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【発明の名称】 塗布装置
【発明者】 【氏名】西川 真哉

【要約】 【課題】ワークの塗布面上において塗布剤を塗布したくない部分を、塗布ローラと接触しない位置に押し付け移動させることができ、その塗布禁止部分に塗布剤が塗布されるのを防止することができる塗布装置を提供する。

【解決手段】塗布ローラ22をワーク12の塗布面12aに接触させた状態でワーク12に対して相対的に移動させ、塗布ローラ22を介してワーク12の塗布面12aに塗布剤24を塗布するように構成する。塗布ローラ22の相対移動方向の前方部には、ワーク12の塗布面12aを押さえるための押さえ部材27を、ワーク12に対して塗布ローラ22と一体的に相対移動可能に配設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 塗布ローラをワークの塗布面に接触させた状態で、回転しながらワークに対して相対的に移動させることにより、塗布ローラを介してワークに塗布剤を塗布するようにした塗布装置において、前記塗布ローラの相対移動方向の前方部には、ワークを押さえるための押さえ部材を、ワークに対して塗布ローラと一体的に相対移動可能に配設し、前記押さえ部材がワークを押さえることにより、ワークの非塗布面に塗布材が塗布されないようにしたことを特徴とする塗布装置。
【請求項2】 請求項1に記載の塗布装置において、前記押さえ部材が弾性材よりなることを特徴とする塗布装置。
【請求項3】 請求項2に記載の塗布装置において、前記押さえ部材はシート状をなし、ワークの塗布面と接触する側の端縁に複数の切れ目が形成されていることを特徴とする塗布装置。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の塗布装置において、前記押さえ部材は、塗布ローラの回転に伴って同方向に回転される回転軸と、その回転軸の周りに放射状に突設された複数の帯状弾性体とを備えたことを特徴とする塗布装置。
【請求項5】 請求項1に記載の塗布装置において、前記押さえ部材は液体を収容した収容袋よりなることを特徴とする塗布装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばプレハブ住宅の建材等として用いられる木製パネルを製造する際に使用される塗布装置に関するものであって、特に、木製パネルを構成する矩形枠状の枠体に、面材を貼着するための接着剤等の塗布剤を塗布する場合等に好適な塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、木質系のプレハブ住宅等においては、壁等を、木製のパネルによって施工する手段が実施される。このようなプレハブ住宅の施工に適用される木製パネルとしては、例えば図7に示すような構造のものが知られている。この木製パネル11では、縦框及び横框を構成する各一対の框材13,14を組み付けることによって四角枠状の枠体12が形成され、その枠体12の内側に補強用芯材15,16が縦方向及び横方向へ延在するように配置されている。この補強用芯材15,16と框材13,14とによって囲まれる各空間部にはグラスウール等の断熱材17が充填されるとともに、枠体12の表裏両面には合板からなる面材18,19がそれぞれ貼着されている。
【0003】従来、このような木製パネル11を製造する場合には、框材13,14を組み付けて枠体12を形成するとともに、その枠体12内に芯材15,16を組み込む。次に、枠体12を水平に配置して、その上面に接着剤を塗布する。この状態で、枠体12上に一方の面材18を載せて枠体12側にブレスし、その面材18を枠体12の一方の面に接着固定する。続いて、枠体12を表裏反転させて水平に配置し、面材18上で補強用芯材15,16と框材13,14とによって囲まれる各空間部に断熱材17を充填する。その後、枠体12の上面に接着剤を塗布するとともに、その枠体12上に他方の面材19を載せて枠体12側にプレスし、その面材19を枠体12の他方の面に接着固定する。
【0004】従来、前記のように枠体12の表裏両面に面材18,19を貼着するための接着剤を塗布する塗布装置としては、例えば図8に示すような構成のものが知られている。この塗布装置では、複数の支持ローラ21が回転自在に配列され、これらの支持ローラ21上にワークとしての枠体12が水平に支持されるようになっている。支持ローラ21の上部には塗布ローラ22及び均一ローラ23が接触状態で回転可能に配設され、塗布ローラ22の外周面が支持ローラ21上の枠体12の塗布面12aに接触されるようになっている。
【0005】また、塗布ローラ22と均一ローラ23との間の上部には、図示しない供給機構から塗布剤としての接着剤24が供給されるようになっている。そして、図示しないモータにて塗布ローラ22及び均一ローラ23が図8の矢印方向に回転されることにより、枠体12が支持ローラ21と塗布ローラ22との間に挟み込まれながら、同図の左方に向かって相対移動される。これにより、塗布ローラ22と均一ローラ23との間に供給される接着剤24が、均一ローラ23にて均一に延ばされながら、塗布ローラ22を介して枠体12の塗布面12a上に塗布されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のような木製パネル11の製造に際して、枠体12の一方の面に面材18を接着した後、枠体12内の空間部にグラスウール等の断熱材17を充填した場合、図8に示すように、その断熱材17が厚いものであると、断熱材17の表面が枠体12の上面から盛り上がることが多い。この状態で、従来の塗布装置により枠体12の塗布面12aに接着剤24を塗布した場合には、その接着剤24が断熱材17の盛り上がり部分17aの表面にも塗布されてしまうことになる。このように断熱材17の表面に接着剤24が塗布されてしまうと、接着剤24が無駄に消費されるばかりでなく、接着剤17が断熱材17内に浸透して断熱効果を損なったりして、好ましくないという問題があった。
【0007】この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ワークの塗布面上において塗布剤を塗布したくない部分を、塗布ローラと接触しない位置に押し付け移動させることができ、その塗布禁止部分に塗布剤が塗布されるのを防止することができる塗布装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、前記塗布ローラ22の相対移動方向の前方部に、ワーク12を押さえるための押さえ部材27,30,34を、ワークに対して塗布ローラと一体的に相対移動可能に配設し、前記押さえ部材27,30,34がワーク12を押さえることにより、ワーク12の非塗布面に塗布材が塗布されないようにしたことを特徴とするものである。
【0009】このような本発明においては、ワーク12の塗布面12a上において塗布剤24を塗布したくない部分が存在する場合には、塗布ローラ22に先行して、塗布禁止部分が押さえ部材27,30,34により、塗布ローラ22と接触しない位置に押し付け移動される。このため、ワーク12上の塗布禁止部分に塗布剤24が塗布されるのを防止することができる。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の塗布装置において、押さえ部材27が弾性材よりなることを特徴とするものである。このようにすれば、押さえ部材27の弾性作用により、ワーク12上の塗布禁止部分を効果的に押さえることができて、その塗布禁止部分を塗布ローラ22と接触しない位置に確実に押し付け移動させることができる。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の塗布装置において、押さえ部材27はシート状をなし、ワーク12の塗布面12aと接触する側の端縁に複数の切れ目27aが形成されていることを特徴とするものである。
【0012】このようにすれば、例えば、ワーク12の枠体12の部分では局部的に大きく弾性変形するが、断熱材17の部分では変形量が少なくなる。このため、断熱材17を確実に押さえて、その断熱材17に接着剤17等が塗布されるのを防止できる。
【0013】請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の塗布装置において、押さえ部材30は、塗布ローラ22の回転に伴って同方向に回転される回転軸31と、その回転軸31の周りに放射状に突設された複数の帯状弾性体32とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】このようにすれば、押さえ部材30の帯状弾性体32が回転されながらワーク12上の塗布禁止部分に接触して、その塗布禁止部分を塗布ローラ22と接触しない位置に効果的に押し付け移動させることができる。また、帯状弾性体32が複数設けられているため、1枚の弾性体32の摩耗量が少なく、結果として、耐久性を向上できる。
【0015】請求項5に記載の発明では、請求項1に記載の塗布装置において、押さえ部材34は液体37を収容した収容袋36よりなることを特徴とするものである。このようにすれば、液体37を収容した収容袋36がワーク12上の塗布禁止部分に接触して、その塗布禁止部分を塗布ローラ22と接触しない位置に効果的に押し付け移動させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下に、この発明を図7に示すような木製パネル11の製造に際して、枠体12の表面に塗布剤しての接着剤を塗布するための塗布装置に具体化した第1の実施形態を、図1及び図2に基づいて説明する。なお、この実施形態において、前述した図8に示す従来の塗布装置と同一または近似する部分については、同一の符号を引用してそれらの詳細な説明を省略する。
【0017】前記塗布ローラ22及び均一ローラ23を支持する支持枠26には、ワークとしての枠体12に対するの塗布ローラ22の相対移動方向の前方部に位置するように、押さえ部材27が支軸28を介して配設支持されている。この押さえ部材27はゴム等の弾性材によりシート状に形成され、枠体12の塗布面12aと接触する側の端縁には複数の切れ目27aが所定間隔おきに形成されている。
【0018】そして、塗布ローラ22の回転に伴い、枠体12が塗布ローラ22に対して相対移動されて、接着剤24が塗布ローラ22を介して枠体12の塗布面12aに塗布される際に、枠体12内に充填された断熱材17の非塗布面としての盛り上がり部分17aが、この押さえ部材27によって枠体12内に押し下げられるようになっている。このため、断熱材17の表面が塗布ローラ22の外周面から離間した位置に保持されて、その断熱材17の表面に接着剤24が塗布されるのが防止され、枠体12上の塗布面12aのみに接着剤24が塗布される。
【0019】この場合、押さえ部材27がシート状の弾性材により形成されるとともに、その端縁に複数の切れ目27aが形成されているため、パネル11に枠体12等が存在しても、あるいは断熱材17の表面に凹凸が存在していても、押さえ部材30の変形量を部分的に異ならせることができ、弾性材17が断熱材17を確実に押さえるようにフィットする。従って、断熱材17の盛り上がり部分17aを、塗布ローラ22との対応部分において、その塗布ローラ22の外周面と接触しない位置に確実に押し下げることができて、断熱材17の表面に接着剤24が塗布されるおそれを防止することができる。
【0020】(第2の実施形態)次に、この発明の第2の実施形態を、前記第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0021】さて、この第2の実施形態においては、図3及び図4に示すように、押さえ部材30が、支持枠26に回転可能に支持された回転軸31と、その回転軸31の外周に放射状に突出形成されたゴム等よりなる複数の帯状弾性体32とから構成されている。また、これらの帯状弾性体32の先端縁には、複数の切れ目32aが所定間隔おきに形成されている。
【0022】そして、塗布ローラ22が回転されて、枠体12の塗布面12aに接着剤24が塗布される際に、この押さえ部材30の回転軸30が塗布ローラ22の移動と連動して図3の矢印方向に回転され、複数の帯状弾性体32が断熱材17の盛り上がり部分17aに順に接触するようになっている。従って、断熱材17の盛り上がり部分17aを塗布ローラ22の外周面と接触しない位置に効果的に押し下げることができて、その断熱材17の表面に接着剤24が塗布されるおそれを確実に防止することができる。なお、押さえ部材30は自由回転されるように構成しても、あるいは、塗布ローラ22の回転と連動して回転するするように、塗布ローラ22との間にベルト(図示しない)等を介在させてもよい。
【0023】(第3の実施形態)次に、この発明の第3の実施形態を、前記第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0024】さて、この第3の実施形態においては、図5及び図6に示すように、押さえ部材34が支持板35を介して支持枠26に支持されている。また、この押さえ部材34は、合成樹脂等の弾性材よりなる収容袋36から構成され、その収容袋36の内部には水等の液体37が収容されている。
【0025】そして、塗布ローラ22の回転に伴い、枠体12の塗布面12aに接着剤24が塗布される際に、この押さえ部材34が断熱材17の盛り上がり部分17aに接触して、その盛り上がり部分17aを塗布ローラ22の外周面と接触しない位置に押し下げるようになっている。従って、この第3の実施形態においても、前記各実施形態の場合と同様に、断熱材17の表面に接着剤24が塗布されるおそれを確実に防止することができる。
【0026】(変更例)なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記第1の実施形態において、シート状の押さえ部材27の端縁の切れ目27aを省略すること。
【0027】・ 前記第2の実施形態において、押さえ部材30の各帯状弾性体32の端縁の切れ目32aを省略すること。
・ 前記各実施形態において、ワークとしての枠体12を水平状態で一定位置に配置し、塗布ローラ22を回転させながら、枠体12の塗布面12aに沿って移動させるように構成すること。
【0028】・ 前記各実施形態における木製パネル11の枠体12とは異なったワークに塗布剤を塗布するための塗布装置に具体化すること。
・ 前記各実施形態において、押さえ部材30として、弾性を有する多数の細毛を設けたブラシ状のものを用いること。
【0029】・ 前記各実施形態の接着剤24とは異なった、例えば着色剤、防腐剤等の塗布剤を塗布する塗布装置に具体化すること。
【0030】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明によれば、ワークの塗布面上において塗布剤を塗布したくない部分を、押さえ部材により、塗布ローラと接触しない位置に押し付け移動させることができ、その塗布禁止部分に塗布剤が塗布されるのを防止することができる。
【0031】請求項2に記載の発明によれば、押さえ部材の弾性変形により、ワーク上の塗布禁止部分を効果的に押さえることができて、その塗布禁止部分を塗布ローラと接触しない位置に確実に押し付け移動させることができる。
【0032】請求項3に記載の発明によれば、押さえ部材の変形量を部分的に相違させることができて、断熱材17を確実に押さえることができる。請求項4に記載の発明によれば、押さえ部材の複数の帯状弾性体が回転されながらワーク上の塗布禁止部分に接触して、その塗布禁止部分を塗布ローラと接触しない位置に効果的に押し付け移動させることができるとともに、押さえ部材の耐久性を工場できる。
【0033】請求項5に記載の発明によれば、液体を収容した収容袋がワーク上の塗布禁止部分に接触して、その塗布禁止部分を塗布ローラと接触しない位置に効果的に押し付け移動させることができる。
【出願人】 【識別番号】000114086
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
【出願日】 平成11年8月18日(1999.8.18)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
【公開番号】 特開2001−54752(P2001−54752A)
【公開日】 平成13年2月27日(2001.2.27)
【出願番号】 特願平11−231889