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【発明の名称】 スライドゲートプレートの再生方法
【発明者】 【氏名】丹羽 茂樹

【氏名】長谷部 悦弘

【氏名】伊藤 和男

【氏名】印藤 寿浩

【氏名】浅井 正道

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 使用済みの固定盤と摺動盤とからなるスライドゲートプレートを再生する方法であって、各プレートの厚さの差が1.5mm以上である固定盤または摺動盤からなる溶融金属排出装置の厚さの厚い方の固定盤または摺動盤のいずれか一方のプレートの摺動面を研磨し、この研磨した方のプレートと研磨しない方のプレートに代えたこれと同様の新品プレートとを組み合わせることを特徴とするスライドゲートプレートの再生方法。
【請求項2】 溶融金属流排出装置が、上下の固定盤とその中間に挿入される摺動盤とからなり、上下の固定盤の厚さの差が1.5mm以上あることを特徴とする請求項1記載のスライドゲートプレートの再生方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶鋼容器の下部に装着される溶鋼排出装置の溶融金属の流量制御部材の再生に関し、特にそのスライドゲートプレートの再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼容器の下部に装着される溶融金属排出装置は、溶鋼容器内の溶鋼の排出を調節或いは停止するものとして溶融金属流量制御装置が多用されているが、そこでの溶融金属の流量制御は、ここに内装されている摺動盤と固定盤のノズル孔を一致させ、或いは相違させることによって行われている。ここにおける摺動盤および固定盤は、スライドゲートを構成しこの装置の重要な要部を構成している。
【0003】これまで長い間、2枚方式のスライドゲートプレートは図5に示すように、固定盤1および摺動盤2は同じ厚さのものが使用されている。また、実開昭50−101514号で開示されているような3枚方式のスライドゲートプレートでも、図6に示すように上下の固定盤3,4が同じ厚さのものが使用されてきた。そして、これらが使用によって損傷した場合は2枚方式においては全てのプレートを一度に新品と交換する全部交換方式が採用され、また3枚方式では固定盤間の摺動盤を交換する方式が採用されるなどしてきた。
【0004】それは使用によって摺動面が摩耗した固定盤または摺動盤は、これらの摺動面を研磨して再使用しようとしても研磨によってプレートそのものが薄くなり、適正な摺動面圧が得られず、プレート間から漏鋼の恐れがあるためにこれが不可能であったことによる。
【0005】しかしながら、スライドプレートは高価で、また厳しい環境で使用されるために損傷も激しくコストの点からもその再利用が強く要望されていた。特に、摺動面のみに損傷があるような場合にスライドプレートの全てを破棄することは何とも不経済であった。
【0006】こうした問題を解消するために実公昭57−36364号が提案されている。この技術は固定盤に対して設けられる摺動盤を所定期間使用して摩耗した場合、それを左右反対に置き換えるもので、これによって固定盤および摺動盤がお互いに新生面と摺接するようにしたものである。
【0007】しかしながら、これによっても使用によってプレートの摺接面に損傷が生じたものは再生が出来ず、依然としてプレートを再生するための良好な解決策は見当らなかった。
【0008】こうしたことで、これまで長い間プレートを研磨加工し再使用することも検討されてきたが、損傷が大きいものは研磨しても損傷部が取り除けず、再使用は不可能であった。そのため現実にスライドプレートの再利用が行われたことはなく、スライドプレートが損耗すると、その全部を新品と交換して使用する他はなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、使用後でその摺動面が損耗したスライドゲートプレートの摺動面を再研磨して再使用することで、スライドゲートプレートを再生する方法を得ようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、使用済みの固定盤と摺動盤とからなるスライドゲートプレートを再生する方法であって、各プレートの厚さの差が1.5mm以上である固定盤または摺動盤からなる溶融金属排出装置の厚さの厚い方の固定盤または摺動盤のいずれか一方のプレートの摺動面を研磨し、この研磨した方のプレートと研磨しない方のプレートに代えたこれと同様の新品プレートとを組み合わせることを特徴とするスライドゲートプレートの再生方法(請求項1)および溶融金属排出装置が、上下の固定盤とその中間に挿入される摺動盤とからなり、上下の固定盤の厚さの差が1.5mm以上あることを特徴とする請求項1記載のスライドゲートプレートの再生方法(請求項2)である。
【0011】
【作用】この発明はスライドゲートプレートで固定盤と摺動盤、または上下の固定盤の厚さに1.5mm以上の差をつけるようにしたので、これを用いて溶鋼の排出を行ってプレートの摺動面が損傷した場合でも、厚さの厚い方のプレートの摺動面を研磨して再使用し、これに対するプレートだけを新品と交換して組み合わせれば、実質的に新品同様のものが経済的に得られるようになる。
【0012】
【実施例】図1はこの発明になるスライドゲートプレートの横断面図である。図1において6は固定盤、7は摺動盤である。本発明では、固定盤6の厚さと摺動盤7の厚さとの差を1.5mm以上とする。
【0013】図1の実施例では、固定盤6の厚さはammを定数(以下、同様とする。)とすると、(a+2)mm、摺動盤7の厚さはammであり、固定盤6は摺動盤7よりも2mm厚くなっている。上記の実施例では固定盤6の方を摺動盤7よりも厚くして示したが、この逆に摺動盤の方を固定盤よりも厚くしてもよいことはもちろんである。なお、8は固定盤6のノズル孔、9は摺動盤7のノズル孔である。
【0014】こうした固定盤6と摺動盤7との厚さの差を1.5mm以上としたスライドゲートプレートは、通常の溶融金属排出装置に組み込まれて使用されるが、使用によってスライドゲートプレートの摺動面が損耗した場合、プレートの中の厚さの厚い固定盤6の摺動面を研磨し、この研磨で若干薄くなった固定盤と、破棄した使用済み摺動盤に代えて図示しない新品の摺動盤を組み合わせて新たなスライドゲートプレートとし、これを再び溶融金属排出装置に組み込んで使用する。
【0015】これによって、使用済みの摺動盤を代えただけで実質的に新品と同様な再生スライドゲートプレートを得ることが出来る。これにより摺動盤が固定盤よりも厚さが厚くなるが、上記と逆に摺動盤の摺動面を研磨して再使用し固定盤が新品と交換されることによっても、再生されたスライドゲートプレートが出来上がる。なお、この場合は摺動盤の厚さを予め固定盤の厚さよりも厚くしておく必要がある。
【0016】また、別の使用法としては、固定盤と摺動盤のノズル孔の位置を互換性のあるものとし、かつこれらのプレートの厚さを1.5mm以上相違させるようにしておく方法がある。
【0017】このスライドゲートプレートを使用するときは、プレートの摺動面が損耗した場合は厚さの厚いプレートの摺動面を研磨して厚さの薄いプレートとしてこれを再生するとともに、もとの薄くなったプレートを廃棄してこの代わりに厚さの厚いプレートをこれに組み合わせて、固定盤と摺動盤のノズル孔の互換性を利用して組み合わせて使用する。これの摺動面が再び損耗したときは、今度は厚さの厚いプレートを摺動面を研磨してこれを厚さの薄いプレートとして再生するとともに、もとの薄くなったプレートを廃棄してこの代わりに厚さの厚いプレートを新たに準備し、固定盤と摺動盤のノズル孔の互換性を利用して組み合わせて使用する。以下同様とするものである。
【0018】この方法を用いれば準備するプレートは常に1種類を用意することによって本発明を実施することができる。
【0019】固定盤と摺動盤と厚さの違いは使用後プレートの研磨代となるが、これはプレートを収納する金属容器の深さによって左右される。プレートの厚さの差を大きく取ると、薄い方のプレートが容器の深さよりも薄くなり、プレートが摺動出来なくなる。これと反対に、プレートの厚さの差をあまり小さくするとプレートが損傷した場合の研磨代が少なくなり、研磨不十分となってこれを再生して使用することが出来なくなる。固定盤と摺動盤との厚さの差は1.5mm以上で、好ましくは2〜3mmである。
【0020】図2は、他の実施例である3枚方式のスライドゲートプレートの横断面図で、280トン取鍋用として使用される。図2では10は上固定盤、11は下固定盤でありこれらの中間に摺動盤12が嵌装されている。これらの厚さは、下固定盤がamm、上固定盤が(a+2)mmである。即ち、上固定盤と下固定盤との厚さの違いはいずれも2〜3mmの範囲内となっている。
【0021】図1の2枚式と同様に研磨再生時には、上固定盤と下固定盤を交替して使用してもよく、またこれを行わなくてもよい。
【0022】図3も他の実施例であるが、これはプレートの厚みを上記と同様に相違させたものおいて、溶融金属流量制御部材がノズル孔13を中心にして左右を対称としたもので、14は固定盤、15は摺動盤である。この実施例のものは再使用の場合、左右を変換させて使用できるとともに、上下を変換して使用することも出来る。そうすれば、再びプレートをセットするときにプレートの方向に気を使うことなく施工できる。
【0023】即ち、図3に示す状態で所定期間使用した後、厚い方の固定盤の摺動面を研磨してこれを再使用する場合、下側の摺動盤として使用することも可能であり、また左右の向きを変えてもよい。図4は、上記と同様の厚さの異なるスライドゲートプレートにおいて、プレート16のノズル孔の内側に耐摩耗性のリング17を嵌装したものである。プレートレンガにリング状耐火物を嵌着することについては、出願人は特開昭64−15270号ですでに提案しているところである。
【0024】ノズル孔は溶鋼流によって激しく溶損されるので、ここに耐摩耗性のリングを嵌装することによってプレートの寿命を延ばすことが可能である。図4では3枚方式の摺動盤にリングを嵌装した事例を示したが、固定盤にも同様に耐摩耗性リングをノズル孔に嵌装することが出来る。ここに用いるリングの材質としては、例えばアルミナ−ムライト質やアルミナ−カーボン質が好適である。
【0025】本発明では、他にも以下に示すような種々の変形例が存在するが、これらはすべて本発明の範囲に包含されるものである。
【0026】例えば、プレートが厚さを上記のように相違させたものにおいて、プレートをその厚さ方向で複数の材料からなるように層構造とする。その場合、プレートの摺動面にだけそれに適した耐磨耗性の材料を選択し、その他の本体部分と別の材料として2層或いは3層構造とするものである。これによって、低コストでありながらプレートの摺動面のみに耐摩耗性の材料を有するプレートを得ることが可能である。
【0027】また、プレートが厚さを上記のように相違させたものにおいて、プレートの周囲を図示しない鉄皮で覆い、プレートのノズル孔に発生したヒビ割れが拡大しないようにすることも可能である。
【0028】プレートの外周を鉄皮で覆うことはすでに公知の技術であるが、これについては出願人もすでに特公平3−69610号で提案しているところでもある。さらに、本発明のスライドゲートプレートは、往復移動タイプのものに限らずロータリ式のものであってもよい。
【0029】
【発明の効果】以上の通り、この発明によれば厚さの異なる固定盤と摺動盤でスライドゲートプレートの再生を行うようにしたもので、これによれば溶鋼の排出を行ってプレートの摺動面が損傷した場合でも、厚さの厚い方のプレートの摺動面を研磨して再使用し、これに対するプレートだけを新品と交換して組み合わせれば、実質的に新品同様のものが経済的に再生されるようになる。
【0030】この発明は、固定盤と摺動盤との2枚1組のものに限らず、3枚1組のスライドゲートプレートでも同様に行うことが出来る。また、ノズル孔を中心として左右対称のプレートにおいても同様に再生を期待することが出来る。
【0031】この発明では、使用方法によって準備するプレートを一種類に減らすことができ、またプレート1枚の寿命を実質的に2倍に延ばすことができるようになった。
【0032】この他に、プレートの周囲を鉄皮で覆ったもの、プレートの摺動面を耐摩耗性材料とすること、プレートのノズル孔に耐溶損性のリングを嵌装することなどによって、上記の作用効果に加えてプレートのひび割れ、摺動面の摩耗、ノズル孔の損傷などを低減することができるといった作用効果を期待することが出来る。
【出願人】 【識別番号】000221122
【氏名又は名称】東芝セラミックス株式会社
【出願日】 平成6年4月12日(1994.4.12)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開2001−58258(P2001−58258A)
【公開日】 平成13年3月6日(2001.3.6)
【出願番号】 特願2000−212948(P2000−212948)