| 【発明の名称】 |
電動油圧クランプ回路 |
| 【発明者】 |
【氏名】増田 健二
|
| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも一方向にトルク制御ができてかつ逆転可能な電動機2と、電源入力部15と信号入力部14とを有する上記電動機2のためのドライバ3と、上記電動機2で駆動されてまた油圧モータとなり得る油圧ポンプ・モータ1と、上記油圧ポンプ・モータ1を挟んでリザーバ11と油圧シリンダ4の間をつなぐ主たる管路群12と、油圧制御部、つまり上記油圧ポンプ・モータ1のクランプ側管路12aに順に3ポート電磁弁10のための圧力取り出し管路12cと上記電磁弁10で操作し得る外部ドレン形パイロットチェック弁7の挿入とアキュムレータ5及び圧力感知部6のための分岐とを設けてなる油圧制御部とで構成することを特徴とする電動油圧クランプ回路。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、電動油圧回路を、例えば工作機械のワーククランプ装置に応用したものである。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の電動油圧回路として、例えば図3に示すごときもの(特開平11−82411号公報)が知られている。この電動油圧回路は、両ロッド形複動シリンダ50の入出力ポート51、52に、それそれパイロットチェック53、54を挿入した回路51a、52bの一端を接続し、他端を正逆転可能なポンプ60の吸入吐出ポート61、62に接続し、モータ70によってポンプ60を正逆転することによって、シリンダ50の左右室の作動液を置換し、ピストンロッド50aを前進・後退させるようにしてある。リリーフ弁61a、62aは、異常な液圧上昇のために設けられ、フィードチェック弁61b、62bは液漏れ等によって作動液が不足した際の補充用として設けられ、それぞれ一端は前記吸入吐出ポート61、62に、他端はリザーバ80に接続されている。また、図示しないが、片ロッド形複動シリンダを用いてピストンロッドを操作するときは、上記シリンダの左右室の流入流出量は同一とならないので、このために一方のフィードチェック弁を残すと同時に、上記フィードチェック弁が加圧閉鎖するときこの圧力で作動して反対のポンプポートをリザーバ80へつなぐパイロット操作式の開閉切換弁を他方のフィードチェック弁の代わりに設けてある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の電動油圧回路では、アキュムレータとこれを操作するための油圧制御回路がなく、また省エネルギー状態で圧力制御のできることが示されていない。つまり省エネルギー状態で長時間クランプ圧力を保持したりまた時には圧力を変えて再びクランプすることができない欠点があった。そこで、本発明の目的は、アキュムレータでクランプ圧力を例えば電動機を停止させ動力の供給を断った状態で長時間保持するとともに、電動機によるトルク制御を利用して必要な時に少ない消費動力でクランプ圧力を可変に制御でき、加えて回路に絞り要素が無く省エネルギーにして回路構成が簡素である電動油圧クランプ回路を提供ることにある。またアキュムレータの放出動力を油圧ポンプ・モータを介して電動機の発電作用を利用してドライバを経て回収することは可能である。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の電動油圧クランプ回路は基本的に図1に例示するように、少なくとも一方向にトルク制御ができてかつ逆転可能な電動機2と、電源入力部15と信号入力部14とを有する上記電動機2のためのドライバ3と、上記電動機2で駆動されてまた油圧モータとなり得る油圧ポンプ・モータ1と、上記油圧ポンプ・モータ1を挟んでリザーバ11と油圧シリンダ4の間をつなぐ主たる管路群12と、油圧制御部、つまり上記油圧ポンプ・モータ1のクランプ側管路12aに順に3ポート電磁弁10のための圧力取り出し管路12cと上記電磁弁10で操作し得る外部ドレン形パイロットチェック弁7の挿入とアキュムレータ5及び圧力感知部6のための分岐とを設けてなる油圧制御部とで構成することを特徴とする【0005】 【作用】上記構成において、クランプ行程では、ドライバ3を通して電源入力部15より電動機2に動力を供給すると同時に、油圧ポンプ・モータ1(以下ポンプ1とする)を信号入力部14の信号に従い、可変速に正転駆動させ、ポンプ1の吐出部においてクランプ側管路12aを昇圧させ、続いて外部ドレン式パイロットチェック弁7のチェック部材を自動的に開いて油圧シリンダ4のピストンロッドを前進させ、そしてピストンロッドがクランプ位置に達し静止した後、アキュムレータ5への蓄圧を始める。ここで、例えば圧力スイッチ6’などの圧力感知部6によって設定圧であることを感知すればドライバ3を介して電動機2を停止させる。また電動機2が停止すれば、パイロットチェック弁7のチェック部材は自動的に閉じてクランプ圧力のためのアキュムレータ5の蓄圧を保持する。そして、電磁弁10への取り出し管路12cの分岐はパイロットチェック弁7のポンプ1側にあるのでたとえ電磁弁10に内部漏れがあってもアキュムレータ5の蓄圧力はこのために消費されることが無くクランプ圧力は長時間保持される。次にアンクランプ行程並びに圧力制御行程については、まずポンプ1を図示しない適当な手段で正転させ、相前後して電磁弁10を励磁させれば、外部ドレン式であるパイロットチェック弁7のパイロットピストンには比較的低圧で済むパイロット油が一時的にポンプ1から流れ込むのでパイロットピストンを押圧できてパイロットチェック弁7のチェック部材を蓄圧力に抗して強制的に開くことができる。これによってアキュムレータ5の蓄圧力はポンプ1を電動機2の駆動トルクに抗して逆転させ油圧モータとして作用させて、動力を消費した後油流れはリザーバ11に排出される。ここで電動機2の駆動トルクを充分低めてポンプ1を停止させればアンクランプ行程は終了する。また駆動トルクを確保して油圧回路の漏れを補うようにしてポンプ1を再び正転させれば、この時アキュムレータ5の作動圧以下の領域でも例えば圧力計16の目視によって低圧のクランプ圧力を手動調整することができる。つまりドライバ3と電動機2によるトルク制御を利用してパイロットチェック弁7があっても可変圧力制御が得られるのである。以上で明らかであるが、アキュムレータ5の蓄圧を利用してクランプ圧力を動力の供給を断った状態で長時間保持することができる一方、電動機2によるトルク制御で少ない消費動力でクランプ圧力を可変に制御することもでき、加えて回路には絞り要素による損失が無く省エネルギーでかつ回路の構成も簡素である。 【0006】 【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。図1は電動油圧クランプ回路の基本的実施例を示しており、この電動油圧クランプ回路は、例えば電動サーボモータのようなトルク制御のできる電動機2’と、電源入力部15と信号入力部14とを有する上記電動機2’のためのドライバ3と、上記電動機2’で駆動されてまた油圧モータとなり得る定容量形油圧ポンプ・モータ1’(以下ポンプ1’とする)と、上記ポンプ1’を挟んでリザーバ11とばね付き単動油圧シリンダ4’の間をつなぐ主たる管路群12と、上記ポンプ1’で分割して上記リザーバ11につながる一側の管路12bと、油圧制御部、つまり上記ポンプ1’の他側の管路であるクランプ側管路12aにおいて上記ポンプ1’の吐出ポートより順に3ポート電磁弁10のための圧力取り出し管路12cと上記電磁弁10で操作される外部ドレン形パイロットチェック弁7の挿入とアキュムレータ5及び圧力感知部である圧力スイッチ6’及び圧力計16のための分岐とのある油圧制御部とから構成する。上記構成の電動油圧クランプ回路の動作について次に述べる。ばね付き単動油圧シリンダ4’のピストンロッドは、始め後退端にあり、クランプ行程では、ドライバ3を通して電源入力部15より電動機2’に動力を供給すると同時に、ポンプ1’を信号入力部14の信号に従って、可変速に正転駆動させ、以下順に作動油をリザーバ11より吸い上げ、クランプ側管路12aを昇圧させ、続いて外部ドレン式パイロットチェック弁7のチェック部材を自動的に開いて油圧シリンダ4’のピストンロッドをばね力に抗して前進させ、ピストンロッドがクランプ位置に達して静止した後、アキュムレータ5への蓄圧を開始する。ここで、圧力スイッチ6’が設定圧を感知すれば図示しない方法でドライバ3を介して電動機2’は停止して、パイロットチェック弁7のチェック部材は自動的に閉じてアキュムレータ5にはクランプのための圧力を蓄圧保持する。そして、電磁弁10への取り出し管路12cの分岐はパイロットチェック弁7のポンプ1’側にあるのでたとえ電磁弁10に内部漏れがあってもアキュムレータ5の蓄圧力をこのために消費することは無くクランプ圧力は長時間保持される。次にアンクランプ行程並びに圧力制御行程においては、まずポンプ1’を正転させ、相前後して電磁弁10を励磁させれば外部ドレン式であるパイロットチェック弁7のパイロットピストン部には比較的低圧で済むパイロット油が一時的に流れ込むのでパイロットピストンを押圧してパイロットチェック弁7のチェック部材を強制的に開くことができる。これによってアキュムレータ5の蓄圧力はポンプ1’を電動機2’の駆動トルクに抗して逆転させて油圧モータとして作用させるので、動力を消費した油流れはリザーバ11に排出される。ここで電動機2’の駆動トルクを充分低めれば油圧シリンダ4’のピストンロッドは元の後退端に戻りアンクランプ行程は終了するが、駆動トルクを確保して油圧回路の漏れを補うようにしてポンプ1’を再び正転させれば、この時アキュムレータ5の作動圧以下の領域でも圧力計16の目視によって低圧のクランプ圧力を手動調整するこができる。つまりドライバ3と電動機2’によるトルク制御を利用してパイロットチェック弁7があっても可変2次圧力制御が得られるのである。以上で明らかであるが、アキュムレータ5の蓄圧を利用してクランプ圧力を動力の供給を断った状態で長時間保持することができる一方、電動機2’によるトルク制御で少ない消費動力でクランプ圧力を可変に制御することができ、加えて回路には絞り要素による損失が無く省エネルギーでかつ回路の構成も簡素である。また、以上の回路においてアキュムレータ5の放出時の動力を電動機2’を介して回収できるように構成してもよい。また、圧力スイッチ6’を圧力検出器に変えて、アキュムレータ5の作動状態に関係無く、フィードバック式に圧力制御してもよい。また、油圧シリンダはばね付きに限定しない。また、図2は本発明の電動油圧クランプ回路の他の実施例で、図1において油圧シリンダ4’を片ロッド形複動シリンダ4”とした上で、圧力制御をフィードバック制御式としたものである。なお、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。1”は2方向流れ2方向回転定容量形油圧ポンプ・モータ(以下ポンプ1”とする)、2”はトルク制御ができて発電機にもなる2方向回転電動機、3’は動力回収回路を持ちかつ信号線13を介して圧力検出器6”からの信号を加算演算できる加算器を持つドライバ、9は一側の管路12bから分岐して上記シリンダ4”の残るポートにつながる管路12b’から分岐するパイロット管路と電磁弁10の制御ポートとの間に介在して中間ポートをパイロットチェック弁7のパイロット部につながる高圧優先形シャトル弁、8はクランプ側管路12aの上記ポンプ1”側と上記一側の管路12bとの間に介在して中間ポートをリザーバ11につながる低圧優先形シャトル弁である。上記構成の電動油圧クランプ回路の動作は下記のごとくである。クランプ行程では、ポンプ1”は正転駆動され、クランプ側管路12aが昇圧するので、始めに低圧優先形シャトル弁8が自動的に右位置をとり一側の管路12bと管路12b’はリザーバ11に開放される。この時、電磁弁10は非励磁状態とすので高圧優先形シャトル弁9の作動状態に関係なくパイロットチェック弁7のパイロット部に働くパイロット圧はリザーバ11に開放されパイロットチェック弁7のパイロットピストンは後退した位置を保つ。クランプ圧力はフィードバック式に制御されてアキュムレータ5が所定値に蓄圧されれば、図示しない方法でドライバ3’から電動機2”への動力を断つようにする。なお、クランプ行程でシリンダ4”のピストンロッドが前進運動している間はシリンダ4”からの戻り油量はポンプ1”の吸入量より少ないので、この時は、不足分をシャトル弁8を通してリザーバ11から一側の管路12b側に補充する。アキュムレータ5を開放して低い圧力でクランプ圧力を保持する2次クランプ圧力制御行程では、図示しない方法で圧力フィードバックループを解いた状態とした後、ポンプ1”は正転され、吐出圧を高めながら、前後して電磁弁10を励磁し外部ドレン式パイロットチェック弁7のパイロットピストンに一時的に吐出圧油を供給してパイロットチェック弁7を強制的に開放し、ポンプ1”の吐出側とシリンダ4”のアキュムレータ5側とを連通状態とした後、クランプ側管路12aの圧力を圧力検出器6”で監視しながらアキュムレータ5の蓄圧を利用してポンプ1”を駆動トルクに抗して逆転させ油圧モータとして働かせ、つまり吸入、吐出を逆とし、この時動力を電気的に回収し、しかる後、適時油圧回路の漏れを補うようにポンプ1”を再び正転させて、2次クランプ圧力を信号入力部14の要求に従うように再びフィードバック式に圧力制御する。シリンダ4”の下降行程では、シリンダ4”に自重が働かないとして、圧力フィードバックを解いて、必要に応じて2次クランプ圧力を一旦開放した後、電動機2”のトルクを逆にして管路12b’にポンプ1”で圧力を発生させれば、シャトル弁8は自動的に左位置をとると同時にシリンダ4”は下降方向に押圧される。この時電磁弁10の励磁、非励磁を問わずシャトル弁9は自動的に働いてこれを通してパイロットチェック弁7のパイロットピストンを一側の管路12bの圧力で押圧してパイロットチェック弁7を連通し続けるので、シリンダ4”のアキュムレータ5側の管路部つまりクランプ側管路12aはシャトル弁8を介してリザーバ11とつながる。この時、シリンダ4”からの戻り油は二分して一方はポンプ1”へ吸入され他方はリザーバ11へ戻る。また、油圧シリンダ4”は片ロッド形を問わなず、両ロッド形でもよい。 【0007】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の電動油圧クランプ回路は、トルク制御のできる電動機と、油圧ポンプ・モータと、油圧シリンダと、アキュムレータ等を含む油圧制御部とで構成して、アキュムレータによるクランプ圧力保持と電動機による可変圧力制御とを両立させるようにしたので、クランプ圧力を動力の供給を断った状態で長時間保持することができる一方、消費動力の少ないで可変クランプ圧力制御ができ、加えて回路に絞り要素による損失を無くして省エネルギーでかつ回路の構成が簡素となる効果がある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】595074875 【氏名又は名称】増田 健二
|
| 【出願日】 |
平成12年6月2日(2000.6.2) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−341038(P2001−341038A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月11日(2001.12.11) |
| 【出願番号】 |
特願2000−205916(P2000−205916) |
|