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【発明の名称】 車両水平矯正装置
【発明者】 【氏名】岡 野 克 彦

【要約】 【課題】油圧サスペンション装置を有する作業車等において、車両停止時に上物を含め車両水平矯正が容易に短時間でできる装置を提供すること。

【解決手段】車両に傾斜計(29)と各車輪位置にハイトセンサ(31)とを取付、それらの傾斜計(29)とハイトセンサ(31)からの信号により車両を水平にするよう各油圧シリンダ(4)を制御する制御装置(35)を設けている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油圧サスペンション装置を有する車両を水平に保持する車両水平矯正装置において、フレームと前後の車軸との間にハイトセンサを取り付け、フレームに傾斜計を装備し、それらのハイトセンサ及び傾斜計は車両のサスペンション装置を制御する制御装置に電気回路で接続されており、その制御装置は前記ハイトセンサ及び傾斜計からの信号に基き各車輪を懸架する油圧シリンダの伸縮を制御するよう構成されていることを特徴とする車両水平矯正装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧サスペンション装置を有する作業用車両、トラック等が所定の作業或いは積荷等のために車両を水平に保持する車両水平矯正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、油圧サスペンション装置を有する車両であって、フレームとアクスルとの間隔を所定の寸法内に制御する制御装置が設けられている油圧サスペンション装置は知られている。
【0003】しかし、上記の技術においては、タイヤ及びその他の撓み量は考慮されていない。また、車両と地面との関係は、車両が停車した地面に対してフレームが所定の間隔を維持する様に構成されているため、地面が傾斜していればフレーム上面も傾斜している。そして、フレームと平行に取り付けられているため、フレーム上の架装物或いは上物も、傾斜してしまうこととなる。
【0004】はしご消防車やクレーン車等はフレームと上物との間に傾斜を矯正する手段、たとえば、ジャイロリング等を装備して車両の傾斜に拘わらずそのベースを水平に保持するよう構成されている。しかし、車両側の重心と上物の取付中心とは、傾斜している地面に停車して作業する場合には偏奇してしまう。そのため、はしご車やクレーン車の場合には、アウトリガをセットしても、旋回方向によって梯子、ブームの限界傾斜角が異なってしまい、作業の安全性に問題を生じる可能性が存在する。また、フレーム及び上物を水平に保つためにアウトリガをセットすると、車両の走行が不可能となってしまう。
【0005】また、特開平9−202123号公報の技術が開示されているが、後輪2軸車に対する技術であり、本願課題に関するものでない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、はしご車やクレーン車の安全性及び作業性向上を図ると共に、架装物の信頼性を向上する事が出来る車両水平矯正装置の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の車両水平矯正装置は、例えば、作業用車両、トラック等が作業、積荷等のために当該車両を水平に保持する場合に用いられるものであって、油圧サスペンション装置を有する車両を水平に保持する車両水平矯正装置において、フレームと前後の車軸との間にハイトセンサを取り付け、フレームに傾斜計を装備し、それらのハイトセンサ及び傾斜計は車両のサスペンション装置を制御する制御装置に電気回路で接続されており、その制御装置は前記ハイトセンサ及び傾斜計からの信号に基き各車輪を懸架する油圧シリンダの伸縮を制御するよう構成されている。本発明の実施に際して、サスペンション装置がエアサスペンション装置またはアクティブサスペンション装置であってもよい。
【0008】かかる構成を具備する本発明によれば、アウトリガをセットする以前に、油圧シリンダの伸縮が制御されて、フレーム及びそこに架装されている種々の上物が水平状態に保たれる。従って、フレーム上に架装されている上物で作業を行いつつ、車両が傾斜面を走行する事が可能である。また、フレーム及びそこに架装されている種々の上物が水平状態に保たれるので、上物の旋回方向等によって梯子、ブームの限界傾斜角が異ることが無く、作業の安全性に問題を生じる可能性が存在する【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。図1はクレーン車の後面図を示し、クレーン車1のフレーム2の後部は後軸3の左油圧シリンダ4及び右油圧シリンダ5で支持されている。そして、路面21は水平面に対して角度αだけ傾斜しており、それに対して、フレームはほぼ水平になるように左油圧シリンダ4は伸張し、右油圧シリンダ5は収縮して入る。そして、フレーム2にハイトセンサ31と傾斜計29とが取り付けられ、電気回路でそれぞれ制御装置35に接続されている。ここで、符号7はジャイロリング、8はアウトリガ、9はクレーン本体、11はブーム、13は滑車、15はフック、17は吊り上げ物、19はタイヤをそれぞれ示している。
【0010】図2は、図1のクレーン車の油圧サスペンション装置の1車輪の油圧及び電気回路を示し、油圧シリンダ4(車両全体では少なくとも4個のサスペンション用の油圧シリンダを要するが全体も符号4で代表する)は油圧回路a及びbを介してサスロック用バルブ25に接続され、そのサスロック用バルブ25の信号圧接続口は油圧回路f及び電磁弁26、油圧回路g、hを介して図示しないオイルポンプに接続されている。
【0011】また、油圧シリンダ4は油圧回路a、c及びドレン用の電磁弁28、油圧回路kを介して図示しないオイルタンクに接続され、油圧回路cは油圧回路d、チャージ用の電磁弁27を介して前記オイルポンプに接続されている。
【0012】さらに、サスロック用バルブ25はアキュムレータ33に接続されると共に、油圧回路j、kを介して前記オイルタンクに接続されている。
【0013】そして、制御装置35は電気回路で電磁弁26、27、28及びフレーム2に取り付けられた傾斜計29、車両水平スイッチ30、ハイトセンサ31にそれぞれ接続されている。
【0014】以下、図3及び図1のクレーン本体の一部だけを示した図4〜図6を参照して、作動について説明する。作動に際し、まず車両停止か否か、例えば、車両水平スイッチ30のオン・オフにより判断する(ステップS1)。ステップS1がNOの場合は、そのループを繰り返す。一方、ステップS1がYESだったら、各ハイトセンサ31からの信号及び傾斜計29からの信号を入力する(ステップS2)。この場合、車両は図4に示すように一般的には傾斜している。次いで、予め設けられている基準により、車両のフレーム2を水平にするための各電磁弁の開閉を決め(ステップS3)、各油圧シリンダ4を伸縮してフレームを水平調整する(ステップS4、車両は図5に示すように水平になる)。
【0015】油圧シリンダ4を伸長する場合は、電磁弁26によりサスロック用バルブ25をロックしてアキュムレータ33と油圧シリンダ4の間を閉じ、電磁弁27を開いてオイルポンプから油圧回路h、c、aを介して油圧シリンダ4に送油する。油圧シリンダ4を収縮する場合は、電磁弁28を開いて油圧回路a、c、kを介してオイルタンクにオイルを戻す。
【0016】次いで、フレームの傾斜が、予め設定されている所定の傾斜角以内か否かを判断する(ステップS5)。なお、図6に示すように、アウトリガを張る作業もここで実施すればよい)。ステップS5がNOの場合はステップS2へ戻る。ステップS5がYESだったら、上物は水平か否か判断する(ステップS6)。上物が水平ではない場合(ステップS6がNO)は、フレーム2と上物間のジャイロリングで補正し(ステップS7)、ステップS6へ戻る。ステップS6がYESだったら、制御を終わる。
【0017】なお、車両走行中は車両水平スイッチ30をオフし、電磁弁26をオフして油圧シリンダ4とアキュムレータ33とを連通して油圧シリンダ4が油圧サスペンションとして作動するよう制御装置が制御している。
【0018】図7は、サスペンション装置がエアサスペンション装置の場合を示している。図示しない各車輪にはエアスプリング4a〜4dがそれぞれ取り付けられ、それぞれの車輪位置にはハイトセンサ31a〜31dが設けられ、制御装置35に接続されたサスロックスイッチ40により各車輪の電磁弁42を作動させてサスロックし、各車輪の電磁弁41を制御して各車輪エアスプリング4a〜4dを伸縮させる。ここで、車両の水平を調整する作動については油圧サスペンションと同様である。トラック、バスの場合はエアサスペンションが用いられている場合が多いので、上記のように構成すればよい。なお、符号43は電磁弁41の排気ポートを示している。
【発明の効果】本発明は以上説明した通り構成されており、以下の優れた効果を奏する。
(1) アウトリガを張った時点で車両の水平が確保できているため、ジャイロによる修正は不要、或いは短時間でできる。
(2) 車両のバネ上重心と上物の取付中心とが一致しているので、旋回方向による安定度の変化がなく、安全である。
(3) 従来のジャイロだけによる矯正に比べ、修正代が極めて大となり、作業場所を選ばずに作業でき、消防はしご車にはきわめて有効である。
(4) エアサスペンション等にも適用できるため、応用範囲が大である。
【出願人】 【識別番号】000003908
【氏名又は名称】日産ディーゼル工業株式会社
【出願日】 平成11年8月10日(1999.8.10)
【代理人】 【識別番号】100071696
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 敏忠 (外1名)
【公開番号】 特開2001−47834(P2001−47834A)
【公開日】 平成13年2月20日(2001.2.20)
【出願番号】 特願平11−226029