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【発明の名称】 サスペンション取付構造
【発明者】 【氏名】川出 学

【要約】 【課題】ステアリングナックルの強度の向上を図ることができるサスペンション取付構造を提供する。

【解決手段】サスペンションストラット11に設けられたストラットブラケット12に、ステアリングナックル1のサスペンションストラット取付アーム部10を連結して車輪を懸架したサスペンション取付構造において、上記ストラットブラケット12を装着するサスペンションストラット11の車輪側外周面に、平坦部11aを形成し、上記ストラットブラケット12に連結するステアリングナックル1のサスペンションストラット取付アーム部10の連結部10aに、上記平坦部11a側に向けて延出する肉盛りZをしたサスペンション取付構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 サスペンションストラットに設けられたストラットブラケットに、ステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部を連結して車輪を懸架したサスペンション取付構造において、上記ストラットブラケットを装着するサスペンションストラットの車輪側外周面に、平坦部を形成し、上記ストラットブラケットに連結するステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部の連結部に、上記平坦部側に向けて延出する肉盛りをしたことを特徴とするサスペンション取付構造。
【請求項2】 上記ステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部の連結部を、上記サスペンションストラットの平坦部に沿って直線形状に形成し、かつ上記ストラットブラケットの連結部下端よりもサスペンションストラット取付アーム部の連結部の下端側を長く形成したことを特徴とする請求項1に記載のサスペンション取付構造。
【請求項3】 上記ステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部の連結部に設けられた取付穴の位置よりも、上記ストラットブラケットの平坦部側に肉盛りしたことを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンション取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サスペンションストラットに連結するステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部の連結部の剛性を向上することができるサスペンション取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、図6に示すように、ストラット式サスペンションでは、前輪の車輪軸を軸支するステアリングナックル100をサスペンションストラット101の下端部に設けられたストラットブラケット102を介して支持している。ステアリングナックル100は、筒状のベアリング支持部103の外周面に、斜めに延びるように設けられたサスペンションストラット取付アーム部104を介してサスペンションストラット101に支持されている。そして、サスペンションストラット取付アーム部104は、ボルト105およびナット106を介してサスペンションストラット101の下端部に設けられたストラットブラケット102に固定されるものである。
【0003】このようなステアリングナックル100は、通常、鋳造によって成形されており、サスペンションストラット取付アーム部104の先端に設けられた連結部104aにはボルト穴107が形成されている。一方、ストラットブラケット102は、図7および図8に示すように、板状のプレートを円形に湾曲させて形成し、その両端部に平板状の連結部102aを形成したもので、サスペンションストラット101の下端部に円形部分102bを取り付けて構成されている。そして、ストラットブラケット102の連結部102a相互間に、サスペンションストラット取付アーム部104の連結部104aを介在させて、連結部102aのボルト穴108と、連結部104aのボルト穴107を合わせて、ボルト105およびナット106によって、締結されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ストラットブラケット102の連結部102aとサスペンションストラット取付アーム部104の連結部104aには、大きな負荷がかかるため、過大な衝撃荷重が与えられると、ステアリングナックル100の連結部104aのボルト穴107の周囲等、図7にXで示すような個所にクラックが発生し易いという問題があった。そこで、図7に二点鎖線で示すように、ステアリングナックル100の連結部104aにかけて肉盛り109するか、ステアリングナックル100の連結部104aのボルト穴107の位置を外側にずらす等して強度の向上を図ることが考えられる。しかし、肉盛り109する方法だと、ばね下重量が増大して操縦安定性が悪化したり、ボルト穴107の位置を外側にずらす方法だと、ボルト穴107の位置の変更に伴いサスペンションストラット101のストラットブラケット102を大型化する必要が生じてストラットブラケット102の強度が不足するという問題があった。
【0005】本発明は上記課題を解決し、ステアリングナックルの強度の向上を図ることができるサスペンション取付構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、サスペンションストラットに設けられたストラットブラケットに、ステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部を連結して車輪を懸架したサスペンション取付構造において、上記ストラットブラケットを装着するサスペンションストラットの車輪側外周面に、平坦部を形成し、上記ストラットブラケットに連結するステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部の連結部に、上記平坦部側に向けて延出する肉盛りをしたことにある。また、本発明は、上記ステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部の連結部を、上記サスペンションストラットの平坦部に沿って直線形状に形成し、かつ上記ストラットブラケットの連結部下端よりもサスペンションストラット取付アーム部の連結部の下端側を長く形成したことにある。さらに、上記ステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部の連結部に設けられた取付穴の位置よりも、上記ストラットブラケットの平坦部側に肉盛りしたことにある。
【0007】ストラットブラケットを装着するサスペンションストラットの車輪側外周面に、平坦部を形成しているので、ストラットブラケットに設けられたステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部との連結部を車体側に幅を広くすることができる。よって、ステアリングナックルの強度の向上を図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】図1は、前車輪を支持するストラット式サスペンションを示したものである。図1において、前車輪を操舵するステアリングナックル1は、中央部の筒状ベアリング支持部2の内周側に軸受け3を内装しており、この軸受け3を介してホイールハブ4を中心軸線上に回転自在に支持している。このホイールハブ4の車体外側には、タイヤ5を装着したタイヤホイール6が複数のボルト7およびナット8を介して組み付けられている。そして、ホイールハブ4の中心軸線上には図示しない動力伝達装置から動力が伝達されるドライブシャフト9が組み付けられている。
【0010】上記ステアリングナックル1の筒状ベアリング支持部2外周面には、組み付け状態で、上部側にサスペンションストラット取付アーム部10が車体内側に向けて斜め上方に延出して設けられている。このサスペンションストラット取付アーム部10は、その先端を、サスペンションストラット11の下端部に設けられたストラットブラケット12にボルト13およびナット13aを介して螺着して支持されている。上記サスペンションストラット11は、ショックアブソーバ14とコイルスプリング15が同軸状に設けられたもので、上端部を車体16側のストラットタワーの上端部に固定して支持されている。
【0011】また、上記ステアリングナックル1の筒状ベアリング支持部2外周面には、下部側にサスペンションロアアーム17に連結されるサスペンションロアアーム取付アーム部18が車体内側に向けて斜め下方に延出して設けられており、このサスペンションロアアーム取付アーム部18は、ピボット軸19を介して車体16側に支持されたサスペンションロアアーム17に連結されている。さらに、上記ステアリングナックル1の筒状ベアリング支持部2外周面には、後部側に、ピボット軸20を介して、コントロールアーム21に連結するコントロールアーム取付アーム部22が延出して設けられている。コントロールアーム21は、図示しないステアリングシャフトに連結されて、ステアリングナックル1を操舵するものである。
【0012】次に、図2ないし図4を参照しながらステアリングナックル1とサスペンションストラット11の接続構造を説明する。上記サスペンションストラット11の外筒下端部の車輪側外周面には、平坦部11aが形成されており、この平坦部11aにかけて上記ストラットブラケット12が配設されている。このストラットブラケット12の両側連結部12aにはボルト穴23が2個所に形成されており、ボルト穴23と平坦部11aとの距離を採れるようにしている。また、サスペンションストラット11は、サスペンションストラット11の機能を損ねない範囲内で外筒を凹ませて平坦部11aを形成する。一方、ステアリングナックル1の上記サスペンションストラット取付アーム部10は、アーム先端部の連結部10aに、ボルト13を通すボルト穴24が形成されており、この連結部10aの上記サスペンションストラット11の平坦部11a側に肉盛りZが施されている。こうして、従来のものに比べて、ボルト穴24から連結部10aの端面10bまでの長さnを大きくしている。
【0013】上記構成によるサスペンション取付構造によると、組み付けに際しては、ステアリングナックル1のサスペンションストラット取付アーム部10の連結部10aを、ストラットブラケット12の両側連結部12a相互間に配置し、ボルト穴23とボルト穴24を合わせてボルト13を挿通してナット13aを螺合することによって連結する。サスペンションストラット11に平坦部11aを形成していることから、アーム先端部の連結部10aに肉盛りZをして、ボルト穴24から連結部10aの端面10bまでの長さnを大きくとれるので、ステアリングナックル1のサスペンションストラット取付アーム部10のアーム先端部の連結部10aの強度の向上を図ることができる。また、ステアリングナックル1のサスペンションストラット取付アーム部10には、下部側のボルト穴23が設けられている角部分に特に、肉盛りZをして、強度の向上を図ることができる。
【0014】図5は、本発明の他の実施の形態で、アーム先端部の連結部10aの端面直線部の長さmを延長してボルト穴24から連結部10aの角部10cまでの距離を長くしている。これによって、クラックの生じ易いボルト穴24周囲の強度を向上することができる。
【0015】なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、本発明のステアリングナックル1のサスペンションストラット取付アーム部10の連結部10aに施された肉盛りZの厚みは、サスペンションストラット11の平坦部11a側との距離に応じて調整することができる。その他、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更して実施し得ることは言うまでもない。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるサスペンション取付構造によれば、次のような効果を奏する。サスペンションストラットに設けられたストラットブラケットに、ステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部を連結して車輪を懸架したサスペンション取付構造において、上記ストラットブラケットを装着するサスペンションストラットの車輪側外周面に、平坦部を形成し、上記ストラットブラケットに連結するステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部の連結部に、上記平坦部側に向けて延出する肉盛りをしたので、従来の肉盛り位置よりもより適した位置に肉盛りができるため、必要最小限の肉盛りによって、必要な強度を確保することができる。サスペンションストラットが変形し易くなり、ステアリングナックルの応力分担が減り、強度上有利となる。上記ステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部の連結部を、上記サスペンションストラットの平坦部に沿って直線形状に形成し、かつ上記ストラットブラケットの連結部下端よりもサスペンションストラット取付アーム部の連結部の下端側を長く形成したので、クラックの入り易かった個所を重点的に補強できる。上記ステアリングナックルのサスペンションストラット取付アーム部の連結部に設けられた取付穴の位置よりも、上記ストラットブラケットの平坦部側に肉盛りしたので、クラックの入り易かった個所を重点的に補強できることから強度の向上を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
【出願日】 平成11年7月22日(1999.7.22)
【代理人】 【識別番号】100060069
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚男 (外3名)
【公開番号】 特開2001−30727(P2001−30727A)
【公開日】 平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願番号】 特願平11−206986