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【発明の名称】 洗浄装置
【発明者】 【氏名】倉持 政浩

【氏名】栗原 正男

【氏名】野口 典彦

【氏名】桑田 茂治

【要約】 【課題】油脂類が付着したワークおよびその他のワークの双方を洗浄することにより、安価でかつ狭い場所に設置可能な洗浄装置を提供する。

【解決手段】洗浄ブース10内には洗浄槽1、2が配置されている。この洗浄槽1、2に入れる洗浄液の種類を切換可能なように、1つの洗浄槽1または2に軸受洗浄液タンク21と部品洗浄液タンク22とが取付けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 洗浄槽内の洗浄液に被洗浄物を浸して洗浄する洗浄装置であって、前記洗浄槽に入れる洗浄液の種類を切換可能なように、1つの前記洗浄槽に少なくとも2つの洗浄液タンクが取付けられている、洗浄装置。
【請求項2】 少なくとも2つの前記洗浄液タンクは、油脂類が付着したワーク洗浄用の洗浄液を貯蔵するための第1の洗浄液タンクと、その他のワーク洗浄用の洗浄液を貯蔵するための第2の洗浄液タンクとを有している、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】 前記被洗浄物を前記洗浄槽へ搬送するための第1の搬送手段と、洗浄後の前記被洗浄物を前記洗浄槽から搬送するための第2の搬送手段とをさらに備え、前記第1および第2の搬送手段の一方の真下に前記第1の洗浄液タンクが配置され、前記第1および第2の搬送手段の他方の真下に前記第2の洗浄液タンクが配置されている、請求項2に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は洗浄装置に関する発明である。より具体的には、本発明は、油脂分や油汚れが付着しているワーク(以下、「油脂類が付着したワーク」という)と、泥、埃、塗料、鉄粉等のその他の汚れが付着しているワーク(以下、「その他のワーク」という)との双方を洗浄できる洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油脂類が付着したワークおよびその他のワークを洗浄する場合は、それぞれのワークをそれ専用の洗浄装置で洗浄しなければならない。油脂類が付着したワークとその他のワークとを一緒に洗浄することがないのは、汚れが洗浄液に混入することにより、たとえば、軸受等の内部に汚れが付着するといった問題を防ぐためである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように油脂類が付着したワークとその他のワークとの洗浄に各々別個の洗浄装置を用いた場合、装置が複数台必要になる。このため、装置のコストが高くなるとともに、装置の設置場所を広く確保しなければならないという問題点があった。
【0004】それゆえ本発明の目的は、油脂類が付着したワークとその他のワークの双方を洗浄することにより、狭い場所に設置可能な安価な洗浄装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の洗浄装置は、洗浄槽内の洗浄液に被洗浄物を浸して洗浄する洗浄装置であって、洗浄槽に入れる洗浄液の種類を切換可能なように、1つの洗浄槽に少なくとも2つの洗浄液タンクが取付けられている。
【0006】本発明の洗浄装置では、1つの洗浄槽に少なくとも2つの洗浄液タンクが取付けられているため、洗浄槽に入れる洗浄液の種類を使用者の必要に応じて自在に切換えることができる。このため、油脂類が付着したワーク専用の洗浄液で洗浄することができ、かつその他のワークについてはそのワーク専用の洗浄液で洗浄することができる。したがって、油脂類が付着したワークおよびその他のワークを1台の洗浄装置で洗浄することが可能となる。これにより、1台で油脂類が付着したワークおよびその他のワークを洗浄できるため装置コストを安価にすることができる。また設置場所が1台分ですむことにより、狭い場所にも設置することが可能となる。
【0007】上記の洗浄装置において好ましくは、少なくとも2つの洗浄液タンクは、油脂類が付着したワーク洗浄用の洗浄液を貯蔵するための第1の洗浄液タンクと、その他のワーク洗浄用の洗浄液を貯蔵するための第2の洗浄液タンクとを有している。
【0008】これにより、油脂類が付着したワークおよびその他のワークを1台の洗浄槽で洗浄することが可能となる。
【0009】上記の洗浄装置において好ましくは、被洗浄物を洗浄槽へ搬送するための第1の搬送手段と、洗浄後の被洗浄物を洗浄槽から搬送するための第2の搬送手段とがさらに備えられている。第1および第2の搬送手段の一方の真下に第1の洗浄液タンクが配置され、第1および第2の搬送手段の他方の真下に第2の洗浄液タンクが配置されている。
【0010】このように各洗浄液タンクを搬送手段の真下に配置することにより、タンクの設置のための場所の追加が不要になる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施の形態における洗浄装置の構成を概略的に示す斜視図であり、図2は洗浄槽と洗浄タンクとの構成を示す概略図である。
【0013】図1と図2とを参照して、本実施の形態の洗浄装置は、被洗浄物40を洗浄するための洗浄ブース10と、被洗浄物40を搬送するための搬送機構と、洗浄液を貯蔵するための軸受洗浄液タンク21および電気部品洗浄液タンク22とを主に有している。
【0014】主に図1を参照して、搬送機構は、入口搬送部と出口搬送部とを有している。入口搬送部は入口リフタ11と入口ローラコンベア12とダイバータ13(図3)とを有しており、出口搬送部は出口リフタ16と出口ローラコンベア15とダイバータ14とを有している。
【0015】入口リフタ11は、被洗浄物40を載せたカゴ(以下、単に被洗浄物40と称する)を入口ローラコンベア12の高さにまで上昇させる役割をなしている。入口ローラコンベア12は、被洗浄物40を洗浄ブース10側へ搬送する役割をなしている。ダイバータ13、14は、被洗浄物40の搬送方向を変換する役割をなしている。出口ローラコンベア15は、洗浄された被洗浄物40を出口リフタ16側へ搬送する役割をなしている。出口リフタ16は、被洗浄物40を出口ローラコンベア15の高さから下降させる役割をなしている。
【0016】主に図2を参照して、洗浄ブース10は、2つの洗浄槽1、2と、リンス槽3と、揺動台4a、4bと、搬送シリンダ5と、スプレーノズル6a、6bと、揺動シリンダ7a、7bと、超音波発振器8と、シャッタ9a、9bとを主に有している。
【0017】2つの洗浄槽1、2とリンス槽3とは一列に配置されている。洗浄槽1、2には、洗浄液上層を流し込むためのオーバーフローポケット1a、2aが設けられている。洗浄槽1、2およびリンス槽3の各上方には、被洗浄物40を載置可能な揺動台4a、4bが各々配置されている。この揺動台4a、4bは、被洗浄物40を洗浄槽1、2またはリンス槽3内の洗浄液中または防錆剤中に下降させる動作をし、かつ揺動シリンダ7a、7bにより被洗浄物40を上下揺動させる。揺動台4a、4bの上方には、予備洗浄を行なうためのスプレーノズル6a、または気吹き乾燥をするためのスプレーノズル6bが各々配置されている。
【0018】搬送シリンダ5は、被洗浄物40を搬送する役割をなしている。また超音波発振器8は、超音波を発生して被洗浄物40を洗浄する役割をなしている。
【0019】なお、各シャッタ9a、9bは洗浄ブース10の入口および出口部を開閉可能に設けられている。
【0020】洗浄槽1には、2種類の洗浄液を切換えて入れることができるように軸受洗浄液タンク21と電気部品洗浄液タンク22との2つの洗浄液タンクが取付けられている。また洗浄槽2についても同様に、軸受洗浄液タンク21と電気部品洗浄液タンク22との2つの洗浄液タンクが取付けられている。
【0021】主に図1を参照して、この軸受洗浄液タンク21は入口ローラコンベア12の真下に、電気部品洗浄液タンク22は出口ローラコンベア15の真下に各々配置されている。なお、軸受洗浄液タンク21が出口ローラコンベア15の真下に、また電気部品洗浄液タンク22が入口ローラコンベア12の真下に各々配置されていてもよい。
【0022】次に、本実施の形態の洗浄工程について説明する。図3は、本発明の一実施の形態における洗浄装置における洗浄工程を説明するための図である。図3を参照して、軸受洗浄と、洗浄切換と、部品洗浄とは以下のように行なわれる。
【0023】(軸受洗浄)まず洗浄槽1、2とリンス槽3と洗剤タンク27とに工水(工業用水)と洗剤と防錆剤とが規定量混合準備され、電気ヒータにより規定温度まで加熱される。この際、洗浄槽1、2には、軸受洗浄液タンク21に貯蔵された軸受洗浄液が軸受洗浄液ポンプ23によりフィルタ24を通して供給される。
【0024】入口側リフタ11に被洗浄物(軸受)40が置かれる。この状態で、操作盤の洗浄ボタンを押すと、被洗浄物40はリフタ11によって入口ローラコンベア12の高さまで上昇された後、電動ローラによって洗浄ブース10の入口へ搬送される。被洗浄物40が洗浄ブース10の入口の規定位置に搬送されると、洗浄ブース10の入口シャッタ9aが開く。この後、搬送シリンダ5により作動する搬送レバーによって、被洗浄物40は洗浄ブース10内の揺動台4a上へ搬送される。
【0025】洗浄槽1の下部より軸受洗浄液がスプレーポンプ30により取出され、フィルタ31を通した後、スプレーノズル6aから噴射される。この噴射により、揺動台4a上の被洗浄物40が予備洗浄される。
【0026】設定時間経過後、揺動シリンダ7aにより被洗浄物40が洗浄槽1内の軸受洗浄液中で上下揺動されるとともに、超音波発振器8の超音波により洗浄される。規定時間経過後、被洗浄物40は搬送位置まで上昇されながら、スプレーノズル6aからの軸受洗浄液の噴射により仕上げ洗浄される。この際にも、軸受洗浄液は洗浄槽1の下部からスプレーポンプ30により取出され、フィルタ31を通した後スプレーノズル6aに送られる。
【0027】規定時間経過後、搬送シリンダ5により作動する搬送レバーにより被洗浄物40は洗浄槽2へ搬送される。洗浄槽2では、洗浄槽1と同様の洗浄動作が行なわれ、その洗浄後、被洗浄物40はリンス槽3へ搬送される。
【0028】なお、洗浄槽1、2内の軸受洗浄液の上層には軸受から分離したグリースなどの油分が浮遊する。このような上層の油分などは、洗浄槽1、2に設けられたオーバーフローポケット1a、2aから分離槽29の槽29aへ流れ込む。この槽29aでは、油分を含む軸受洗浄液は、上部の油分、下部の軸受洗浄液とに分離される。槽29aの下部に溜まった軸受洗浄液は槽29bへ流入し、規定位置まで溜まると循環ポンプ28により洗浄槽1、2内へ戻される。一方、槽29aの上部に分離浮遊した油分は掻き出し装置29cにより排出される。このようにして、軸受の洗浄により軸受から分離したグリースなどの油分は、順次、軸受洗浄液から除去される。
【0029】リンス槽3へ搬送された被洗浄物40は、揺動シリンダ7bによりリンス槽3内の防錆剤中で規定時間上下揺動される。この後、被洗浄物40は搬送位置まで上昇され、それと同時にスプレーノズル6bから圧縮空気を規定時間吹付けられて気吹き乾燥される。規定時間経過後、洗浄ブース10の出口シャッタ9bが開き、被洗浄物40は搬送シリンダ5により作動する搬送レバーにより、洗浄ブース10外へ搬送される。この後、被洗浄物40は出口ローラコンベア15により出口側リフタ16へ自動的に搬送され、出口側リフタ16により下降される。
【0030】被洗浄物40を入口側リフタ11上にセットし、操作盤の洗浄ボタンを押すことにより、被洗浄物40を連続して設定時間ごとに洗浄することができる。
【0031】(軸受洗浄から部品洗浄への切換え)上記の軸受洗浄が完了すると、操作盤の液入替えスイッチを軸受洗浄から部品洗浄へ切換え、液替えボタンを押す。これにより、洗浄槽1、2内部の軸受洗浄液が軸受洗浄液ポンプ23により引抜かれた後、フィルタ24を通して軸受洗浄液タンク21へ送られ、保温される。
【0032】洗浄槽1、2内部の軸受洗浄液が軸受洗浄液タンク21へ移されると、スプレーノズル6aから工水が噴射されて洗浄槽1、2内部の清掃が行なわれ、同時に洗浄槽1、2のドレーンバルブが開き工水が排出される。
【0033】清掃のための設定時間経過後、予め洗浄装置1、2内で部品洗浄液が作られる。これとともに、部品洗浄液タンク22に貯蔵されていた部品洗浄液が部品洗浄液ポンプ25により引出された後、フィルタ26を通して洗浄槽1、2へ供給される。
【0034】これにより図4に示す制御盤の設定表示画面に洗浄準備完了表示が出る。この後、制御盤の押しボタンスイッチのうち自動ボタンを押すと、設定表示画面が洗浄中に変わる。このとき、洗浄槽1、2の洗浄液が規定量より減っている場合、センサが感知し洗剤タンク27から洗浄槽1、2へ洗浄液が自動供給される。
【0035】(部品洗浄)被洗浄物(軸受以外の部品)40は入口側リフタ11に載せられる。この後、操作盤の洗浄ボタンを押すことにより、上述した軸受洗浄と同様な動作で部品洗浄を行なうことができる。
【0036】(その他)なお、軸受洗浄および部品洗浄における洗浄時間、スプレーノズル6a、6bによるスプレー時間などは、洗浄効果を確認しながら、その軸受や部品ごとに任意に、図5、図6に示すように制御盤の設定表示画面にて変更することができる。
【0037】また、図4において制御盤の設定表示画面には、ウィークリー洗浄設定画面が装備されており、この画面をタッチすることにより、洗浄日、ヒータ加熱時間、運転時間を設定することができる。
【0038】また洗剤タンク27は、軸受洗浄液および部品洗浄液の各々に対応して2台設置されてもよい。
【0039】本実施の形態では、洗浄槽1、2の液替えが可能なように、1つの洗浄槽1または2に対して各々2つの洗浄液タンク21、22が取付けられている。これにより、1台の洗浄装置により軸受およびその他の部品の双方の洗浄が可能となる。このため、洗浄装置の設置場所が狭くてすみ、かつ装置コストも安価となる。
【0040】また被洗浄物40を洗浄槽1、2に出し入れするためには、洗浄槽1、2を所定高さにまで上昇させた後に搬送する必要がある。このため、入口ローラコンベア12や出口ローラコンベア15は所定の高さ位置に設置する必要があり、入口ローラコンベア12や出口ローラコンベア15の真下には空きスペースが生じる。この空きスペースに洗浄液タンク21、22を配置することで、洗浄液タンク21、22の専用設置スペースを新たに設けることなく洗浄液タンク21、22を設置することができる。このため、本実施の形態の洗浄装置は、狭いスペースに設置するに好適な構成を有している。
【0041】なお、本実施の形態においては、1つの洗浄槽1、2に対して2つの洗浄液タンク21、22を取付けた場合について説明したが、3以上の洗浄液タンクが取付けられてもよい。
【0042】なお、油脂類が付着したワークとして、たとえば軸受について説明したが、油脂分や油汚れが付着しているワークであればこれ以外のワークが用いられてもよい。
【0043】また、軸受以外の部品としては、たとえば電車、バスなどの車両の電気部品などが用いられ得る。また、軸受以外の部品はこれに限定されるものではない。
【0044】今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明の洗浄装置では、1つの洗浄槽に少なくとも2つの洗浄液タンクが取付けられているため、洗浄槽に入れる洗浄液の種類を使用者の必要に応じて自在に切換えることができる。このため、油脂類が付着したワークはそのワーク専用の洗浄液で洗浄することができ、かつその他のワークについてはそのワーク専用の洗浄液で洗浄することができる。したがって、油脂類が付着したワークおよびその他のワークを1台の洗浄装置で洗浄することが可能となる。これにより、1台で油脂類が付着したワークおよびその他のワークを洗浄できるため装置コストを安価にすることができる。また設置場所が1台分ですむことにより狭い場所にも設置することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】594002439
【氏名又は名称】小田急電鉄株式会社
【識別番号】000148298
【氏名又は名称】株式会社浅山商会
【識別番号】593019180
【氏名又は名称】丸中工業株式会社
【出願日】 平成11年12月3日(1999.12.3)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎 (外3名)
【公開番号】 特開2001−157880(P2001−157880A)
【公開日】 平成13年6月12日(2001.6.12)
【出願番号】 特願平11−345097