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リアサスペンション装置 - 特開2001−39136 | j-tokkyo
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【発明の名称】 リアサスペンション装置
【発明者】 【氏名】笠原 民良

【要約】 【課題】トー変化やキャンバー変化の設定と床下スペースを自由に選択することができ、新たに質量体を追加すること無くダイナミックダンパを配置することができるリアサスペンション装置を提供する。

【解決手段】ホイール2a、2b及び左右の車輪4a、4bを、車両前後方向に延在しているトレーリングアーム6a、6bの車両後方の端部で回転自在に支持し、トレーリングアームの車両前方の端部を車体に上下方向に揺動可能に取り付け、トレーリングアーム間をクロスビーム10で連結した装置である。クロスビームの両端10b、10cを、略車幅方向に延在する回転軸回りの回転だけを許容する回転ジョイント部12a、12bでトレーリングアームに連結し、ビーム本体10aを、前記回転ジョイント部の回転軸R2 より車両後方側で車幅方向に延在するように配置した。また、一対のトレーリングアームとクロスビームの両端側との間に弾性ブッシュ14a、14bを配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右の車輪を、互いに車幅方向に離間配置して車両前後方向に延在している一対のトレーリングアームの車両後方の端部でそれぞれ回転自在に支持し、当該一対のトレーリングアームの車両前方の端部を車体に上下方向に揺動可能に取り付け、前記一対のトレーリングアーム間をクロスビームで連結してなるリアサスペンション装置において、前記クロスビームの両端を、略車幅方向に延在する回転軸回りの回転のみを許容し、それ以外の変位を拘束する回転ジョイント部で前記一対のトレーリングアームに連結するとともに、前記両端以外の前記クロスビームのビーム本体を、前記回転ジョイント部の回転軸に対してオフセットした位置で車幅方向に延在するように配置したことを特徴とするリアサスペンション装置。
【請求項2】 前記車体に上下方向に揺動可能に取り付けた一対のトレーリングアームの車両前方の端部に対して、前記クロスビームを車両後方に配置したことを特徴とする請求項1記載のリアサスペンション装置。
【請求項3】 前記一対のトレーリングアームに対して、前記クロスビームの前記ビーム本体を車両下方に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載のリアサスペンション装置。
【請求項4】 前記一対のトレーリングアームに対する前記クロスビームの回転を規制するように、前記一対のトレーリングアームとクロスビームの両端側との間に弾性ブッシュを介在し、前記クロスビームのオフセットに伴う回転イナーシャと前記弾性ブッシュのばねとによりダイナミックダンパを構成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のリアサスペンション装置。
【請求項5】 前記ダイナミックダンパの固有周波数を、ばね下部材の上下固有周波数に一致させるとともに、前記前記クロスビームのビーム本体を、前記回転ジョイント部の回転軸に対して車両前後方向にオフセットして配置したことを特徴とする請求項4記載のリアサスペンション装置。
【請求項6】 前記ダイナミックダンパの固有周波数を、ばね下部材の前後固有周波数に一致させるとともに、前記前記クロスビームのビーム本体を、前記回転ジョイント部の回転軸に対して車両上下方向にオフセットして配置したことを特徴とする請求項4記載のリアサスペンション装置。
【請求項7】 前記クロスビームのビーム本体を、前記回転ジョイント部の回転軸に対して車両後方で、且つ車両下方の位置に配置し、或いは、前記回転ジョイント部の回転軸に対して車両前方で、且つ車両上方の位置に配置したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のリアサスペンション装置。
【請求項8】 前記回転ジョイント部を、前記トレーリングアームの内部に設けたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のリアサスペンション装置。
【請求項9】 前記クロスビームのビーム本体と前記車体との間にコントロールリンクを配置し、当該コントロールリンクにより前記クロスビームの車両上下方向の移動を規制することを特徴とする請求項1又は2記載のリアサスペンション装置。
【請求項10】 前記コントロールリンクの一端及び他端を結んだ第1軸線が、前記トレーリングアームに連結する前記クロスビームの前記回転ジョイント部と前記トレーリングアームの車両前方の前記端部とを結んだ第2軸線に対して、車両側面視において車両前方で交差するように、該コントロールリンクを略車体前後方向に延在して配置したことを特徴とする請求項9記載のリアサスペンション装置。
【請求項11】 前記コントロールリンクを、車両側面視において前記トレーリングアームの近傍に設け、且つ、略車両上下方向に延在して前記クロスビームのビーム本体と前記車体との間に連結したことを特徴とする請求項9記載のリアサスペンション装置。
【請求項12】 前記トレーリングアームに連結する前記クロスビームの前記回転ジョイント部の回転軸を、車両上方視において、車幅方向外方に向かうに従い車両前方に位置するように車幅方向に対して傾斜した軸としたことを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載のリアサスペンション装置。
【請求項13】 前記トレーリングアームに連結する前記クロスビームの前記回転ジョイント部の回転軸は、車両後方視において、車幅方向の外方に向かうに従い車両下方に位置するように水平線に対して傾斜した軸としたことを特徴とする請求項9乃至12の何れかに記載のリアサスペンション装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リアサスペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リアスペンションとして、例えば、特開平62−205812号公報(以下、先願技術1と称する。)、実開昭57−151107号公報(以下、先願技術2と称する。)及び実開昭51−156116号公報(以下、先願技術3と称する。)の技術が知られている。
【0003】先願技術1は、左右の後車輪を支持する一対の支持部材のホイールセンタを結んだ線に沿って支持部材間にクロスメンバが連結し、後端をクロスメンバに連結し、前端を車体に連結した一対のトレーリングアームを上下に揺動自在に配置し、一端がクロスメンバに連結し、他端が車体に連結したラテラルロッドを車幅方向に延びた状態で設けたトーションビーム式サスペンションであり、一対のトレーリングアームのアーム相互の間隔を、アームの前端より後端で広くなるように配設し、ラテラルロッドを、ホイルセンタを結んだ線より車両後方側に連結している。
【0004】また、先願技術2は、第1パイプを第2パイプに同一軸線となるように回動自在に外嵌し、これら第1及び第2パイプの端部にそれぞれ車両後方に延びるように一対のトレーリングアームを固定し、第1及び第2の軸線上に第1及び第2トーションバーを配置し、これら第1及び第2トーションバーの端部を車体に連結し、一対のトレーリングアームの端部に、左右の後車輪を支持する一対の支持部材を連結したサスペンション装置である。
【0005】また、先願技術3は、左右の車輪に、それぞれ車両前後方向に延在する一対のトレーリングアームの一端が連結し、これらトレーリングアームの他端に車幅方向に延在している一対のクロスビームの一端側が連結し、これら一対のクロスビームの車幅方向内方の他端に、車幅方向中央位置で車体に連結し、且つ回転軸が車幅方向中央から車幅方向に対して斜めに延在した回転ジョイント部材が連結したサスペンション装置である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した先願技術1〜3のサスペンション装置(所謂トーションビーム式サスペンション)は、サスペンションにロール入力が加えられた時のキャンバ角変化特性が、主に、クロスビームのねじり中心や回転中心がどこに位置するかで決定される。すなわち、クロスビームのねじり中心や回転中心が比較的車両前後方向の前方にあれば、ロール時のキャンバ角の車体に対する変化量が小さく、対地キャンバ角で言えば、ポジティブ方向への変化が大きくなる。逆に、クロスビームのねじり中心や回転中心が車両前後方向の比較的後方にあれば、ロール時のキャンバ角の車体に対する変化量が大きく、対地キャンバ角で言えば、ポジティブ方向への変化が小さくなる。
【0007】このように、クロスビームの前後方向の位置はサスペンションのキャンバ変化特性に大きく影響しているが、一方で、床下には、ガソリンタンクやスペアタイヤといった部材の場所を確保する必要がある。図15、16は、リアサスペンション装置の一例を示すものであり、左右の後車輪4a、4b及びホイール2a、2bの中心C1 が、車両前後方向に延在している一対のトレーリングアーム6a、6bの車両後方側に位置する一端6a1 、6b1 に回転自在に支持されている。また、各トレーリングアーム6a、6bの他端6a2 、6b2 が車体に上下方向に揺動自在に連結されている。そして、トレーリングアーム6a、6b間にクロスビーム7が連結されているが、後席からリアサスペンションにかけてのスペースに大型のガソリンタンク8を配置するためには、図15に示すようにクロスビーム7を車両後方に配置せざるを得ず、このようにすると、ロールに伴う後車輪4a、4bの対車体キャンバ角変化が大きくなってしまい、ホイールハウスを小さくすることが困難になる。また、車両のリアオーバーハングを短くした車両を企画するために、図16に示すように、スペアタイヤ9を後車輪4a、4bに対してより車両前方に配置しようとすると、クロスビーム7をより車両前方に配置せざるを得ず、ロールに伴う後車輪4a、4bの対車体キャンバ角変化が小さくなってしまい、ロール角の大きな、車両の旋回求心加速度の大きな領域での後車輪4a、4bのグリップ力を高めることが容易ではなかった。
【0008】このように、従来のトーションビーム式サスペンションは、キャンバ変化の設定自由度とリアの床下スペースを自由に選択することができなかった。また、図17はクロスビーム7を車両前方に配置した場合を斜視図で示し、図18はクロスビーム7を車両後方に配置した場合を斜視図で示しているが、これらの図を参照してトレーリングアーム6a、6bとクロスビーム7の左右逆相の振動モードを考えると、トレーリングアーム6a、6bとクロスビーム7の結合部にマスが付加された形になるので、全体の振動モードは、トレーリングアーム6a、6bとクロスビーム7の結合部付近が不動点となって、クロスビーム7がねじれるような振動モ一ドとなる。したがって、クロスビーム7をできるだけ前側に配置したほうが、車体取り付け点の上下振動量が小さくなるので、ロードノイズの防振性能上、有利である。しかしながら、後席からリアサスペンションにかけてのスペースに大型のガソリンタンクを配置するためには、クロスビーム7を比較的後方に配置せざるを得ない場合があり、そのような場合には、ロードノイズ性能と、床下レイアウトが両立できなかった。
【0009】また、クロスビームが比較的後方に配置される先願技術1のようなサスペンションは、サスペンションのバウンドに伴い、クロスビーム部材が、大きく上下に振れまわるため、エキゾースト部材を上下方向に大きく屈曲させて配置する必要があったり、あるいは、クロスビーム部材の振れまわりを避けて、車体サイドメンバやフロアを、比較的高く配置せざるを得ず、室内スペースあるいは荷室の床面が高くなって、車両の後輪周りのスペースが有効に活用されないという問題があった。
【0010】また、先願技術1〜3のリジッドアクスルサスペンションは、ストラット式サスペンションやダブルウィッシュボーン式サスペンションのような独立懸架式サスペンションと比較して、タイヤ外面が車両内側に入り、かつ、ホイルハウスも大きいという問題があった。すなわち、リジッドアクスルサスペンションは、左右輪がバウンドモード( 同相) でストロークする際には、車輪はキャンバ変化せずに、車両後面視でまっすぐに上方にストロークするので、ホイールハウスとタイヤの干渉を防ぐために、タイヤを車両内側に配置しておく必要がある。一方、左右輪がロールモード( 逆相) でストロークする際には、車輪がキャンバ変化するので、バウンド側において、ホイルハウスの車両内側とタイヤが干渉しないように、ホイルハウスを大きくする必要がある。
【0011】すなわち、バウンド時にもロール時にも同じキャンバ変化( タイヤ軌跡) をする独立懸架式サスペンションと比べて、先願技術1〜3のリジッドアクスルサスペンションは、車輪が車体外面に対して車両内側に置かざるを得ないため、車両の見栄えの点で独立懸架式サスペンションに及ばなかった。また、ホイルハウスも車両内側に大きくする必要があるため、室内あるいは荷室のスペースを削減し、使い勝手を悪化させていた。
【0012】さらに、先願技術3は、回転ジョイント部材が、略クロスビームの軸線と一致する位置に配置されているので、回転ジョイント部材回りに中間部材が回転することによって生ずる、振動的な、いわゆるダイナミックダンバー効果を発揮することはできなかった。しかも、この先願技術3は、回転ジョイント部材を車両内側に配置しているので、回転ジョイント部材を配置する位置の制約が大きく、床下にガソリンタンクを設けるような車両レイアウトに対しては、適用が困難であった。
【0013】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、トー変化やキャンバー変化の設定とリアサスペンション回りの床下スペースを自由に選択することができるとともに、新たに質量体を追加すること無くダイナミックダンパを配置して防振効果を高めることができるリアサスペンション装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、左右の車輪を互いに車幅方向に離間配置して車両前後方向に延在している一対のトレーリングアームの車両後方の端部でそれぞれ回転自在に支持し、当該一対のトレーリングアームの車両前方の端部を車体に上下方向に揺動可能に取り付け、前記一対のトレーリングアーム間をクロスビームで連結してなるリアサスペンション装置において、前記クロスビームの両端を、略車幅方向に延在する回転軸回りの回転のみを許容し、それ以外の変位を拘束する回転ジョイント部で前記一対のトレーリングアームに連結するとともに、前記両端以外の前記クロスビームのビーム本体を、前記回転ジョイント部の回転軸に対してオフセットした位置で車幅方向に延在するように配置した。
【0015】この発明によると、左右の車輪が同相にバウンドする際には、一対のトレーリングアームの車両前方の端部回りに回転するフルトレーリングサスペンションのような特性になる。また、左右の車輪が逆相にバウンドする際には、車幅方向中心線及びクロスビームの両端の回転軸が交差する交点と、トレーリングアームの車両前方の端部とを結んだ軸線回りにトレーリングアームが回転する特性となる。このことから、前記交点を、車両前後方向、車両上下方向に適切に配置することによって望ましいトー変化特性や、キャンバー変化特性の設定が可能となる。また、サスペンションのトー変化特性とは独立してクロスビームを配置できるので、クロスビームを、地上高いっぱいまで低く配置して、車両のリアフロア高やサイドメンバ高さを低く抑え、車室内のスペースを拡大することができる。
【0016】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のリアサスペンション装置において、前記車体に上下方向に揺動可能に取り付けた一対のトレーリングアームの車両前方の端部に対して、前記クロスビームを車両後方に配置した。この発明によると、後席フロア下にガソリンタンクを置くような車両レイアウトの場合、ガソリンタンクの容量を確保することが可能となる。
【0017】また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のリアサスペンション装置において、前記一対のトレーリングアームに対して、前記クロスビームの前記ビーム本体を車両下方に配置した。この発明によると、車両操舵時の車輪のロールステアをアンダステア方向に確保して車両安定性を向上させるとともに、リアフロア高さを低くすることが可能となる。
【0018】また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載のリアサスペンション装置において、前記一対のトレーリングアームに対する前記クロスビームの回転を規制するように、前記一対のトレーリングアームとクロスビームの両端側との間に弾性ブッシュを介在し、前記クロスビームのオフセットに伴う回転イナーシャと前記弾性ブッシュのばねとによりダイナミックダンパを構成した。この発明によると、新たに質量体を追加すること無くダイナミックダンパが配置され、防振効果が高められて車両の乗り心地が向上する。
【0019】また、請求項5記載の発明は、請求項4記載のリアサスペンション装置において、前記ダイナミックダンパの固有周波数を、ばね下部材の上下固有周波数に一致させるとともに、前記前記クロスビームのビーム本体を、前記回転ジョイント部の回転軸に対して車両前後方向にオフセットして配置した。この発明によると、ばね下上下振動が効果的に除去され、防振効果がさらに高まる。
【0020】また、請求項6記載の発明は、請求項4記載のリアサスペンション装置において、前記ダイナミックダンパの固有周波数を、ばね下部材の前後固有周波数に一致させるとともに、前記前記クロスビームのビーム本体を、前記回転ジョイント部の回転軸に対して車両上下方向にオフセットして配置した。この発明によると、ばね下前後振動が効果的に除去されて、防振効果がさらに高まる。
【0021】また、請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載のリアサスペンション装置において、前記クロスビームのビーム本体を、前記回転ジョイント部の回転軸に対して車両後方で、且つ車両下方の位置に配置し、或いは、前記回転ジョイント部の回転軸に対して車両前方で、且つ車両上方の位置に配置した。この発明によると、特に、車両が前方に走っている時の車輪への入力が有効にダイナミックダンパに伝わり、振動の車体への伝達を効果的に防止する。
【0022】また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載のリアサスペンション装置において、前記回転ジョイント部を、前記トレーリングアームの内部に設けた。この発明によると、サスペンションの設計自由度が向上する。また、請求項9記載の発明は、請求項1又は2記載のリアサスペンション装置において、前記クロスビームのビーム本体と前記車体との間にコントロールリンクを配置し、当該コントロールリンクにより前記クロスビームの車両上下方向の移動を規制する。この発明によると、サイドメンバ高さや、リアフロア高さを低く抑えることができる。
【0023】また、請求項10記載の発明は、請求項9記載のリアサスペンション装置において、前記コントロールリンクの一端及び他端を結んだ第1軸線が、前記トレーリングアームに連結する前記クロスビームの前記回転ジョイント部と前記トレーリングアームの車両前方の前記端部とを結んだ第2軸線に対して、車両側面視において車両前方で交差するように、該コントロールリンクを略車体前後方向に延在して配置した。この発明によると、車輪のストローク時に、クロスビームがトレーリングアームに対して相対回転し、トレーリングアームの車両上下方向の振れ回り量が小さくなる。
【0024】また、請求項11記載の発明は、請求項9記載のリアサスペンション装置において、前記コントロールリンクを、車両側面視において前記トレーリングアームの近傍に設け、且つ、略車両上下方向に延在して前記クロスビームのビーム本体と前記車体との間に連結した。この発明によると、クロスビームの上下移動量を低減することが可能となる。
【0025】また、請求項12記載の発明は、請求項9乃至11の何れかに記載のリアサスペンション装置において、前記トレーリングアームに連結する前記クロスビームの前記回転ジョイント部の回転軸を、車両上方視において、車幅方向外方に向かうに従い車両前方に位置するように車幅方向に対して傾斜した軸とした。この発明によると、車輪の同相のバウンド時にネガティブ方向のキャンバ変化を変化させることができる。
【0026】さらに、請求項13記載の発明は、請求項9乃至12の何れかに記載のリアサスペンション装置において、前記トレーリングアームに連結する前記クロスビームの前記回転ジョイント部の回転軸は、車両後方視において、車幅方向の外方に向かうに従い車両下方に位置するように水平線に対して傾斜した軸とした。この発明によると、車輪のバウンド時にトーイン方向にトー角を変化させることができる。これにより、クロスビームの高さを低く抑え、サイドメンバ高さ、フロア高さを低くし、室内、荷室のスペースを広くすることができる。
【0027】
【発明の効果】請求項1記載の発明によると、望ましいトー変化特性や、キャンバー変化特性の設定が可能となると同時に、クロスビーム低く配置して、車両のリアフロア高やサイドメンバ高さを低く抑えることができ、車室内のスペースを拡大することができる。
【0028】また、請求項2記載の発明によると、後席フロア下にガソリンタンクを置くような車両レイアウトの場合には、ガソリンタンクの容量を確保することができる。また、請求項3記載の発明によると、車両操舵時の車輪のロールステアをアンダステア方向に確保して車両安定性を向上させることができる。
【0029】また、請求項4記載の発明によると、新たに質量体を追加すること無くダイナミックダンパを配置して防振効果を高め、車両の乗り心地を向上させることができる。また、請求項5記載の発明によると、ばね下上下振動を効果的に除去して、防振効果を高めることができる。
【0030】また、請求項6記載の発明によると、ばね下前後振動を効果的に除去して、防振効果を高めることができる。また、請求項7記載の発明によると、車両が前方に走っている時の車輪への入力が有効にダイナミックダンパに伝わり、車体への振動伝達を効果的に防止することができる。
【0031】また、請求項8記載の発明によると、サスペンションの設計自由度を向上させることができる。また、請求項9及び10記載の発明によると、車輪のストローク時に、クロスビームがトレーリングアームに対して相対回転し、トレーリングアームの車両上下方向の振れ回り量が小さくなるので、サイドメンバ高さや、リアフロア高さを低く抑えることができる。
【0032】また、請求項11記載の発明によると、クロスビームの上下移動量を低減することが可能となる。また、請求項12記載の発明によると、車輪の同相のバウンド時にネガティブ方向のキャンバ変化を変化させることができる。さらに、請求項13記載の発明によると、車輪のバウンド時にトーイン方向にトー角を変化させることができ、クロスビームの高さを低く抑え、サイドメンバ高さ、フロア高さを低くし、室内、荷室のスペースを広くすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明のトーションビーム式サスペンションの実施形態を図面を参照して説明する。図1から図7は、本発明に係る第1実施形態のリアサスペンション装置を示すものである。
【0034】図1の符号2a、2bはホイール、符号4a、4bは左右の後車輪であり、左右の後車輪4a、4b及びホイール2a、2bが、車両前後方向に延在している一対のトレーリングアーム6a、6bの車両後方側に位置する一端6a1 、6b1 に回転自在に支持されている。各トレーリングアーム6a、6bは、前記一端部6a1 、6b1 から車幅方向の内側に向かった後に車両前方に向けて、且つ車両下方に向けて曲がっている中空部材であり、回転軸R1 が車幅方向に延在している弾性ブッシュ8a、8bを介して他端6a2 、6b2 が車体に上下方向に揺動自在に連結されている。そして、トレーリングアーム6a、6b間にクロスビーム10が連結されている。
【0035】このクロスビーム10は、車幅方向に延在するビーム本体10aと、このビーム本体10aの両端から車両前方及び車両上方に湾曲しているビーム端部10b、10cとで構成されており、回転軸R2 (回転軸R1 より車両後方側に位置する軸)が車幅方向に延在している回転ジョイント部12a、12bを介してビーム端部10b、10cが一対のトレーリングアーム6a、6bに連結されているとともに、回転ジョイント部12a、12bより車両後方側の位置とトレーリングアーム6a、6bとの間に弾性ブッシュ14a、14bが配設されている。
【0036】回転ジョイント部12aは、図3に示すように、軸線が回転軸R2 に一致するようにナット16の締め付け固定によりトレーリングアーム6aの中空部に配置した連結ボルト18と、中空部の連結ボルト18の外周に回転自在に装着され、凹曲面部20aを外周の周方向に連続して形成した内筒20と、内筒20の外周に配設され、凹曲面部22aを内周の周方向に連続して形成した中間筒22と、凹曲面部20a、22aに面接触した状態で配設した複数の球体24と、中間筒22を外嵌しており、ビーム端部10bの先端が固着されている外筒26と、中間筒22の軸方向移動を拘束する保持リング28とを備えた構造としている。なお、回転ジョイント部12bも、図3と同一の構造とされている。
【0037】また、弾性ブッシュ14aは、図4に示すように、クロスビーム10の屈曲部(ビーム本体10aとビーム端部10b、10cとの境界)から外方に突出して設けたフランジ部30と、このフランジ部30に上部から貫通したねじ32aをナット32bで締め付けることによりフランジ部30の上部に固定されている下部台座32と、トレーリングアーム6aに下部から貫通したねじ34aをナット34bで締め付けることによりトレーリングアーム6aの下部に固定されている上部台座34と、下部台座32及び上部台座34間に加硫接着されている筒状の弾性体36とを備えた構造としている。なお、弾性ブッシュ14bも、図4と同一の構造とされている。
【0038】したがって、トレーリングアーム6a、6bの前後、左右位置は、弾性ブッシュ8a、8bによって設定され、トレーリングアーム6a、6b(車輪4a、4b)のトー角やキャンバ角は、回転ジョイント部12a、12bで連結しているクロスビーム10とトレーリングアーム6a、6bとの相互作用によって設定される。また、クロスビーム10とトレーリングアーム6a、6bとの相対的な回転角の位置決めは、弾性ブッシュ14a、14bにより設定される。
【0039】次に、本実施形態の作用効果について、図5を参照して以下に説明する。本実施形態のリアサスペンション装置がストロークする際の特性は、トーションビームサスペンションの特性と同様に考えることができる。すなわち、第5図に示すように、左右の後車輪4a、4bが同相にバウンドする際には、左右のトレーリングアーム6a、6bの他端6a2 、6b2 に配設した弾性ブッシュ8a、8bの回転軸R1 回りに回転するフルトレーリングサスペンションのような特性となる。また、左右の後車輪4a、4bが逆相に、いわゆるロールするようにストロークする際には、車幅方向中心線Hと回転軸R2 との交点をCとすると、交点Cと各弾性ブッシュ8a、8bの回転軸R1 の中央位置を結んだ軸線R3 、R4 回りにトレーリングアーム6a、6bが回転するような特性となる。このことから、交点Cを、車両前後方向、車両上下方向に適切に配置することによって、望ましいトー変化特性や、キャンバ変化特性を設定することができる。
【0040】従来のトーションビーム式サスペンションは、交点Cがクロスビーム10の断面の剪断中心に一致するため、交点Cをクロスビーム10から大きく隔たる位置に配置することが困難であり、ガソリンタンクや車体との干渉といったレイアウト上の問題から、理想的なサスペンション特性を付与することが容易ではなかった。
【0041】しかし、本実施形態は、交点Cが、クロスビーム10のビーム端部10b、10cに配設した回転ジョイント部12a、12bの回転軸R2 によって決定されるので、クロスビーム10の位置には関係なく交点Cを理想的な位置に配置し、理想的なサスペンション特性を与えることが可能である。また、本実施形態では、特に、トレーリングアーム6a、6bと車体とを連結している弾性ブッシュ8a、8bの回転軸R1 に対して、クロスビーム10を車両後方にオフセットさせたので、後席フロア下にガソリンタンクを置くような車両レイアウトの場合、ガソリンタンクの容量(図5で示す符号TS)を確保する上で有効である。
【0042】また、サスペンションのトー変化特性とは独立してクロスビーム10を配置できるので、クロスビーム10を、地上高一杯まで低く配置して、車両のリアフロア高やサイドメンバ高さを低く抑え、車室内のスペースを拡大することができる。 また、クロスビーム10のビーム本体10aよりビーム端部10b、10cの回転軸R2 が車両前方に位置しており、その結果、回転軸R2 を設定する回転回転ジョイント部12a、12bがトレーリングアーム6a、6bの車体取り付け点(弾性ブッシュ8a、8b)に近いところに設けられているので、トレーリングアーム6a、6bの車体取り付け点に近いところにトレーリングアーム6a、6bの回転中心を近づけることができ、これにより、クロスビーム10を後方に配置しながらも、ロードノイズの遮音性に優れたサスペンションとすることができる。
【0043】さらに、回転軸R2 を設定する回転ジョイント部12a、12bを、トレーリングアーム6a、6bの車体取り付け点(弾性ブッシュ8a、8b)の近くに設けたことで、弾性ブッシュ8a、8b付近におけるマスダンパ的な防振効果を期待することもできる。また、回転軸R2 と、クロスビーム10のビーム本体10aがオフセットし、クロスビーム10とトレーリングアーム6a、6bとの間に弾性ブッシュ14a、14bが配置されているので、以下に示すような、ダイナミックダンパ効果が発揮する。すなわち、回転軸R2 回りにクロスビームマスがオフセットすることにより生ずる回転の慣性イナーシャIと、回転軸R2 回りの弾性ブッシュ14a、14bのばね効果Kによって、振動固有値√K/√Iのダイナミックダンパが構成される。本実施形態では、ダイナミックダンパの固有周波数が、ばね下マスの上下固有周波数に一致するように弾性ブッシュ14のばね定数を決定して、ばね下振動の低減を図っている。クロスビーム10のビーム本体10aを回転軸R2 に対して車両前後方向にオフセットさせれば、特に車両上下方向のばね下振動の低減効果が大きく、その場合には、ダイナミックダンパの固有周波数がばね下マスの上下固有周波数に一致するように、弾性ブッシュ14a、14bのばね定数を設定するのがよい。また、クロスビーム10のビーム本体10aを回転軸R2 に対して車両上下方向にオフセットさせれば、特に車両前後方向のばね下振動の低減効果が大きく、その場合には、ダイナミックダンパの固有周波数が、ばね下マスの前後固有周波数に一致するように弾性ブッシュ14a、14bのばね定数を設定するのがよい。
【0044】さらに、本実施形態においては、回転軸R2 に対して、クロスビーム10のビーム本体10aが車両後方かつ車両下方になるような位置関係に配置している。このような配置とすることにより、トレーリングアーム6a、6bに対するクロスビーム10の移動軌跡が、車両上方に向かうにつれて車両後方に向かうような斜め後ろ上がりの軌跡となる。一般に、車両が前進している際に、後車輪4a、4bに入力する力は、車両上方に向かうにつれて車両後方に向かうような方向に入力するので、前述した位置関係にすることで、後車輪4a、4bに入力する力をより効果的にダイナミックダンパへの入力に変換し、車体に伝達される振動をより効果的に低減することができる。
【0045】また、左右の後車輪4a、4bが逆相にストローク、すなわちロールの動きをする際には、弾性ブッシュ14a、14bの一方は圧縮を受け、もう一方は引っ張りを受ける。この変位入力に伴う反力は、弾性ブッシュ14a、14bと回転ジョイント部12a、12bの位置に発生する偶力を生じさせ、サスペンションのロールに伴うトレーリングアームを復元させるモーメントを発生させる。すなわち、弾性ブッシュ14a、14bを設けることにより、サスペンションのスタビライザ効果を発揮させることができ。
【0046】また、本実施形態では、図3に示したように、トレーリングアーム6a、6b内に回転ジョイント部12a、12bを配置したので、トレーリングアーム6a、6bからの車幅方向への張り出しの小さい、省スペースな構成とすることができる。なお、サスペンションの回りにスペース的な制約が無い場合には、図6及び図7に示すピンジョイント構造により回転ジョイント部12aを構成してもよい。また、回転ジョイント部12bも、回転ジョイント部12aと同様の構造としてもよい。
【0047】図6のピンジョイント構造は、トレーリングアーム6aを貫通して車幅方向の内方に突出している連結ボルト40と、この連結ボルト40の突出している部分の外周に回転自在に装着され、外周の周方向に転動面42aを連続して形成した内筒42と、内筒42の外周に配設され、内周の周方向に転動面44aを連続して形成した中間筒44と、転動面42a、44aに面接触した状態で配設した複数の円筒ころ46と、クロスビーム10のビーム端部10bに一体形成され、中間筒44を外嵌している外筒48と、内筒42の軸方向移動を規制する規制リング50a、50bと、連結ボルト40への螺合により規制リング50a、50bの移動を拘束するナット52とを備えたピンジョイント構造である。
【0048】また、図7のピンジョイント構造による回転ジョイント部12aは、トレーリングアーム6aを車幅方向に延在しながら貫通して固着されている外筒52と、この外筒52内に回転自在に挿入されている摺動スリーブ54と、摺動スリーブ54内に回転自在に挿入されている内筒56と、クロスビーム10のビーム端部10bに形成した二股部10d1 、10d2 に設けた孔を貫通し、且つ内筒56内に挿入されている連結ボルト58と、連結ボルト58の両端に螺合して連結ボルト58を二股部10d1 、10d2 に固定しているナット60とを備えたピンジョイント構造である。
【0049】次に、図8は、本発明に係る第2実施形態のリアサスペンション装置を示すものである。なお、図1から図7に示した構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。本実施形態は、ビーム端部10b、10cの回転軸R2 がビーム本体10aより車両後方に位置するようにクロスビーム10を配置している。また、一対のトレーリングアーム6a、6bから車幅方向内方に向けて突出している上部支持体と、クロスビーム10の屈曲部(ビーム本体10aとビーム端部10b、10cとの境界)の車幅方向外方に向けて突出している下部台支持体との間に弾性ブッシュ14bを設けている。
【0050】上記構成とすることにより、左右の後車輪4a、4bが逆相にストローク、すなわちロールの動きをするときに、キャンバ角の変化量を大きくして対地キャンバ変化を少なくしながらも、後オーバーハングの小さな車両の車両後方に配置すべきスペアパンスペース(スペアタイヤを配置するためにに必要なスペース)PSを広くとることができる。
【0051】また、左右の後車輪4a、4bのストロークに伴うクロスビーム10の上下方向の振れまわりも小さくすることができるので、車体のリアサイドメンバ高さや、リアフロア高さを低くすることが可能であり、より大きな室内スペース 荷室スペースを提供することができる。次に、図9から図13は、本発明に係る第3実施形態のリアサスペンション装置を示すものである。なお、本実施形態も図1から図7に示した第1実施形態の構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0052】本実施形態では、第1実施形態においてクロスビーム10とトレーリングアーム6a、6bとの相対回転を規制するために設けた弾性ブッシュ14a、14bをなくし、クロスビーム10の回転位置を位置決めするコントロールリンク66を設けていることを主な特徴としている。先ず、クロスビーム10のビーム端部10b、10cは、符号R5 、R6 で示す回転軸を備えた回転ジョイント部68a、68bを介して一対のトレーリングアーム6a、6bに連結されており、ビーム端部10b、10cより車両後方にビーム本体10aが配置されている。
【0053】回転ジョイント部68a、68bの回転軸R5 、R6 は、図9に示すように、車両上方視において車幅方向外方に向かうに従い車両前方に傾いている前進角を有し、しかも、図10に示すように、車両後方視において車幅方向外方に向かうに従い車両下方に傾いている下反角を有する軸である。そして、コントロールリンク66は車体前後方向に延在しており、車両前方に位置する一端部66aが、図9に示すように、車幅方向を向く回転軸R7 回りに回転自在となるように車体に連結され、車両後方に位置する他端部66bが、図10及び図11に示すように、クロスビーム10のビーム本体10bに設けた連結部70を介して車幅方向を向く回転軸R8 回りに回転自在に連結されている。
【0054】ここで、コントロールリンク66は、図11に示すように、車両側面視において、このリンクの一端部66a及び他端部66bを結んだ軸線(第1軸線)R9が、クロスビーム10のビーム端部10bに設けた回転ジョイント部68aの中心部とトレーリングアーム6aの他端6a2 に設けた弾性ブッシュ8aの回転中心とを結んだ軸線(第2軸線)R10に対して、車両前方で交差するように配置されている。
【0055】次に、本実施形態の作用効果について、図12及び図13を参照して以下に説明する。先ず、車両側面視において、コントロールリンク66の軸線R9 が回転ジョイント部68a及び弾性ブッシュ8aを結ぶ軸線R10に対して車両前方で交差するようにコントロールリンク66を配置したことから、図12に示すような車輪4a、4bのストローク時にはクロスビーム10がトレーリングアーム6a、6bに対して相対回転し、第1実施形態のようにクロスビーム10とトレーリングアーム6a、6bとの間に弾性ブッシュ14a、14bを配置した場合と比較して、トレーリングアーム6a、6bの車両上下方向の振れ回りが小さくなる。
【0056】これにより、本実施例によれば、車体のリアサイドメンバやリアフロアを比較的低い位置に配置して、より広い室内 荷室スペースを確保できる。また、トレーリングアーム6a、6bとクロスビーム10とが車輪4a、4bのストロークに伴って相対回転することと、回転ジョイント部68a、68bの回転軸R5 、R6 が、前進角及び下反角を有して車幅方向の軸に対して傾いていることの両者から、ストローク時のキャンバ角変化 トー角変化を調整することができる。
【0057】すなわち、回転ジョイント部68a、68bの回転軸R5 、R6 が、車両上方視において車幅方向外方に向かうに従い車両前方に傾いて前進角を持つように設定されていることによって、バウンド時にネガティブ方向にキャンバ角を変化させることができる。このことを、図13を参照して回転軸R5 上の点a、b、c、dを設定して説明する。点a、bはトレーリングアーム6a側に固定した回転軸R5 上の点であり、aは車幅方向の外側、bは車両方向の内側に位置している。一方、点c、dはクロスビーム10側に固定された回転軸R5 上の点で、cは車両方向の外側、dは車両方向の内側に位置している。車輪4aがバウンド側にストロークする時、もしもキャンバ変化が無いとするならば、b点のほうがレバー比が大きい位置にあるので(Ya<Yb)、a点よりもb点のほうが車両上方への移動量が大きくなる。一方、クロスビーム10は、コントロールリンク66の作用によって、車両側面視であまり回転しないで上に上がるので、c点とd点の上下方向の変位量の差は、a点とb点の上下方向の変位量の差よりも小さくなる。a点とc点、b点とd点は、回転ジョイント部68aで連結された点であるので、それぞれの点が一致するように、トレーリングアーム6aにネガティブ方向のキャンバ変化が生じる。つまり、コントロールリンク66の作用と回転軸R5 の傾斜配置によって、バウンド時にもキャンバ変化をさせることができる。
【0058】また、回転ジョイント部68a、68bの回転軸R5 、R6 が、車両後方視において車幅方向外方に向かうに従い車両下方に傾いている下反角を持つように設定されていることによって、バウンド時にトーイン方向にトー角を変化させることができる。これによって、クロスビーム10の高さを低く抑えて、サイドメンバ高さ フロア高さを低くし、室内 荷室のスペースを広くしながら、車両操舵時の後輪のロールステアをアンダステア方向に確保し、車両の安定性を向上させることができる。
【0059】次に、図14は、本発明に係る第4実施形態のリアサスペンション装置を車両側面視で示したものである。なお、第3実施形態と同一構成部分は、同一符号を付してその説明を省略する。本実施形態は、トレーリングアーム6aの側部において、上端72aが車体74に連結し、下端72bがクロスビーム10に連結して車両上下方向に延在するようにコントロールリンク72を配置している。
【0060】本実施形態によると、クロスビーム10の上下移動を略無くすことができるので、さらにリアサイドメンバ高さを下げ、室内スペース及び荷室スペースを広くすることが可能になる。また、本実施形態においては、トレーリングアーム6a、6bに対してクロスビーム10を、上述した第1〜第3実施形態よりもより大きく回転させることができるので、トー角変化、キャンバ角変化をより大きくすることが容易である。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【出願日】 平成11年7月30日(1999.7.30)
【代理人】 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也 (外2名)
【公開番号】 特開2001−39136(P2001−39136A)
【公開日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【出願番号】 特願平11−216688