| 【発明の名称】 |
ニッケル粉及び導電ペースト |
| 【発明者】 |
【氏名】林 尚男
【氏名】山口 靖英
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| 【要約】 |
【課題】凝集が少ないので、導電ペーストの調製において有機ビヒクル中での分散性が優れており、導電ペーストの調製に特に適しているニッケル粉、並びに該ニッケル粉を含有する導電ペーストを提供すること。
【解決手段】SEM観察による平均粒子径が0.1〜1μmであり、且つレーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値及びSEM観察による平均粒子径が下記式(1)の条件を満たしていることを特徴とするニッケル粉: 1≦{(レーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値)/(SEM観察に よる平均粒子径)}≦1.8‥‥‥(1) |
【特許請求の範囲】
【請求項1】SEM観察による平均粒子径が0.1〜1μmであり、且つレーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値及びSEM観察による平均粒子径が下記式(1)の条件を満たしていることを特徴とするニッケル粉: 1≦{(レーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値)/(SEM観察に よる平均粒子径)}≦1.8‥‥‥(1) 【請求項2】レーザ回折散乱式粒度分布測定に於いて、D50値の1.5倍以上の粒子径を持つ粒子個数が全粒子個数の20%以下であり、D50値の0.5倍以下の粒子径を持つ粒子個数が全粒子個数の5%以下であることを特徴とする請求項1記載のニッケル粉。 【請求項3】SEM観察による粒子径測定に於いて、平均粒子径の1.2倍以上の粒子径を持つ粒子個数が全粒子個数の10%以下であり、平均粒子径の0.8倍以下の粒子径を持つ粒子個数が全粒子個数の10%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のニッケル粉。 【請求項4】請求項1、2又は3記載のニッケル粉を含有することを特徴とする導電ペースト。 【請求項5】積層セラミックコンデンサ形成用導電ペーストであることを特徴とする請求項4記載の導電ペースト。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はニッケル粉及び導電ペーストに関し、より詳しくは、凝集が少なく単分散状態に近いので、導電ペーストの調製において有機ビヒクル中での分散性が優れており、更に粒度分布がシャープであるので積層セラミックコンデンサの薄くて突起のない内部電極の形成に用いる導電ペーストの調製に特に適しているニッケル粉、並びに該ニッケル粉を含有する導電ペーストに関する。 【0002】 【従来の技術】積層セラミックコンデンサは交互に積層された複数のセラミック誘電体層と内部電極層とが一体化したものであり、このような積層セラミックコンデンサの内部電極層を形成する際には、内部電極材料である金属微粉末をペースト化して導電ペーストを調製し、該導電ペーストを用いてセラミック誘電体グリーンシート上に印刷し、セラミック誘電体グリーンシートと導体ペースト層とを交互に層状に複数層積層し、加熱圧着して一体化した後、還元性雰囲気中、高温で焼成してセラミック誘電体層と内部電極層とを一体化させることが一般的である。 【0003】この内部電極材料として、従来は、白金、パラジウム、銀−パラジウム等が使用されていたが、コストを低減させるために、近時にはこれらの白金、パラジウム、銀−パラジウム等の貴金属の代わりにニッケル等の卑金属を用いる技術が開発され、進歩してきている。 【0004】一般に、乾式反応もしくは湿式反応により製造されたままの状態の金属粉は程度の差はあっても何れも凝集しており、また粒子径が小さくなればなるほどその凝集の度合いは強くなる。ニッケル粉においても、乾式もしくは湿式の何れの反応法でも製造できるが、勿論この凝集の問題は大きく、特に導電ペーストの調製の際には有機ビヒクル中への分散性が重要なポイントであり、凝集のより少ない、いわゆるできるだけ単分散状態に近いニッケル粉が求められている。このような凝集のより少ないニッケル粉を導電ペーストに用いた場合には、最終的に仕上がる導電層の緻密性は向上し、製造される製品の信頼性が高まり、特に、絶縁不良や誘電特性不良等の電気特性の不良品の発生を抑制することができ、製品の歩留まり向上が図れる。 【0005】また、上記の積層セラミックコンデンサ等は近年ますます小型化しており、必然的にセラミック誘電体層及び内部電極層の薄膜化、多層化が進み、現在積層部品、特に積層セラミックコンデンサについては、誘電体層厚2μm以下、内部電極膜厚1.5μm以下、積層数100層以上の部品が作られている。 【0006】薄い内部電極層を得るためにはそれに見合った平均粒子径の小さい金属微粉を用いればよいと考えられるが、粗粒子が混入している金属粉を含む導電ペーストを用いて内部電極層を形成すると、そのような粗粒子が内部電極層上に突起を形成し、その突起が薄いセラミック誘電体層を突き破って内部電極層間の短絡を引き起こすことがある。このような内部電極層間の短絡を防止するためには、薄い内部電極層を得るのに見合った平均粒子径の金属微粉よりもかなり小さい平均粒子径の金属微粉を用いる必要がある。 【0007】例えば、特開平11−189801号公報には、平均粒子径が0.2〜0.6μmであり、且つ平均粒子径の2.5倍以上の粒子径を持つ粗粒子の存在率が個数基準で0.1%以下であるニッケル超微粉が記載されており、該公報の第4欄21〜24行には「例えば粗粒子の粒径を1.5μm以上程度に限定すれば、本発明のニッケル超微粉の平均粒子径は、0.6μmに限定する必要がある訳である。」と記載されており、薄い内部電極層を得るためにかなり小さい平均粒子径の金属微粉を用いる必要がある。しかし、微粉になればなるほど、そのような微粉を含む導電ペーストの粘度が上昇するという問題があり、また焼成の際に熱収縮や酸化が促進されるという問題がある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、ニッケル粉粒子同士の凝集が抑制されて単分散状態に近い状態になっており、そのことにより導電ペーストの調製において有機ビヒクル中での分散性が優れており、更に、優れたシャープな粒度分布特性を有していることから、ニッケル粉の平均粒子径を無用に小さくする必要なしで積層セラミックコンデンサの薄くて突起のない内部電極層を形成することができるニッケル粉、並びにそのようなニッケル粉を含有している導電ペーストを提供することを課題としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題を達成するために鋭意検討した結果、ニッケル粉に特定の解粒処理を施すことによりニッケル粉粒子間の凝集を極力少なくすることができ、それに加え、粗粒の割合を比較的小さくし、且つ大部分のニッケル粉の粒子径を所定の範囲内に入るようにすれば、ニッケル粉を無用に微細にする必要なしで、表面に突起のない内部電極層を形成して内部電極間の短絡が起こりにくくでき、しかも微粉が少ないために酸化が抑制されると共に、熱収縮が抑制でき、絶縁不良や誘電特性不良等の電気特性の不良品の発生を抑制することができることを見いだし、発明を完成した。 【0010】即ち、本発明のニッケル粉は、SEM観察による平均粒子径が0.1〜1μmであり、且つレーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値及びSEM観察による平均粒子径が下記式(1)の条件を満たしていることを特徴とする: 1≦{(レーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値)/(SEM観察に よる平均粒子径)}≦1.8‥‥‥(1) また、本発明の導電ペーストは上記のニッケル粉を含有することを特徴とする。 【0011】 【発明の実施の形態】前記した〔従来の技術〕の項でも説明した通り、ニッケル粉は各種の製造方法で製造できるが、ニッケル粉粒子同士の凝集が生じていると、導電ペーストの調製の際の有機ビヒクル中への分散性に悪影響を与える。 【0012】この分散性を評価する一つの指標(分散性の間接評価法)として、本発明者等は、レーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値と、SEM観察による平均粒子径との比に着目した。即ち、レーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値(重量分布平均値)により、粉末の凝集粒子径の平均値を捉え、SEM観察による平均粒子径により、粉末の個々の一次粒子の幾何平均値を捉えることが出来るから、この両者の比が1に近いほど、単分散状態に近い、いわゆる分散性に優れたニッケル粉であると言える。 【0013】即ち、本発明のニッケル粉は、SEM観察による平均粒子径が0.1〜1μm、好ましくは0.5〜1μmであり、且つ式{(レーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値)/(SEM観察による平均粒子径)} の値が1以上で、1.8以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下である。 【0014】上記の式の値は1より小さい数値を取ることは理論的にあり得ない。また、上記の式の値が1.8を超えることは、一次粒子が平均でも1.8個を超えて凝集している状態であり、導電ペースト調製の際の有機ビヒクル中への分散性に劣るものとなる。 【0015】更に、本発明のニッケル粉は、レーザ回折散乱式粒度分布測定に於いて、D50値の1.5倍以上の粒子径を持つ粒子個数が全粒子個数の20%以下であることが好ましい。この範囲内であれば、ニッケル粉中には粗粒子が多大には存在しないので、電極間の短絡が生じにくい。D50値の1.5倍以上の粒子径を持つ粒子個数が全粒子個数の15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが一層好ましい。 【0016】また、本発明のニッケル粉は、レーザ回折散乱式粒度分布測定に於いて、D50値の0.5倍以下の粒子径を持つ粒子個数が全粒子個数の5%以下であることが好ましい。この範囲内であれば、ニッケル粉中には微粒子が多大には存在しないので凝集がおきにくく、ペースト化した際の有機ビヒクル中へのニッケル粉の分散性に優れている。D50値の0.5倍以下の粒子径を持つ粒子個数が全粒子個数の3%以下であることがより好ましく、1%以下であることが一層好ましい。 【0017】更に、本発明のニッケル粉は、1万倍程度のSEM観察による粒子径測定に於いて、平均粒子径の1.2倍以上の粒子径を持つ粒子個数が全粒子個数の10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましく、5%以下であることが一層好ましい。また、平均粒子径の0.8倍以下の粒子径を持つ粒子個数が全粒子個数の10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましく、5%以下であることが一層好ましい。 【0018】上記のような諸特性を持つニッケル粉は粒度分布がシャープであるので、積層セラミックコンデンサの内部電極の形成に用いる場合でも、ニッケル微粉の平均粒子径を無用に小さくする必要なしで薄層化、高容量化が達成でき、内部電極層間の短絡等の不良の発生、特に、絶縁不良や誘電特性不良等の電気特性の不良品の発生を低下させることができる。 【0019】また、本発明のニッケル粉においては、下記の式(2)により求められる変動係数(CV)が40%未満であることが好ましく、35%未満であることがより好ましく、30%未満であることが一層好ましい。 CV(%)=(σ/x)×100 ‥‥‥(2) (式中、xはレーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値であり、σはレーザ回折散乱式粒度分布測定による個数分布の標準偏差である)。 【0020】このような特性を有するニッケル粉を含む導電ペーストを用いて積層セラミックコンデンサの内部電極を形成する場合には、前記のような粒度分布を有するニッケル粉を含む導電ペーストを用いて積層セラミックコンデンサの内部電極を形成する場合と同等、又はそれ以上の薄膜化、多層化が達成できる。 【0021】また、本発明のニッケル粉は純ニッケル粉であっても、ニッケル粉の各微粒子の内部に金属酸化物を含有するニッケル粉であっても、或いはニッケル粉の各微粒子の表面が金属酸化物で被覆されているものであってもよい。しかし、脱バインダ時のニッケルの耐酸化性やセラミック誘電体中への耐拡散性を改善し、熱収縮性を改善する点を考慮すれば、ニッケル粉の各微粒子の表面が金属酸化物で均一に被覆されているニッケル粉であることが好ましい。この金属酸化物の被覆量としては金属ニッケル微粒子の質量に対して0.05〜10質量%程度であることが好ましい。 【0022】被覆のための金属酸化物として、原子番号が12〜82の範囲内で周期表の2〜14族に属する金属元素の少なくとも1種、好ましくは原子番号12〜82の範囲内で周期表の2族、3族、4族、7族、13族及び14族に属する金属元素の少なくとも1種を含む酸化物及び複合酸化物、例えば、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al2 O3 、Ga2 O3 、Y2 O3 、SiO2 、TiO2、ZrO2 、Cr2 O3 、MnO2 、Mn3 O4 、PbO、Nb2 O5 、Nd2O3 、Sm2 O3 、Dy2 O3 、Er2 O3 、Ho2 O3 、BaTiO3 、CaTiO3 、SrTiO3 、MgTiO3 、BaZrO3 、CaZrO3 、SrZrO3 、(Mg,Ca)TiO3 、(Ba,Ca)(Ti,Zr)O3 、PbTiO3 、Pb(Zr,Ti)O3 、(Pb,Ca)TiO3 、MgAl2 O4 、及びBaTi4 O9 からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。これらの酸化物及び複合酸化物はNb、W、La、Y、Mo等の金属の酸化物でドープされていてもよい。 【0023】次に、本発明のニッケル粉の好ましい製造方法について述べる。ニッケル粉は、一般的には、液相還元析出法、気相化学反応法、ガス中蒸発法等の湿式、乾式の何れの製造方法でも製造可能であるが、製造方法の違いによって形状、粒度分布、凝集性等の粉体特性が異なる。本発明のニッケル粉を製造する際に用いられる出発原料のニッケル粉は、乾式法、湿式法の何れの製造方法で得られたニッケル粉でも良い。 【0024】本発明の課題である、ニッケル粉粒子同士の凝集が抑制されて単分散状態に近い状態になっており、そのことにより導電ペーストの調製において有機ビヒクル中での分散性が優れており、更に、優れたシャープな粒度分布特性を有しているニッケル粉を得ようとしても、上記の製法だけではそのようなニッケル粉を得ることは極めて困難である。従って、そのようなニッケル粉を得るためには、まず凝集の強い粒子や極大粒子をあらかじめ除去したニッケル粉を用い、ニッケル粉粒子同士のからみが少なくなるように凝集を強力に断ち切り、且つ断ち切られた粉体が再凝集しにくくなるよう粒子表面を平滑化する処理をニッケル粉に施すことが望ましい。 【0025】上記のようなニッケル粉の処理において、凝集の強い粒子や極大粒子をあらかじめ除去する前処理は、単に粒度分布を揃えるという目的にとどまらず、引き続き行う解粒処理の効果を確実且つ安定的に得るために重要である。この前処理に関しては、ニッケル粉表面の酸化防止や作業性の面からみて篩分機等の使用は不適切で、最も適当な手段は風力分級機であり、具体的には遠心力分級機であるエアセパレータ、スペディッククラシファイヤ、アキュカット、ターボクラシファイヤ等が好適である。 【0026】また、引き続き行う解粒処理においては、ニッケル粉粒子間の凝集を断ち切るために剪断作用の高い装置と、摩砕、摩擦作用(粒子同士の摩擦作用をも含む)の高い装置とを併用することが重要である。これらの作用が顕著な装置を使用して処理することによりニッケル粉は凝集の少ない単分散状態に近づき、且つ再凝集を抑制することができる。 【0027】上記の剪断作用、及び摩砕、摩擦作用を兼備した装置の代表例としてローラミル等を挙げることができるが、そのような装置は主作用が強すぎて、他の作用の調整が困難であったり、その他の作用、特に圧縮作用が強く働くので、展延性に富む金属粉への適用が好ましくない装置であったりする。 【0028】このような弊害を考慮した結果、本発明者らは、解粒処理の際に、剪断作用の高い粉砕装置と摩砕、摩擦作用の高い粉砕装置とを併用して2段以上で処理することにより本発明のニッケル粉が好都合に製造できることを見出した。即ち、ニッケル粉の凝集をまず断ち切るために剪断作用の高い装置を使用し、しかる後、凝集を断ち切った粒子表面の平滑性を高めるため、摩砕、摩擦作用の高い粉砕装置を使用することが好ましいという結論に達したのである。 【0029】上記の剪断作用の高い粉砕装置の好ましい例として、パルペライザ(ホソカワミクロン製)、スーパーミクロン(ホソカワミクロン製)、スーパーマスコロイダー(増幸産業製)等が挙げられ、摩砕、摩擦作用の高い粉砕装置の好ましい例として、ダイノーミル(Willy A.Bachofen AG Maschinenfabrik 製)、ハレルホモジナイザ(国産精工製)、ジェットミル(荏原製作所製)等が挙げられる。 【0030】これらの装置としては、上記の各作用を有する各種装置があり、これら装置の総称、一般名、商品名等が種々あり、名称だけ異なっている場合があるが、基本的には上記の各作用(剪断作用、摩砕、摩擦作用)を有す装置であれば何れも使用できる。 【0031】また、解粒処理方法は乾式法、湿式法の何れも採用することができ、その際に酸化を抑制する手段を講ずることもできる。即ち、乾式解粒処理を実施する際は、被処理ニッケル粉を不活性ガス又は還元性ガス雰囲気中で解粒処理することが好ましく、具体的には不活性ガス又は還元性ガスとして、窒素、アルゴン、ヘリウム、一酸化炭素、水素含有窒素等を解粒装置内に通気すればよく、好ましくは解粒処理を行う装置内の酸素濃度を10000ppm以下、装置内温度を15〜30℃とすることが好ましい。 【0032】また、湿式解粒処理を実施する際は、ニッケル粉含有スラリーに還元剤を添加することが好ましく、具体的には還元剤としてエチレンジアミン四酢酸、ホルムアルデヒド、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、次亜リン酸、ヒドラジン系還元剤等をニッケル粉含有スラリーに添加すればよく、好ましくは各種還元剤の添加量を0.0005〜1当量分投入し、解粒処理中のニッケル粉含有スラリー温度を25〜80℃に制御する。 【0033】本発明の導電ペーストの好ましい製造方法について述べる。本発明の導電ペーストは、上記した本発明のニッケル粉、樹脂、溶剤等で構成され、更に必要により分散剤、焼結抑制剤等を含有することができる。具体的には、樹脂としてエチルセルロース等のセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール等のビニル系の非硬化型樹脂、エポキシ、アクリル等の好ましくは過酸化物を併用した熱硬化性樹脂等を用いることができる。また、溶剤としてテルピネオール、テトラリン、ブチルカルビトール、カルビトールアセテート等を単独で又は混合して用いることができる。また、この導電ペーストには必要に応じてガラスフリットを加えてもよい。本発明の導電ペーストは以上の原料をボールミル、三本ロール等の混合用機械を用いて混合攪拌することにより得られる。 【0034】 【実施例】以下に実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。 実施例1硫酸ニッケル・六水和物(品位22.2重量%)44.8Kgを純水80Lに溶解して得た水溶液を、水酸化ナトリウム濃度200g/Lの水溶液100Lにその液温を60℃に維持しながらゆっくりと滴下して、ニッケルの水酸化物を析出させた。 【0035】この懸濁液にその液温を60℃に維持しながらヒドラジン・一水和物30Kgを30分間にわたって添加してニッケルの水酸化物をニッケルに還元した。この生成ニッケル粒子含有スラリーを濾過した後、洗浄液のpHが9以下になるまで純水で洗浄し、その後、乾燥してニッケル粉を得た。 【0036】このニッケル粉をエアセパレータであるSFシャープカットセパレータKSC−02型(栗本鐡工所製)を用いて、ロータ回転数6000rpm、空気量7.2m3 /分で処理し、粗粉を除去した。この粗粉を除去したニッケル粉を、ナイフ型ハンマを装備したパルペライザAP−1SH型(ホソカワミクロン製)に投入して2500rpmで処理した後、その得られたニッケル粉に純水80Lを加え、ハレルホモジナイザKH−2型(国産精工製)を用いて5000rpm、スラリー処理速度27.5L/分で2時間処理し、その後、濾過し、乾燥してニッケル粉を得た。 【0037】このニッケル粉0.1gをSNディスパーサント5468の0.1%水溶液(サンノブコ社製)と混合し、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所製US−300T)で5分間分散させた後、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置 Micro TracHRA 9320-X100 型(Leeds + Northrup 製)を用いてD50値を測定したところ、0.50μmであり、また0.75μm(0.50×1.5=0.750)を越える粒子径を有する粒子比率は全体の4.2%に相当し、0.25μm(0.50×0.5=0.250)を下回る粒子径を有する粒子比率は全体の1.0%に相当していた。 【0038】また、このニッケル粉を1万倍のSEMによって観察し、無作為に選んだ5視野の合計で1500個の粒子の粒子径をそれぞれ測定した。その結果、平均粒子径は0.43μmであり、0.51μm(0.43×1.2=0.516)を越える粒子径を有する粒子個数は29個で全体の1.9%に相当し、0.35μm(0.43×0.8=0.344)を下回る粒子径を有する粒子個数は68個で全体の4.5%に相当していた。上記の測定結果より、{(レーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値)/(SEM観察による平均粒子径)}は0.50/0.43=1.16であった。 【0039】このニッケル粉50質量部に、エチルセルロース5質量部、ミネラルスピリット60質量部及びブチルカルビトール35質量部からなるビヒクルを加え、これらを混合した後、3本ロールで混練して導電ペーストを調製し、この導電ペーストを用いて誘電体層厚2μm、内部電極層厚1.5μm、積層数350層で、2.0×1.25×1.25mmのコンデンサを焼成した。得られたセラミックコンデンサから無作為に200個を取り出し、絶縁不良や誘電特性不良等の電気特性の不良品数を求めた。その結果、不良品数は1個であり、不良率は0.5%であった。 【0040】実施例2硫黄含有量が500ppmである十分に乾燥した塩化ニッケル無水塩22.0Kgを石英容器中に静置し、容器内温度が900℃に維持されるように制御しながら、キャリヤ用アルゴンガスの10L/分の気流中で加熱蒸発させた。気化した塩化ニッケルガス中に還元用の水素ガスを3.5L/分で通気し、還元温度を1000℃に制御してニッケル粉を得た。このニッケル粉を洗浄液のpHが9以下になるまで純水で洗浄し、濾過し、乾燥した後、実施例1と同様の方法で粗粉を除去した。 【0041】この粗粉の除去したニッケル粉を、スーパーミクロンM52NC型(ホソカワミクロン製)を用いてロータ回転数1500rpmにて処理した後、その得られたニッケル粉に純水80Lを加え、ダイノーミルKDL型(Willy A.Bachofen AG Maschinenfabrik 製)(ガラスビーズ:粒子径2mmφ)を用いて1L/分にて15分間処理した後、濾過し、乾燥してニッケル粉を得た。 【0042】このニッケル粉0.1gをSNディスパーサント5468の0.1%水溶液(サンノブコ社製)と混合し、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所製US−300T)で5分間分散させた後、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置 Micro TracHRA 9320-X100 型(Leeds + Northrup 製)を用いてD50値を測定したところ、0.55μmであり、また0.82μm(0.55×1.5=0.825)を越える粒子径を有する粒子比率は全体の6.3%に相当し、0.28μm(0.55×0.5=0.275)を下回る粒子径を有する粒子比率は全体の1.6%に相当していた。 【0043】また、このニッケル粉を1万倍のSEMによって観察し、無作為に選んだ5視野の合計で1500個の粒子の粒子径をそれぞれ測定した。その結果、平均粒子径は0.40μmであり、0.48μm(0.40×1.2=0.480)を越える粒子径を有する粒子個数は77個で全体の5.1%に相当し、0.32μm(0.40×0.8=0.320)を下回る粒子径を有する粒子個数は92個で全体の6.1%に相当していた。上記測定結果より、{(レーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値)/(SEM観察による平均粒子径)}は0.55/0.40=1.38であった。 【0044】このニッケル粉50質量部に、エチルセルロース5質量部、ミネラルスピリット60質量部及びブチルカルビトール35質量部からなるビヒクルを加え、これらを混合した後、3本ロールで混練して導電ペーストを調製し、この導電ペーストを用いて誘電体層厚2μm、内部電極層厚1.5μm、積層数350層で、2.0×1.25×1.25mmのコンデンサを焼成した。得られたセラミックコンデンサから無作為に200個を取り出し、絶縁不良や誘電特性不良等の電気特性の不良品数を求めた。その結果、不良品数は2個であり、不良率は1%であった。 【0045】比較例1実施例1で実施した方法において、解粒処理を全く行わないでニッケル粉を調製した。このニッケル粉0.1gをSNディスパーサント5468の0.1%水溶液(サンノブコ社製)と混合し、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所製US−300T)で5分間分散させた後、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置 Micro TracHRA 9320-X100 型(Leeds + Northrup 製)を用いてD50値を測定したところ、0.87μmであり、また1.30μm(0.87×1.5=1.305)を越える粒子径を有する粒子比率は全体の15.0%に相当し、0.44μm(0.87×0.5=0.435)を下回る粒子径を有する粒子比率は全体の5.2%に相当していた。 【0046】また、このニッケル粉を1万倍のSEMによって観察し、無作為に選んだ5視野の合計で1500個の粒子の粒子径をそれぞれ測定した。その結果、平均粒子径は0.44μmであり、0.52μm(0.44×1.2=0.528)を越える粒子径を有する粒子個数は93個で全体の6.2%に相当し、0.36μm(0.44×0.8=0.352)を下回る粒子径を有する粒子個数は83個で全体の5.5%に相当していた。上記測定結果より、{(レーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値)/(SEM観察による平均粒子径)}は0.87/0.44=1.98であった。 【0047】このニッケル粉50質量部に、エチルセルロース5質量部、ミネラルスピリット60質量部及びブチルカルビトール35質量部からなるビヒクルを加え、これらを混合した後、3本ロールで混練して導電ペーストを調製し、この導電ペーストを用いて誘電体層厚2μm、内部電極層厚1.5μm、積層数350層で、2.0×1.25×1.25mmのコンデンサを焼成した。得られたセラミックコンデンサから無作為に200個を取り出し、絶縁不良や誘電特性不良等の電気特性の不良品数を求めた。その結果、不良品数は12個であり、不良率は6%であった。 【0048】比較例2ハレルホモジナイザでの処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法でニッケル粉を得た。このニッケル粉0.1gをSNディスパーサント5468の0.1%水溶液(サンノブコ社製)と混合し、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所製US−300T)で5分間分散させた後、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置 Micro TracHRA 9320-X100 型(Leeds + Northrup 製)を用いてD50値を測定したところ、0.80μmであり、また1.20μm(0.80×1.5=1.200)を越える粒子径を有する粒子比率は全体の7.3%に相当し、0.40μm(0.80×0.5=0.400)を下回る粒子径を有する粒子比率は全体の2.6%に相当していた。 【0049】また、このニッケル粉を1万倍のSEMによって観察し、無作為に選んだ5視野の合計で1500個の粒子の粒子径をそれぞれ測定した。その結果、平均粒子径は0.42μmであり、0.50μm(0.42×1.2=0.504)を越える粒子径を有する粒子個数は80個で全体の5.3%に相当し、0.34μm(0.42×0.8=0.336)を下回る粒子径を有する粒子個数は98個で全体の6.5%に相当していた。上記測定結果より、{(レーザ回折散乱式粒度分布測定によるD50値)/(SEM観察による平均粒子径)}は0.80/0.42=1.90であった。 【0050】このニッケル粉50質量部に、エチルセルロース5質量部、ミネラルスピリット60質量部及びブチルカルビトール35質量部からなるビヒクルを加え、これらを混合した後、3本ロールで混練して導電ペーストを調製し、この導電ペーストを用いて誘電体層厚2μm、内部電極層厚1.5μm、積層数350層で、2.0×1.25×1.25mmのコンデンサを焼成した。得られたセラミックコンデンサから無作為に200個を取り出し、絶縁不良や誘電特性不良等の電気特性の不良品数を求めた。その結果、不良品数は5個であり、不良率は2.5%であった。 【0051】 【発明の効果】本発明のニッケル粉は凝集が少なく単分散状態に近いので導電ペーストにおいて有機ビヒクル中での分散性が優れており、更に粒度分布がシャープであるので積層セラミックコンデンサの薄くて突起のない内部電極の形成に用いる導電ペーストの調製に特に適している。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006183 【氏名又は名称】三井金属鉱業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月7日(2001.2.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080159 【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 望稔 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−316701(P2001−316701A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月16日(2001.11.16) |
| 【出願番号】 |
特願2001−31321(P2001−31321) |
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