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荷重検出装置及び減衰力調整装置 - 特開2001−1732 | j-tokkyo
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【発明の名称】 荷重検出装置及び減衰力調整装置
【発明者】 【氏名】▲国▼島 和俊

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両の走行状態の変化に基づく加速度を検出する加速度検出手段と、該加速度検出手段で検出した加速度の方向で互いに離間する車輪位置の車高変位量に基づく値を検出する車高検出手段と、前記加速度検出手段で検出した加速度と、前記車高検出手段で検出した加速度の方向で互いに離間する車輪位置の車高変位量に基づく値と、から車両の積載荷重を演算する演算手段と、を具備することを特徴とする荷重検出装置。
【請求項2】前記加速度検出手段を車両の前後方向の加速度を検出するように構成した加速度検出手段と、前記加速度検出手段で検出した加速度方向で互いに離間する車両の前輪位置及び後輪位置の車高変位量に基づく値を検出する車高検出手段と、車両がピッチング状態にあるか否かを検出するピッチング状態検出手段と、該ピッチング状態検出手段でピッチング状態と判断された場合に、ピッチングの中心を軸とする車両重心位置における第1のモーメントと、車両の前輪位置における第2のモーメントと、車両の後輪位置における第3のモーメントとに基づき車両の積載荷重を演算する演算手段と、を具備することを特徴とする請求項1に記載の荷重検出装置。
【請求項3】前記加速度検出手段を車両の前後方向の加速度を検出するように構成して、車両がピッチング状態にあるか否かを判断するピッチング状態検出手段を備え、該ピッチング状態検出手段でピッチング状態と判断した場合に、前記演算手段は、ピッチングの中心と車両重心との車両高さ方向の偏差と車両総重量と前記加速度とで決まる第1のモーメントが、前記ピッチングの中心と車両の前輪位置との車両の前後方向の偏差と車両の前輪位置に備えられたサスペンションのばね定数と車両の前輪位置における前記車高変位量に基づく値とで決まる第2のモーメントと、前記ピッチングの中心と車両の後輪位置との車両の前後方向の偏差と車両の後輪位置に備えられたサスペンションのばね定数と前記後輪位置における前記車高変位量に基づく値とで決まる第3のモーメントとの和と釣り合うことから車両の積載荷重を演算することを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の荷重検出装置。
【請求項4】前記演算手段は、加速度の大きさが所定値より小さい時に演算を行わないあるいは演算結果を無効とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の荷重検出装置。
【請求項5】前記演算手段は、各サスペンションの伸縮変化の大きさが所定値以上の場合は演算を行わないあるいは演算結果を無効とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の荷重検出装置。
【請求項6】車体と車輪との間に減衰力が調整可能な緩衝器を備えて車両の積載荷重に基いて減衰力を調整する減衰力調整装置において、請求項1から請求項5の何れかの荷重検出装置を備えて該荷重検出装置の演算結果を基に前記緩衝器の減衰力を調整することを特徴とする減衰力調整装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に加わる乗員あるいは荷物等の積載荷重の状態を判別する荷重検出装置及びその車両の積載荷重の状態により変化する車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、サスペンションに備えられた緩衝器の減衰力を電気信号により可変な構成とすると共に、この緩衝器の減衰力をコンピュータにより電子制御することにより、車両の積載荷重の変化に係わりなく車両の姿勢を路面に対して適正状態に維持し、且つ、減衰力特性を最適に制御するように構成された減衰力調整装置が知られている。
【0003】この種の減衰力調整装置では、各サスペンションに各車輪へ加わる正確な荷重を求めるために、荷重検出装置を備えており、その荷重検出装置として、例えば、特開平4-305132号公報に記載されるものがある。これはサスペンションのアッパーサポートの組込まれているベアリング部を、緩衝器のロッドが挿通される円筒状内輪と、その外輪軌道部と、外輪軌道部上に配設されるボールベアリングとで構成し、上記円筒状内輪の壁面に歪みゲージを設けて荷重検出部を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両の構造上、サスペンション周辺にスペースが少なく、上記従来の荷重検出装置では、サスペンションに配設することが困難であった。
【0005】本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、車両の積載荷重の検出手段をスペースの制約が少ないものとすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を達成するために、請求項1の発明は、車両の走行状態の変化に基づく加速度を検出する加速度検出手段と、該加速度検出手段で検出した加速度の方向で互いに離間する車輪位置の車高変位量に基づく値を検出する車高検出手段と、前記加速度検出手段で検出した加速度と、前記車高検出手段で検出した加速度の方向で互いに離間する車輪位置の車高変位量に基づく値と、から車両の積載荷重を演算する演算手段と、を具備することを特徴とする。
【0007】請求項2の発明では、前記加速度検出手段を車両の前後方向の加速度を検出するように構成した加速度検出手段と、前記加速度検出手段で検出した加速度方向で互いに離間する車両の前輪位置及び後輪位置の車高変位量に基づく値を検出する車高検出手段と、車両がピッチング状態にあるか否かを検出するピッチング状態検出手段と、該ピッチング状態検出手段でピッチング状態と判断された場合に、ピッチングの中心を軸とする車両重心位置における第1のモーメントと、車両の前輪位置における第2のモーメントと、車両の後輪位置における第3のモーメントとに基づき車両に加わる荷重を演算する演算手段と、を具備することを特徴とする。
【0008】請求項3の発明では、前記加速度検出手段を車両の前後方向の加速度を検出するように構成して、車両がピッチング状態にあるか否かを判断するピッチング状態検出手段を備え、該ピッチング状態検出手段でピッチング状態と判断した場合に、前記演算手段は、ピッチングの中心と車両重心との車両高さ方向の偏差と車両総重量と前記加速度とで決まる第1のモーメントが、前記ピッチングの中心と車両の前輪位置との車両の前後方向の偏差と車両の前輪位置に備えられたサスペンションのばね定数と車両の前輪位置における前記車高変位量に基づく値とで決まる第2のモーメントと、前記ピッチングの中心と車両の後輪位置との車両の前後方向の偏差と車両の後輪位置に備えられたサスペンションのばね定数と前記後輪位置における前記車高変位量に基づく値とで決まる第3のモーメントとの和と釣り合うことから車両の積載荷重を演算することを特徴とする。
【0009】請求項4の発明は、前記加速度検出手段で検出した加速度の大きさが所定値より小さい時に演算を行わないあるいは演算結果を無効とすることを特徴とする。
【0010】請求項5の発明は、前記演算手段に、各サスペンションの伸縮変化の大きさが所定値以上の場合は演算を行わないあるいは演算結果を無効とすることを特徴とする。
【0011】請求項6の発明は、車体と車輪との間に減衰力が調整可能な緩衝器を備えて車両の積載荷重に基いて減衰力を調整する減衰力調整装置において、請求項1から請求項5の何れかの荷重検出装置を備えて該荷重検出装置の演算結果を基に前記緩衝器の減衰力を調整することを特徴とする。
【0012】
【作用】(1)請求項1記載の発明の荷重検出装置においては、車両の走行状態の変化により発生した加速度を加速度検出手段で検出する。加速度の方向で互いに離間する車輪位置の車高変位量に基づく値を車高検出手段で検出する。車輪が4輪ある車両で、車両の走行状態の変化が車両の前後方向に車体が揺動するピッチングである場合には、加速度検出手段で車両の前後方向の加速度を検出し、車高検出手段で加速度方向で互いに離間する前輪位置及び後輪位置の車高変位量に基づく値を検出する。また、車輪が4輪ある車両で、車両の走行状態の変化が車両の左右方向に車体が揺動するローリングである場合には、加速度検出手段で車両の横方向の加速度を検出し、車高検出手段で加速度方向で互いに離間する車両の右側車輪及び左側車輪の車高変位量に基づく値を検出する。この加速度の方向で互いに離間する車輪位置の車高変位量に基づく値及び加速度を基に車両の積載荷重を演算手段で演算する。
(2)請求項2記載の発明の荷重検出装置においては、車両の走行状態の変化により車両の前後方向に発生した加速度を加速度検出手段で検出する。車高検出手段で車両の前輪位置及び後輪位置の車高変位量に基づく値を検出する。ピッチング状態検出手段は、車両の走行状態の変化がピッチング状態にあるか否かを検出する。車両がピッチング状態にあれば、ピッチングの中心位置を軸とする車両重心位置の第1のモーメントと、車両の前輪位置の第2のモーメントと、車両の後輪位置の第3のモーメントと、を基に乗員の乗車あるいは荷物等を載せることによる車両に加わる荷重としての積載荷重を検出する。第1乃至第3のモーメントは、ピッチングにおける慣性モーメントである。
(3)請求項3記載の発明の荷重検出装置においては、ピッチング状態検出手段で車両がピッチング状態にあると判断すると、そのピッチングの中心と車両重心との車両高さ方向の偏差と車両総重量と車両の前後方向の加速度とで決まる第1のモーメントを演算する。ピッチングの中心と車両の前輪位置との車両の前後方向の偏差と車両の前輪位置に備えられたサスペンションのばね定数と車両の前輪位置における車高変位量に基づく値とで決まる第2のモーメントを演算する。更に、ピッチングの中心と車両の後輪位置との車両の前後方向の偏差と車両の後輪位置に備えられたサスペンションのばね定数と後輪位置における車高変位量に基づく値とで決まる第3のモーメントを演算する。第1のモーメントが、第2のモーメントと第3のモーメントとの和と釣り合うことから車両の積載荷重を演算する。
(4)請求項4記載の発明の荷重検出装置においては、加速度検出手段で検出した加速度の大きさ(絶対値)が所定値より小さいか否かを判断する。加速度が所定値より小さい場合は演算誤差が大きくなる。この場合の演算は、演算結果を無効とするか、あるいは、演算を行わないようにする。
(5)請求項5記載の発明の荷重検出装置においては、各車輪位置におけるサスペンションの伸縮変化の大きさを推定する。この各車輪位置におけるサスペンションの伸縮変化の大きさが所定値以上である場合は、演算誤差が大きくなる。この場合の演算は、演算結果を無効とするか、あるいは、演算を行わないようにする。
(6)請求項6記載の発明の減衰力調整装置においては、荷重検出装置で車両の積載荷重を検出し、各緩衝器の減衰力を車両の積載荷重に応じた減衰力に調整を行う。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について詳しく説明する。
【0014】(第1の実施の形態)第1の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0015】図1には、本発明の一実施例に係る荷重検出装置1を備えた車両の全体構成が示されている。
【0016】この荷重検出装置1を備えた車両は、左右前輪及び左右後輪の各車輪位置にコイルスプリング式のサスペンション10a〜10dを備えている。左右前輪位置のサスペンション10a〜10bは、ばね定数がK1であるコイルスプリング16a、16bと緩衝器11a、11bで構成されている。また、左右後輪位置のサスペンション10a〜10bは、ばね定数がK2であるコイルスプリング16c、16dと緩衝器11c、11dで構成されている。緩衝器11a〜11dは、各車輪を接続したロアアーム12a〜12dの下端でそれぞれ接続され、その上端面からは上端部を車体に固定したピストンロッド13a〜13dが突出している。
【0017】また、各ロアアーム12a〜12dには、各ロアアーム12a〜12dの回動を車高変位量に基づく値として検出する車高検出手段である車高センサ15a〜15dが備えられており、車両の中央部には、車両の前後方向の加速度を検出する加速度検出手段である加速度センサ7が備えられている。
【0018】図2には、荷重検出装置1のシステムブロック図が示されている。
【0019】この荷重検出装置1は、ECU(Electronic Control Unit)等からなる制御装置4を備えている。尚、制御装置4は、演算手段としてのCPU5と複数のしきい値を記憶する第1のメモリ6を有している。
【0020】この制御装置4には、各ロアアーム12a〜12dの回動を検出する車高センサ15a〜15dと車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサ7が接続されている。
【0021】図3は、車高センサ15a〜15dを示している。
【0022】車高センサ15a〜15dは、車体に回転可能に支持されたケース31を備えている。このケース31には、シャフト32を介してリンク33の一端が固定されている。このリンク33の他端にはロッド34の上端が回転可能に接続されている。ロッド34の下端はロアアーム12a〜12dに回転可能に接続されている。
【0023】車高センサ15a〜15dは、ロアアーム12a〜12dが回動すると矢印Xに示すようにリンク33を介してシャフト22及びケース31が回転するようになっている。ケース31の内周面には一対の永久磁石35a、35bが固着されており、矢印Y方向の磁界を形成している。ケース31の内部には、車体に支持されたホール素子36が配設されている。このホール素子36は、ケース31の回転に伴って、所定の電圧信号を出力する。車両に積載荷重が無く、且つ、静止状態における車体に対するロアアーム12a〜12dの位置を基準として、ロアアーム12a〜12dが基準にある時の電圧信号を基準信号値とする。そして、車体の上下方向の変位に伴って、ロアアーム12a〜12dが基準から回動すると、電圧信号はロアアーム12a〜12dの基準からの回動量に比例した値だけ基準信号値から離れた値となる。したがって、各車高センサ15a〜15dは、ロアアーム12a〜12dの回動に伴って変化した電圧信号を各車輪位置における車高変位量に基づく値として制御装置4に送っている。制御装置4では、ロアアーム12a〜12dの回動に伴って変化した電圧信号と基準位置との偏差から前輪位置の車高変位量R1、R2及び車両の後輪位置変位量R3、R4を演算している。
【0024】加速度センサ7は、車両の前後方向の加速度を検出するように構成されており、その検出した加速度Gを制御装置4に送っている。
【0025】制御装置4は、ピッチングの状態(傾きを持っている状態)を検出するピッチング状態検出手段を備える。ピッチング状態検出手段は、各車高センサ15a〜15dの信号に基づいて演算された車両の前輪位置の車高変位量R1、R2及び車両の後輪位置の車高変位量R3、R4の絶対値の全てが第1のメモリ6内に記憶された値Pより大きい場合に車両がピッチング状態にあると判断する。
【0026】CPU5は、加速度Gの絶対値が所定のしきい値Aより小さい場合には、演算誤差が大きいと判断する第1の手段を備えている。CPU5は、各サスペンション10a〜10dの伸縮変化の大きさを判断する一つとして、各サスペンション10a〜10dの伸縮速度の絶対値が第1のメモリ6内に記憶された所定のしきい値B以下でない場合には過渡的なピッチング状態と判断する第2の手段とを備えている。
【0027】しきい値A、しきい値B及びしきい値Pは予め実験でサンプリングされた値であり、各しきい値は要求される演算結果の精度に応じて適宜に変更可能である。演算のパラメータとして減衰力を入れると、車両が過渡的なピッチング状態の場合であっても、荷重を推定することはできるが、誤差要因が増えてしまい好ましくない。したがって、本技術では、各車輪位置のモーメントの演算に減衰力を考慮せず、各サスペンション10a〜10dに備えられたコイルスプリング16a〜16dのばね定数K1、K2のみを使用して演算している。そのため、各サスペンション10a〜10dの伸縮速度の好適な値は各緩衝器11a〜11dの減衰力の発生が小さい場合(車両の静的状態)である0付近となる。したがって、しきい値Bの好適な値を選択すると略0となる。
【0028】第1の手段は、加速度センサ7からの検出信号の加速度Gの絶対値が第1のメモリ6内に記憶されたしきい値Aより小さいか否かを判断する。加速度Gの絶対値がしきい値Aより小さい場合には演算誤差が大きいとして演算を行わない。あるいは、演算してもその推定値を採用しない。これは、あまり小さい加速度Gでは、推定値の誤差が大きくなることを避けるためである。
【0029】第2の手段は、各車高センサ15a〜15dの信号に基づいて演算された車高変位量R1〜R4を微分して各サスペンション10a〜10dの伸縮速度を演算する。その各サスペンション10a〜10dの伸縮速度の絶対値が第1のメモリ6内に記憶されたしきい値B以下でない場合には過渡的なピッチング状態と判断して演算を行わない。あるいは、演算してもその値を採用しない。
【0030】したがって、加速度センサ7で検出される加速度Gの絶対値がしきい値Aより大きく、且つ、各サスペンション10a〜10dの伸縮速度の絶対値がしきい値B以下の場合は、演算による推定値が誤差の少ない値を取ることが可能なピッチング状態にある。
【0031】図4は車両の積載荷重を演算可能な状態を表したものである。
【0032】ピッチングの中心Tは、車両特性に基づき演算した値もしくは実験等で検出した値で予め第1のメモリ6に記憶されたものである。そして、そのピッチングの中心Tを軸とする車両重心Jにおける慣性モーメントと各車輪位置における慣性モーメントの和との釣り合いから車両の積載荷重を演算する。
【0033】第1モーメントである車両重心Jにおける慣性モーメントは、ピッチングの中心Tと車両重心Jとの車両高さ方向の偏差hと、車両重量Mに車両の積載荷重mを加えた車両総重量と、車両の前後方向の加速度Gとの積から求まる。
【0034】第2モーメントである車両の前輪位置における慣性モーメントは、ピッチングの中心Tと車両の前輪位置との車両の前後方向の偏差aと、車両の前輪位置に備えられたサスペンション10a、10bに備えられたコイルスプリング16a、16bのばね定数K1と、車両の前輪位置の車高変位量R1、R2との積で求まる。
【0035】第3モーメントである車両の後輪位置における慣性モーメントは、ピッチングの中心Tと車両の後輪位置との車両の前後方向の偏差bと、車両の後輪位置に備えられたサスペンション10c、10dに備えられたコイルスプリング16c、16dのばね定数K2と、車両の後輪位置の車高変位量R3、R4との積で求まる。
【0036】ここで、第1のモーメントが、第2のモーメントと第3のモーメントとの和と釣り合うことから数1の式が得られる。
【0037】
【数1】

この数1から車両の積載荷重mについて求めると数2の式が得られる。
【0038】
【数2】

前輪位置におけるサスペンション10a、10bに備えられたコイルスプリング16a、16bのばね定数K1と後輪位置におけるサスペンション10c、10dに備えられたコイルスプリング16c、16dのばね定数K2とは第1のメモリ6内に記憶されている。
【0039】通常、車両の積載荷重mは、周期的で変動しないため、ある程度長時間の平均を取ることが可能ある。そのため、制御装置4では、数2の演算を所定回数N行い、その所定回数N個の演算結果の平均値を車両の積載荷重mとして求める。
【0040】上記構成の荷重検出装置1の作用を図5のフローチャートを基に説明する。
【0041】制御装置4は、車両の機能を起動するためのイグニッションスイッチをオンにすると、ステップS100で、車両の積載荷重mとしての荷重増加推定値Wと演算の回数を数えるカウンタの値Kとカウンタの値Kが示す回数の演算結果の和の値SUMとの各パラメータを初期値0にする。次に、ステップS110では、各車高センサ15a〜15dの信号に基づいて演算された車両の前輪位置の車高変位量R1、R2及び車両の後輪位置の車高変位量R3、R4の絶対値の全てが第1のメモリ6内に記憶されたしきい値Pより大きい場合に車両がピッチング状態にあると判断してステップS120に進む。また、各車高センサ15a〜15dの信号に基づいて演算された車両の前輪位置の車高変位量R1、R2及び車両の後輪位置の車高変位量R3、R4の絶対値の少なくとも一つが第1のメモリ6内に記憶されたしきい値Pより小さい場合に車両がピッチング状態でないと判断してステップS190に進む。ステップS120では演算誤差の大きくなる加速度の範囲をカットするために加速度センサ7で検出した加速度の絶対値がしきい値A以上か否かを判断する。加速度の絶対値がしきい値A以上であればステップS130へ進み、しきい値A以下であればステップS190に進む。ステップS130で、サスペンション10a〜10dの伸縮速度を車高センサ15a〜15dの信号に基づいて演算された車高変位量R1〜R4を微分することにより演算する。その伸縮速度の絶対値の全てがしきい値B以下か否かで過渡的なピッチング状態であるか否かを判断する。伸縮速度の絶対値がしきい値B以下でない場合は【0042】数2の演算結果に誤差が大きい過渡的なピッチング状態であると判断してステップS190に進む。また、伸縮速度の絶対値の全てがしきい値B以下であればステップS140で、車両の前後方向の加速度Gと、各車輪位置における車高変位量R1〜R4とを基に数2を用いて車両の積載荷重mを演算して演算結果の和の値SUMに加算し、カウンタの値KにステップS150で1加算する。次に、ステップS160で所定回数N演算しているか否かを判断するためにカウンタの値Kが所定回数Nであるかどうかを判断し、カウンタの値Kが所定回数NであればステップS170に移り演算結果の和の値SUMから所定回数Nの演算した結果の平均値を求め、その値を荷重増加推定値Wとする。ステップS180で演算結果の和の値SUMとカウンタの値とを初期値0に変更する。ステップS190では荷重増加推定値Wが第1のメモリに記憶された所定のしきい値C以上か否かを判断する。荷重増加推定値Wが所定のしきい値C以下である場合は誤差の大きい演算結果であるとしてステップS210に進み荷重増加推定値Wを初期値0に変更してステップS110にもどって演算を続ける。しかし、荷重増加推定値Wが所定のしきい値C以上であるときは、ステップS200で荷重増加推定値Wを車両の積載荷重mとして出力し、ステップS210で荷重増加推定値Wを初期値0に変更してステップS110にもどる。
【0043】本実施例によれば各ロアアーム12a〜12dに接続された各車高センサ15a〜15dと車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサ7とからの出力結果を基に数2を用いて車両の積載荷重mを容易に演算することができる。故に、サスペンションの周辺の少ないスペースにセンサ等を配設することなく、ロアアームと車体との間に配設した車高センサあるいは、車体の任意の位置に配設した加速度センサで車両の積載荷重を検出することができる。また、本技術の演算精度は、複数のしきい値により誤差の大きい条件をカットすることにより、正確な車両の積載荷重を演算することができる。更にまた、所定回数(所定時間)の演算結果を平均することにより、演算精度を向上させることが可能となる。
【0044】(第2の実施の形態)第2の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0045】図6には、本発明の一実施例に係る荷重検出装置2を備えた車両の全体構成が示されている。また、図2には、荷重検出装置2のシステムブロック図が示されている。尚、上記第1の実施の形態と同じ構成部には同符号を付すと共に、上記実施例と異なる部分のみ説明する。
【0046】この荷重検出装置2は図1で示した第1の実施の形態の荷重検出装置1の各車輪位置に備えられたコイルスプリング式のサスペンション10a〜10dをエアスプリング式のサスペンション20a〜20dとしたものである。左右前輪位置のサスペンション20a、20bは、車両の積載荷重が0の場合のばね定数がK3のエアスプリング26a、26bと緩衝器21a、21bで構成されている。左右前輪位置のサスペンション20c、20dは、車両の積載荷重が0の場合のばね定数がK4のエアスプリング26c、26dと緩衝器21c、21dで構成されている。この点を除く構成は同一である。
【0047】但し、サスペンション20a〜20dを構成するエアスプリング26a〜26dの特性として、ばね定数は、サスペンション20a〜20dに加わる荷重に比例して変化する。車両の積載荷重mが各サスペンション20a〜20dに均等に加わると考えると、各サスペンション20a〜20dを構成するエアスプリング26a〜26dのばね定数は一定の割合で増加する。しかし、一般的な車両を想定すると、乗員、荷物、燃料等の荷重増加要因のほとんどは車両後ろ側に集中している。そのため、本実施例では、車両の積載荷重mは全て後輪位置のサスペンション20c、20dに加わるとみなし、この場合のばね定数をK5とする。
【0048】制御装置4は、ピッチングの状態(傾きを持っている状態)を検出するピッチング状態検出手段を備える。ピッチング状態検出手段は、各車高センサ15a〜15dで検出された車両の前輪位置の車高変位量R1、R2及び車両の後輪位置の車高変位量R3、R4の絶対値の全てが第1のメモリ6内に記憶された値Pより大きい場合に車両がピッチング状態にあると判断する。
【0049】CPU5は、加速度Gの絶対値が所定のしきい値Aより小さい場合には、演算誤差が大きいと判断する第1の手段を備えている。CPU5は、各サスペンション20a〜20dの伸縮変化の大きさを判断する一つとして、各サスペンション20a〜20dの伸縮速度の絶対値が第1のメモリ6内に記憶された所定のしきい値B以下でない場合には過渡的なピッチング状態と判断する第2の手段とを備えている。
【0050】しきい値A、しきい値B及びしきい値Pは予め実験でサンプリングされた値であり、各しきい値は要求される演算結果の精度に応じて適宜に変更可能である。演算のパラメータとして減衰力を入れると、車両が過渡的なピッチング状態の場合であっても、荷重を推定することはできるが、誤差要因が増えてしまい好ましくない。したがって、本技術では、各車輪位置のモーメントの演算に減衰力を考慮せず、各サスペンション20a〜20dに備えられたエアスプリング26a〜26dのばね定数K3、K5のみを使用して演算している。そのため、各サスペンション20a〜20dの伸縮速度の好適な値は各緩衝器20a〜20dの減衰力の発生が小さい場合(車両の静的状態)である0付近となる。したがって、しきい値Bの好適な値を選択すると略0となる。
【0051】第1の手段は、加速度センサ7からの検出信号の加速度Gの絶対値が第1のメモリ6内に記憶されたしきい値Aより小さいか否かを判断する。加速度Gの絶対値がしきい値Aより小さい場合には演算誤差が大きいとして演算を行わない。あるいは、演算してもその推定値を採用しない。これは、あまり小さいな加速度Gでは、推定値の誤差が大きくなることを避けるためである。
【0052】第2の手段は、各車高センサ15a〜15dの信号に基づいて演算された車高変位量R1〜R4を微分して各サスペンション20a〜20dの伸縮速度を演算する。その各サスペンション20a〜20dの伸縮速度の絶対値が第1のメモリ6内に記憶されたしきい値B以下でない場合には過渡的なピッチング状態と判断して演算を行わない。あるいは、演算してもその値を採用しない。
【0053】したがって、加速度センサ7で検出される加速度Gの絶対値がしきい値Aより大きく、且つ、各サスペンション20a〜20dの伸縮速度の絶対値がしきい値B以下の場合は、演算による推定値が誤差の少ない値を取ることが可能なピッチング状態にある。
【0054】図7は車両の積載荷重を演算可能な状態を表したものである。
【0055】ピッチングの中心Tは、車両特性に基づき演算した値もしくは実験等で検出した値で予め第1のメモリ6に記憶されたものである。そして、そのピッチングの中心Tを軸とする車両重心Jにおける慣性モーメントと各車輪位置における慣性モーメントの和との釣り合いから車両の積載荷重mを演算する。
【0056】第1モーメントである車両重心Jにおける慣性モーメントは、ピッチングの中心Tと車両重心Jとの車両高さ方向の偏差hと、車両重量Mに車両の積載荷重mを加えた車両総重量と、車両の前後方向の加速度Gとの積から求まる。
【0057】第2モーメントである車両の前輪位置における慣性モーメントは、ピッチングの中心Tと車両の前輪位置との車両の前後方向の偏差aと、車両の前輪位置に備えられたサスペンション20a、20bに備えられたエアスプリング26a、26bのばね定数K3と、車両の前輪位置の車高変位量R1、R2との積で求まる。
【0058】第3モーメントである車両の後輪位置における慣性モーメントは、ピッチングの中心Tと車両の後輪位置との車両の前後方向の偏差bと、車両の後輪位置に備えられたサスペンション20c、20dに備えられたエアスプリング26c、26dのばね定数K5と、車両の後輪位置の車高変位量R3、R4との積で求まる。
【0059】ここで、第1のモーメントが第2のモーメントと第3のモーメントとの和と釣り合うことから数3の式が得られる。
【0060】
【数3】

この数3から車両の積載荷重mについて求めると数4の式が得られる。
【0061】
【数4】

本実施例では、車両の積載荷重mは、全て後輪位置のサスペンション20a〜20dに加わるとみなしている。そのため、各車輪位置のエアスプリング26a〜26dのばね定数は、以下のようになる。
【0062】前輪位置におけるサスペンション20a、20bのばね定数K3は第1のメモリ6内に記憶されている車両の積載荷重mが0の場合の値を用いる。
【0063】後輪位置におけるエアスプリング26c、26dのばね定数K5は、上述のようにサスペンション20c、20dに加わる荷重に比例して変化することから、第1のメモリ6内に記憶された車両の積載荷重が0の状態におけるエアスプリング26c、26dのばね定数K4を基に演算されたものである。したがって、後輪位置におけるエアスプリング26c、26dのばね定数K5は、車両重量に車両の積載荷重mを加えた車両総重量と車両重量の比を車両の積載荷重が無い状態におけるエアスプリング26c、26dのばね定数K4にかけた数5となる。
【0064】
【数5】

したがって数4の式に数5を代入すると、数6を得ることができる。
【0065】
【数6】

更に、数6を車両の積載荷重mについて求めると数7を得ることができる。
【0066】
【数7】

通常、車両の積載荷重mは、周期的で変動しないため、ある程度長時間の平均を取ることが可能ある。そのため、制御装置4では、数7基づく演算を所定回数N行い、その所定回数N個の演算結果の平均値を車両の積載荷重mとして求める。
【0067】上記構成の荷重検出装置1の作用を図8のフローチャートを基に説明する。
【0068】制御装置4は、車両の機能を起動するためのイグニッションスイッチをオンにすると、ステップS101で、車両の積載荷重mとしての荷重増加推定値Wと演算の回数を数えるカウンタの値Kとカウンタの値Kが示す回数の演算結果の和の値SUMとの各パラメータを初期値0にする。次に、ステップS111では、各車高センサ15a〜15dの信号に基づいて演算された車両の前輪位置の車高変位量R1、R2及び車両の後輪位置の車高変位量R3、R4の絶対値の全てが第1のメモリ6内に記憶されたしきい値Pより大きい場合に車両がピッチング状態にあると判断してステップS121に進む。また、各車高センサ15a〜15dの信号に基づいて演算された車両の前輪位置の車高変位量R1、R2及び車両の後輪位置の車高変位量R3、R4の絶対値の少なくとも一つが第1のメモリ6内に記憶されたしきい値Pより小さい場合に車両がピッチング状態でないと判断してステップS191に進む。ステップS121では演算誤差の大きくなる加速度の範囲をカットするために加速度センサ7で検出した加速度の絶対値がしきい値A以上か否かを判断する。加速度の絶対値がしきい値A以上であればステップS131へ進み、しきい値A以下であればステップS191に進む。ステップS131で、サスペンション21a〜21dの伸縮速度を車高センサ15a〜15dの信号に基づいて演算された車高変位量R1〜R4を微分することにより演算する。その伸縮速度の絶対値の全てがしきい値B以下か否かで過渡的なピッチング状態であるか否かを判断する。伸縮速度の絶対値がしきい値B以下でない場合は【0069】数7の演算結果に誤差が大きい過渡的なピッチング状態であると判断してステップS191に進む。また、伸縮速度の絶対値の全てがしきい値B以下であればステップS141で、車両の前後方向の加速度Gと、各車輪位置における車高変位量R1〜R4とを基に数7を用いて車両の積載荷重mを演算して演算結果の和の値SUMに加算し、カウンタの値KにステップS151で1加算する。次に、ステップS161で所定回数N演算しているか否かを判断するためにカウンタの値Kが所定回数Nであるかどうかを判断し、カウンタの値Kが所定回数NであればステップS171に移り演算結果の和の値SUMから所定回数Nの演算した結果の平均値を求め、その値を荷重増加推定値Wとする。ステップS181で演算結果の和の値SUMとカウンタの値とを初期値0に変更する。ステップS191では荷重増加推定値Wが第1のメモリに記憶された所定のしきい値C以上か否かを判断する。荷重増加推定値Wが所定のしきい値C以下である場合は誤差の大きい演算結果であるとしてステップS211に進み荷重増加推定値Wを初期値0に変更してステップS111にもどって演算を続ける。しかし、荷重増加推定値Wが所定のしきい値C以上であるときは、ステップS201で荷重増加推定値Wを車両の積載荷重mとして出力し、ステップS211で荷重増加推定値Wを初期値0に変更してステップS111にもどる。
【0070】したがって、本実施例によれば各ロアアーム12a〜12dに接続された各車高センサ15a〜15dと車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサ7とからの出力結果を基に数7を用いて車両の積載荷重mを容易に演算することができる。故に、サスペンションの周辺の少ないスペースにセンサ等を配設することなく、ロアアームと車体との間に配設した車高センサあるいは、車体の任意の位置に配設した加速度センサで車両の積載荷重を検出することができる。また、本技術の演算精度は、複数のしきい値により誤差の大きい条件をカットすることにより、正確な車両の積載荷重を演算することができる(第3の実施の形態)第3の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0071】図1には、本発明の一実施例に係る上記第1の実施の形態における荷重検出装置1を持つ減衰力調整装置31を備えた車両の全体構成が示されている。尚、上記第1の実施の形態と同じ構成部には同符号を付す。
【0072】この減衰力調整装置31を備えた車両は、左右前輪及び左右後輪の各車輪位置にコイルスプリング式のサスペンション10a〜10dを備えている。左右前輪位置のサスペンション10a〜10bは、ばね定数がK1であるコイルスプリング16a、16bと緩衝器11a、11bで構成されている。また、左右後輪位置のサスペンション10a〜10bは、ばね定数がK2であるコイルスプリング16c、16dと緩衝器11c、11dで構成されている。その緩衝器11a〜11dは、各車輪を接続したロアアーム12a〜12dの下端でそれぞれ接続され、その上端面からは上端部を車体に固定したピストンロッド13a〜13dが突出している。この緩衝器11a〜11dのピストンロッド13a〜13dの上端部には、緩衝器11a〜11dの減衰力調整装置31からの信号により減衰力を調整する減衰力調整手段としてのアクチュエータ14a〜14dが配設されている。
【0073】また、各ロアアーム12a〜12dには、各ロアアーム12a〜12dの回動を車高変位量に基づく値として検出する車高検出手段として第1の実施の形態と同様の車高センサ15a〜15dが備えられている。車両の中央部には、車両の前後方向の加速度を検出する加速度検出手段としての加速度センサ7が備えられている。
【0074】図9は、減衰力調整装置を示すシステムブロック図である。
【0075】この減衰力調整装置31は、車両の積載荷重mを求める荷重検出装置1と制御部9とを備えている。尚制御部9には、車両の積載荷重mに対応した減衰力を複数記憶する第2のメモリ8とを備えている。
【0076】この制御部9は、上記第1の実施の形態における荷重検出装置1からの車両の積載荷重mを示す信号を受ける。更に、この信号を基に、車両の積載荷重mが増加もしくは減少したかを判断し、第2のメモリ8に記憶された複数の減衰力の中から車両の積載荷重mに対応する減衰力を選出し、各車輪位置に配設されているアクチュエータ14a〜14dに減衰力を調整する信号を送信するように構成されている。車両の積載荷重mに対応する減衰力は、車両の積載荷重mが増加していれば各緩衝器11a〜11dの減衰力が硬くなるような値となっている。また、車両の積載荷重mが減少していれば各緩衝器11a〜11dの減衰力が柔らかくなるような値となっている。
【0077】また、アクチュエータ14a〜14dは、制御部9からの信号を基に各緩衝器11a〜11dの減衰力を調整するように構成されている。
【0078】次に、上記構成の減衰力調整装置31の作用を説明する。
【0079】制御部9は、荷重検出装置1から車両の積載荷重mを示す信号を受ける。次に、第2のメモリ内に記憶された複数の減衰力の中から荷重検出装置からの信号に対応した減衰力を選出する。更に、選出した減衰力をアクチュエータ14a〜14dに信号としてを送信する。この信号を受けたアクチュエータ14a〜14dは、緩衝器11a〜11dの減衰力を信号の示す減衰力に調整する。
【0080】したがって、本実施の形態における減衰力調整装置31では、車両の積載荷重の検出に第1の実施の形態における荷重検出装置1を用い、サスペンション10a〜10dにアクチュエータ14a〜14dのみを設けたことにより、サスペンション10a〜10dの構成を簡素化することができる。
【0081】(第4の実施の形態)第4の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0082】図6には、本発明の一実施例に係る上記第2の実施の形態における荷重検出装置2を持つ減衰力調整装置32を備えた車両の全体構成が示されている。尚、上記第2の実施の形態と同じ構成部には同符号を付す。尚、上記第2の実施の形態と同じ構成部には同符号を付す。
【0083】この減衰力調整装置32を備えた車両は、左右前輪及び左右後輪の各車輪位置に減衰力を変更可能なエアスプリング式のサスペンション20a〜20dを備えている。左右前輪位置のサスペンション20a、20bは、車両の積載荷重が0の場合のばね定数がK3のエアスプリング26a、26bと緩衝器21a、21bで構成されている。左右前輪位置のサスペンション20c、20dは、車両の積載荷重が0の場合のばね定数がK4のエアスプリング26c、26dと緩衝器21c、21dで構成されている。その緩衝器21a〜21dは、各車輪を接続したロアアーム12a〜12dにそれぞれ接続され、その上端面からは上端部を車体に固定したピストンロッド13a〜13dが突出している。この緩衝器21a〜21dのピストンロッド13a〜13dの上端部には、緩衝器21a〜21dの減衰力調整装置32からの信号により減衰力を調整する減衰力調整手段としてのアクチュエータ14a〜14dが配設されている。
【0084】また、各ロアアーム12a〜12dには、各ロアアーム12a〜12dの回動を車高変位量に基づく値として検出する車高検出手段としての第1の実施の形態と同様の車高センサ15a〜15dが備えられており、車両の中央部には、車両の前後方向の加速度を検出する加速度検出手段としての加速度センサ7が備えられている。
【0085】図9は、減衰力調整装置32を示すシステムブロック図である。
【0086】この減衰力調整装置32は、車両の積載荷重mを求める荷重検出装置2と制御部9とを備えている。制御部9には、車両の積載荷重mに対応した減衰力を複数記憶する第2のメモリ8とを備えている。この制御部9は、上記第2の実施の形態における荷重検出装置2からの車両の積載荷重mを示す信号を受ける。更に、この信号を基に、第2のメモリ8に記憶された複数の減衰力の中から車両の積載荷重mに対応する減衰力を選出し、各車輪位置に配設されているアクチュエータ14a〜14dに各緩衝器21a〜21dの減衰力を調整する信号を送信するように構成されている。車両の積載荷重mに対応する減衰力は、車両の積載荷重mが増加していれば各緩衝器21a〜21dの減衰力が硬くなるような値となっている。また、車両の積載荷重mが減少していれば各緩衝器21a〜21dの減衰力が柔らかくなるような値となっている。
【0087】また、アクチュエータ14a〜14dは、制御部9からの信号を基に各緩衝器21a〜21dの減衰力を調整するように構成されている。
【0088】次に、上記構成の減衰力調整装置32の作用を説明する。
【0089】制御部9は、荷重検出装置2から車両の積載荷重mを示す信号を受ける。次に、荷重検出装置2から受信した信号に対応した減衰力を第2のメモリ8内に記憶された複数の減衰力の中から選出する。更に、選出した減衰力をアクチュエータ14a〜14dに信号としてを送信する。この信号を受けたアクチュエータ14a〜14dは、緩衝器21a〜21dの減衰力を信号の示す減衰力に調整する。
【0090】したがって、本実施の形態における減衰力調整装置32では、車両の積載荷重の検出に第2の実施の形態における荷重検出装置2を用い、サスペンション20a〜20dにアクチュエータ14a〜14dのみを設けたことにより、サスペンション20a〜20dの構成を簡素化することができる。
【0091】(第5の実施の形態)本発明の上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、ピッチング状態検出手段の一例を示したが、本実施の形態では、ピッチング状態検出手段の他の例について説明する。
【0092】ピッチング状態検出手段は、加速度センサの検出した加速度が所定のしきい値以上であれば車両がピッチング状態にあると判断している。しきい値は、制御装置内のメモリに記憶されており、予め実験等でサンプリングされた値である。
【0093】検出した加速度が所定のしきい値以上の場合は、各サスペンションが伸縮しており、各車輪位置の車高が所定量変化している。したがって、車両がピッチング状態にあると判断することが可能となる。
【0094】(第6の実施の形態)本発明の上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、過渡的なピッチング状態を判断する第2の手段の一例を示したが、本実施の形態では、第2の手段の他の例について説明する。
【0095】第2の手段は、加速度センサの検出した加速度の変化率をCPUで演算している。第2の手段は、演算した加速度の変化率の絶対値が、所定のしきい値以下でなければ過渡的なピッチング状態にあると判断する。
【0096】加速度と各サスペンションの伸縮変化とには、一定の関係があり、加速度が変化した場合に、各サスペンションに加わる力は変化する。これにより、各サスペンションは、伸縮変化する。したがって、加速度の変化率の絶対値が所定のしきい値以下である場合には、各サスペンションに加わる力の変化は少なく各サスペンションの伸縮変化も所定値以下になる。この場合、車両が過渡的なピッチング状態になく、演算可能且つ、演算結果が有効である状態と判断することができる。
【0097】上記しきい値は、予め実験等でサンプリングされた値が制御装置内のメモリーに記憶されている。
【0098】尚、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して、次のように実施することもできる。
(1)上記実施の形態では、車両の走行状態がピッチング状態である場合について説明したが、ロール等の車両の走行状態の変化に応じて上記演算式を変更して車両の積載荷重を演算することが可能である。この場合、前後方向に加速度に代えて、横方向の加速度を使う。また、車両重心での車両前後方向のモーメントの代わりに車両重心でのさ両左右方向のモーメントを用いて演算を行うことになる。
(2)上記実施の形態において、車高の変位に基づく値をロアアームに設けた車高センサで行ったが、車両の上下方向の加速度を検出する加速度センサを用いても良い。また、車高の変位を車高センサで直接検出したが、車高の変位を演算にて検出できる車高を検出するもであっても良い。
(3)上記実施の形態において、所定回数の数2もしくは数7の演算結果を平均して車両の積載荷重を求めたが、数2もしくは数7の演算結果が出るたびに過去の所定回数の演算結果を平均して求めても良い。
(4)上記実施の形態において、荷重検出装置をサスペンションの減衰力調整やに用いたが、ABSやスピン防止装置の制御及びエンジン出力制御等のマップもしくは制御パラメータ等の変更に用いても良い。
(5)上記実施の形態において、減衰力調整装置は、荷重検出装置の演算結果の基づいて緩衝器の減衰力を調整したが、これに加え、従来のロール、ピッチング、慣性力等に伴って行う減衰力調整装置を組合せても良い。
【0099】
【発明の効果】上記本発明の荷重検出装置では、荷重検出装置をサスペンションに設けることなく、車両の走行状態の変化によって発生する加速度と各車輪位置の車高変位量に基づく値とから容易に車両の積載荷重を演算することができるので、スペースの制約が少ない形で荷重を推定することができる。
【0100】また、演算誤差の大きい車両の走行状態を判断することにより正確な車両の積載荷重を演算することができる。
【0101】更に、その荷重検出装置を備えた減衰力調整装置では、車両の積載荷重に適応したサスペンションの減衰力調整をすることができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成11年6月16日(1999.6.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−1732(P2001−1732A)
【公開日】 平成13年1月9日(2001.1.9)
【出願番号】 特願平11−169775