トップ :: B 処理操作 運輸 :: B41 印刷;線画機;タイプライタ−;スタンプ




【発明の名称】 インクジェット記録媒体
【発明者】 【氏名】土田 実

【氏名】浅井 滋記

【氏名】久保田 展弘

【氏名】片桐 和繁

【氏名】辰橋 史一

【氏名】岩本 清志

【要約】 【課題】インクジェット記録に使用される記録媒体に関して、インクジェット記録画像の保存安定性、特に光と環境ガスによる画像の褪色及び変色を防止することができる、優れた耐光性と耐環境ガス性を有するインクジェット記録媒体を提供する。

【解決手段】基材の少なくとも片面にインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、該インク受容層にフラボノイド化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録媒体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材の少なくとも片面にインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、該インク受容層にフラボノイド化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録媒体。
【請求項2】 前記フラボノイド化合物が、インク受容層中に0.05〜20.0重量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
【請求項3】 前記フラボノイド化合物が、フラボノール類、フラバノール類及びフラバノン類の化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種のインクジェット記録方式の機器で使用される記録媒体に関するもので、更に詳しくは、特に鮮明な画像が得られ、かつ、画像の保存安定性に優れたインクジェット記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターは、記録の鮮明さ、音の静かさ、カラー化の容易さ等の特徴を有するため、近年その普及はますます増大している。インクジェットプリンターは、インクの乾燥によるジェットノズルのつまりを防止するために乾燥しにくいインクを使用する必要があり、かかる特性を有するインクとして結着剤、染料、溶媒、添加剤等を水に溶解または分散した水溶性のインクが使用されている。また、かかるインクが表面に速やかに吸収されて乾燥するように、一般にポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂とアルミナやシリカなどの顔料とからなるインク受容層が基材上に形成された記録シートが用いられている。しかし、水溶性インクを使用して記録用紙上に形成した文字、図形等のインクジェット記録による画像は、太陽光や紫外線などの影響により次第に褪色や変色を生じてしまい、オフセット印刷などによる顔料系の油性インクを使用した印刷物や、銀塩写真の画像に比べて耐光性が劣っているのが現状である。
【0003】近年、安価であって、かつ鮮鋭性や色彩性に特徴を有するインクジェットプリンターが普及するにしたがい、銀塩写真に相当する記録特性及び保存安定性がインクジェット記録用紙求められており、特に太陽光や紫外線による画質の劣化に対する耐光性の改善が強く要求されており、画像の耐光性を向上することが今やインクジェット記録用紙の必須条件となっているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この現状を鑑み、インク受容層に使用される樹脂、顔料、その他添加剤について耐光性の改良に関する多数の提案がなされている。例えば、添加剤として抗酸化剤を含む耐光性の改良が検討されており、特開平07−195824号、特開平07−179797号に代表されるようにアスコルビン酸、モノオキシゲナーゼ等の酵素をインク受容層に添加することにより耐光性が向上するとの提案がされている。しかしながら、これらの抗酸化剤を用いることをはじめとする従来の耐光性改善に関する提案では、未だ十分な耐光性が得られておらず、銀塩写真には劣るものである。
【0005】本発明者は、インクジェット記録画像の保存安定性について種々の検討を重ねた結果、画像の保存安定性は太陽光や紫外線に対する耐光性に加えて、従来ほとんど検討されていない環境ガス(オゾン、窒素酸化物、硫黄酸化物など)による画像の劣化つまり耐環境ガス性を向上することが重要であることを見出した。したがって、本発明はインクジェット記録画像の保存安定性、特に光と環境ガスによる画像の褪色及び変色を防止することができる、優れた耐光性と耐環境ガス性を有するインクジェット記録媒体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の事情に鑑み種々の検討を重ねた結果、インク受容層に特定の抗酸化剤を含有させることによって、極めて効果的に、画像の耐光性および耐環境ガス性が向上することを見いだし、本発明の完成に至った。即ち本発明は、基材の少なくとも片面にインク受容層を設けたインクジェット記録媒体において、該インク受容層にフラボノイド化合物が含有されていることを特徴とするインクジェット記録媒体である。また、該フラボノイド化合物はインク受容層に0.05〜20.0重量%含有されていることが好ましい。以下、本発明による好適な実施の形態ついて詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録媒体は、基材の少なくとも片面にインク受容層を塗布法等の積層手段により少なくとも1層設けてなる層構成であり、そのインク受容層は、2層あるいは3層以上あってもよい。以下、基材およびインク受容層を構成する材料を説明する。
【0008】(1)基材本発明に用いられる基材は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGP、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ、等の木材パルプを主成分として、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタンなどの顔料、サイズ剤、定着剤、歩留り向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で製造された原紙、さらに該原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレス処理したり、アンカーコート層を設けた加工原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙も含まれる。このような原紙および塗工紙にそのままインク受容層を設けても良いし、表面を平坦化する目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。
【0009】また、基材としては、上記原紙上に塗布やラミネートによりポリオレフィン樹脂層を設けても良い。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリウレタン等の合成樹脂やこれらの混合物のフィルム材や、これらの合成樹脂を繊維化して成形した織布、不織布をそのまま基材として用いることができる。
【0010】(2)インク受容層本発明におけるインク受容層は、特に限定されるものではなく、抄紙機のサイズプレス等でバインダーなどを微塗工したもの、各種塗工機でバインダーまたはバインダーと顔料を主成分とした塗料を塗布・乾燥したものなど、何れのものでも良い。すなわち、本発明のインク受容層は少なくともフラボノイド化合物が、含有されていることが必要であり、該フラボノイド化合物がバインダーに分散して形成されており、必要に応じて顔料、その他添加剤が用いられている。
【0011】(a)フラボノイド化合物本発明のインク受容層に用いられるフラボノイド化合物は、下記式(1)で示されるジフェニルプロパン構造を基本骨格とする化合物群の総称であり、また、その配糖体も含めたものを言う。
【化1】

【0012】フラボノイド化合物は、カルコン類、フラボン類、フラバノール類、フラボノール類、フラバノン類、アントシアニジン類などに分類され、また、没食子酸などの種々の原子団がエーテル結合などで結合したり、フェノール性水酸基などの置換基が置換した非常に多くの誘導体があり、これらの各種化合物が適宜用いられる。また、その配糖体とは、例えば、前記の式(1)における3位に結合した水酸基において糖がエーテル結合したもの、同じく7位や4’位の水酸基に結合したものなどが挙げられ、特に限定されるものではない。また糖の種類としては、グルコースが多く、他にラムノース、ガラクトース、キシロースなどがある。
【0013】上記の如きフラボノイド化合物の具体例としては、エピカテキン、カテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガーレート、エピガロカテキンガーレート、ナリンジン、タキシフォリン、ケンフェロール、ケルセチン、ルチン、ミリセチン、クリシン、アピゲニン、マルビジン、シアニジン、アピゲニジンなどが挙げられる。
【0014】本発明には、上記のフラボノイド化合物の中でも特に水素や電子を供与できるフェノール性水酸基等の置換基を有する誘導体である、フラバノール類、フラボノール類、フラバノン類が好ましく、特にフラバノール類及びフラボノール類が好適であり、中でもケルセチン、ルチン及びカテキンが好ましい。本発明において、フラボノイド化合物は、インク受容層の塗料中に、分散、乳化、溶解等の種々の形態で添加でき、塗料の組成、溶媒の種類、添加剤との組み合わせで、適当に選択される。その添加量は、特に制限がないが、インク受容層中に0.05〜20.0重量%、好ましくは0.5〜10.0重量%、特に好ましくは1.0〜5.0重量%が適当である。添加量が0.05重量%以下では、保存安定性の効果が得られず、20.0重量%以上では、インク吸収性や塗膜強度が低下するおそれがある。
【0015】(b)バインダー樹脂本発明においてインク受容層に含有されるバインダー樹脂としては、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、無水マレイン酸樹脂、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂; スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル系エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性接着剤;ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤が挙げられ、1種以上で使用される。
【0016】(c)顔料本発明におけるインク受容層には、インクの吸収性、乾燥性のために顔料を1種以上用いることができる。顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックセグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
【0017】上記の中でもインク受容層に含有する白色顔料としては、インクジェットインクの乾燥性や吸収性などが優れていることから、合成非晶質シリカ、炭酸マグネシウム、アルミナ等の多孔性無機顔料が好ましい。これらの中でも特に本発明では、印刷品質と保存安定性(耐水性、耐摩耗性、耐光性、耐環境ガス性、室内保存性、直射日光に対する保存性)の両方に優れた効果を有する、比表面積200〜600g/m2程度の沈降タイプおよびゲルタイプの合成非晶質シリカを使用することが好適である。
【0018】(d)他の添加剤さらに、インク受容層には、その他の添加剤として、顔料分離剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発砲剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤等を必要に応じて適宣配合することもできる。
【0019】次に、本発明のインクジェット記録媒体の製造方法を述べる。インク受容層の形成は、層を形成するための材料を水または適当な溶媒中に溶解もしくは分散させて調整した塗工液を、各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、ショートドウェルコータ、サイズプレス等の各種装置をオンマシンあるいはオフマシンで適宣使用して、基材上に塗布して形成する。
【0020】インク受容層の塗布量としては、5〜50g/m2が好ましく、特に10〜30g/m2が好ましい。かかる範囲より塗布量が少ないとインク吸収性や定着性が十分得られない場合があり、多いと生産性の低下やコストアップを招く。また、インク吸収層はかかる塗布量となるように、単層でも2層以上に分けて設けても良い。なお、2層以上のインク受容層を積層する場合、フラボノイド化合物はいずれかの1つのインク受容層に入れても良いし、複数のインク受容層に入れても良い。ここで複数のインク受容層にフラボノイド化合物を入れる場合、各受容層中のフラボノイド化合物の含有量は、塗布量が変動しても0.05〜20.0重量%の範囲内で一定にしておくことが、本発明の効果を達成する上で望ましい。
【0021】また、インク受容層の塗工後にはマシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて表面を平滑化仕上げして、所望の光沢度に調整することもできる。
【0022】本発明のインクジェット記録媒体は、以上の如き構成からなるものであるが、インク受容層の表面に光沢度調整層を積層して付加価値を高めることができる。この光沢度調整層は、光沢度を調節して高光沢紙、中光沢紙、微光沢紙などを作り分けることができる。また、インクのしみ込みすぎを防ぎ、光学濃度、彩度を向上させる効果もある。光沢度調整層の材料としては、前記のインク受容層に使用されるバインダー樹脂および顔料の混合材料を塗工液として使用できる。
【0023】光沢度調整層をインク受容層上に積層するには、前記のインク受容層の形成に用いた塗工法の他に、キャストコート法を適用することもできる。また、ポリオレフィン樹脂フィルム、4フッ化エチレン樹脂フィルム、剥離性シリコン加工処理樹脂フィルム等の表面光沢性を有する剥離フィルムに、光沢度調整層用塗液を塗布した後、未乾燥の状態でその表面に予め基材上に設けたインク受容層を重ね合わせて乾燥後に該剥離フィルムを剥離除去する方法が適用できる。さらに又、予め基材上にインク受容層を形成し、該インク受容層上に剥離フィルムを重ね、乾燥後に該剥離フィルムを剥離することによっても積層することができる。
【0024】光沢度調整層におけるバインダー樹脂および顔料の配合比は、光沢性を維持する点で、顔料に対してバインダー樹脂が5〜50重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。また、優れた光沢性を有する高光沢紙とする場合は、顔料としてコロイダルシリカを使用することが好ましい。なお、光沢度調整層の厚さは、インク受容層の機能を損なうことなく良好な光沢性を維持するために5〜12μmが好ましく、8〜10μmであればより好ましい。
【0025】
【実施例】次に、本発明に基づく実施例と、本発明に対する比較例とを示し、本発明をより明らかにする。各実施例および比較例は、いずれも基材を坪量160g/m2で透気度50秒の上質紙とし、この基材の片面に下記配合の塗液(固形分濃度:インク受容層00重量%、光沢度調整層00重量%)を塗布・乾燥して、インク受容層及び光沢度調整層を順次積層して形成して、インクジェット記録媒体とした。塗布量はいずれの層も乾燥後塗布量で10g/m2とした。なお以下の説明において「部」は「重量%(固形分)」を意味するものとする。
【0026】
<実施例1>[インク受容層]
バインダー樹脂 部分ケン化PVA(クラレ社製、商品名;PVA420) 30部 エチレン−酢酸ビニル系エマルシ゛ョン(クラレ社製、商品名;OM5500) 16部顔料…シリカゲル(水澤化学社製、商品名;P78D) 40部フラボノイド…ケルセチン(和光純薬工業社製) 4部その他 カチオン性染料定着剤(住友化学工業社製、商品名;784S) 10部[光沢度調整層]
バインダー樹脂 部分ケン化PVA(日本合成化学社製、商品名;T−330) 5部顔料 コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名;スノーテックスUP)95部【0027】
<実施例2>[インク受容層]
バインダー樹脂 部分ケン化PVA(クラレ社製、商品名;PVA420) 30部 エチレン−酢酸ビニル系エマルシ゛ョン(クラレ社製、商品名;OM5500)16部顔料…シリカゲル(水澤化学社製、商品名;P78D) 40部フラボノイド…ルチン(和光純薬工業社製) 4部その他 カチオン性染料定着剤(住友化学工業社製、商品名;784S) 10部[光沢度調整層]
バインダー樹脂 部分ケン化PVA(日本合成化学社製、商品名;T−330) 5部顔料 コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名;スノーテックスUP) 95部【0028】
<比較例1>[インク受容層]
バインダー樹脂 部分ケン化PVA(クラレ社製、商品名;PVA420) 31部 エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン(クラレ社製:OM5500)17部顔料…シリカゲル(水澤化学社製、商品名;P78D) 41部その他 カチオン性染料定着剤(住友化学工業社製、商品名;784S) 11部[光沢度調整層]
バインダー樹脂…部分ケン化PVA(日本合成化学社製:T−330) 5部顔料…シリカゾル(日産化学社製:スノーテックスUP) 95部【0029】
<比較例2>[インク受容層]
バインダー樹脂 部分ケン化PVA(クラレ社製、商品名;PVA420) 30部 エチレン−酢酸ビニル系エマルシ゛ョン(クラレ社製、商品名;OM5500) 16部顔料…シリカゲル(水澤化学社製、商品名;P78D) 40部フラボノイド…アスコルビン酸(和光純薬工業社製) 4部その他 カチオン性染料定着剤(住友化学工業社製、商品名;784S) 10部[光沢度調整層]
バインダー樹脂 部分ケン化PVA(日本合成化学社製、商品名;T−330) 5部顔料 コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名;スノーテックスUP)95部【0030】上記実施例および比較例のインクジェット記録媒体に、市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、商品名;PM−700C)を使用してシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のカラーパッチを印字したところ、いずれの記録媒体も鮮明なカラー画像が得られた。これらの画像を用いて、下記に示すような方法で印字濃度、光沢度、耐光性、耐環境ガス性の評価を行った。
【0031】印字濃度は、分光光度計(グレタグマクベス社製、商品名;SPM50)を用いて各色の反射濃度を測定し、画像印字濃度特性を評価した。光沢度は、JIS Z8741に規定される測定法に準じて、各色の60度鏡面光沢度を測定した。
【0032】耐光性試験は、キセノンウエザオメータ(アトラス社製、商品名;Ci5000)を使用して、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%、340nm紫外線照射強度0.35W/m2の条件で、30kJ/m2の暴露試験を行った。分光光度計(グレタクマクベス社製:SPM50)を用いて、暴露後の各色の濃度を測定し、最も濃度残存率の低い色の濃度残存率90%以上を○、濃度残存率80〜90%を△、濃度残存率80%未満を×で評価した。
【0033】耐環境ガス性試験は、温度25℃、湿度60%のガラス容器中に印字サンプルを設置して、濃度が70ppmになるようにオゾン発生器からオゾンを導入した容器中に24時間静置後、分光光度計(グレタグマクベス社製、商品名;SPM50)を用いて各色の濃度を測定し、最も濃度残存率の低い色の濃度残存率90%以上を○、濃度残存率80〜90%を△、濃度残存率80%未満を×で評価した。
【0034】評価結果は、表1に示す通りであり、本発明のインクジェット記録媒体はいずれも良好な印字濃度と光沢度を有する鮮明な画像が得られ、優れた耐光性及び耐環境ガス性を有するものであった。一方、比較例のインクジェット記録媒体はフラボノイド化合物が使用されていないので、耐光性及び耐環境ガス性に劣るものであった。
【0035】
【表1】

【0036】
【発明の効果】フラボノイド化合物をインク受容層中に含有させることによって、インクジェット記録媒体上に記録された画像における、太陽光や環境ガスの影響による印字濃度や光沢度の低下および色調変化を防止でき、記録画像の保存安定性が大きく向上したインクジェット記録媒体を得ることができる。よって、長期保存の資料や、ポスターのような掲示物などの広範な用途に用いることが可能である。
【出願人】 【識別番号】000153591
【氏名又は名称】株式会社巴川製紙所
【出願日】 平成12年4月18日(2000.4.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−301315(P2001−301315A)
【公開日】 平成13年10月31日(2001.10.31)
【出願番号】 特願2000−116034(P2000−116034)