| 【発明の名称】 |
金型装置及び回転体の成型方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】松倉 喜久雄
【氏名】進藤 正文
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| 【要約】 |
【課題】角度が回転体の回転軸心に対して傾斜している傾斜部を有する回転体に対して、成型により形成することのできる簡単な構成の金型装置及びその金型装置を用いた簡単な工程の回転体の成型方法を提案すること。
【解決手段】固定側金型11と、該固定側金型に対して移動可能に取付けられた可動側金型13とから構成され、回転中心を有する回転体を、上記固定側金型と可動側金型とにより成型にて製造するための金型装置10において、上記固定側金型内には、上記回転体の回転中心軸線に対して直交する面においてスライド移動可能に取り付けられたスライド体12を設け、該スライド体に上記回転体の傾斜部を形成するための対応傾斜部21を設けるとともに、上記スライド体を上記可動側金型の上記固定側金型に対する開閉移動動作に連動してスライド移動するように構成したものである。また、その金型装置を用い、スライド体のスライド移動動作を上記回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合わせるようにした回転体の成型方法である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 固定側金型と、該固定側金型に対して移動可能に取付けられた可動側金型とから構成され、回転中心を有する回転体を、上記固定側金型と可動側金型とにより成型にて製造するための金型装置において、上記回転体は、該回転体の回転中心に対して所定の傾斜角度を有する傾斜部を有するものであり、上記固定側金型内には、上記回転体の回転中心軸線に対して直交する面においてスライド移動可能に取り付けられたスライド体を設け、該スライド体に上記回転体の傾斜部を形成するための対応傾斜部を設けるとともに、上記スライド体を上記可動側金型の上記固定側金型に対する開閉移動動作に連動してスライド移動するように構成し、上記スライド体のスライド移動動作を上記回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合わせるように構成したことを特徴とする金型装置。 【請求項2】 前記可動側金型には前記回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合うように傾斜ピンが設けられる一方、上記スライド体には、上記傾斜ピンが嵌入される傾斜ガイド孔が形成されており、上記可動側金型の傾斜ピンと上記スライド体の傾斜ガイド孔とが係合することによって、上記スライド体が上記回転体における傾斜部の上記傾斜角度に合うようにスライド移動することを特徴とする請求項1記載の金型装置。 【請求項3】 前記固定側金型には前記スライド体の前記スライド移動をガイドするガイド部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の金型装置。 【請求項4】 前記回転体の傾斜部は複数のウオーム歯部であることを特徴とする請求項3記載の金型装置。 【請求項5】 固定側金型と、該固定側金型に対して開閉移動可能に取付けられた可動側金型とから構成され、回転中心を有する回転体を、上記固定側金型と可動側金型とにより成型にて製造するための回転体の成型方法において、上記回転体は該回転体の回転中心に対して所定の傾斜角度を有する傾斜部を有するものであり、上記固定側金型内に、上記回転体の回転中心軸線に対して直交する面においてスライド移動可能に取り付けられたスライド体を設けておき、該スライド体に上記回転体の傾斜部を形成するための対応傾斜部を設けるとともに、上記スライド体を上記固定側金型に対する上記可動側金型の開閉移動動作に連動してスライド移動させることにより、上記回転体の傾斜部に対して上記可動側金型の型抜き動作を行えるようにしたことを特徴とする回転体の成型方法。 【請求項6】 前記可動側金型には前記回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合うように傾斜ピンが設けられる一方、上記スライド体には、上記傾斜ピンが嵌入される傾斜ガイド孔が形成され、上記可動側金型の型抜き動作を行なったときに上記可動側金型の傾斜ピンによって上記スライド体が上記回転体における傾斜部の上記傾斜角度に合うようにスライド移動することを特徴とする請求項5記載の回転体の成型方法。 【請求項7】 前記回転体の傾斜部は複数のウオーム歯部であり、該回転体を前記固定側金型とスライド体と可動側金型とによりダイカスト鋳造により成型するようにしたことを特徴とする請求項6記載の回転体の成型方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、回転中心に対して傾斜した傾斜部を有する歯車等の回転体を、成型にて製造するための金型装置及びその金型装置を用いた回転体の成型方法に関するものであり、特に、ダイカスト鋳造に用いて好適な鋳造用金型装置及びその金型装置を用いた回転体の成型方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、歯車、又は、歯部を有する回転体等、回転中心に対して傾斜した傾斜部を有する回転体を、成型、例えばダイカスト鋳造やモールド成型により形成することが知られている。 【0003】ダイカスト鋳造では、固定金型と、固定金型に対して開閉移動可能に取り付けられた可動金型とを備え、固定金型と可動金型との間に形成される成型空間となるキャビティを、所望の歯車、又は、歯部を有する回転体等、所定の形状となるように形成しておき、このキャビティ内に高温の溶湯を射出してキャビティ内の溶湯に圧力をかけながら、ダイカスト鋳造を行い、所望の回転体を製造するようになっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記歯車、又は、歯部の形成角度が回転体の回転軸心方向と同一であれば、その回転体の成型は容易であるが、ウオーム歯車、又は、ウオーム歯を有する回転体のように、歯部の形成角度が回転体の回転軸心に対して傾斜している回転体に対しては、単純に固定金型に対して鋳造する回転体の回転軸心Xの方向に可動金型を離し、引き抜き動作をすることはできない。したがって、歯部の形成角度が回転体の回転軸心に対して傾斜している回転体に対しては、非常に複雑な金型装置を用いて製造することになっており、また、その成型方法も複雑な工程を経ることとなっている。 【0005】本発明は、上記従来の問題点に対して、角度が回転体の回転軸心に対して傾斜している傾斜部を有する回転体に対して、成型により形成することのできる簡単な構成の金型装置及びその金型装置を用いた簡単な工程の回転体の成型方法を提案することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、固定側金型と、該固定側金型に対して移動可能に取付けられた可動側金型とから構成され、回転中心を有する回転体を、上記固定側金型と可動側金型とにより成型にて製造するための金型装置において、上記回転体は、該回転体の回転中心に対して所定の傾斜角度を有する傾斜部を有するものであり、上記固定側金型内には、上記回転体の回転中心軸線に対して直交する面においてスライド移動可能に取り付けられたスライド体を設け、該スライド体に上記回転体の傾斜部を形成するための対応傾斜部を設けるとともに、上記スライド体を上記可動側金型の上記固定側金型に対する開閉移動動作に連動してスライド移動するように構成し、上記スライド体の上記スライド移動動作を上記回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合わせるように構成したものである。 【0007】この場合、成型すべき回転体は、該回転体の回転中心に対して所定の傾斜角度を有する歯部のような傾斜部を有するものであるが、固定側金型内には、上記回転体の回転中心軸線に対して直交する面においてスライド移動可能に取り付けられたスライド体を設け、該スライド体に上記回転体の傾斜部を形成するための対応傾斜部を設けるとともに、上記スライド体を上記可動側金型の上記固定側金型に対する開閉移動動作に連動してスライド移動するように構成し、上記スライド体の上記スライド移動動作を上記回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合わせるようにしている。 【0008】したがって、可動側金型を固定側金型より離して開移動をしたときに、上記可動側金型とともに成型された回転体が固定側金型及びスライド体より離れてゆくが、このとき、可動側金型の開移動とともに上記回転体の傾斜部を形成するための対応傾斜部が設けられたスライド体も、上記回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合わせスライド移動するから、可動側金型が従来と同様の開動作をするだけで、傾斜部を有する上記回転体を固定側金型及びスライド体より離す抜き動作をすることができる。 【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の金型装置において、可動側金型に回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合うように傾斜ピンを設ける一方、上記スライド体には、上記傾斜ピンが嵌入される傾斜ガイド孔を形成し、上記可動側金型の傾斜ピンとスライド体の傾斜ガイド孔とが係合することによって、上記スライド体が上記回転体における傾斜部の傾斜角度に合うようにスライド移動するようにしたものである。このようにスライド体のスライド移動を傾斜ピンと傾斜ガイド孔とにより行うようにした場合、スライド移動のための構成を非常に簡単に構成することができる。 【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載の金型装置において、固定側金型にスライド体のスライド移動をガイドするガイド部を形成したものである。したがって、スライド体のスライド移動を確実に行うことができる。 【0011】請求項4記載の発明は、請求項3記載の金型装置において、前記回転体の傾斜部が複数のウオーム歯部から構成されてなるものである。この場合の複数のウオーム歯部とは、所定角度範囲にわたって形成されたウオームギヤ部、又は、全周にわたって形成されたウオームギヤを含むものである。 【0012】また、請求項5記載の発明は、固定側金型と、該固定側金型に対して開閉移動可能に取付けられた可動側金型とから構成され、回転中心を有する回転体を、上記固定側金型と可動側金型とにより成型にて製造するための回転体の成型方法において、上記回転体は該回転体の回転中心に対して所定の傾斜角度を有する傾斜部を有するものであり、上記固定側金型内に、上記回転体の回転中心軸線に対して直交する面においてスライド移動可能に取り付けられたスライド体を設けておき、該スライド体に上記回転体の傾斜部を形成するための対応傾斜部を設けるとともに、上記スライド体を上記固定側金型に対する上記可動側金型の開閉移動動作に連動してスライド移動させることにより、上記回転体の傾斜部に対して上記可動側金型の型抜き動作、即ち、開動作を行うことができるようにしたものである。 【0013】この場合、成型すべき回転体は、該回転体の回転中心に対して所定の傾斜角度を有する傾斜部を有するものであるが、固定側金型内には、上記回転体の回転中心軸線に対して直交する面においてスライド移動可能に取り付けられたスライド体を設け、該スライド体に上記回転体の傾斜部を形成するための対応傾斜部を設けるとともに、上記スライド体を上記可動側金型の上記固定側金型に対する開閉移動動作に連動してスライド移動させるようにしている。 【0014】したがって、可動側金型を成型後に固定側金型より離し、開移動動作させたとき、上記可動側金型とともに成型された回転体が固定側金型及びスライド体より離れてゆくが、このとき、可動側金型の開移動とともに上記回転体の傾斜部を形成するための対応傾斜部を設けたスライド体も、上記回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合わせスライド移動するから、上記回転体の傾斜部に対して上記可動側金型の型抜き動作を行うことができる。 【0015】請求項6記載の発明は、請求項5記載の回転体の成型方法において、前記可動側金型には前記回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合うように傾斜ピンが設けられる一方、上記スライド体には、上記傾斜ピンが嵌入される傾斜ガイド孔が形成され、上記可動側金型の型抜き動作を行なったときに上記可動側金型の傾斜ピンによって上記スライド体が上記回転体における傾斜部の上記傾斜角度に合うようにスライド移動させるものである。このようにスライド体のスライド移動を傾斜ピンと傾斜ガイド孔とにより行えば、スライド移動を非常に簡単に行うことができ、したがって、単なる固定側金型に対する可動側金型の開閉移動動作をするだけで傾斜部を有する回転体の成型をすることができる。 【0016】請求項7記載の発明は、請求項6記載の回転体の成型方法において、回転体の傾斜部は複数のウオーム歯部であり、該回転体を前記固定側金型とスライド体と可動側金型とによりダイカスト鋳造により成型するようにしたものである。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を、図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。 【0018】図1,図2に、本発明における鋳造製品である回転体の一実施形態の平面図及び側断面図を示す。この実施形態における回転体は、ウォームホイール部1Aを有する回転体2である。ウォームホイール部1Aは、通常のように、複数形成される歯部4が、回転体2の回転軸心Xに対して周方向に関して所定の傾斜角度をもって傾斜するように形成されるものである。回転体2は、約半周にわたるウォームホイール部1Aと約半周にわたる円形部1Bとをその外周部に備えており、また、中心部に回転軸心Xを中心とする中心穴部1Cを備えている。 【0019】次に、上記回転体2をダイカスト鋳造にて構成するための一実施形態である金型装置10の構成について図3から図9を用いて説明する。 【0020】図3は、金型装置10の概略構成全体を示す斜視図である。金型装置10は、成型機の装置フレームに固定された固定側金型11と、該固定側金型11内に収納され、固定側金型11に対して所定の範囲内で移動可能に取り付けられたスライド体12と、上記装置フレームに型抜き方向に、即ち、固定側金型11に対して開閉(図3における上下方向)移動可能に取り付け保持された可動側金型13とから構成されている。 【0021】固定側金型11は、図4にその平面図を示すように、中央にスライド体12を移動可能に収納するとともに成型空間となるキャビティを構成するための、ほぼ扇形の形状をした凹部14が形成されている。この凹部14は、固定側金型11に対して可動側金型13が閉じた状態となる成型位置において、固定側金型11とスライド体12と可動側金型13とにより成型空間を形成したとき、回転体2の円形部1Bを形成するための成型用円弧部17を中央部に備えている。 【0022】また、凹部14には、固定側金型11より可動側金型13が離れて型抜き方向に移動したときに、上記凹部14内で上記スライド体12がスライド移動可能であるように半円形のガイド円弧部15を有しており、このガイド円弧部15と成型用円弧部17との間にはほぼ直線形状に形成された直線状部16と、上記直線状部16の一方側に形成された窪み部18とを有するように構成されている。 【0023】更に凹部14内には、後述するように、スライド体12の浮き上がりを防止するために取り付けられるスライド体押え部材27がネジ込まれるネジ孔28と、可動側金型13が閉位置まで移動したときに、可動側金型13に設けた傾斜ピン25が嵌入する嵌入孔29が設けられている。 【0024】一方、固定側金型11の凹部14内に収納されるスライド体12は、図5にその平面図、図6に正面図、図7に傾斜ガイド穴の断面図を示すように、固定側金型11のガイド円弧部15と同一の曲率に形成された外周部19を有しており、スライド体12がスライド移動するときに上記固定側金型11のガイド円弧部15によってスライド移動のガイドをされるようになっている。 【0025】また、このスライド体12は、外周部19を直線状に結ぶ直線部20と、直線部20の中間部に形成された複数の傾斜歯部21を有している。この傾斜歯部21は、回転体2のウォームホイール部1Aを構成するそれぞれの歯部4を形成するために設けらた対応傾斜部をなすものであり、図6に代表例として一つの対応傾斜歯部21を示すように、それぞれの対応傾斜歯部21が、回転体2のウォームホイール部1Aを構成する歯部4の傾斜角度θ0と等しい傾斜角度θ0を有するように形成されている。 【0026】スライド体12には、また、固定側金型11に対するスライド時の押さえを行うための2つのガイド孔22が設けられており、この2つのガイド孔22を介して、図3に示すように、スライド体押え部材27を固定側金型11に設けたネジ孔28にネジ締め固定し、スライド体12が、凹部14の底面、即ち、回転体12の回転中心軸線に対して直交する平面においてのみスライド移動ができるようになっている。 【0027】更に、図5,図7に示すように、スライド体12には、固定側金型11に対して可動側金型13が開閉方向に移動したときに、固定側金型11の凹部14内でスライド体12をスライド移動させるように傾斜ガイド孔23が設けられている。この傾斜ガイド孔23の傾斜角度θ1は、スライド体12に形成した傾斜歯部21の傾斜角度θ0、即ち、回転体2のウォームホイール部1Aを構成する歯部4の傾斜角度θ0と対応する角度に形成されている。 【0028】この対応する角度とは、成型される回転体2の回転軸心Xを基準として、傾斜ガイド孔23による傾斜角度θ1によってスライド体12がスライド移動したときに、回転体2のウォームホイール部1Aを構成する歯部4において、回転体2の型抜き方向への移動とスライド体12のスライド移動とが一致する角度となっていることである。このような対応角度に傾斜歯部21の傾斜角度θ0と傾斜ガイド孔23の傾斜角度θ1を設定しておくと、可動側金型13が型抜き方向に移動したときに、回転体12が固定側金型11から離れる速さと同じタイミングでスライド体12が移動するから、回転体2が傾斜した歯部を有していたとしても、回転体2を型抜き方向に抜くことができる。 【0029】一方、図3に示すように、可動側金型13には、固定側金型11に対して可動側金型13が開閉方向に移動するときに、スライド体12に設けた傾斜ガイド孔23に嵌入してスライド体12をスライドさせる傾斜ピン25と、スライド体12の傾斜ガイド孔23の傾斜角度よりも大きい傾斜角に形成された傾斜面24に当接して型閉状態でスライド体12を所定の位置に固定するためのスライド係合部26とを有している。 【0030】可動側金型13に設けた上記傾斜ピン25の傾斜角度は、スライド体12に形成した傾斜ガイド孔23の傾斜角度θ1と等しく、また、そのピン25の径は傾斜ガイド孔23の径と同一寸法に形成されている。一方、スライド体12に形成した傾斜面24に当接するスライド係合部26の傾斜面26Aは、上記傾斜面24と同じ傾斜角に形成されており、上記のように型閉位置で傾斜面24に当接してスライド体12の位置を固定する。 【0031】以上のように、金型装置10が、固定側金型11、スライド体12、可動側金型13により構成されている場合の回転体12の成型方法について以下に説明する。 【0032】図3に示す型抜き位置、即ち、可動側金型13が固定側金型11側から離間した開位置から、可動側金型13を固定側金型11側に移動させると、図8に示す状態から可動側金型13は下降し、可動側金型13に形成された傾斜ピン25がスライド体12に形成された傾斜ガイド孔23に嵌入することになる。 【0033】この状態で、更に可動側金型13が固定側金型11側に移動すると、傾斜ピン25は傾斜ガイド孔23に嵌入し、スライド体12を図8において矢印方向に移動させる。このスライド移動は、図3においては、反時計方向にスライド移動するものであり、傾斜ピン25及び傾斜ガイド孔23の傾斜角度に基づいて移動するものである。そして、可動側金型13が成型位置である閉位置に達すると、図9に示す状態となり、スライド係合部26の傾斜面26Aがスライド体12の傾斜面24に当接してスライド体12の位置を固定し、固定側金型11とスライド体12と可動側金型13との間に成型空間であるキャビティが形成され成型位置となる。 【0034】この成型位置において、ダイカスト鋳造の場合には、図示しない湯口を介して上記キャビティ内に高温の溶湯を射出し、キャビティ内の溶湯に圧力をかけながらダイカスト鋳造を行うと図1、図2に示す回転体2が鋳造成型される。このとき、スライド体12には傾斜歯部21が設けられているので、回転体2には、スライド体12の傾斜歯部21により、回転軸心Xに対して周方向に関して所定の傾斜角度をもって傾斜するように形成されたウォームホイール部1Aが形成されることになる。 【0035】次に、図9に示す固定側金型11と可動側金型13とが閉じた状態である成型位置より、可動側金型13を開いて可動側金型13を上方に移動させると、通常のように、成型された回転体2は可動側金型13とともに上方に移動する。 【0036】このとき、スライド体12は、可動側金型13に形成された傾斜ピン25によって図9において左方向、図3において時計方向にスライド移動されるが、傾斜ピン25の傾斜角度、即ち、傾斜ガイド孔23の傾斜角度θ1は、傾斜歯部21の傾斜角度θ0と対応する角度に形成されているから、成型された回転体2のウォームホイール部1Aが上方に持ち上げられるにしたがってスライド体12は移動し、回転体2のウォームホイール部1Aはスライド体12の傾斜歯部21より徐々に抜けてゆくことになり、可動側金型13を上方に移動させながらウォームホイール部1Aを抜くことができ、図8の状態に戻る。 【0037】この図8の状態において、スライド体12と可動側金型13との位置関係、即ち、スライド体12と固定側金型11との位置関係を一義的に定めるようにするために、スライド体12と固定側金型11との間にスライド方向に作用するバネ部材を設けておき、可動側金型13に形成した傾斜ピン25とスライド体12に設けた傾斜ガイド孔23との位置がずれないようにしておくのがよい。 【0038】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形することができる。例えば、成型する回転体は、ウォームホイール部1A、即ち、歯車部を有する回転体でなく、歯車部の代わりに単なる傾斜した傾斜部を有する部品であってもよい。 【0039】また、上述の回転体は、ダイカスト鋳造により製造する回転体であるが、本発明による金型装置及び回転体の成型方法は、ダイカスト鋳造に限らず、モールド成型により形成するものにも適用することができる。 【0040】 【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項1記載の発明によれば、回転中心を有する回転体を上記固定側金型と可動側金型とにより成型にて製造するための金型装置において、上記固定側金型内には、上記回転体の回転中心軸線に対して直交する面においてスライド移動可能に取り付けられたスライド体を設け、該スライド体に上記回転体の傾斜部を形成するための対応傾斜部を設けるとともに、上記スライド体を上記可動側金型の上記固定側金型に対する開閉移動動作に連動してスライド移動するように構成し、上記スライド体の上記スライド移動動作を上記回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合わせるように構成したものである。従って、成型すべき回転体が、該回転体の回転中心に対して所定の傾斜角度を有する歯部のような傾斜部を有するものであったとしても、上記スライド体の上記スライド移動動作を上記回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合わせるようにしたことから、可動側金型を固定側金型より離して開移動をしたときに、可動側金型の開移動とともにスライド体も上記回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合わせスライド移動し、可動側金型が従来と同様の開動作をするだけで、傾斜部を有する上記回転体を固定側金型及びスライド体より離す抜き動作をすることができる。 【0041】請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の金型装置において、可動側金型に回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合うように傾斜ピンを設ける一方、上記スライド体には、上記傾斜ピンが嵌入される傾斜ガイド孔を形成し、上記可動側金型の傾斜ピンとスライド体の傾斜ガイド孔とが係合することによって、上記スライド体が上記回転体における傾斜部の傾斜角度に合うようにスライド移動するようにしたものであるから、スライド体のスライド移動を傾斜ピンと傾斜ガイド孔という非常に簡単な構成で達成することができる。 【0042】請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の金型装置において、固定側金型にスライド体のスライド移動をガイドするガイド部を形成したものであるから、スライド体のスライド移動を確実に行うことができる。 【0043】請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の金型装置において、前記回転体の傾斜部が複数のウオーム歯部から構成されてなるものであるから、ウオームギヤ部を備えた回転体やウオームギヤの成型を容易に行うことができる。 【0044】また、請求項5、6、7記載の発明によれば、回転中心を有する回転体を上記固定側金型と可動側金型とにより成型にて製造するための回転体の成型方法において、上記回転体が該回転体の回転中心に対して所定の傾斜角度を有する傾斜部を有するものであったとしても、上記固定側金型内に、上記回転体の回転中心軸線に対して直交する面においてスライド移動可能に取り付けられたスライド体を設けておき、該スライド体に上記回転体の傾斜部を形成するための対応傾斜部を設けるとともに、上記スライド体を上記固定側金型に対する上記可動側金型の開閉移動動作に連動してスライド移動させることによって、上記回転体の傾斜部に対して上記可動側金型の型抜き動作、即ち、開動作を行うことができる。 【0045】また、可動側金型を成型後に固定側金型より離し、開移動動作させたとき、上記可動側金型とともに成型された回転体が固定側金型及びスライド体より離れてゆくが、このとき、可動側金型の開移動とともに上記回転体の傾斜部を形成するための対応傾斜部を設けたスライド体も、上記回転体の傾斜部が形成する上記傾斜角度に合わせスライド移動させることができるから、上記回転体の傾斜部に対して上記可動側金型の型抜き動作を行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596127299 【氏名又は名称】野村工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年8月18日(1999.8.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072383 【弁理士】 【氏名又は名称】永田 武三郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−58248(P2001−58248A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月6日(2001.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−231058 |
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