| 【発明の名称】 |
金型開閉装置および型開き方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】久保田 浩司
【氏名】稲村 正美
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| 【要約】 |
【課題】スムースに金型ユニットの開閉を行うことのできる金型開閉装置およびスムースに金型ユニットを開くことのできる型開き方法を提供すること。
【解決手段】第1の金型3と第2の金型4とからなる金型ユニット2を開閉する金型開閉装置1において、第1の金型3の底部側が取り付けられる第1の金型取付面10aを有する第1の金型取付部10と、第2の金型4の底部側が取り付けられる第2の金型取付面30aを有すると共に、水平方向に移動して第1の金型取付部10に対して近接・離隔可能な第2の金型取付部30と、第2の金型取付部30に設けられ第2の金型4を上方に押圧する金型押圧手段35と、を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の金型と第2の金型とからなる金型ユニットを開閉する金型開閉装置において、前記第1の金型の底部側が取り付けられる第1の金型取付面を有する第1の金型取付部と、前記第2の金型の底部側が取り付けられる第2の金型取付面を有すると共に、水平方向に移動して前記第1の金型取付部に対して近接・離隔可能な第2の金型取付部と、前記第2の金型取付部に設けられ、前記第2の金型を上方に押圧する金型押圧手段と、を備えることを特徴とする金型開閉装置。 【請求項2】 前記金型押圧手段は、油圧シリンダであることを特徴とする請求項1記載の金型開閉装置。 【請求項3】 前記第2の金型取付部の底部に、圧縮ガスを噴出して当該第2の金型取付部を浮上させる金型取付部浮上手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の金型開閉装置。 【請求項4】 前記第1の金型取付部は、前記第1の金型取付面が少なくとも鉛直状態と水平状態とになるように所定の軸の周りに回動自在に支持され、前記第2の金型取付面は、鉛直状態に維持されることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項記載の金型開閉装置。 【請求項5】 前記金型ユニットを支持する金型支持面を持った回転支持台をさらに備え、前記回転支持台は、前記金型支持面が少なくとも鉛直状態と水平状態とになるように前記軸の周りに回動自在であることを特徴とする請求項4記載の金型開閉装置。 【請求項6】 所定の床面に凹状に形成された収容ピットに配置され、前記第1の金型取付部の前記第1の金型取付面および前記回転支持台の前記金型支持面は、前記水平状態においてそれぞれ前記床面と略同じ高さに位置することを特徴とする請求項5記載の金型開閉装置。 【請求項7】 第1の金型と第2の金型とからなる金型ユニットを開閉する金型開閉装置において、所定の軸の周りに回転し、前記第1の金型の底部側が取り付けられる第1の金型取付面を有する第1の金型取付部と、所定の軸の周りに回転し、前記金型ユニットを支持する金型支持面を持った回転支持台と、前記第2の金型の底部側が取り付けられる第2の金型取付面を有すると共に、水平方向に移動して前記第1の金型取付部に対して近接・離隔可能な第2の金型取付部と、前記第2の金型取付部に設けられ、前記第2の金型を上方に押圧する金型押圧手段と、を備えることを特徴とする金型開閉装置。 【請求項8】 第1の金型と第2の金型とからなる金型ユニットを型開きする方法において、前記第1の金型と前記第2の金型とを結合させた状態で、前記第1の金型の底部側を第1の金型取付面に取り付ける工程と、前記第1の金型取付面を略鉛直にした状態で、第2の金型の側部にその重量に応じた上向きの押圧力を加える工程と、前記第2の金型の底部側を第2の金型取付面に取り付ける工程と、前記第2の金型に前記押圧力を加えながら、前記第1の金型と前記第2の金型とを分離させる工程と、を含むことを特徴とする型開き方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機やプレス機械等に適用される金型ユニットに内部清掃、検査、防錆などの各種メンテナンスを施すために当該金型ユニットを開閉する金型開閉装置および型開き方法に関し、特に、重量の大きな金型ユニットに好適な金型開閉装置および型開き方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】射出成形機等に用いられる金型ユニットは、一般的に固定金型と可動金型とからなり、これらに内部清掃、検査、防錆などの各種メンテナンスを施す場合は、金型ユニットを型開きして内部を開放状態にする必要がある。このような金型ユニットのメンテナンスのために固定金型と可動金型を分離させる技術として、たとえば実開平3−109821号公報に記載された金型反転機(金型開閉装置)が知られている。図6に、この金型反転機の構成を示す。 【0003】同図に示されているように、従来の金型反転機100は、主として、固定架台103に軸105を介して回動自在に支持されるとともに固定金型101の底部が取り付けられる反転アーム107と、固定架台103に敷設されたレール113上を移動させられる移動架台104に軸106を介して回転自在に支持されるとともに可動金型102の底部が取り付けられる反転アーム108と、固定架台103および移動架台104を連結する油圧シリンダ109と、ピストンロッドの先端が反転アーム107に連結された油圧シリンダ111と、ピストンロッドの先端が反転アーム108に連結されるとともに他端がブラケット117を介して固定架台103に回動自在に支持された油圧シリンダ112と、から構成されている。また、固定金型101には、固定金型101のキャビティと可動金型102のコアを合致させるための複数のガイドピン115が固定され、当該各ガイドピン115は、可動金型102に形成されたガイド孔116にそれぞれ嵌挿されている。 【0004】このような構成のもと、金型のメンテナンスを行うには、まず、図7に示すように油圧シリンダ109のストロークを伸ばして、移動架台104を固定架台103から離隔させる。これにより、固定金型101の各ガイドピン115が可動金型102のガイド孔116から抜去され、固定金型101と可動金型102とを分離することができる。この後、油圧シリンダ111および油圧シリンダ112の各ピストンロッドをシリンダ内に引き込んで、反転アーム107,108を軸105,106の周りにそれぞれ約90゜回転させる。これにより、固定金型101および可動金型102の内面が上方を向くので、作業者は、金型ユニットに対して各種メンテナンスを施すことができる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記実開平3−109821号公報に記載された技術には、次のような問題があった。すなわち、上述のように、一般的に固定金型101には金型のキャビティおよびコアの位置合わせを行うために複数のガイドピン115が固定されているが、可動金型102を固定金型101から分離させるに際して、可動金型102は反転アーム108に固定されているものの、可動金型102の自重によって反転アーム108が鉛直方向から多少傾いてしまうので、ガイドピン115に可動金型102の重量負荷が加わることになる。このため、ガイドピン115を可動金型102に形成されたガイド孔116から抜去し難くなり、型開きをスムースに行うことが困難であった。また、同様の問題が、可動金型102と固定金型101とを結合させる型締め時にも生じていた。特に、金型の重量が大きい場合は、ガイドピン115に加えられる負荷も大きくなり、これらの傾向が顕著に現れる。 【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、スムースに金型ユニットの型開きおよび型締めを行うことのできる金型開閉装置およびスムースに金型ユニットを開くことのできる型開き方法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、第1の金型と第2の金型とからなる金型ユニットを開閉する金型開閉装置において、第1の金型の底部側が取り付けられる第1の金型取付面を有する第1の金型取付部と、第2の金型の底部側が取り付けられる第2の金型取付面を有すると共に、水平方向に移動して第1の金型取付部に対して近接・離隔可能な第2の金型取付部と、第2の金型取付部に設けられ、第2の金型を上方に押圧する金型押圧手段と、を備えることを特徴とする。 【0008】本発明に係る金型開閉装置によって型開きを行うには、まず、金型ユニットのうち第1の金型の底部側を、第1の金型取付部に取り付ける。次いで、第1の金型と第2の金型とを横並びにした状態で、金型押圧手段によって第2の金型を上方に押圧する。このとき、押圧手段の押圧力を、第2の金型の重量に応じた値とする。そして、第2の金型取付部に第2の金型の底部側を取り付け、上記押圧力を第2の金型に加えながら第2の金型取付部を水平方向に移動させて、第2の金型を第1の金型から分離させる。 【0009】ここで、一般的に、第1の金型(たとえば固定金型)には第2の金型(たとえば可動金型)との位置合わせを行うためのガイドピンが設けられ、第2の金型には当該ガイドピンが挿入されるガイド孔が形成されている。そして、従来は、両金型を分離させる際にガイドピンに第2の金型の重量荷重が加わるため、型開きをスムースに行うことができなかった。これに対し、本発明によれば、金型ユニットを分離させる際に、上述のように第2の金型はその重量に応じた押圧力によって上方に押圧されているため、第2の金型の中心軸が略水平になり、第2の金型の重量負荷はガイドピンに加わらないことになる。このため、金型ユニットの型開きをスムースに行うことができる。そして、型開きを行った後、第1の金型および第2の金型の内部に、各種メンテナンスを施すことができる。また、メンテナンスを終えて第1の金型と第2の金型を結合させる際も、第2の金型の重量に応じた押圧力によって第2の金型を上方に押圧すれば、第2の金型の重量負荷はガイドピンに殆どかからないため、型締めをスムースに行うことができる。 【0010】また、金型押圧手段を油圧シリンダとすれば、許容重量範囲の狭いモータ等を用いる場合と比較して、重量の小さな金型ユニットから重量の大きな金型ユニットまで広範囲にわたり押圧することができる。 【0011】また、上記第2の金型取付部の底部に、圧縮ガスを噴出して当該第2の金型取付部を浮上させる金型取付部浮上手段が設けられていることが好ましい。このような構成を採用した場合、第2の金型取付部の水平移動が容易になり、金型ユニットの型開きおよび型締めをよりスムースに行うことができる。 【0012】また、本発明の金型開閉装置において、第1の金型取付部は、第1の金型取付面が少なくとも鉛直状態と水平状態とになるように所定の軸の周りに回動自在に支持され、第2の金型取付面は、鉛直状態に維持されるように構成してもよい。 【0013】このような構成を採用した場合、まず、たとえば金型保管場所などから運ばれてきた金型ユニットのうち第1の金型の底部側が、水平状態にある第1の金型取付面に取り付けられる。次いで、第1の金型取付面が鉛直状態となるように第1の金型取付部を回動させて、第1の金型と第2の金型とを横並び姿勢にし、第2の金型の底部を第2の金型取付面と対向させる。この後、第2の金型の底部側が第2の金型取付面に取り付けられ、上述のように第2の金型に上向きの押圧力を付与したまま第2の金型を第1の金型から分離させる。 【0014】さらに、この場合に、金型ユニットを支持する金型支持面を持った回転支持台をさらに備え、回転支持台は、金型支持面が少なくとも鉛直状態と水平状態とになるように上記軸の周りに回動自在であるように構成することが好ましい。 【0015】このような構成を採用すれば、第1の金型取付部によって金型ユニットを縦並び姿勢と横並び姿勢との間で姿勢変化させる際に、回転支持台によって金型ユニットを支持することができる。これにより、金型ユニットの姿勢変化をスムースに行うことができる。 【0016】さらに、この場合に、所定の床面に凹状に形成された収容ピットに配置され、第1の金型取付部の第1の金型取付面および回転支持台の金型支持面は、水平状態においてそれぞれ床面と略同じ高さに位置することが好ましい。 【0017】このような構成を採用した場合、第1の金型取付部の第1の金型取付面と回転支持台の金型支持面とを水平状態にすれば、作業者は第1の金型取付面または金型支持面に載って、金型ユニットの第1の金型取付部への着脱や金型ユニットの各種メンテナンスなどを行うことができる。 【0018】また、本発明に係る他の金型開閉装置は、第1の金型と第2の金型とからなる金型ユニットを開閉する金型開閉装置において、所定の軸周りに回転し、第1の金型の底部側が取り付けられる第1の金型取付面を有する第1の金型取付部と、軸の周りに回転し、金型ユニットを支持する金型支持面を持った回転支持台と、第2の金型の底部側が取り付けられる第2の金型取付面を有すると共に、水平方向に移動して第1の金型取付部に対して近接・離隔可能な第2の金型取付部と、第2の金型取付部に設けられ、第2の金型を上方に押圧する金型押圧手段と、を備えることを特徴とする。 【0019】また、本発明に係る型開き方法は、第1の金型と第2の金型とからなる金型ユニットを型開きする方法において、第1の金型と第2の金型とを結合させた状態で、第1の金型の底部側を第1の金型取付面に取り付ける工程と、第1の金型取付面を略鉛直にした状態で、第2の金型の側部にその重量に応じた上向きの押圧力を加える工程と、第2の金型の底部側を第2の金型取付面に取り付ける工程と、第2の金型に押圧力を加えながら、第1の金型と第2の金型とを分離させる工程と、を含むことを特徴とする。 【0020】本発明に係る型開き方法によれば、金型ユニットの分離時に、第2の金型の重量に応じた押圧力によって第2の金型は上方に押圧されているため、第2の金型の重量負荷は第1の金型に設けられたガイドピンに殆ど加わることがない。このため、型開きをスムースに行うことができる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明に係る金型開閉装置および型開き方法の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。 【0022】[第1実施形態]図1は、本実施形態の金型開閉装置1を示す側面図であり、図2は、金型開閉装置1の平面図である。まず、図1および図2を用いて、金型開閉装置1の構成を説明する。金型開閉装置1は、射出成形機などに適用される固定金型(第1の金型)3と可動金型(第2の金型)4とからなる金型ユニット2の反転および開閉を行うものであり、主として、床に凹状に形成された収容ピット5内に固設された平板状のベース7と、当該ベース7の上方に配置され、固定金型3の底部側が取り付けられる金型取付面(第1の金型取付面)10aを有する回転架台(第1の金型取付部)10と、金型ユニット2の側部を支持する金型支持面20aが形成された回転支持台20と、可動金型4の底部側が取り付けられる金型取付面(第2の金型取付面)30aを有すると共にベース7上を水平方向に往復移動可能な移動架台(第2の金型取付部)30と、から構成されている。 【0023】回転架台10には、ベース7の長手方向の両側に固設されたブラケット11,11(図2参照)に支持された軸12が貫挿される貫通孔10bと、回転支持台20との接触を避けるための切り欠き部10c(図2参照)と、図1において斜め下方に突出する二つのアーム部10d,10dと、が形成されている。また、ベース7上には、ブラケット15a,15aによって回動自在に支持された二つの油圧シリンダ15,15が配置され、各油圧シリンダ15,15のピストンロッドの先端部は、回転架台10のアーム部10d,10dの先端部とピンによって連結されている。これにより、各油圧シリンダ15,15のピストンロッドが往復動するのに伴って、回転架台10は、金型取付面10aが水平になる位置と金型取付面10aが鉛直になる位置との間を回動する。また、ベース7には、回転架台10の回動時にアーム部10dが接触するのを避けるための切り欠き部7aが形成されている。さらに、ベース7上には二本のストッパ16が立設され、回転架台10は、当該各ストッパ16によって金型取付面10aが水平になるように支持される。 【0024】回転支持台20の全長は、金型ユニット2の高さより多少長くされており、固定金型3および可動金型4の底部に形成された各フランジ部を支持することができる。また、回転支持台20の幅は回転架台10の切り欠き部10cの幅よりも短くされ、金型支持面20aを水平にした際、回転支持台20の端部(図2中左側)は切り欠き部10c内に位置している。回転支持台20には、上記軸12が貫挿される貫通孔20bと、後述する押圧力付与用の油圧シリンダ35との接触を避けるための切り欠き部20c(図2参照)と、図1において斜め下方に突出するアーム部20dと、が形成されている。また、ベース7上には、ブラケット25a,25aによって回動自在に支持された油圧シリンダ25が配置され、当該油圧シリンダ25のピストンロッドの先端部は、回転支持台20のアーム部20dの先端部とピンによって連結されている。これにより、油圧シリンダ25のピストンロッドが往復動するのに伴って、回転支持台20は、金型支持面20aが水平になる位置と金型支持面20aが鉛直になる位置との間を回動する。 【0025】移動架台30は、鉛直な上記金型取付面30aが形成された金型取付板31と、当該金型取付板31を架台ベース32に対して位置決め固定する二つの支持部材33と、架台ベース32上にスペーサ35aを介して載置された上記押圧力付与用の油圧シリンダ35と、から構成されている。油圧シリンダ35のピストンロッドは、金型取付面30aの略下方で鉛直方向に延在しており、当該油圧シリンダ35には作動油を供給するための油圧配管35bが接続され、さらに、油圧配管35bには油圧計35cが接続されている。図示は省略するが、油圧シリンダ35には、油圧配管35bを介して油圧制御装置が接続されている。架台ベース32の下面には、金型取付部浮上手段である6つのエアベアリング(エアパッド)37が配設されている。エアベアリング37は、移動架台30の図中右方に設置されたホースリール36から供給される圧縮エアを噴出して、移動架台30を浮上させるためものである。また、ベース7上には支持台38によって回動自在に支持された二つの油圧シリンダ39,39が配置され、当該各油圧シリンダ39,39のピストンロッドの先端部は、金型取付板31に装着されたブラケット33b,33bとピンによって各々連結されている。 【0026】収容ピット5には、当該収容ピット5の開口領域を塞ぐために、複数の支柱41に支持される縞鋼製のカバー42が設けられている。このカバー42の表面は、収容ピット5が形成された床と同じ高さに位置している。また、回転架台10および回転支持台20が水平状態にあるときに、金型取付面10aおよび金型支持面20aが床およびカバー42の表面と同じ高さに位置するように構成されている。 【0027】なお、回転架台10の金型取付面10aの四隅には、後述する自動クランパ53を装着するためのT溝が形成されている(図示省略)。自動クランパ53は固定金型3を金型取付面10aに取り付けるためのものであり、固定金型3が取り付けられない場合は、自動クランパ53はT溝から脱却されている。また、移動架台30の金型取付面30aにも、同様に複数のT溝が形成されている。 【0028】以上が、金型開閉装置1の構成である。次に、金型開閉装置1を用いて金型ユニット2をメンテナンスする一連の工程を説明する。 【0029】まず、金型ユニット2が搭載される前の金型開閉装置1の状況を説明する。金型ユニット2のメンテナンスなどを行わない場合は、図示しない油圧制御装置を作動させて、油圧シリンダ15,15のストロークを伸長させる一方、油圧シリンダ25のストロークを縮小させている。これにより、図1に実線で示すように、回転架台10および回転支持台20は水平姿勢となる。このとき、作業者や金型運搬用の軽車両は、回転架台10の金型取付面10a、回転支持台20の金型支持面20a、およびカバー42上を通行することができる。なお、回転架台10の一端はストッパ16に支えられ、金型ユニット2の載置時等に生じる荷重に耐え得るようにされている。また、移動架台30は、回転支持台20の回転動作の妨げとならないように、図1における右方向に移動させられている。 【0030】次に、金型開閉装置1に金型ユニット2を載置する過程を説明する。射出成形機などから外された金型ユニット2は、通常、金型置場に保管されており、図4に示すように、結合金具44で結合された固定金型3と可動金型4とが上下方向に並ぶいわゆる縦並び状態で、複数積み重ねられる。固定金型3に固定された複数のガイドピン50は、可動金型4に形成されたガイド孔51に嵌挿されている。この状態の固定金型3の側部に複数のアイボルト45を螺着し、各アイボルト45のリングにワイヤロープ46を挿通させる。そして、図示を省略するクレーンのフック47に当該ワイヤロープ46を掛止することで、金型ユニット2を吊り上げて金型開閉装置1まで搬送する。 【0031】金型ユニット2は、縦並び状態で、クレーンによって回転架台10の金型取付面10aの所定位置に載置される。金型ユニット2を金型取付面10aに載置した後、ワイヤロープ46をクレーンのフック47から外すとともに、アイボルト45を金型ユニット2から取り外す。そして、自動クランパ53を金型取付面10aのT溝に嵌め込み、自動クランパ53の爪部で固定金型3の底に形成されたフランジ部を押さえ付ける。これにより、金型ユニット2は回転架台10の金型取付面10aに固定される。この際、作業者は、床と同じ高さの金型取付面10aに載ることができるため、ワイヤロープ46およびアイボルト45の取り外し作業や、自動クランパ53の取付作業を容易に行うことができる。 【0032】以上が、金型ユニット2の載置過程である。次に、金型ユニット2の反転過程および型開き過程を説明する。金型ユニット2の固定作業が終了した後、まず、油圧シリンダ25のストロークを伸ばして回転支持台20を軸12の周りに反時計周りに90゜回転させ、回転支持台20を図1の2点鎖線で示す状態にする。なお、油圧シリンダ25は、最大ストロークで金型支持面20aが鉛直になるように調整されている。 【0033】次いで、油圧シリンダ15のストロークと油圧シリンダ25のストロークとを同期して縮小させ、金型取付面10aと金型支持面20aとの挟み角を直角に保持したまま回転架台10および回転支持台20を軸12の周りに時計周りに90゜回転させる。これにより、金型ユニット2は、縦並び状態から横並び状態に反転させられる。この際、金型ユニット2の回転角度を大きくするのに伴って、自動クランパ53に加わる金型ユニット2の重力負荷が大きくなって回転架台10の速度が変化しそうになるが、本実施形態では回転支持台20によって金型ユニット2の側部が支持されるため、回転架台10をスムースに回転させることができる。 【0034】金型ユニット2を反転させた後、ホースリール36を介してエアベアリング37に圧縮エアを供給して移動架台30を浮上させ、次いで、油圧シリンダ39のストロークを伸ばして移動架台30を回転架台10に接近させ、図3に示すように金型取付面30aを可動金型4の底面に当接させる。このとき、押圧力付与用の油圧シリンダ35は、可動金型4のフランジ部の下方に位置することになる。 【0035】この状態で、油圧計35cを目視しながら油圧配管35bから油圧シリンダ35に高圧の作動油を供給し、油圧シリンダ35のストロークを伸ばして可動金型4に鉛直上向きの押圧力を付与する。このとき、当該押圧力が可動金型4の重量に相当するように、油圧シリンダ35の油圧を制御する。これにより、金型ユニット2の固定金型3側が自動クランパ53で支持されるとともに、可動金型4側が油圧シリンダ35で支持されることになり、金型ユニット2の中心軸を略水平にすることができる。油圧シリンダ35の制御が終了した後、移動架台30の金型取付面30aに形成されたT溝に自動クランパ54を嵌め込み、自動クランパ54の爪部で可動金型4の底に形成されたフランジ部を押さえ付ける。これにより、金型ユニット2は移動架台30の金型取付面30aに固定される。自動クランパ54で可動金型4を固定した後、図4で示した固定金型3と可動金型4を結合している結合金具44を取り外す。 【0036】結合金具44を取り外した後、続いて、金型ユニット2の型開きを開始する。型開きは、油圧シリンダ35による押圧力を可動金型4に付与したまま、エアベアリング37を作動させた状態で油圧シリンダ39のストロークを縮めることにより行う。油圧シリンダ39のストロークを縮めると、移動架台30は回転架台10から離隔し、図3の1点鎖線Dで示す位置まで移動する。これにより、固定金型3と可動金型4との間に間隙Lが形成され、作業者がこの間隙Lに入って固定金型3および可動金型4のメンテナンスを行うことができる。 【0037】ここで、本実施形態の金型開閉装置1によって金型ユニット2の型開きをするに際して、上述のように、可動金型4の重量に相当する上向きの押圧力が当該可動金型4に付与された状態で移動架台30が移動させられるため、可動金型4の重量負荷は、固定金型3に固定されたガイドピン50に殆どかからない。このため、ガイドピン50をガイド孔51から容易に抜去でき、金型ユニット2の型開きをスムースに行うことができる。また、ガイドピン50がガイド孔51から抜去された後も、可動金型4は油圧シリンダ35で支持されているため、移動架台30が大きく揺れ動くことはない。 【0038】また、本実施形態では、金型押圧手段を油圧シリンダ35としているため、許容重量範囲の狭いモータ等を用いる場合と比較して、重量の小さな金型ユニット2から重量の大きな金型ユニット2まで広範囲にわたり押圧することができる。 【0039】また、移動架台30を回転架台10から離隔させるに際して、エアベアリング37から噴出される圧縮エアによって移動架台30はベース7より浮上させられているため、移動架台30を容易に水平移動させることができ、金型ユニット2の型開きを一層スムースに行うことができる。 【0040】固定金型3および可動金型4のメンテナンスが終了したならば、金型ユニット2の型合せを行う。エアベアリング37を作動させた状態で油圧シリンダ39のストロークを伸ばし、固定金型3に固定されたガイドピン50が可動金型4に形成されたガイド孔51に侵入する直前まで移動架台30を回転架台10に接近させる。このとき、エアベアリング37によって移動架台30はベース7から浮上しているため、ガイドピン50の先端部とガイド孔51の入口との位置合わせを容易に行うことができる。次いで、油圧シリンダ35によって可動金型4の重量に相当する鉛直上向きの押圧力を可動金型4に加えながら、さらに油圧シリンダ39のストロークを伸ばし、固定金型3および可動金型4の型合せを行う。このとき、可動金型4は油圧シリンダ35の押圧力を受けながら金型取付面30aに支持されているため、可動金型4の重量負荷はガイドピン50に殆ど加わらず、金型ユニット2の型合せをスムースに行うことができる。 【0041】金型ユニット2の型合せが終了した後、金型ユニットを金型開閉装置1から取り外し、金型置場などに移動させる。詳しくは、まず、結合金具44によって固定金型3と可動金型4を結合して金型ユニット2を形成した後、移動架台30の金型取付面30aに装着された自動クランパ54を取り外し、次いで、油圧シリンダ35のストロークを縮める。これにより、回転架台10と回転支持台20によって金型ユニット2が支持されることになる。油圧シリンダ35のストロークを縮めた後、回転支持台20の回転の妨げとならないように、油圧シリンダ39のストロークを縮めて移動架台30を後退させる。移動架台30を後退させた後、油圧シリンダ15のストロークと油圧シリンダ25のストロークとを同期して伸長させ、金型取付面10aと金型支持面20aとの挟み角を直角に保持したまま回転架台10および回転支持台20を反時計周りに90゜回転させる。これにより、金型ユニット2は、横並び状態から縦並び状態に反転される。 【0042】金型ユニット2を縦並び状態にした後、固定金型3にアイボルト45を螺着し、当該アイボルト45のリングにワイヤロープ46を通すとともに当該ワイヤロープ46をクレーンのフック47に掛止する。その後、自動クランパ53を金型取付面10aから取り外し、クレーンによって金型ユニット2を吊り上げて金型置場等に搬送する。以上により、金型開閉装置1を用いて金型ユニット2をメンテナンスする一連の工程が終了する。 【0043】[第2実施形態]図5は、本実施形態の金型開閉装置1を示す図である。本実施形態の金型開閉装置1が第1実施形態と異なるのは、ベース7がピット内に配置されているのではなく、床上に配置されている点である。このような構成にした場合でも、第1実施形態と同様に、油圧シリンダ35により可動金型4に上向きの押圧力を加えることによって、金型ユニット2の開閉がスムースになるという効果を得ることができる。また、第1実施形態と比較して、ピットを形成する必要がないため、費用および労力の軽減を図ることができる。 【0044】以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、可動金型に付与される押圧力の方向は、必ずしも鉛直上向きである必要はなく、鉛直方向に対して傾いていてもよい。すなわち、ガイドピンに加わる可動金型の重量負荷を低減できればよい。また、第1の金型取付部材および第2の金型取付部材を必ずしも上述のように回転架台および可動架台とする必要はない。たとえば、図6で示した従来の装置に、可動金型に上向きの押圧力を付与する手段を装着してもよい。さらに、金型押圧手段として、油圧シリンダのほかエアシリンダなどを用いることができる。 【0045】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る金型開閉装置によって型開きを行うには、まず、金型ユニットのうち第1の金型の底部側を、第1の金型取付部に取り付ける。次いで、第1の金型と第2の金型とを横並びにした状態で、金型押圧手段によって、第2の金型の重量に応じた上向きの押圧力を第2の金型に加える。そして、第2の金型取付部に第2の金型の底部側を取り付けた後、上記押圧力を第2の金型に加えながら第2の金型取付部を水平方向に移動させて、第2の金型を第1の金型から分離させる。このとき、第2の金型の重量に応じた押圧力によって当該第2の金型は上方に押圧されているため、第2の金型の重量負荷はガイドピンに殆どかからない。このため、金型ユニットの型開きをスムースに行うことができる。型開きを行った後、第1の金型および第2の金型の内部に、各種メンテナンスを施すことができる。また、メンテナンスを終えて第1の金型と第2の金型を結合させる際も、第2の金型の重量に応じた押圧力によって第2の金型を上方に押圧すれば、第2の金型の重量負荷はガイドピンに殆どかからないため、型締めをスムースに行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月17日(1999.9.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088155 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−79853(P2001−79853A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月27日(2001.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−264078 |
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