| 【発明の名称】 |
銅とステンレス鋼のクラッド材製造法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 有一
【氏名】尾崎 茂克
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| 【要約】 |
【課題】ステンレス鋼を母材とし、銅を合わせ材とするクラッド材を安定して製造でき、高い接合強度からなるクラッド材の製造方法を提供する。
【解決手段】ステンレス鋼と銅との間に、P:10〜24at%、V:1〜10at%を含有し、残部FeとNiの少なくとも1種と不可避的不純物からなるアモルファス合金を介在させ、アモルファス合金のみが溶解する温度に保持することにより液相拡散接合させ、十分な接合強度を有するクラッド材を製造する方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 銅とステンレス鋼との間に、P:10〜24at%、V:1〜10at%、残部FeとNiの少なくとも1種と不可避的不純物からなるアモルファス合金を介在させて、用いるアモルファス合金の融点以上、かつ該銅の融点以下の温度で、1分以上1時間以下の範囲内加熱することを特徴とする銅とステンレス鋼のクラッド材製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼を母材とし、銅を合わせ材として接合する銅とステンレス鋼のクラッド材の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】銅とステンレス鋼のクラッド鋼材(以下、単にクラッド鋼材と称す)は、母材のステンレス鋼と合わせ材の銅とをろう材や半田により接合して製造していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ろう材や半田での接合では接合強度が低く、これまで接合強度の高いクラッド材の製造は困難であった。本発明は、ステンレス鋼を母材とし、銅を合わせ材として接合するクラッド材の製造方法であり、安定して十分な接合強度を有するクラッド材を製造することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、銅とステンレス鋼との間に、P:10〜24at%、V:1〜10at%、残部FeとNiの少なくとも1種と不可避的不純物からなるアモルファス合金を介在させて、用いるアモルファス合金の融点以上、かつ該銅の融点以下の温度で、1分以上1時間以下の範囲内加熱することを特徴とする銅とステンレス鋼のクラッド材製造方法である。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明の方法は、中間材として所定のアモルファス合金を銅とステンレス鋼の間に介在させて積層し、この積層材を加熱してアモルファス合金だけを溶融させて液相拡散接合させることにより、クラッド材を得る方法である。 【0006】アモルファス合金による液相拡散接合を実現するためには、銅とステンレス鋼の積層材を加熱し、アモルファス合金が溶ける温度以上に加熱する必要がある。但し、加熱温度は銅とステンレス鋼のいずれもが溶解しないようにするために、低い融点側である銅の融点を加熱温度の上限とする。 【0007】さらに、十分な強度を有する液相拡散接合を得るためには、上記加熱温度の領域においてある程度保持する必要がある。アモルファス合金による液相拡散接合は、アモルファス合金中の溶質元素が被接合材中に拡散し、アモルファス合金自体の融点が上昇して凝固を起こすことにより接合が発現するため、溶質元素の拡散にある程度の時間を要するからである。本発明においては、この時間を1分以上1時間以下とする。 【0008】この保持時間限定の理由について説明すると、保持温度が高いほど保持時間を短くできるが、安定した接合強度を得るには最低でも1分は必要である。逆に、保持時間は長くする程良いが、過度の保持時間は時間、製造コストの点から不利である。その点本発明で用いるアモルファス合金の場合は、融点直上の温度で保持したとしても1時間保持すれば充分である。 【0009】本発明において、中間材として用いるアモルファス合金は、P:10〜24at%、V:1〜10at%、残部がFeとNiの少なくとも1種と不可避的不純物からなる合金である。このアモルファス合金を用いることにより、安定して充分な接合強度が得られる。ここで不可避的不純物とは、ごく微量のMn,Sや、窒素,酸素等のガス成分等である。 【0010】この合金において、それぞれの構成元素の含有量を限定した理由は、以下の通りである。基本的に液相拡散接合に用いる中間材は融点が低く、均一な組成であることが望ましいから、本発明においてはアモルファス合金を用いることが好ましい。よって、上記構成元素中、Pに関しては良好なアモルファス合金となる成分範囲とするために、P含有量の下限を10at%とした。但し、これらの元素を過度に含有すると、クラッド材の機械的性質で劣化を招く恐れが生じるため、Pの上限を24at%とした。 【0011】一方、Vはむしろアモルファス相形成には不利となるが、Vを添加することにより、大気中での液相拡散接合に有利に働くために添加する。すなわち、大気中で加熱すると接合界面に酸化物が形成し、これがアモルファス合金の溶質元素(P)の拡散を阻害するが、Vを1at%以上添加することにより、アモルファス合金が溶けた際にこの酸化物がVを含有する低融点の複合酸化物となり、加熱保持中に酸化物が溶け溶質元素の拡散を容易にする。但し、V含有量が10at%を超えるとアモルファス相が形成し難くなるため、上限を10at%とした。 【0012】また、銅とステンレス鋼からなる積層材を本発明の加熱条件範囲で保持する際は、10kPa程度以上の加圧をすることが好ましい。もちろん、この程度の加圧は母材の自重によっても実現できる。アモルファス合金中の溶質元素が拡散するためには、被接合材同士が接触していなければならず、これを実現するにはある程度の加圧が必要なためである。 【0013】なお、本発明の方法によれば、母材および合わせ材は板形状の他、管や任意の形状とすることができ、その表面形状に合わせた合わせ材を、アモルファス合金を介在させて液相拡散できる。しかも、得られたクラッド材は強固な接合強度を有し、そのままの形状で製品とすることができる。 【0014】本発明の方法において加熱は大気中で行うことができ、従来のような真空排気装置や非酸化性雰囲気とするための雰囲気調整装置を有しない汎用の加熱装置を使用できる。さらに、本発明の方法で用いる合わせ材のステンレス鋼はその成分等に制限がなく、オ−ステナイト系、フェライト系さらにはマルテンサイト系のいずれでもよい。 【0015】 【実施例】(実施例1)JIS G 4303で規定するオ−ステナイト系鋼SUS304の径30mm、長さ150mmのステンレス鋼丸棒と、同じサイズの純銅からなる丸棒の間に、中間材として表1中のNo.1〜4に示すアモルファス合金箔を介在させて、図1のように突き合わせてアモルファス合金箔を中心に約20mm長さの部分を加熱した。突き合わせ時の圧力は2.5および5MPaとした。 【0016】また、加熱は図1に示すように高周波誘導方式により、大気中で行った。加熱時の昇温速度は約2℃/秒で、所定の温度まで加熱し、該温度で所定時間保持した後、放冷してクラッド材とした。なお、保持温度および保持時間も表1に示す。得られたクラッド材について、インストロン方式の引張試験機により引張試験を行った。得られた結果を表1に示すが、すべてのサンプルで銅側での母材破断であり、その強度は200MPa以上と高い接合強度を示した。本発明の方法により、高い接合強度を示すクラッド材が得られることがわかった。 【0017】(実施例2)JIS G 4303で規定するフェライト系鋼SUS430の径30mm、長さ150mmのステンレス鋼丸棒と、同じサイズの純銅からなる丸棒の間に、中間材として表1中のNo.5〜7に示すアモルファス合金箔を介在させて、実施例1と同様の条件で接合実験を行った。得られたクラッド材について実施例1と同様の方法で引張試験を行った。得られた結果を表1に示すが、すべてのサンプルで銅側での母材破断であり、その強度は220MPa以上と高い接合強度を示した。本発明の方法により、高い接合強度を示すクラッド材が得られることがわかった。 【0018】 【表1】
【0019】 【発明の効果】本発明の方法によれば、より高い接合強度を有する銅とステンレス鋼からなるクラッド材を安価かつ容易に製造可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006655 【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062421 【弁理士】 【氏名又は名称】田村 弘明 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−314978(P2001−314978A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月13日(2001.11.13) |
| 【出願番号】 |
特願2000−131111(P2000−131111) |
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