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【発明の名称】 キャンバ調整式ストラット
【発明者】 【氏名】加藤 康之

【要約】 【課題】車輪からの振動の減衰特性を損ねることなく、多様の車種にも容易に取付可能でキャンバ角の調整ができるキャンバ調整式ストラットを提供する。

【解決手段】本発明のキャンバ調整式ストラットは、シリンダ31とこのシリンダ31に取り付けられたピストンロッド32とを有するショックアブソーバ33と、このショックアブソーバ33に外装されるコイルスプリング35とを備えたストラットにおいて、ショックアブソーバ33の下端に回転可能に取り付けられ、調整ネジ57により回転しハブ61を介して取り付けられた車輪60のキャンバ角が変えられるキャンバ調整機構を備えた構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダと該シリンダに取り付けられたピストンロッドとを有するショックアブソーバと、該ショックアブソーバに外装されるコイルスプリングとを備えたストラットにおいて、前記ショックアブソーバの下端に回転可能に取り付けられ、調整ネジにより回転しハブを介して取り付けられた車輪のキャンバ角が変えられるキャンバ調整機構を備えたことを特徴とするキャンバ調整式ストラット。
【請求項2】 シリンダと該シリンダに取り付けられたピストンロッドとを有するショックアブソーバと、該ショックアブソーバに外装されるコイルスプリングとを備えたストラットにおいて、前記ショックアブソーバの下端に回転可能に取り付けられ、調整ネジにより回転しハブを介して取り付けられた車輪のキャンバ角が変えられるキャンバ調整機構と、前記シリンダの外周に取り付けられ前記コイルスプリングの下端に当接するスプリング受の上下位置が変えられる車高調整機構とを備えたことを特徴とするキャンバ調整式ストラット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用のストラットに関し、特に、車輪からの振動の減衰特性を損ねることなく、多様の車種にも容易に取付可能でキャンバ角の調整ができるキャンバ調整式ストラットに関する。
【0002】
【従来の技術】車両に装着されるストラットは、車体と車輪の間に取り付けられ車輪からの振動を吸収するものである。
【0003】図4は、従来から一般的に知られている車両用のストラット10を示す。このストラット10は、シリンダ1とピストンロッド2とで構成されているショックアブソーバ3と、ショックアブソーバ3に外装されたコイルスプリング5とを備えている。
【0004】コイルスプリング5は、ピストンロッド2の上端に取り付けられた上側スプリング受6と、シリンダ1に取り付けられたリンク状の下側スプリング受7とにより上下が係止されている。ピストン2は、上側スプリング受6の上側でゴムブッシュ9を介し車体のタイヤハウス4に取り付けられる。シリンダ1の下端には取付ブラケット8が取り付けられ、この取付ブラケット8はハブ(図示せず)を介し車輪(図示せず)に取り付けられる。
【0005】なお、前輪には走行安定性を得るために正面から見てハの字状に傾斜させる所謂キャンパ角が設けられているが、同一車種でも、コーナリングを走行するときに、より安定性のある走行が行えるようにキャンバ調整機構20を取り付けキャンバ調整が行えるようにすることがある。
【0006】図5は、ストラット10に従来のキャンバ調整機構20を取り付けたときの側面図を示す。このキャンバ調整機構20は、上側スプリング受6とタイヤハウス4との間でピストンロッド2に挿入されるピロボール21と、調整ネジ(図示せず)を有し矢印Pで示すごとくストラット10の車体への取付部を車両の左右方向に移動させキャンバを調整するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のストラット10には、次のような問題があった。
【0008】上記したごとく、キャンバ調整機構20は、キャンバ角を調整できるため運転者の要望に合った走行安定性を得るようにすることができるが、同一車種にこのキャンバ調整機構20を取り付けた場合には、寸法的制約からゴムブッシュ9は取り除かねばならず、車輪からの振動の減衰特性を損ねる恐れがあった。また、ワンボックス車などの場合には、キャンバ調整機構20は上部がダッシュボードなどで覆われているため、この従来のキャンバ調整機構20は取付ができないという問題があった。
【0009】本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車輪からの振動の減衰特性を損ねることなく、多様の車種にも容易に取付可能でキャンバ角の調整ができるキャンバ調整式ストラットを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明のキャンバ調整式ストラットは、シリンダと該シリンダに取り付けられたピストンロッドとを有するショックアブソーバと、該ショックアブソーバに外装されるコイルスプリングとを備えたストラットにおいて、前記ショックアブソーバの下端に回転可能に取り付けられ、調整ネジにより回転しハブを介して取り付けられた車輪のキャンバ角が変えられるキャンバ調整機構を備えた構成とした。
【0011】また、本発明のキャンバ調整式ストラットは、シリンダと該シリンダに取り付けられたピストンロッドとを有するショックアブソーバと、該ショックアブソーバに外装されるコイルスプリングとを備えたストラットにおいて、前記ショックアブソーバの下端に回転可能に取り付けられ、調整ネジにより回転しハブを介して取り付けられた車輪のキャンバ角が変えられるキャンバ調整機構と、前記シリンダの外周に取り付けられ前記コイルスプリングの下端に当接するスプリング受の上下位置が変えられる車高調整機構とを備えた構成とした。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】図1は、本発明に関わるキャンバ調整式ストラット30の全体構造を説明するための外観図を示す。
【0014】キャンバ調整式ストラット30は、油圧式のショックアブソーバ33と、コイルスプリング35と、車高調整機構40と、キャンバ調整機構50とで構成されている。
【0015】近年、自動車は多様化の傾向が強く、車高調整機構40は、キャンバ調整をしたとき、さらに、運転者の要望に合った走行安定性を得るために車高調整を行えるようにするものである。
【0016】ショックアブソーバ33はシリンダ31とピストンロッド32とで構成され、ピストンロッド32は、先端に取り付けられたオリフィスのあるピストン(図示せず)が油の封入されたシリンダ31に挿入され、垂直方向に移動可能に取り付けられている。
【0017】シリンダ31の外周には車高調整機構40が設けられ、車高調整機構40は、下側スプリング受47と、ロックナット42と、ネジ部41Aのある円筒ブラケット41により構成されている。円筒ブラケット41は、シリンダ31の外周に取り付けられ、円筒ブラケット41のネジ部41Aにはリンク状の下側スプリング受47と、ロックナット42とが螺着されている。下側スプリング受47は回転により上下に移動し、ロックナット42によりロックすることができる。コイルスプリング35は、ピストンロッド32と円筒ブラケット41に外装し、上部はピストンロット32の外周に設けられたリンク状の上側スプリング受36に係止し、下部は前記したごとく下側スプリング受47により係止されている。
【0018】上側スプリング受36の上側で ピストンロット32はゴムブッシュ39を介して上端が車体のタイヤハウス4に取り付けられている。
【0019】従って、円筒ブラケット41に螺着した下側スプリング受47を回転することにより車高調整することができ、ロックナット42により下側スプリング受47をロックすることができる。
【0020】キャンバ調整機構50は、シリンダ31の下端に取り付けられ、取付ブラケット38と、キャンバ調整ブラケット51とで構成されている。キャンバ調整ブラケット51は、取付ピン56により回転自在に取付ブラケット38に取り付けられ、調整ネジ57を回すことにより所望の回転位置にすることができる。調整ネジ57には、ピロボール58が固着されている。
【0021】図2は、取付ブラケット38と、キャンバ調整ブラケット51の斜視図を示し、図2の(A)は、取付ブラケット38の斜視面図を示し、図2の(B)は、取付ブラケット38に取り付けられるキャンバ調整ブラケット51の斜視図を示す。
【0022】図2の(A)に示すごとく、取付ブラケット38は、取付ピン56(図1参照)が取り付けられる取付穴38Aが形成され、さらに、調整ネジ57(図1参照)が貫通される貫通穴38Bと、ピロボール58(図1参照)の取付穴38Cとが形成されている。取付ブラケット38には、取付穴38Cの所定の内部位置にピロボール58が内装される。
【0023】図2の(B)に示すごとく、キャンバ調整ブラケット51は、ハブ61(図3参照)が取り付けられる空間部52と、取付ブラケット38が取り付けられる空間部53とが形成され、空間部52の側面には合計4個のハブ取付穴59が形成され、空間部53の側面には取付ピン56(図1参照)の取付穴54と、調整ネジ57(図1参照)が取り付けられるネジ溝55が形成されている。
【0024】キャンバ調整ブラケット51を取付ブラケット38に取り付けるときには、空間部53に取付ブラケット38を挿入し、取付ピン56を取付穴54と取付穴38Aに挿入して、キャンバ調整ブラケット51を取付ピン56に回転可能に取り付ける。調整ネジ57は、貫通穴38Bとピロボール58とを貫通する状況で左右のネジ溝55に取り付けられる。その後、ピロボール58は、作業穴51Aよりビス(図示せず)で調整ネジ57に固定される。
【0025】図3は、本発明に関わるキャンバ調整式ストラット30を車体に取り付け、キャンバ角αを変えたときの状況を示す。図3の(A)は、キャンバ角αを基準値にしたときのキャンバ調整式ストラット30の全体側面図を示し、図2の(B)は、キャンバ角αを大きくしたときのキャンバ調整式ストラット30の全体側面図を示す。キャンバ調整機構50にはハブ61を介し車輪60が取り付けらている。
【0026】図3の(A)ではキャンバ調整ブラケット51は、調整ネジ57が締め込まれる方向に回されてロックピン57Aによりロックされ、時計方向に回転されておりハブ61を介し装着された車輪60は基準値のキャンバ角α(S)に調整されている。
【0027】図3の(B)ではキャンバ調整ブラケット51は、調整ネジ57が緩める方向に回されてロックピン57Aによりロックされ水平方向にされており、ハブ61を介し装着された車輪60は基準値より大きなキャンバ角α(M)に調整されている。
【0028】なお、以上の実施例では、シリンダ31(図1参照)は油圧式について述べたがエア式にすることもできる。
【0029】以上、本発明に関わるキャンバ調整式ストラット30は、上記したごとく、同一車種でキャンバ調整が行えるようにしたとしても上端にゴムブッシュ39は取り付けたままであり、車輪からの振動の減衰特性を損ねることなく、また、ワンボックス車などの上部がダッシュボードなどで覆われている場合でも、多様の車種に容易に取付可能でキャンバ角の調整を行うことができる。
【0030】また、キャンバ調整が行えるようにした場合にも、車高の調整を行い所望の走行安定性を得るようにすることができる。
【0031】
【発明の効果】本発明のキャンバ調整式ストラットは、シリンダとこのシリンダに取り付けられたピストンロッドとを有するショックアブソーバと、このショックアブソーバに外装されるコイルスプリングとを備えたストラットにおいて、ショックアブソーバの下端に回転可能に取り付けられ、調整ネジにより回転しハブを介して取り付けられた車輪のキャンバ角が変えられるキャンバ調整機構を備えたため、同一車種でキャンバ調整が行えるようにしたとしても上端にゴムブッシュは取り付けたままにでき、車輪からの振動の減衰特性を損ねることなく、また、ワンボックス車などの上部がダッシュボードなどで覆われている場合でも、多様の車種に容易に取付可能でキャンバ角の調整を行うことができる。
【0032】また、本発明のキャンバ調整式ストラットは、シリンダとこのシリンダに取り付けられたピストンロッドとを有するショックアブソーバと、このショックアブソーバに外装されるコイルスプリングとを備えたストラットにおいて、ショックアブソーバの下端に回転可能に取り付けられ、調整ネジにより回転しハブを介し取り付けられた車輪のキャンバ角が変えられるキャンバ調整機構と、シリンダの外周に取り付けられコイルスプリングの下端に当接するスプリング受の上下位置が変えられる車高調整機構とを備えたため、キャンバ調整が行えるようにした場合にも、車高の調整を行い所望の走行安定性を得るようにすることができる。
【出願人】 【識別番号】599090925
【氏名又は名称】有限会社 キーン ジャパン
【出願日】 平成11年7月27日(1999.7.27)
【代理人】 【識別番号】100077827
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 弘男
【公開番号】 特開2001−39137(P2001−39137A)
【公開日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【出願番号】 特願平11−211742