トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般

【発明の名称】 油圧緩衝器
【発明者】 【氏名】太田 雅敏

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダと、シリンダ内をピストンを介して摺動するピストンロッドの間に、メインスプリングとサブスプリングを中間ばね受けを挟んで直列に配設し、メインスプリングとサブスプリングをシリンダとピストンロッドの間にばね受けを介して支持した油圧緩衝器において、前記ピストンロッドに回転不能に取りつけた筒体又は前記シリンダ外周に、ストッパを固定し、前記ストッパが軸方向に進退できる挿通部と、進退を阻止するロック部を形成したカム筒を前記中間ばね受けに対し、軸方向に移動不能に、かつ、相対回転可能に設け、前記サブスプリングをピストンロッド又はシリンダに支持するばね受けに開口部を円周方向に形成し、この開口部に挿通し、前記カム筒と摺動可能に、かつ、カム筒を回動する係合部を備えたアジャスタを、前記ピストンロッド又はシリンダに対し往復回動可能に、かつ、軸方向に移動不能に設け、前記ストッパに対するカム筒の挿通部とロック部を切り換えてばね定数を変更することを特徴とする車両の油圧緩衝器。
【請求項2】 乗車1G時のメインスプリングとサブスプリングの撓みによる前記ストッパの位置を、前記ロック部及びこのロック部と前記挿通部をつなぐ接続部の位置より軸方向に離隔するように、前記サブスプリングのばね定数を前記メインスプリングのばね定数より大きく設定した請求項1に記載の車両の油圧緩衝器。
【請求項3】 前記アジャスタは遠隔回動操作される請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
【請求項4】 前記アジャスタと、ピストンロッド取付部材又は前記シリンダとの間にディテント機構を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の油圧緩衝器。
【請求項5】 前記ピストンロッドに回転不能に取りつけた筒体がダストカバーである請求項1〜4のいずれかに記載の油圧緩衝器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、懸架スプリングのばね定数を1名乗車時と、2名乗車又は積載荷重の増大時とで切り換えることのできる車両用の油圧緩衝器に関し、特に、自動2輪車、3輪、4輪バギー車等に用いて好適な油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】積載荷重の変更に応じて懸架スプリングのばね定数を切り換えるようにした油圧緩衝器として、特開平4−189693号公報に開示のものがある。この公報記載の油圧緩衝器は、シリンダ8Sの上部に円筒状のカム16が回動可能に装着され、このカム16は上縁部に高さを異ならせた凹凸のカム面16Cを形成すると共に、シリンダ8S表面に溶接したカム受け19に係合させ、かつ、カム16に設けられた一対のアーム20を回動させることにより、メインコイルばね9aとサブコイルばね9bとの両ばねの組合せ特性を得たり、サブコイルばね9bの作用をロックしてメインコイルばね9aの単独特性を得るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公報記載の油圧緩衝器では、カム16に設けられた一対のアーム20は回動時に上下方向に移動するので、この一対のアーム20にワイヤケーブル、操作ロッド、電磁駆動のプランジャ等の遠隔操作部材を取り付けて回動することが難しい。また、乗員が車両から一旦降りて、シート4を離脱又は開いた状態にしてコイルばね調整機構を調整しなければならない。即ち、緩衝器5を一旦最伸張状態に戻した状態でばね定数を切り換えている、従って、乗車状態のまま、ワイヤケーブル等の遠隔操作部材により1名乗車時のソフトなばね定数から2名乗車又は積載荷重の増大時等のハードなばね定数に切り換えることができない。
【0004】本発明は、上述の事情を考慮してなされたものであり、第1の課題は、カムを回動するアーム等のアジャスタが上下方向に移動することがなく、アーム等のアジャスタにワイヤケーブル、操作ロッド、電磁駆動のプランジャ等の遠隔操作部材を取り付けて回動することが容易なばね定数切り換え機構を備えた油圧緩衝器を提供することである。
【0005】また、他の課題は、乗車状態のまま、1名乗車のソフトなばね定数から2名乗車又は積載荷重の増大時等のハードなばね定数に切り換えることのできるばね定数可変機構を備えた油圧緩衝器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明は、シリンダと、シリンダ内をピストンを介して摺動するピストンロッドの間に、メインスプリングとサブスプリングを中間ばね受けを挟んで直列に配設し、メインスプリングとサブスプリングをシリンダとピストンロッドの間にばね受けを介して支持した油圧緩衝器において、前記ピストンロッドに回転不能に取りつけた筒体又は前記シリンダ外周に、ストッパを固定し、前記ストッパが軸方向に進退できる挿通部と、進退を阻止するロック部を形成したカム筒を前記中間ばね受けに対し、軸方向に移動不能に、かつ、相対回転可能に設け、前記サブスプリングをピストンロッド又はシリンダに支持するばね受けに開口部を円周方向に形成し、この開口部に挿通し、前記カム筒と摺動可能に、かつ、カム筒を回動する係合部を備えたアジャスタを、前記ピストンロッド又はシリンダに対し往復回動可能に、かつ、軸方向に移動不能に設け、前記ストッパに対するカム筒の挿通部とロック部を切り換えてばね定数を変更するものである。
【0007】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において更に、乗車1G時のメインスプリングとサブスプリングの撓みによる前記ストッパの位置を、前記ロック部及びこのロック部と前記挿通部をつなぐ接続部の位置より軸方向に離隔するように、前記サブスプリングのばね定数を前記メインスプリングのばね定数より大きく設定したものである。
【0008】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の本発明において更に、前記アジャスタは遠隔回動操作されるようにしたものである。
【0009】請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の本発明において更に、前記アジャスタと、ピストンロッド取付部材又は前記シリンダとの間にディテント機構を設けるようにしたものである。
【0010】請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の本発明において更に、前記ピストンロッドに回転不能に取りつけた筒体がダストカバーであるようにしたものである。
【0011】
【作用】本発明の油圧緩衝器のばね定数可変機構は次のように作用する。
【0012】アジャスタを回動すると、アジャスタの係合部がカム筒を回動し、ピストンロッドに固定された筒体外周のストッパに対するカム筒の挿通部とロック部の位置が切り換えられる。1名乗車時には、カム筒の挿通部がストッパに位置する状態にセットされ、サブスプリングとメインスプリングが圧縮され、両スプリングのばね特性を合成したソフトなばね特性が得られる。1名乗車の状態から2名乗車又は積載荷重の増大時等の状態に変わる場合、乗員は、アジャスタを回動してカム筒のロック部をストッパに対向する位置にセットする。そして、2名乗車又は積載荷重の増大時等の状態になると、サブスプリングの圧縮がロックされてメインスプリングのみが圧縮され、ハードなばね特性が得られる。本発明は、この場合、アジャスタは上下方向に移動しないので、アジャスタに遠隔操作部材を取付けることが容易となる。また、カム筒は中間ばね受けに対し、回転可能に取り付けられるので、スプリングの荷重が作用せず回動操作に大きな操作力を必要としない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】図1は本発明に係る油圧緩衝器の一部を破断した正面図で、ストッパがカム筒の挿通部にセットされた状態時における最伸張状態を示すものであり、図2は図1の要部拡大図、図3は図1の一部を破断して示す側面図、図4は図3の上面図、図5は上部ばね受を示す上面図、図6は上部ばね受け、筒体、ストッパが固定されたコンプリート状態を示す正面図、図7は図3のA−A断面図、図8は図7のディテント機構の板ばねを示す拡大図、図9はピストンロッド取付部材を示す正面図、図10は図9の底面図、図11はアジャスタを示す上面図、図12は図11のアジャスタの正面図、図13はカム筒の展開図である。
【0015】図1、2に示すように、油圧緩衝器10は内部に作動油を封入したシリンダ1内にピストン2を介してピストンロッド3が摺動自在に挿入され、シリンダ1内をピストンロッド3が摺動することにより減衰力を発生する。ピストンロッド3の上部にはピストンロッド取付部材4がロックナット9にて螺着固定され、ピストンロッド取付部材4の上端には車体側フレームに取り付けるための取付アイ5が溶接により固定される。シリンダ1の下端部には車軸側部材に取り付けるための取付アイ6が溶接により固定される。各取付アイ内5(6)にはゴムブッシュ7(8)を挟んでカラー11(12)が設けられ、これらのカラー11(12)に図示しない通しボルトが挿通されて、この油圧緩衝器10が車体フレーム側又は車軸側にそれぞれ取り付けられる。
【0016】ピストンロッド取付部材4の下部外周4aには、図9、10にも示すように、平行に削切された一対の切欠部4c、4dが形成され、この切欠部4c、4dを形成したピストンロッド取付部材4の下部外周4aには開口部14aを形成した図5、6に示す上部ばね受14が係合され取り付けられる。この上部ばね受14の下端面に円筒状の筒体15の上端部が溶接により固定され、筒体15の外周には筒体15の中心軸を対称に一対のストッパ23が溶接にて固定される。筒体15はピストンロッド3の外周を覆いシリンダ1外周に延びて設けられ、ピストンロッド3を土砂などから守るダストカバーを兼ねている。
【0017】また、シリンダ1の下部外周に形成した環状溝1aにはストッパリング16が嵌着され、このストッパリング16上に下部ばね受け17が設けられる。
【0018】そして、これらの上部ばね受け14と下部ばね受け17の間にサブスプリング20とメインスプリング21が中間ばね受け22を挟んで直列に設けられ、上部ばね受け14はピストンロッド取付部材4の下部段部4eに当接してサブスプリング20の上端をピストンロッド3側に支持し、下部ばね受け17はストッパリング16に当接してメインスプリング21の下端をシリンダ1側に支持し、両スプリング20、21は、ピストンロッド3とシリンダ1を伸張方向に付勢する。
【0019】上部ばね受14の下端面には最圧縮時にシリンダ1の上端面に衝当して緩衝作用をなすバンプラバー13が取り付けられる。
【0020】サブスプリング20とメインスプリング21に挟まれた中間ばね受け22上には、円筒状のカム筒24が当接し、このカム筒24の下端部外周にストッパリング25が嵌着される。中間ばね受け22上にはサブスプリング20の下端を支持するもう1つの中間ばね受け22’が設けられ、このもう1つの中間ばね受け22’の内周は上方に起立してカム筒24外周のストッパリング25上に係止し、外周は下方に屈曲して中間ばね受け22の外周に係止される。従って、ストッパリング25を嵌着したカム筒24は上動を中間ばね受け22’により阻止され、下動を中間ばね受け22に阻止されて、中間ばね受け22、22’に対して、軸方向に移動できないように固定されるとともに、相対回転が可能に取り付けられる。
【0021】カム筒24には、図13の展開図にも示すように、上端部から軸方向に深い位置に形成され、筒体15外周に固定された一対のストッパ23が軸方向に進退可能な挿通部24aと、上端部から軸方向に浅い位置に形成されストッパ23の進退を阻止するロック部24bが、周方向に接続部24cを介してカム筒24の中心軸を対称に一対形成され、更に、後述するアジャスタ26の係合部26aと互いに摺動可能な一対の係合溝24dが形成される。
【0022】上部ばね受け14には、図5に示すように、軸方向に貫通する一対の円弧状の開口部14bが円周方向に形成される。
【0023】ピストンロッド取付部材4の上部外周4bには、第11、12図に示すような環状のアジャスタ26の環状部26bがピストンロッド取り付け部材の上部段部4fと上部ばね受け14との間に挟まれて取り付けられる。アジャスタ26の環状部26b下部には一対の爪状の係合部26aが軸方向に形成され、この一対の係合部26aは、上部ばね受け14に形成した一対の円弧状の開口部14b内に軸方向に挿入され、カム筒24に形成した一対の係合溝24dに係合する。そして、アジャスタ26の各係合部26aは上部ばね受け14の各開口部14b内を一定の角度で往復回動し、カム筒24を往復回動させる。
【0024】また、図3、図4に示すように、アジャスタ26の環状部26b外周には上方に起立する一対のアーム部26cが形成され、このアーム部26cの2つの孔26e内にワイヤケーブル27、27’端部に固定されたケーブルヘッド31、31’が嵌合され、ワイヤケーブル27、27’の他端に固定されたケーブルヘッド(不図示)は運転席の近くに設けられた不図示のプーリー状の操作部材の2つの孔内に嵌合され、操作部材を往復回動操作することにより、アジャスタ26が往復回動して、アジャスタ26に係合するカム筒24が一定の角度で往復回動し、カム筒24の挿通部24aとロック部24bを切り換えることができるように設けられる。
【0025】また、図3のA−A断面図を示す図7に示すように、アジャスタ26の環状部26b内周とピストンロッド取付部材4の上部内周4bとの間にディテント機構29が設けられる。即ち、アジャスタ26の環状部26bに内側が開放する一対の凹部26dが軸対称に形成され、アジャスタ26の環状部26bが回転可能に嵌装されるピストンロッド取付部材4の上部外周4bに、一対のノッチ部4g,4g’と4h、4h’が軸対称に形成される。そして、一対のノッチ部4g、4g’と4h、4h’はカム筒24の挿通部24aとロック部24bの位置に対応して形成される。
【0026】そして、このアジャスタ26の環状部26b内周の凹部26d内に、図8に示すような先端に突起部27aを有する一対のお椀状の板ばね27が介装され、板ばね27の突起部27aはピストンロッド取付部材4外周の一対のノッチ部4g、4g’と4h、4h’に係合してピストンロッド取付部材4に対し、アジャスタ26を回転方向に位置決め保持する。そして、アジャスタ26はカム筒24を筒体15外周に固定されたストッパ23に対して回転方向に位置決めし、保持する。
【0027】また、サブスプリング20の外側には、上部ばね受け14の外周に取り付けられたアウターカバー30が中間ばね受け22の外側に垂下して設けられる。このアウターカバー30はサブスプリング20の露出をカバーする保護カバーの役目をするとともに、中間ばね受け22と協働して、筒体15、ストッパ23、カム筒24、アジャスタ26等の摺動部を土砂等から保護する役目もしている。
【0028】ところで、サブスプリング20のばね定数はメインスプリング21のばね定数より大きく設定され、更に、このサブスプリング20のばね定数は、図2に示すように、乗員が1名乗車して、かつ、車両が静止した状態(即ち、乗車1G状態時)におけるストッパ23の位置S1を、カム筒24のロック部24b及び接続部24cの位置S0より軸方向で離隔するようにし、カム筒24を矢印Aの方向に回動したときに、ストッパ23とカム筒24との間に若干の隙間Sができるように、メインスプリング21のばね定数より大きく設定される。
【0029】即ち、サブスプリング20のばね定数をk、メインスプリング21のばね定数をkとし、k>kとなるように設定すると、油圧緩衝器10にばね荷重Pが作用した場合、サブスプリング20の撓みはP/kとなり、メインスプリング21の撓みはP/kとなる。P/k<P/kなので、サブスプリング20の撓みはメインスプリング21の撓みより小さくなり、ストッパ23とカム筒24のロック部24b及び接続部24cとの間に若干の隙間Sを設定することが容易となる。尚、メインスプリング21は、k/k倍撓むことになる。
【0030】このように設定することにより、乗車状態のままで、1名乗車時のカム筒24の挿通部24aの位置から2名乗車時のロック部24bのセット位置に切り替えることができる。
【0031】上述した本発明の油圧緩衝器10のばね定数は以下のようにして切り換える。まず最初に、1名乗車時には、カム筒24の挿通部24aがストッパ23と同軸上に位置するようにセットされる。そして、このセット位置で油圧緩衝器10が圧縮されると、ピストンロッド3がシリンダ1内に進入し、筒体15の外周に固定されたストッパ23もカム筒24の挿通部24a内に進入する。その結果、サブスプリング20とメインスプリング21の両方が圧縮されて、両スプリングのばね定数を合成したソフトなばね定数が得られる。このとき、アジャスタ26の係合部26aもカム筒24の係合溝24d内に進入する。
【0032】ストッパ23はサブスプリング20が圧縮された分だけカム筒24に対して、図2の最伸張状態の位置から、同図中に2点鎖線で示す位置S1まで圧縮される。このときのストッパ23の圧縮位置S1が乗車1G状態の位置である。
【0033】この乗車1G状態から、2名乗車又は荷物を積んだりして積載荷重が増えたりする場合には、乗員は乗車状態のまま、運転席近くに設けた不図示の操作部材を回動して油圧緩衝器10のアジャスタ26を回動すると、カム筒24が図2の矢印Aの方向に回動する。
【0034】このとき、両スプリングのばね定数は、サブスプリング20のばね定数がメインスプリング21のばね定数より大きく設定され、かつ、乗車1G時におけるストッパ23の位置S1を、ロック部24b及びこのロック部24bと挿通部24aをつなぐ接続部24cの位置S0より軸方向で離隔するように、即ち、浅くなるように設定されているので、カム筒24のロック部24b及び接続部24cはストッパ23と接触することなく回動し、乗車1G荷重が中間ばね受け22、カム筒24を介してストッパ23に伝達されることがない。
【0035】このように、サブスプリング20とメインスプリング21のばね特性を、サブスプリング20のばね定数をメインスプリング21のばね定数より大きくし、かつ、ストッパ23とカム筒24との間に隙間Sを設けるように設定したので、カム筒24の回動時にストッパ23と衝突することなく回動し、乗車状態のままストッパー23の位置にロック部24bを切り換えることができ、アジャスタ26の遠隔回動操作が可能となる。
【0036】次に、ストッパー23の位置にロック部24bを切り換えた状態で、2名乗車又は荷物を載せるとストッパ23が乗車1Gの位置S1から沈み、ロック部24bに当接してサブスプリング20の圧縮が阻止されるので、カム筒24、中間ばね受け22を介してメインスプリング21のみが圧縮されハードなばね特性が得られる。
【0037】なお、本実施の形態では、サブスプリング20をピストンロッド3側に支持し、メインスプリング21をシリンダ1側に支持したが、シリンダ1外周にストッパ23を固定して、サブスプリング20をシリンダ1側にメインスプリング21をピストンロッド3側に支持するようにしてもよい。
【0038】本発明によれば、下記の作用がある。
■アジャスタ26を回転することにより、これに係合するカム筒24が回転し、カム筒24の挿通部24aが筒体15のストッパ23と同軸上に位置するようにセットされたときには、サブスプリング20とメインスプリング21の両方が圧縮されソフトな合成ばね特性が得られ、ストッパと同軸上にロック部24bが位置するようにセットされたときには、メインスプリング21のみが圧縮され、メインスプリング21のみのハードなばね特性を得ることができる。
【0039】■カム筒24を回動するアジャスタ26が上下方向に移動することがないので、アジャスタ26にワイヤケーブル27、操作ロッド、電磁駆動のプランジャ等の遠隔操作部材を容易に取り付けることができる。
【0040】■カム筒24を前記中間ばね受け22に対し、軸方向に移動不能に、かつ、相対回転可能に設けたので、アジャスタ26を回動すると、カム筒24が往復回動する。このときに、中間ばね受け22は回転しないので両スプリング20,21の荷重がかからず大きな操作力を必要としない。
【0041】■サブスプリング20を支持する上部ばね受け14の軸方向外部からアジャスタ26を回動することができ、遠隔操作が可能となる。この際、両スプリングのばね荷重はサブスプリング20を支持する上部ばね受け14にかかり、アジャスタ26にはかからないので、アジャスタ26の回動が容易である。
【0042】■乗車1G時のメインスプリング21及びサブスプリング20の撓みによるストッパ23の位置S1が、カム筒24のロック部24b及び接続部24cの位置S0より軸方向に離隔するように、サブスプリング20のばね定数をメインスプリング21のばね定数より大きく設定したので、乗車状態のまま、1名乗車のソフトなばね定数から2名乗車又は積載荷重の増大時等のハードなばね定数に切り換えても、カム筒24の接続部24c又はロック部24bはストッパ23と接触することがない。従って、アジャスタ26を回動する際には、乗車1G荷重に打ち勝つだけの回動操作力を必要としないので、ワイヤケーブル27等で遠隔操作が可能となり、乗員が一旦車両から降りて、油圧緩衝器10を最伸張時の状態に戻して、ばね定数を切り換える必要がない。
【0043】■アジャスタ26を遠隔操作により回動することにより、乗車状態のまま、ばね定数を切り換えることができる。
【0044】■アジャスタ26と、ピストンロッド取付部材4又は前記シリンダ1との間にディテント機構29を設けたので、アジャスタ26に係合するカム筒24が挿通部24aとロック部24bの切り換え位置にそれぞれ位置決め保持される。
【0045】■ピストンロッド3に対し固定された筒体15がダストカバーを兼ねるので、ピストンロッド3を土砂等から保護することができる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る油圧緩衝器10によれば、カム筒24を回動するアジャスタ26が上下方向に移動することがないので、アジャスタ26にワイヤケーブル27、操作ロッド、電磁駆動のプランジャ等の遠隔操作部材を取り付けて回動することが容易になる。
【0047】また、乗車状態のまま、1名乗車のソフトなばね定数から2名乗車又は積載荷重の増大時等のハードなばね定数に切り換えても、アジャスタ26に乗車1G荷重が作用しないので、遠隔回動操作が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000146010
【氏名又は名称】株式会社ショーワ
【出願日】 平成11年6月25日(1999.6.25)
【代理人】 【識別番号】100081385
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
【公開番号】 特開2001−10322(P2001−10322A)
【公開日】 平成13年1月16日(2001.1.16)
【出願番号】 特願平11−180719