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【発明の名称】 バスのリヤサスペンション装置
【発明者】 【氏名】大場 浩司

【要約】 【課題】ロールに対する剛性及びロールの収束性を改善する。

【解決手段】略直線状に形成されたサイドメンバ10a(フレーム10の構成部品)の略真下に配設され、その一端部にリヤアクスルハウジング28が取り付けられる空気ばねとしてのベローズ24と、ベローズ24の振動を減衰すべく、リヤアクスルハウジング28とサイドメンバ10aとの間に介装されるショックアブソーバ30と、を含んで構成されるバスのリヤサスペンション装置において、ショックアブソーバ30をサイドメンバ10aに対して車両外側に配設する。このようにすれば、リヤサスペンション装置20において、ショックアブソーバ30の取付間隔が広がり、かつ、フロント及びリヤサスペンション装置におけるショックアブソーバ30の取付間隔が略等しくなるので、前後バランス,ロール剛性及びロール収束性が改善され、乗心地及び操安性が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】略直線状に形成されたフレームの略真下に配設され、その一端部にリヤアクスルハウジングが取り付けられる空気ばねと、該空気ばねの振動を減衰すべく、前記リヤアクスルハウジングとフレームとの間に介装されるショックアブソーバと、を含んで構成されるバスのリヤサスペンション装置において、前記ショックアブソーバは、前記フレームに対して車両外側に配設されたことを特徴とするバスのリヤサスペンション装置。
【請求項2】前記空気ばね及びショックアブソーバの上端部は、共用ブラケットを介してフレームに固定される構成である請求項1記載のバスのリヤサスペンション装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バスのリヤサスペンション装置に関し、特に、ロールに対する剛性及びロールの収束性を向上する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】バスのサスペンション装置として、図4に示すように、フレーム1を構成するサイドメンバ1aの真下に空気ばね2a,2bを配設すると共に、空気ばね2a,2bの振動を減衰するショックアブソーバ3a,3bを併設した構成が知られている。
【0003】そして、バスの通路幅を確保しつつ低床化を図るために、フロントサスペンション装置のショックアブソーバ3aをサイドメンバ1aの外側に配設する構成が採用されている。これは、バスの昇降口が車両前部及び中央部に設けられ、リヤアクスルハウジング4にはディファレンシャルギア5が取り付けられることを鑑み、フロントサスペンション装置により低床化を図ることが効果的であると考えられたためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に示すように、フロントサスペンション装置のショックアブソーバ3aをサイドメンバ1a外側に、リヤサスペンション装置のショックアブソーバ3bをサイドメンバ1a内側に配設すると、フロントとリヤとのショックアブソーバ取付間隔L1,L2が異なってしまう。このため、ショックアブソーバ取付間隔L2が短いリヤサスペンション装置においては、ロールに対する剛性及びロールの収束性がフロントサスペンション装置と比べて劣り、乗心地及び操安性を現状以上に向上させるのは困難であった。
【0005】そこで、本発明では以上のような従来の問題点を鑑み、リヤサスペンション装置のショックアブソーバ取付構造を見直すことで、ロールに対する剛性及びロールの収束性を改善し、乗心地及び操安性を向上させたバスのリヤサスペンション装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載の発明は、略直線状に形成されたフレームの略真下に配設され、その一端部にリヤアクスルハウジングが取り付けられる空気ばねと、該空気ばねの振動を減衰すべく、前記リヤアクスルハウジングとフレームとの間に介装されるショックアブソーバと、を含んで構成されるバスのリヤサスペンション装置において、前記ショックアブソーバは、前記フレームに対して車両外側に配設されたことを特徴とする。
【0007】かかる構成によれば、略直線状に形成されたフレームの略真下に空気ばねが配設されることで、ばね上重量が効率良く空気ばねによって受け止められる。また、ショックアブソーバがフレームに対して車両外側に配設されることで、ショックアブソーバの取付間隔が広がり、かつ、フロント及びリヤサスペンション装置におけるショックアブソーバ取付間隔が略等しくなり、前後バランスが改善されると共に、ロール剛性及びロール収束性が改善される。さらに、左右のフレーム間において、ショックアブソーバ上端部と床面との干渉がなくなり、さらなる低床化が可能となる。
【0008】請求項2記載の発明は、前記空気ばね及びショックアブソーバの上端部は、共用ブラケットを介してフレームに固定される構成であることを特徴とする。かかる構成によれば、空気ばね及びショックアブソーバの上端部を共用ブラケットを介してフレームに固定することで、部品点数及びコスト削減が図られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。図1は、本発明に係るバスのリヤサスペンション装置の一実施形態を示す。
【0010】バスの車体下部には、一般的な梯子型のフレーム10が取り付けられている。フレーム10は、車体前後方向にかつ略平行に配設される2つのサイドメンバ10aと、サイドメンバ10a間を接続するように車体幅方向に配設される複数のクロスメンバ10bと、を含んで構成される。サイドメンバ10aは、少なくともリヤサスペンション装置20が取り付けられる部分において、上面から見ると略直線形状をなし(図1(A)参照)、かつ、側方から見ると上方にオフセットされた形状をなしている(図1(B)参照)。
【0011】サイドメンバ10a下方には、サイドメンバ10a側面に溶接等により固着された略L字形状の上部ブラケット22a,22bを介して、空気ばねとしてのベローズ24上端部が取り付けられる。ベローズ24下端部には、車体前後方向に配設される2つのベローズ24間を連結するように、下部ブラケット26が取り付けられる。下部ブラケット26の中間部上面には、リヤアクスルハウジング28が取り付けられる。
【0012】ここで、ベローズ24は、図1(A)に示すように、ばね上重量を効率良く受け止めるために、サイドメンバ10aの真下に位置するように取り付けられる。また、車体後方に位置するベローズ24とリヤアクスルハウジング28との間であって、サイドメンバ10aの外側には、ベローズ24の振動を減衰するショックアブソーバ30が取り付けられる。即ち、車体後方に位置する共用ブラケットとしての上部ブラケット22bを車体前方かつ上方に延伸し、その延伸した部分の下面にショックアブソーバ30上端部が取り付けられる。一方、ショックアブソーバ30下端部は、下部ブラケット26に取り付けられる。なお、ショックアブソーバ30の取付間隔は、図示しないフロントサスペンション装置のショックアブソーバの取付間隔と略同一寸法とする。
【0013】ここで、ベローズ24及びショックアブソーバ30の上端部を上部ブラケット22bを介してサイドメンバ10aに取り付けるようにすれば、部品点数及びコストを削減することができる。
【0014】リヤサスペンション装置20のリンク機構は、ディファレンシャルギヤ28a前部とサイドメンバ10aに固着されたブラケット32とを連結する左右一対のVロッド34と、Vロッド34の下方に位置し、下部ブラケット26前部とブラケット32とを連結する左右一対のストレートロッド36と、を含んで構成される。Vロッド34及びストレートロッド36は、夫々、サイドメンバ10aと略平行になるように取り付けられる。
【0015】さらに、下部ブラケット26の後部には、乗車人数,荷物重量等にかかわらず車体の地上高を略同一にするために、ベローズ24に供給されるエアを調整するレベリングバルブ38がレバー40を介して接続される。
【0016】なお、以上説明しなかった符号42は、リヤアクスルハウジング28両端部に取り付けられたリヤタイヤである。かかる構成のリヤサスペンション装置20によれば、ショックアブソーバ取付間隔が広がるので、ロールに対する剛性及びロールの収束性が改善される。また、フロント及びリヤサスペンション装置のショックアブソーバ取付間隔が略等しくなるので、前後バランスが改善され、ロール剛性及びロール収束性の改善と相俟って、乗心地及び操安性を向上することができる。
【0017】さらに、ショックアブソーバ30をサイドメンバ10a外側に取り付けるようにしたことで、バスの低床化をより促進することができるようになる。即ち、バスの後部においては、一般的に、リヤアクスルハウジングにディファレンシャルギヤが取り付けられていることに鑑み、図2に示すように、車体後方に向かって床50が高くなっている。そして、従来のようにショックアブソーバ30がサイドメンバ10a間に配設される構成では、図2に示すように、床50下面とショックアブソーバ30上端部とが干渉するため、通路幅を確保しつつ床を現状以上に低くすることが困難であった。
【0018】しかし、本願発明のように、ショックアブソーバ30をサイドメンバ10a外側に配設することで、床50下面とショックアブソーバ30上端部との干渉が避けられ、図3に示すように、通路幅を確保しつつ床を低くすることができるようになる。従って、本願発明のリヤサスペンション装置20を採用すれば、ロールに対する剛性及びロールの収束性が改善され、かつ、前後バランスが改善されることで、乗心地及び操安性が向上すると共に、さらなる低床化も可能となる。
【0019】なお、以上説明した実施形態においては、リヤサスペンション装置の左右にベローズを2つずつ配設したものを前提として説明したが、本願発明は、このような構成にかかわらず、例えば、左右にベローズを1つずつ配設する構成のリヤサスペンション装置にも適用可能である。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、フロント及びリヤサスペンション装置の前後バランスが改善されると共に、ロール剛性及びロール収束性が改善されるので、乗心地及び操安性を向上することができる。また、左右のフレーム間において、ショックアブソーバ上端部と床面との干渉がなくなるため、さらなる低床化を行なうことができる。
【0021】請求項2記載の発明によれば、部品点数及びコスト削減を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000003908
【氏名又は名称】日産ディーゼル工業株式会社
【出願日】 平成11年8月6日(1999.8.6)
【代理人】 【識別番号】100078330
【弁理士】
【氏名又は名称】笹島 富二雄
【公開番号】 特開2001−47830(P2001−47830A)
【公開日】 平成13年2月20日(2001.2.20)
【出願番号】 特願平11−223797