力源となるモータと変速機が変速機入力軸上に直列に配置されたハイブリッド車両の変速機ユニットにおいて、前記変速機ユニットのユニットハウジングを、エンジン側から軸方向に前記電磁クラッチを収装する第1ハウジングと、前記モータを収装する第2ハウジングと、前記変速機を収装する第3ハウジングとから構成し、前記変速機として、前記入力軸と一体に設けられ、前記入力軸内に設けられた第1軸心油路を介して駆動プーリシリンダ室に油圧が供給される駆動プーリと、従動軸内に設けられた第2軸心油路を介して従動プーリシリンダ室に油圧が供給される従動プーリと、前記駆動プーリの回転を前記従動プーリに伝達するベルトから構成されたベルト式無段変速機を備え、前記第3ハウジングは、サイドカバーとして変速機ユニットの端部に備え、該第3ハウジングに前記入力軸及び前記出力軸を支持する支持部を設けると共に、油圧供給源からの油圧を前記第1及び第2軸心油路へ供給するハウジング第1油路及びハウジング第2油路を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の変速機ユニット。 【請求項2】 請求項1に記載のハイブリッド車両の変速機ユニットにおいて、前記変速機が配置された入力軸内にのみ軸心油路を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の変速機ユニット。 【請求項3】 請求項1または2に記載のハイブリッド車両の変速機ユニットにおいて、前記第2ハウジングと前記第3ハウジングの接合部近傍に、油圧供給源である電動オイルポンプを備え、該電動オイルポンプにより発生する油圧を油圧コントロールバルブユニットへ供給し、該油圧コントロールバルブユニットから供給される制御圧を、前記第2ハウジングと前記油圧コントロールバルブユニットとの接合部であって、前記第3ハウジング接合部近傍に設けられた油路構成部から前記ハウジング第1及び第2油路に屈曲部を有することなく前記第1油路及び前記第2油路へ供給することを特徴とするハイブリッド車両の変速機ユニット。 【請求項4】 請求項1ないし3に記載のハイブリッド車両の変速機ユニットにおいて、前記変速機ユニットの油圧制御を行うコントロールバルブユニット内にリリーフバルブを内蔵したことを特徴とするハイブリッド車両の変速機ユニット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと、発電機を兼ねるモータとを有し、これらの出力トルクを変速装置に伝達することにより、エンジンおよびモータのいずれか一方又は双方で走行駆動力を得るようにしたハイブリッド車両に搭載される変速機ユニットに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、地球環境の保護、及び有限資源の節約の観点から、自動車の燃費向上が求められている。この燃費向上の要求に対する1つの手段としてハイブリッド車両が考えられている。このハイブリッド車両は、エンジンとモータを直列もしくは並列に配置し、エンジン出力のアシストや、減速時には発電機として作用させ、自動車の運動エネルギを電気エネルギに変換することにより、この電気エネルギを用いて再度出力をアシストするよう構成されているものである。 【0003】このハイブリッド車両を構成する際、従来の変速装置の基本的なレイアウトの変更を行うことなくモータ等を新たに構成することで、コストを抑えつつ、従来の車両にそのまま適用することが考えられる。そのような観点から、例えば、従来の変速装置として特開平9−329228号公報に記載の遊星歯車を有する変速装置が知られている。 【0004】この装置は図7に示すように、第1ハウジング113及び第1隔壁116により形成されるトルクコンバータ室101と、第2ハウジング114と第1隔壁116及び第2隔壁117により形成される遊星歯車室102と、第3ハウジング115及び第2隔壁117により形成される変速機室103から構成されている。エンジンからの回転は、トルクコンバータ室101のトルクコンバータ110に入力され、トルクコンバータ110からの出力は、遊星歯車室102内へ入力され、遊星歯車111により前後進切り替えが行われ、さらに変速機室103内の変速機112へ入力される。 【0005】この変速機112は、ベルト式無段変速機が備えられており、遊星歯車111からの出力回転は、駆動プーリ112aを回転し、ベルト112cによって従動プーリ112bへ回転が伝達されるよう構成されている。図外のコントロールバルブユニットからの油圧は、ケース120、オイルポンプ121、インプットシャフト122を経て駆動プーリ112aの軸心油路123へ送られ、駆動プーリの駆動プーリシリンダ室124へ油圧を供給し、変速比を制御している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の変速機ユニットの基本的レイアウトを変えることなくハイブリッド車両用の変速機ユニットとする際、トルクコンバータ室101に電磁クラッチを収容し、遊星歯車室102にモータを収装する事が考えられる。このとき、電磁クラッチ及びモータは、ドライ室(油による制御及び潤滑が行われていないことを表す)内に収装される必要がある。また、ハイブリッド車両においては、エンジンを停止した状態での走行状態が考えられるため、エンジン駆動型のオイルポンプではなく、電動ポンプによる油圧の供給が必要となる。 【0007】このような従来と異なる構成を取る場合、従来はコントロールバルブユニットからの油圧はケース120、オイルポンプ121、インプットシャフト122を経て駆動プーリ112aの軸心油路123へ送られ、駆動プーリの駆動プーリシリンダ室124へ油圧を供給していたが、ケース120部分はドライ室として構成されており、また、オイルポンプ121が廃止されるため、駆動プーリ112aに油圧を供給する油路を入力軸付近に配置することができないという問題があった。 【0008】本発明は、上述のような問題点及び要請に着目してなされたもので、従来の変速機ユニットの基本的なレイアウトを維持しつつ、ベルト式無段変速機へ油圧を供給することができる油圧回路を備えたハイブリッド車両の変速機ユニットを提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明においては、エンジンと変速機入力軸を断接する電磁クラッチとエンジンと共に動力源となるモータと変速機が変速機入力軸上に直列に配置されたハイブリッド車両の変速機ユニットにおいて、前記変速機ユニットのユニットハウジングを、エンジン側から軸方向に前記電磁クラッチを収装する第1ハウジングと、前記モータを収装する第2ハウジングと、前記変速機を収装する第3ハウジングとから構成し、前記変速機として、前記入力軸と一体に設けられ、前記入力軸内に設けられた第1軸心油路を介して駆動プーリシリンダ室に油圧が供給される駆動プーリと、従動軸内に設けられた第2軸心油路を介して従動プーリシリンダ室に油圧が供給される従動プーリと、前記駆動プーリの回転を前記従動プーリに伝達するベルトから構成されたベルト式無段変速機を備え、前記第3ハウジングは、サイドカバーとして変速機ユニットの端部に備え、該第3ハウジングに前記入力軸及び前記出力軸を支持する支持部を設けると共に、油圧供給源からの油圧を前記第1及び第2軸心油路へ供給するハウジング第1油路及びハウジング第2油路を設けたことを特徴とする。 【0010】請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載のハイブリッド車両の変速機ユニットにおいて、前記変速機が配置された入力軸内にのみ軸心油路を設けたことを特徴とする。 【0011】請求項3に記載の発明においては、請求項1または2に記載のハイブリッド車両の変速機ユニットにおいて、前記第2ハウジングと前記第3ハウジングの接合部近傍に、油圧供給源である電動オイルポンプを備え、該電動オイルポンプにより発生する油圧を油圧コントロールバルブユニットへ供給し、該油圧コントロールバルブユニットから供給される制御圧を、前記第2ハウジングと前記油圧コントロールバルブユニットとの接合部であって、前記第3ハウジング接合部近傍に設けられた油路構成部から前記ハウジング第1及び第2油路に屈曲部を有することなく前記第1油路及び前記第2油路へ供給することを特徴とする。 【0012】請求項4に記載の発明においては、請求項1ないし3に記載のハイブリッド車両の変速機ユニットにおいて、前記変速機ユニットの油圧制御を行うコントロールバルブユニット内にリリーフバルブを内蔵したことを特徴とするハイブリッド車両の変速機ユニット。 【0013】 【発明の作用及び効果】請求項1記載のハイブリッド車両の変速機ユニットにおいては、エンジンと変速機入力軸を断接する電磁クラッチとエンジンと共に駆動源となるモータと変速機が変速機入力軸上に直列に配置されている。 【0014】この変速機ユニットハウジングが、エンジン側から軸方向に電磁クラッチを収装する第1ハウジングと、モータを収装する第2ハウジングと、変速機を収装する第3ハウジングとから構成されている。そして、変速機として、入力軸と一体に設けられ、入力軸内に設けられた第1軸心油路を介して駆動プーリシリンダ室に油圧が供給される駆動プーリと、変速機の出力軸と一体に構成され、出力軸内に設けられた第2軸心油路を介して従動プーリシリンダ室に油圧が供給される従動プーリと、駆動プーリの回転を前記従動プーリに伝達するベルトから構成されたベルト式無段変速機が備えられている。 【0015】このとき、第3ハウジングが、サイドカバーとして変速機ユニットの端部に備えられ、この第3ハウジングに入力軸及び出力軸を支持する支持部が設けられると共に、油圧供給源からの油圧を第1及び第2軸心油路へ油圧を供給するハウジング第1油路及びハウジング第2油路が設けられている。 【0016】すなわち、ベルト式無段変速機の変速比は駆動プーリと従動プーリへ供給される油圧によって決定されるが、ハイブリッド車両の場合、電磁クラッチやモータがドライ室(油による制御及び潤滑が行われていない状態)として構成されているため、ドライ室を貫通する部分から入力軸内に油圧を供給することが困難である。しかしながら、上述のように、入力軸及び出力軸を支持しているサイドカバーである第3ハウジングに設けられたハウジング第1油路及びハウジング第2油路から油圧を供給することで、ドライ室内に油路を構成することなく油圧回路を構成することができる。また、変速機ユニットを第1、第2及び第3ハウジングから構成することで電磁クラッチ,モータ及び変速機の組み付け性の向上を図りつつ、油が必要な部分を第3ハウジングに集中して配置することが可能となり、屈曲部の少ない油圧回路を構成することができる。よって、屈曲部の流路抵抗による油圧損失を低減することで、効率よく油圧を制御することができる。 【0017】請求項2に記載のハイブリッド車両の変速機ユニットにおいては、変速機が配置された入力軸内にのみ軸心油路が設けられている。すなわち、変速機ユニット端部にサイドカバーとして第3ハウジングを備え、この第3ハウジングから油圧を供給するため、入力軸のドライ室内を貫通する部分には、軸内油路を設ける必要がない。よって、必要な軸強度を維持しつつ、軸径を小径化することが可能となり、構成をコンパクトにすることができる。また、入力軸の一方からのみ軸心油路を設けるだけでよいため、製造工程の減少を図ることでコストを削減することができる。 【0018】請求項3に記載のハイブリッド車両の変速機ユニットにおいては、第2ハウジングと第3ハウジングの接合部近傍に、油圧供給源である電動オイルポンプが備えられている。そして、この電動オイルポンプにより発生する油圧が油圧コントロールバルブユニットへ供給され、この油圧コントロールバルブユニットから供給される制御圧が、第2ハウジングと油圧コントロールバルブユニットとの接合部であって、第3ハウジング接合部近傍に設けられた油路構成部からハウジング第1及び第2油路に屈曲部を有することなく第1油路及び第2油路へ供給される。 【0019】すなわち、入力軸及び出力軸を支持しているサイドカバーである第3ハウジングに設けられたハウジング第1油路及びハウジング第2油路から油圧を供給するが、油圧供給源である電動オイルポンプや油圧コントロールバルブユニットにおける油路構成を第3ハウジング近傍に配置することで、油が必要な部分を第3ハウジングに集中して配置することが可能となり、屈曲部の少ない油圧回路を構成することができる。また、ハウジング第1油路及びハウジング第2油路においても、屈曲部を有することなく油路を構成したことにより、屈曲部の流路抵抗による油圧損失を低減することで、効率よく油圧を制御することができる。 【0020】請求項4に記載のハイブリッド車両の変速機ユニットにおいては、変速機ユニットの油圧制御を行うコントロールバルブユニット内にリリーフバルブが内蔵されている。すなわち、従来は駆動プーリへの過剰油圧をドレーンするためのリリーフバルブはエンジン駆動型のオイルポンプに内蔵されていた。しかしながら、本発明のハイブリッド車両においては、エンジンが停止した状態で走行する場合があるため、従来のようにエンジン駆動のオイルポンプを使用することができない。よって、ハイブリッド車両においては、主に電動ポンプが使用される。このとき、駆動プーリのリリーフバルブをコントロールバルブ内に内蔵することで、簡単な油路構成を持ちつつ、変速機ユニットの構成をコンパクトにすることができる。また、コントロールバルブユニット内には、種々のバルブが構成されているため、新たにバルブを追加する場合、同様の工程により簡単に加工することができる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は実施の形態におけるハイブリッド車両の主要ユニットの構成を示す図である。1は変速機ユニット、2はエンジン、3は発電/始動用のBモータ、4はインバータ、5はバッテリ、6は電動式パワーステアリング、7はハイブリッド制御ユニット、8はチェーンである。 【0022】変速機ユニット1内には、電磁クラッチ11と、駆動用モータであるAモータ15と、無段変速機(以下CVTと記す)13が収装され、Aモータ15は減速時と制動時のエネルギ回生用モータとしても機能する。また、電動式油圧ポンプを駆動するためのCモータ9が備えられている。これは、モータのみでの走行域があるハイブリッド車では、エンジンに駆動されるオイルポンプだけではモータのみ走行時の油圧(特にCVT13のプーリ油圧)が得られないからである。また、同様の理由により、パワーステアリング6のアシスト力も電動式とされており、モータによってアシストされる。 【0023】発電/始動用モータであるBモータ3は、エンジンブロックにマウントされ、エンジン2とはチェーン8でつながれており、通常は発電機、始動時はスタータとして機能する。バッテリ5,モータ3,15,エンジン2,クラッチ11,CVT13の各制御ユニット7a,7b,7c,7d,7eはそれぞれ独立され、最終的にハイブリッド制御ユニット7で統合制御されている。 【0024】次に、駆動システムの作用を説明する。本実施の形態のハイブリッド車両はパラレル方式で、Aモータ15が出力よりも燃費を優先させたエンジン2のアシスト役として機能する。またCVT13は、エンジンを最良燃費点で運転させるための調整役も担っている。クラッチ11は電磁クラッチであり、OFFすればAモータ15のみでの走行となる。クラッチ11のON/OFFは、ハイブリッド制御ユニット7から指令を受けるクラッチ制御ユニット7dで自動的かつ最適に制御される。 【0025】(システム起動時)始動時はBモータ3がスタータとして機能し、エンジン2を始動する。 【0026】(発進・低速走行時)エンジン2の燃費消費効率が低い低負荷での発進や低速走行時には、エンジン2は停止してAモータ15のみの走行となる。発進と低速走行でも、負荷が大きい(スロットル開度が大きい)場合は直ちにエンジン2が始動し、クラッチ11がONしてエンジン2+Aモータ15での走行となる。 【0027】(通常走行時)主にエンジン2による走行となる。この場合、CVT13の変速制御によりエンジン回転数を調整することで、最良燃費ライン上での運転が実現されている。 【0028】(高負荷時)エンジン2が最大出力を発生しても駆動力が不足するような高負荷時は、バッテリ5からAモータ15に積極的に電気エネルギが供給され、全体の駆動力が増強される。 【0029】(減速時)減速時、エンジン2は燃料カットされる。同時にAモータ15がジェネレータとして機能し、従来は捨てられていた運動エネルギの一部を電気エネルギに変えてバッテリ5に回収する。 【0030】(後退時)CVT13には、リバースギアは設定されていない。従って、後退時はクラッチ11を開放し、Aモータ15を逆回転させて、Aモータ15のみの走行となる。 【0031】(停止時)車両停止時は、エンジン2は停止する。但し、バッテリ5の充電が必要なときやエアコンコンプレッサの作動が必要なときと暖機中などは、エンジン2は停止しない。 【0032】図2は本発明にベルト式無段変速機(CVT)を備えたハイブリッド車両の変速機ユニットの断面図である。図2において、エンジン出力軸10には回転伝達機構として電磁式のクラッチ11が連結されるとともに、この電磁クラッチ11に電源を供給するスリップリング11aが備えられている。電磁クラッチ11の出力側は変速機入力軸12と連結されており、この入力軸12の端部にはCVT13の駆動プーリ14が設けられると共に、駆動プーリ14と電磁クラッチ11との間に位置するように走行用のAモータ(請求項記載のモータ)15が設けられている。 【0033】Aモータ15は、入力軸12に固定されたロータ16と、ハウジング側に固定されたステータ17とからなり、バッテリ5からの電力の供給を受けて入力軸12を駆動し、または減速時等の入力軸12の回転力に基づいて発電機として機能する。 【0034】CVT13は、上記駆動プーリ14と従動プーリ18と、駆動プーリ14の回転力を従動プーリ18に伝達するベルト19等からなっている。駆動プーリ14は、入力軸12と一体に回転する固定円錐板20と、固定円錐板20に対向配置されてV字状プーリ溝を形成すると共に駆動プーリシリンダ室21に作用する油圧によって入力軸12の軸方向に移動可能である可動円錐板22からなっている。従動プーリ18は、従動軸23上に設けられている。従動プーリ18は、従動軸23と一体に回転する固定円錐板24と、固定円錐板24に対向配置されてV字状プーリ溝を形成すると共に従動プーリシリンダ室32に作用する油圧によって従動軸23の軸方向に移動可能である可動円錐板25とからなっている。 【0035】従動軸23には駆動ギア26が固着されており、この駆動ギア26はアイドラ軸27上のアイドラギア28と噛み合っている。アイドラ軸27に設けられたピニオン29はファイナルギア30と噛み合っている。ファイナルギア30は差動装置31を介して図示しない車輪に至るドライブシャフトを駆動する。 【0036】上記のようなCVT13にエンジン出力軸10から入力された回転力は、電磁クラッチ11及び入力軸12を介してCVT13に伝達される。入力軸12の回転力は駆動プーリ14,ベルト19,従動プーリ18,従動軸23,駆動ギア26,アイドラギア28,アイドラ軸27,ピニオン29,及びファイナルギア30を介して差動装置31に伝達される。 【0037】上記のような動力伝達の際に、駆動プーリ14の可動円錐板22及び従動プーリ18の可動円錐板25を軸方向に移動させてベルト19との接触位置半径を変えることにより、駆動プーリ14と従動プーリ18との間の回転比つまり変速比を変えることができる。このような駆動プーリ14と従動プーリ18のV字状のプーリ溝の幅を変化させる制御は、CVT制御ユニット7eを介して駆動プーリシリンダ室21または従動プーリシリンダ室32への油圧制御により行われる。 【0038】ところで、このような変速機構及びモータ等を収装した変速機ハウジングは、CVT13とAモータ15とを収装した第2ハウジング41と、電磁クラッチ11を収装した第1ハウジング42とに軸方向に分割した構成となっている。第2ハウジング41はCVT13等が組み込まれる変速機室43とAモータ15が組み込まれるモータ室44とに第2隔壁45を介して仕切られている。 【0039】また、第1ハウジング42は前記第2ハウジング41が結合する一方の端面に第1隔壁46が形成されており、各ハウジング41,42を結合したときに前記各隔壁45,46間に前記モータ室44を画成すると共に、第1ハウジング42の他方の端面を図示しないエンジン2に結合したときに第1隔壁46とエンジン2との間にクラッチ室47を画成するように構成されている。 【0040】モータ室44には、Aモータ15のステータ17が焼き嵌めにより組み込まれており、これにより構造の簡素化を図る一方、ステータ17を包囲するように第2ハウジング41に形成したウォータジャケット48に冷却水を循環させることによりAモータ15を効率よく冷却できるようにしている。 【0041】図3は本願発明を適用した第3ハウジングのエンジンと対向する側から見た正面図である。この第3ハウジング49は、第2ハウジング41と結合することで、CVT13を収装する変速機室43を画成している。また、第2ハウジング41には、電動ポンプ64が備えられている。第3ハウジング49の外側には、駆動プーリ14へ油圧を供給するハウジング第1油路60と、従動プーリ18へ油圧を供給するハウジング第2油路61が設けられ、これらの油路60,61は、コントロールバルブユニット70から駆動プーリ支持部62及び従動プーリ支持部63に油圧を供給している。 【0042】図4は駆動プーリ14及び従動プーリ18支持部の拡大断面図である。図に示すように、入力軸12は第3ハウジング49に設けられたシールベアリング81により回転可能に支持されている。また、第3ハウジング49のシールベアリング81支持部には図示しないドレーン穴が設けられ、入力軸12と第3ハウジング49間でのリークによるベアリングの背圧上昇を防止している。また、入力軸12には第1軸心油路80が設けられ、この第1軸心油路80は高圧油路部82と4連オリフィス83により減圧された低圧油路部83が形成されている。高圧油路部82からは駆動プーリシリンダ室21へ油圧を供給すると共に、低圧油路部83からは入力軸の支持部への潤滑油を供給するよう構成されている。また、従動軸23も入力軸12と同様に第3ハウジング49に設けられたベアリング91により回転可能に支持されている。また、第2軸心油路92が設けられ、従動プーリ支持部63から供給される油圧を従動プーリシリンダ室32へ供給するよう構成されている。 【0043】よって、CVT13の制御油圧を第3ハウジング49から駆動プーリシリンダ室21及び従動プーリシリンダ室32へ供給することが可能となり、ドライ室であるモータ室44及びクラッチ室47を経由することがない。これにより、簡単な油路構成を取りながら、確実にモータ室44及びクラッチ室47をドライ室として画成することができる。 【0044】図5は本実施の形態における第2ハウジング41の底面図を示す。コントロールバルブユニット70内で制御された油圧を変速機ユニット内に供給する際、図のように、第1油路構成部71と第2油路構成部72を設けることで、油の供給源を一方に集中させている。第1油路構成部71は駆動プーリ14への油圧を供給し、第2油路構成部72は従動プーリ18への油圧を供給するよう構成されている。これにより、第3ハウジング49の外側に設けられたハウジング第1油路60及びハウジング第2油路61に油を供給する際、例えば従来技術のように、オイルポンプやインプットシャフトを介した油路構成に比べ、屈曲部の少ない油圧回路を構成することができる。 【0045】図6は本実施の形態におけるコントロールバルブユニット70の正面図を示す。図中74は駆動プーリシリンダ室21へ油圧を供給する際の過剰油圧をリークするリリーフバルブである。このリリーフバルブ74は、従来の変速機ユニットでは、オイルポンプに設けられていたが、ハイブリッド車両においては、従来のエンジン駆動型のオイルポンプが廃止されたため、コントロールバルブユニット70内に構成したものである。このように、駆動プーリ14のリリーフバルブ74をコントロールバルブユニット70内に内蔵することで、簡単な油路構成を持ちつつ、変速機ユニットの構成をコンパクトにすることができる。また、コントロールバルブユニット70内には、種々のバルブが構成されているため、新たにバルブを追加する場合、同様の工程により簡単に加工することができる。 【0046】以上説明したように、本実施の形態におけるハイブリッド車両の変速機ユニットでは、CVT13(ベルト式無段変速機)が備えられ、変速機ユニットの第3ハウジング49に入力軸12及び従動軸23を支持する支持部62,63が設けられると共に、第1及び第2軸心油路80,92へ油圧を供給するハウジング第1油路60及びハウジング第2油路61が設けられている。 【0047】すなわち、CVT13の変速比は駆動プーリ14と従動プーリ18へ供給される油圧によって決定されるが、ハイブリッド車両の場合、電磁クラッチ11やAモータ15がドライ室(油による制御及び潤滑が行われていない状態)として構成されているため、ドライ室を貫通する部分から入力軸内に油圧を供給することが困難である。しかしながら、上述のように、入力軸12及び従動軸23を支持している第3ハウジング49に設けられたハウジング第1油路60及びハウジング第2油路61から油圧を供給することで、ドライ室内に油路を構成することなく油圧回路を構成することができる。 【0048】また、変速機ユニットを第1、第2及び第3ハウジングから構成することで電磁クラッチ11,Aモータ15及びCVT13の組み付け性の向上を図りつつ、油が必要な部分を第3ハウジング49に集中して配置することが可能となり、屈曲部の少ない油圧回路を構成することができる。よって、屈曲部の流路抵抗による油圧損失を低減することで、効率よく油圧を制御することができる。 【0049】また、変速機ユニットの油圧制御を行うコントロールバルブユニット70内にリリーフバルブ74が内蔵されている。すなわち、従来は駆動プーリ14への過剰油圧をドレーンするためのリリーフバルブはエンジン駆動型のオイルポンプに内蔵されていた。しかしながら、本発明のハイブリッド車両においては、エンジンが停止した状態で走行する場合があるため、従来のようにエンジン駆動のオイルポンプを使用することができない。よって、ハイブリッド車両においては、主に電動ポンプが使用される。このとき、駆動プーリ14のリリーフバルブ74をコントロールバルブ内に内蔵することで、簡単な油路構成を持ちつつ、変速機ユニットの構成をコンパクトにすることができる。また、コントロールバルブユニット70内には、種々のバルブが構成されているため、新たにバルブを追加する場合、同様の工程により簡単に加工することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000231350 【氏名又は名称】ジヤトコ・トランステクノロジー株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月22日(2000.3.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105153 【弁理士】 【氏名又は名称】朝倉 悟 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−260678(P2001−260678A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月26日(2001.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−79527(P2000−79527) |
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