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【発明の名称】 改良されたトルクロッド頂点部組み付け構造
【発明者】 【氏名】ロナルド・ジェイ・マクローリン

【要約】 【課題】V字型トルクロッドの頂点部に作用する高い負荷に対応するピボットジョイントの開発。

【解決手段】V字型トルクロッド118は、バーピンジャーナル154で連結された一対の端部ピボットジョイントアッセンブリ132を含む、頂点部ピボットジョイントシステム130を有している。バーピンジャーナルは、トルクロッドのVの字型を規定する角度に曲げられている。曲げられたバーピンジャーナルを使うことにより、各端部ジョイントアッセンブリに同様の構成部品を使用しながら、直線型のリンクでV字型のアームを構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1端部ジョイントアッセンブリと、前記第1端部ジョイントアッセンブリに固定された第1バーと、第2端部ジョイントアッセンブリと、前記第2端部ジョイントアッセンブリに固定された第2バーと、第1穴を形成する第1有穴部材と、前記第1有穴部材の前記第1穴内に配置された第1ブッシュと、第2穴を形成する第2有穴部材と、前記第2有穴部材の前記第2穴内に配置された第2ブッシュと、前記第1ブッシュ及び前記第2ブッシュ両方の中に配置されたバーピンジャーナルとを備えた、前記第1バー及び前記第2バーに固定された頂点部ピボットジョイントシステムとを備えていることを特徴とするトルクロッド。
【請求項2】 前記バーピンジャーナルが、第1成形端部と、第2成形端部と、前記第1成形端部と前記第2成形端部との間に配置された中央部分とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のトルクロッド。
【請求項3】 前記中央部分が、概略L型の部材であることを特徴とする請求項2に記載のトルクロッド。
【請求項4】 前記第1バーの長手軸が、前記第1ブッシュを通ることを特徴とする請求項1に記載のトルクロッド。
【請求項5】 前記第1バーの前記長手軸が、前記第1ブッシュの中心を通ることを特徴とする請求項4に記載のトルクロッド。
【請求項6】 前記第2バーの長手軸が、前記第2ブッシュを通ることを特徴とする請求項4に記載のトルクロッド。
【請求項7】 前記第1バーの前記長手軸が、前記第1ブッシュの中心を通り、前記第2バーの前記長手軸が、前記第2ブッシュの中心を通ることを特徴とする請求項6に記載のトルクロッド。
【請求項8】 第1端部ジョイントアッセンブリと、前記第1端部ジョイントアッセンブリに固定された第1バーと、第2端部ジョイントアッセンブリと、前記第2端部ジョイントアッセンブリに固定された第2バーと、第1穴を形成する第1有穴部材と、前記第1有穴部材の前記第1穴内に配置された第1ブッシュと、第2穴を形成する第2有穴部材と、前記第2有穴部材の前記第2穴内に配置された第2ブッシュと、前記第1ブッシュ及び前記第2ブッシュ両方の中に配置され、含み角を規定するバーピンジャーナルとを備えた、前記第1バー及び前記第2バーに固定された頂点部ピボットジョイントシステムとを備えていることを特徴とする、含み角を規定するV字型トルクロッド。
【請求項9】 前記バーピンジャーナルが、第1成形端部と、第2成形端部と、前記第1成形端部と前記第2成形端部との間に配置された中央部分とを備えていることを特徴とする請求項8に記載のトルクロッド。
【請求項10】 前記中央部分が、概略L型の部材であることを特徴とする請求項9に記載のトルクロッド。
【請求項11】 前記第1バーの長手軸が、前記第1ブッシュを通ることを特徴とする請求項8に記載のトルクロッド。
【請求項12】 前記第1バーの前記長手軸が、前記第1ブッシュの中心を通ることを特徴とする請求項11に記載のトルクロッド。
【請求項13】 前記第2バーの長手軸が、前記第2ブッシュを通ることを特徴とする請求項11に記載のトルクロッド。
【請求項14】 前記第1バーの前記長手軸が、前記第1ブッシュの中心を通り、前記第2バーの前記長手軸が、前記第2ブッシュの中心を通ることを特徴とする請求項13に記載のトルクロッド。
【発明の詳細な説明】【0001】(技術分野)本発明は、トラック、バス等のサスペンションシステムに使用するトルクロッドアッセンブリに関する。より厳密には、本発明は、トルクロッドアッセンブリ用の改良された頂点部ピボットジョイントシステムに関する。
【0002】(発明の背景)トラック及びバスのサスペンションは、ドライブアクスルを車両のフレームに連結するために少なくとも1つのトルクロッドを使用する。トルクロッドによってドライブアクスルを車両のフレームに連結すれば、車両のフレームに対するドライブアクスルのアライメントを維持し、車両に対する適正なサスペンションジオメトリを維持することになり、あらゆる地形、路面、運転状態に対しサスペンションが自由にバンプ、リバウンドできるようになる。これらの車両、特に重積載トラックでは、動的な作動条件が広範囲に亘るために、路面がサスペンションシステムに誘起する振動と結びついたサスペンションシステムに加えられる過酷な衝撃荷重が、運転者の肉体的疲労状態に悪い影響を与えるばかりでなく、トルクロッドを含むサスペンションの個々の構成部材に有害な影響を及ぼすことになる。過酷な動的条件はサスペンションシステムのトルクロッドの摩耗を加速し、トルクロッドが早期に損傷することにつながりかねない。
【0003】大型車両におけるトルクロッドの目的はアクスルを安定させることにある。トルクロッドはアクスルがその軸周りに回転することを防ぎ、制動及び加速中に車軸が前後に動くことを防ぎ、アクスルのヨーを防ぐ。サスペンションの設計は様々であるが、通常2つのアプローチの内の1つがアクスルを安定させるために使用される。第1のアプローチは両端にピボットジョイントを設けた直線型のロッドを使用するものである。この直線型のロッドが2本、車両の前後方向に組み付けられ、それぞれ1端がアクスルに、他端がフレームに組み付けられる。第3の直線型のロッドが同様に車両の横方向に、先の2本と概ね直角に組み付けられる。第2のアプローチではV字型トルクロッドアッセンブリを使う。この形式のトルクロッドでは、Vの字の頂点部と各脚の端部とにピボットジョイントが組み付けられる。頂点部はアクスルに組み付けられ、各脚端部はフレームに組み付けられる。V字形状は横方向の動きと前後方向の動きを共に制御する。V字型ロッドアッセンブリの主要な利点はアクスルの安定性にある。
【0004】代表的な先行技術による単一型又はV字型のロッドは、機械的に完全な状態とするため管と堅く接合された2つ又は3つの有穴鍛造品を備えている。この穴及び管は、衝撃及び振動エネルギーをサスペンションシステムからフレーム、キャブ及び車両のばね上の各部に伝達する自然な経路を形成する。この経路を遮断するため、ピボットジョイントに絶縁機能を織り込む設計が試みられてきた。この絶縁機能のために、ピボットジョイントは、トルクロッドアッセンブリの、ひいてはサスペンションシステム全体にとってのきわどい多機能構成部材となっている。
【0005】現在のピボットジョイントの設計は、2つの製品原理の内の少なくとも1つに基づいている。第1は、柔軟性のあるエラストマーブッシュが設計に組み込まれているものであり、第2は、金属対金属又は金属/プラスチックの構成部品が設計に組み込まれているものである。両設計共それぞれ個々に長所を有してはいるが、その性能容量の限界の故に、どちらも、ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス(NVH)絶縁容量、ねじり又は振動自由度、横ばね常数制御の必要とされる組み合わせを満足できていない。これら3つの特性はそれぞれ、必要な車両の操縦安定性を維持しながら最適の絶縁性を提供するのに基本的な要素である。これら3つの特性は全て、NVHと操縦性に多大な影響を及ぼすので、運転者の肉体的状態に与える影響も大きい。柔軟性のあるエラストマーブッシュを組み込んでいるピボットジョイント設計は、絶縁性能に優れていることは知られているが、その本来的な柔軟性の故に、V字型ロッドの頂点部に剛性の高いジョイントを配した場合に得ることのできる安定性を犠牲にすることになる。更に、柔軟性のあるエラストマーブッシュの限界のあるねじり振動角容量とねじりばねの固有ゼロ点とが、この形式のピボットジョイントを有するトルクロッドの装着を複雑にしている。剛体金属又は金属/プラスチックのボールジョイントのピボットを組み込んだピボットジョイント設計は、滑り軸受け製品の原理に基づいている。滑り軸受けの原理は、垂直面内でのサスペンションの自由度を提供し、搭載プロセスは比較的単純になるが、ベアリングの剛性が絶縁性能に限界を設けることになる。その結果、このジョイントは、路面に誘起された衝撃及び振動をフレームに、そして最後にはキャブへと伝える導管になる。剛体金属又は金属/プラスチック設計のこの他の短所は、この設計が、精度の必要なベアリングもどきの数多くのコストの高い部品で構成され、摩耗、裂け、外面切傷等と無縁ではない高価なブーツシールを必要とするということである。更に、滑り軸受け設計では、定期的な保守と潤滑が必要となる。
【0006】V字型構造(ピボットジョイント3個使いの設計)では、最も重要な構成部品は、通常ドライブアクスル上に配置される頂点部ピボットジョイントである。この頂点部のピボットジョイントの設計が重要なのは、このジョイントが各アーム又はフレーム接合ピボットの荷重の倍の荷重に曝され、フレーム接合ジョイントよりも大きな角変位に曝され、路面に誘起される衝撃、タイヤノイズ、振動の発生源に一般的に最も近く、その前後方向と横方向のばね常数の比がピボットジョイントの絶縁性能と車両の安定性に影響するからである。
【0007】サスペンション構成部品用のピボットジョイント、特に頂点部のピボットジョイントに関する開発は、ピボットジョイントのもたらす安定性を最大化しながら同時に絶縁性能を最大化するピボットジョイントを設計することに継続して向けられている。
【0008】(発明の概要)本発明は、高い負荷容量と共に改良された性能を提供する頂点部ピボットジョイントシステムに関する技術を提供する。本発明の頂点部ピボットジョイントシステムは、経済的であり、振動絶縁に効果的である。本発明の頂点部ピボットジョイントシステムは内部L型部材を共有する2つの基本的なピボットジョイントアッセンブリを含んでいる。L型部材は、脚部材の中心軸が頂点部のブッシュを通るように、2つのピボットジョイントを配置している。
【0009】本発明のこの他の利点及び目的は、以下の詳細な説明及び添付の請求項及び図面を参照いただければ、当業者には明らかになるであろう。
(好適な実施例の詳細な説明)図面に関することであるが、類似の参照番号は、幾つかの図面を通して類似の又は対応する部品を指す。図1は先行技術によるトラック又はバスのリヤサスペンションを示し、全体を参照番号10とする。リヤサスペンション10は、フレーム12、ドライブアクスル14、一対のばね16、V字型トルクロッド18を備えている。フレーム12は、ボディ(図示せず)及びばね上重量と呼ばれるその他の構成部材を支えている。ドライブアクスル14は、プロペラシャフト(図示せず)を通してエンジン(図示せず)からトルクを受け取るディファレンシャル20を含んでいる。ドライブアクスル14は更に、各々各ホイールアッセンブリ(図示せず)へと伸びる一対の中空管22を含んでいる。管22の内部には、それぞれ、ホイール(図示せず)が取り付けられるハブ(図示せず)に向かって伸びるドライブシャフト24が配置されている。エンジンは、プロペラシャフトを通してディファレンシャル20にトルクを伝達する。ディファレンシャル20は、プロペラシャフトからドライブシャフト24へとトルクを伝達し、ホイールを回して駆動する。スプリング16は、当技術分野ではよく知られているようにフレーム12とドライブアクスル14との間に配置される。更に、ショックアブソーバ(図示せず)をフレーム12とドライブアクスル14との間に配置して、これら2つの構成部材の間の運動を減衰することもできる。トルクロッド18もフレーム12とドライブアクスル14との間に配置され、フレーム12に対するドライブアクスル14の運動を制御する。
【0010】次に図2であるが、V字型トルクロッド18は、頂点部ピボットジョイントアッセンブリ30、一対の端部ピボットジョイントアッセンブリ32、一対の管34を備えている。管34はそれぞれ、頂点部ピボットジョイントアッセンブリ30と各端部ピボットジョイントアッセンブリ32との間に伸長している。頂点部ピボットジョイントアッセンブリ30と端部ピボットジョイントアッセンブリ32とは、溶接又は当技術分野では既知の他の手段により管34にしっかりと固定されている。
【0011】次に図3であるが、これは本発明により作られた独特の頂点部ピボットジョイントシステムを組み込んだトラック又はバス用のリヤサスペンションであり、全体を参照番号110とする。リヤサスペンション110は、フレーム12、ドライブアクスル14、一対のばね16、V字型トルクロッド118を備えている。リヤサスペンション110は、このように、トルクロッド18をトルクロッド118に替えている点を除けばリヤサスペンション10と同じである。
【0012】次に図4であるが、V字型トルクロッド118は、頂点部ピボットジョイントシステム130、一対の端部ピボットジョイントアッセンブリ132、一対の管34を備えている。管34はそれぞれ、頂点部ピボットジョイントシステム130と各端部ピボットジョイントアッセンブリ132との間に伸長している。頂点部ピボットジョイントシステム130と端部ピボットジョイントアッセンブリ132とは、溶接又は当技術分野では既知の他の手段により管34にしっかりと固定されている。
【0013】頂点部ピボットジョイントシステム130は、第1ピボットジョイントアッセンブリ140と、第2ピボットジョイントアッセンブリ142を備えている。ピボットジョイントアッセンブリ140は、有穴部材150、ブッシュ152、バーピンジャーナル即ちインナーメンバー154を備えている。同じく、ピボットジョイントアッセンブリ142も、有穴部材150、ブッシュ152、インナーメンバー154を備えている。
【0014】インナーメンバー154は概ねL型の部材であり、V字型トルクロッド118として望ましい角度で曲げられている。インナーメンバー154は、ピボットジョイントアッセンブリ140の一部を形成する第1機械加工端部160と、ピボットジョイントアッセンブリ142の一部を形成する第2機械加工端部162を有している。両端部160と162は中央部164で繋がっている。各機械加工端部160、162は、ブッシュ152と嵌合する成形直径部166と、概ね長方形の部分168とを含んでおり、この長方形部168を使ってV字型トルクロッド118が、図3に示すようにブラケット117を介してドライブアクスル118に組み付けられる。
【0015】各端部ピボットジョイントアッセンブリ132は、有穴部材150、ブッシュ152、インナーメンバー174を備えている。インナーメンバー174は概ね直線状のバーであり、ブッシュ152と嵌合する成形直径部176と、一対の概ね長方形の部分178とを有しており、この長方形部178を使ってV字型トルクロッド118が、図3に示すようにブラケット180を介してフレーム112に組み付けられる。
【0016】V字型トルクロッド118をアッセンブリする工程には、管34の両端部を機械加工して有穴部材150の外径に合わせる段階が含まれる。次に、予め成形された有穴部材150が管34の各端部に溶接される。予め成型されたインナーメンバー154及び各インナーメンバー174はそれぞれのブッシュ152とアッセンブリされ、ブッシュ152はそれぞれのメンバー154又は174に接着される。一組のメンバー174とブッシュ152とが、有穴部材150にブッシュ152を圧縮しながら挿入してアッセンブリされる。有穴部材150と、メンバー174上にアッセンブリされたブッシュ152との寸法によってブッシュ152の圧縮率が決まる。二番目の組のメンバー174とブッシュ152とが、先の組と同じやり方で、有穴部材150内へアッセンブリされる。最後に、メンバー154とその2つのブッシュ152とが、2つの有穴部材150それぞれの中へアッセンブリされる。メンバー154、174、ブッシュ152、有穴部材150のアッセンブリは、個々に行ってもよければ、グループで行ってもよく、これらを同時にアッセンブリしてもよい。上記説明では、ブッシュ152をメンバー154、174とアッセンブリし、それから有穴部材150に挿入するようにしたが、必要であれば、先ずブッシュ152を有穴部材150にアッセンブリし、それからメンバー154、174を挿入する場合も、本発明の範囲に含まれる。トルクロッド118は、例として溶接管アッセンブリとして示したが、鋳造、鍛造、溶接構造、据え込み部材、ポリマー、及び当該技術分野で既知の他の形式の構造の何れで製作する場合も、本発明の範囲に含まれる。
【0017】V字型トルクロッド118は、製造業者に多くの利点を提供する。第1の利点は、端部ピボットジョイントアッセンブリ132と頂点部ピボットジョイントシステム130との間の構成部品の共通化が図れることである。これらの構成部品の全てが同じか又は類似しているというのは必要条件ではないが、設計的には同じにする機会を提供する。もう1つの利点は、各脚部長手部材の中心軸が頂点部のブッシュを通るようにトルクロッド118を組み付けることによって、金属構成部品内の応力が著しく低減されるということである。金属構成部品内の応力は70%も低減することができる。更に、このように設計すれば、ブッシュに掛かる横向きの荷重は最小となり、ブッシュの横方向の動きを著しく減らすことができる。
【0018】上記詳細な説明では本発明の好適な実施例を説明してきたが、添付した請求の範囲とその正当な意味から逸脱することなく、本発明に修正、変更を加えうることを理解頂きたい。
【出願人】 【識別番号】599107371
【氏名又は名称】ザ・プルマン・カンパニー
【出願日】 平成12年7月3日(2000.7.3)
【代理人】 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫 (外4名)
【公開番号】 特開2001−47825(P2001−47825A)
【公開日】 平成13年2月20日(2001.2.20)
【出願番号】 特願2000−201102(P2000−201102)