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トーションビーム式サスペンション - 特開2001−39135 | j-tokkyo
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【発明の名称】 トーションビーム式サスペンション
【発明者】 【氏名】吉井 耕二郎

【要約】 【課題】トーションビームの両端部における延在方向に沿った応力変化を滑らかにして耐久性向上を図ることを課題している。

【解決手段】トーションビーム6の両端部において、上記第1のレインフォース7の端部よりも車幅方向内側位置に断面変更点Pを設定し、その変更点Pを境として、トレーリングアーム1側の断面形状を、頂部6aの曲率を大きくして略V字形状に、また、車幅方向中央部側の断面形状を、頂部6aを潰すことで相対的に頂部6aの曲率を大きくして略U字形状に加工してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車幅方向両側に配置される一対のアームと、車幅方向に延在して上記一対のアーム間を連結し断面略U字や略V字形状の開き断面となっているトーションビームとを備えたトーションビーム式サスペンションにおいて、上記トーションビームの両端部について、アームとの結合部から離れる方向に向けて1段階若しくは多段階に断面形状を変更したことを特徴とするトーションビーム式サスペンション。
【請求項2】 上記断面形状の変更は、開き断面における頂部の曲率を、アームとの結合部から離れるほど小さく設定することを特徴とする請求項1に記載したトーションビーム式サスペンション。
【請求項3】 トーションビームの両端部がそれぞれ補強部材で補強されているトーションビーム式サスペンションであって、上記補強部材の配置位置よりも車幅方向内側に上記断面形状の変更点を設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したトーションビーム式サスペンション。
【請求項4】 上記断面形状の変更を一段階とし、その変更点を境にして、アーム側の断面形状を略V字形状とし且つ車幅方向内側を略U字形状としたことを特徴とする請求項3に記載したトーションビーム式サスペンション。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のトーションビーム式サスペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のトーションビーム式リアサスペンションでは、例えば、車幅方向に延在したトーションビーム6の両端を、図7に示すように、それぞれトレーリングアーム1の側面に剛体結合して構成される。このトーションビーム式サスペンションは、左右逆方向の車輪の上下動をトーションビーム6のねじれによって発生させているために、ロール剛性の調整も当該トーションビーム6で行うことができるものである。
【0003】上記トーションビーム6は、一般には、断面略U形状の開き断面形状をしていて、延在方向に沿って同一の断面となっている。なお、開き断面の開き方向は、下方や車両前方などに設定されている。また、トーションビーム6の両端部には、一般には、レインフォース7,8(補強部材)が配置されることで剛性が高く設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】車体がローリングを起こすと、トーションビーム6にねじれが発生し、トーションビーム6におけるトレーリングアーム1との結合部に所要の応力が負荷される。なお、トレーリングアーム1が前後力を受けた際にも、上記結合部に所要の応力が負荷される。
【0005】このとき、レインフォース7,8で補強されている部分は、相対的にねじれ剛性が高く設定されているために、あまりねじれず応力値が大きくなるが、トレーリングアーム1から離れる方向に沿ってみると、レインフォース7の端点を境にステップ状に応力値が急激に小さくなる(図7中符号Qを参照)。図7では、2種類のレインフォース7,8が配置される場合を例示している。
【0006】ここで、上記トーションビーム6のねじれは正逆繰り返して入力されるものであるので、上記レインフォース7,8の端点Qの応力がステップ状に変化する位置では、上記応力の変化量が大きいほどトーションビーム6両端部における耐久性の点で不利となる。これを防止しようとして、トーションビーム6全体の肉厚を厚くするとトーションビーム6の重量が必要以上に重くなってしまうおそれがある。
【0007】本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、トーションビームの両端部における延在方向に沿った応力変化を滑らかにして耐久性向上を図ることを課題している。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、車幅方向両側に配置される一対のアームと、車幅方向に延在して上記一対のアーム間を連結し断面略U字や略V字形状の開き断面となっているトーションビームとを備えたトーションビーム式サスペンションにおいて、上記トーションビームの両端部について、アームとの結合部から離れる方向に向けて1段階若しくは多段階に断面形状を変更したことを特徴とするものである。
【0009】上記1段階若しくは多段階の断面形状の変更は、肉厚等を変更することで、アームとの結合部から離れる方向に向けてねじれ剛性が低くなるように設定変更することが好ましい。次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対して、上記断面形状の変更は、開き断面における頂部の曲率を、アームとの結合部から離れるほど小さく設定することを特徴とするものである。
【0010】次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対して、トーションビームとアームとの結合部が補強部材で補強されているトーションビーム式サスペンションであって、上記補強部材の配置位置よりも車幅方向内側に上記断面形状の変更点を設定したことを特徴とするものである。次に、請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した構成に対して、上記断面形状の変更を一段階とし、その変更点を境にして、アーム側の断面形状を略V字形状とし、且つ車幅方向内側を略U字形状としたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の効果】請求項1に係る発明にあっては、トーションビームの両端部が、延在方向に沿って一段階若しくは多段階に断面形状が変化することで、延在方向に沿って一段階若しくは多段階にねじれ剛性が変化することとなり、延在方向に沿った応力変化点が、一段階若しくは多段階に形状変更した分だけ増加して応力変化が分散し、各応力変化点での応力変化量を小さく抑えることが可能となる。
【0012】このとき、請求項2に係る発明を採用すると、開き断面に頂部の曲率を、アームとの結合部から離れるほど小さく設定してあるので、アームとの結合部から離れるにつれてねじれ剛性が段階的に徐々に低くなるように設定されて、各断面形状変更点での応力の変化が階段状に徐々に小さく、つまり、応力値の変化が滑らかになるという効果がある。
【0013】しかも、断面の頂部の曲率を変更するだけであるので、加工が容易である。次に、請求項3に係る発明では、一番応力変化が大きな、つまり補強部材におけるアームから一番遠位の端点における応力変化を小さく設定することができるという効果がある。このとき、請求項4に係る発明を採用すると、断面形状の変更点を境にアーム側の断面頂部の曲率が大きく設定されることで、請求項3に係る発明の効果を有する。しかも、トーションビームの頂部形状を変更するだけであるので、加工も容易である。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るトーションビーム式リアサスペンションを示す斜視図であり、図2は、車幅方向外方からみた側面図である。本実施形態のサスペンションは、図1に示すように、車幅方向両側にそれぞれトレーリングアーム1が配置されている。各トレーリングアーム1は、車両前後方向に延在し、前端部がブッシュ2を介して上下揺動可能に車体側部材(不図示)に連結していると共に、後端部側に車輪支持部材3及びショックアブソーバ4の下部が配置されている。なお、符号5は、サスペンションコイルの下部が配置されるブラケットである。
【0015】また、上記一対のトレーリングアーム1は、車幅方向に延在するトーションビーム6によって連結されている。上記トーションビーム6は、断面略U字形状の開き断面形状となっていて、下方に開いている。そのトーションビーム6の両端は、図3に示すように、それぞれトレーリングアーム1の内側面に突き当てられた状態で溶着している。また、トーションビーム6における両端部には、トーションビーム6内側に配置される第1のレインフォース7及び、トーションビーム6の側面に配置される第2のレインフォース8で補強されている。なお、第2のレインフォースの端部に比べて第1のレインフォースの端部がトレーリングアーム1よりも遠位に位置する場合を図示しているが、これに限定されるものではない。また、レインフォースの形状や配置などもこれに限定されず、他の公知の形状のいずれであってもよい。
【0016】そして、本実施形態のトーションビーム6にあっては、上記第1のレインフォース7の端部よりも車幅方向内側位置に断面変更点Pを設定し、トーションビーム6の延在方向に沿った断面形状を一段階、変更するように設定している。すなわち、当該変更点Pを境として、トレーリングアーム1側の断面形状を、図4に示すように、頂部6aの曲率を小さくして略V字形状に、車幅方向中央部側の断面形状を、図5に示すように、頂部6aを潰すことなどで相対的に頂部6aの曲率を大きくして略U字形状に加工してある。
【0017】なお、トーションビーム6の延在方向中途部の断面形状は、上記図5と同じ形状に設定してある。上記構成のサスペンションにあっては、トレーリングアーム1に連結したトーションビーム6両端部のねじれ剛性は、トーションビーム6の延在方向に沿って、上記2つのレインフォース7,8がある位置、第1のレインフォース7のみがある位置、レインフォース7,8が無く断面形状が略V字形状の位置、レインフォース7,8が無く断面形状が略U字形状の位置の順に、段階的に小さくなる。
【0018】したがって、車体のローリングによって上記トーションビーム6にねじれが入力された場合における、当該トーションビーム6の両端部での応力は、図6に示すように、延在方向に沿って、トレーリングアーム1側から第2のレインフォース8の端部位置R、第1のレインフォース7の端部位置Q、及び断面形状変更点Pの3段階で徐々に小さくなって、各応力変更点R、Q、Pでの応力変化が緩和、特に応力変化が大きかったレインフォースの端部Qでの応力変化が緩和されて、肉厚を厚くするなどの手段を講ずることなくトーションビーム6の耐久性向上に繋がる。
【0019】ここで、上記実施形態では、延在方向に沿ったトーションビーム6の断面形状の変更点を一箇所だけとして、断面形状変更による応力変更点を一段階とした場合であるが、延在方向に沿って2段階以上の断面形状変更点を設定しても良い。この場合には、トレーリングアーム1から離れるにつれて、各変更点を境に車幅方向中央部側の断面の頂部6aの曲率をさらに大きくなるように設定すると良い。このように設定することで、変更点の数だけ、断面形状による応力変更点が階段状に設定されて、さらにトーションビーム6の延在方向に沿った応力変化を滑らかに設定することができる。なお、このとき、レインフォース7,8のある位置に断面形状変更点を設定しても良いが、もともとレインフォース7,8で剛性が高く設定されているので、あまり効果的ではない。
【0020】また、上記実施形態では、レインフォース7,8で補強されている場合を例に挙げて説明しているが、レインフォース7,8で補強されていないトーションビーム6の両端部であっても適用可能である。また、上記実施形態では、トーションビーム6の開き断面の開き方向が下方を向いている場合を例示しているが、開き断面の開き方向が車両前後方向後方など、開き方向は下方でなくても良い。
【0021】また、上記実施形態のサスペンションでは、トレーリングアーム1の延在方向中途位置にトーションビーム6が連結しているが、これに限定されるものではなく、例えば、トレーリングアーム1の後方位置にトーションビーム6が連結されている構造であっても構わない。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【出願日】 平成11年7月29日(1999.7.29)
【代理人】 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也 (外2名)
【公開番号】 特開2001−39135(P2001−39135A)
【公開日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【出願番号】 特願平11−214733