トップ :: B 処理操作 運輸 :: B02 破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理




【発明の名称】 廃棄物破砕処理装置
【発明者】 【氏名】村上 昭二

【氏名】島田 忠雄

【氏名】金丸 孝夫

【氏名】加藤 由章

【要約】 【課題】大型廃棄物や中小型廃棄物が混在する廃棄物を破砕機に供給する工程を自動化して、いずれの廃棄物を処理する場合にも熟練オペレータが運転するように効率の良い処理ができるようにする制御装置を提供する。

【解決手段】搬送された廃棄物の大きさ、投入シュートでの廃棄物滞留量、ロールフィーダ前廃棄物高さ、破砕音などの測定信号、および各要素装置の状態を入力し、供給コンベヤ上で廃棄物の大きさに基づき大型と中小型の別を判定した結果で中小型廃棄物用のファジィ制御と大型廃棄物用のシーケンス制御を切り替えてロールフィーダと供給コンベヤを制御して設備の運転をする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃棄物を搬送する供給コンベヤ、供給コンベヤで搬送された廃棄物を受け入れる投入シュート、遊動ロールを備えて投入シュート内の廃棄物の送りを調整するロールフィーダ、ロールフィーダから送り込まれる廃棄物を細化する破砕機からなる廃棄物破砕処理装置において、中小型廃棄物破砕処理と大型廃棄物破砕処理とフィーダ詰まり処理のそれぞれに対応する制御器を備え、供給コンベヤ上における廃棄物の大きさ、ロールフィーダ前における廃棄物の高さ、投入シュートにおける滞留量、供給コンベヤ速度、ロールフィーダ回転数、ロールフィーダ開度、破砕機負荷電流、破砕音の測定信号を入力して、廃棄物の大きさにより大型廃棄物と中小型廃棄物の別を判定した結果に基づいて制御器を切り替えて運転し、さらに大型廃棄物処理中にロールフィーダの詰まりを推定したときにフィーダ詰まり処理を行うようにすることを特徴とする廃棄物破砕処理装置。
【請求項2】 前記中小型廃棄物処理用制御器が供給コンベヤ速度とロールフィーダ開度を調整することにより、破砕機負荷電流が容量を超えないように維持して破砕効率を確保すると共に滞留量を適正値に保って破砕物の跳ね返りを防止するものであることを特徴とする請求項1記載の廃棄物破砕処理装置。
【請求項3】 前記中小型廃棄物処理用制御器が破砕機負荷電流とロールフィーダ開度について大・小・適正値のメンバシップ関数を使ってロールフィーダ開度を調整し、フィーダ前滞留量と供給コンベヤ速度について大・小・適正値のメンバシップ関数を使って供給コンベヤ速度を調整し、さらに、破砕音が大きくてフィーダ前滞留量が少ないときにロールフィーダ開度を小さくするようにするファジィルールを用いたファジィ制御を実行することを特徴とする請求項2記載の廃棄物破砕処理装置。
【請求項4】 前記大型廃棄物処理用制御器が、廃棄物の大きさ、廃棄物の高さおよび滞留量に基づいて供給コンベヤ速度、ロールフィーダ開度およびロールフィーダ回転数をシーケンス制御することにより、廃棄物の実測結果に基づいてロールフィーダの開度を調整して噛み込ませて潰し大型廃棄物を後段のロールを通るような適当な大きさにしてから破砕機に供給するシーケンス制御を行うものであることを特徴とする請求項1記載の廃棄物破砕処理装置。
【請求項5】 前記フィーダ詰まり処理用制御器が、一定の条件下で破砕機が期待される作動をしないときに廃棄物が投入シュートに詰まったものと判断して、廃棄物を一旦逆送してから再度押し込みを行うシーケンス制御を行うものであることを特徴とする請求項1記載の廃棄物破砕処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業廃棄物や一般家庭粗大ゴミなどから有価資源を選別回収してリサイクルする工程の前段階として用いられる破砕処理装置に関し、特に、中小型ゴミと大型ゴミを仕分けしないまま投入して処理することができるようにした破砕処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物や一般家庭粗大ゴミなどから鉄・アルミニウムなどの有価資源を回収するには、廃棄物等を微細な粒子まで粉砕する破砕処理装置を使用する。破砕処理装置は、トラックなどから廃棄物を受け入れる受入ホッパ、ホッパ内の廃棄物を搬送する供給コンベヤ、供給コンベヤの端部から落とし込まれる廃棄物を受け入れる投入シュート、投入シュート内の廃棄物の送り速度を調整するロールフィーダ、ロールフィーダから送り込まれる廃棄物を細化する破砕機からなる。
【0003】廃棄物は家庭や事務所から排出される一般廃棄物と事業所から排出される産業廃棄物があるが、その内容は多種多様である。一方、これらを破砕処理する破砕機の能力は限られているので、多種多様な廃棄物を的確に破砕処理するためには破砕機の能力に応じた程度の速度で投入シュート内に堆積した廃棄物を破砕機に送り込むようにしなければならない。この判断は単純でないため、破砕機への廃棄物供給装置はマニュアル運転が主流で、設備オペレータは、投入シュートの入口に設置したITVカメラの映像を常時監視し、廃棄物の最適投入方法を判断し手動操作する。
【0004】廃棄物供給量の調整は供給コンベヤの速度を調整して行う。このとき、投入シュート内に廃棄物が詰まらないように堆積量を監視していて限度を超えそうになると供給コンベヤの速度を落としたり停止させて供給量を調整する。比較的能力の小さい破砕機を使用している装置に大型の廃棄物が供給されるときは、大きなまま破砕機にかけると処理できずに破砕機の運転が停止したり故障したりする恐れがあるので、適当な大きさまで潰してから破砕機に供給する。
【0005】大型廃棄物を扱う破砕処理装置には、前段に粗破砕処理装置を備えて破砕機に適合した大きさまで細化してから破砕処理するものと、大型のまま破砕機で直接破砕するものとがある。前者の方式では粗破砕処理装置を備えるため、また後者の方式では大型廃棄物を直接噛み込める大型破砕機が必要になり、設備費がかさむため廃棄物リサイクルの採算性が問題となる。そこで、比較的小型の破砕機を用いて、大型廃棄物も破砕機で直接破砕する方式が望まれる。
【0006】小型破砕機を用いた大型廃棄物破砕処理装置では、廃棄物を潰して破砕機に適合する大きさにするためにロールフィーダを利用する。ロールフィーダは、破砕機に近い位置にあって壁までの開口距離が殆どゼロになるまで開度調整して適当な量の廃棄物を供給する送り込みローラと、投入シュート入り口に近い側にあって送り込みローラより大きく開度調整でき大型廃棄物を潰す働きをする噛み込みローラを備える。噛み込みローラと送り込みローラは連動して回転軸と投入シュートの下側壁との距離を変えることによりロールフィーダの開度を調整することができるようになっている。
【0007】供給された大型廃棄物を観察して、噛み込みローラの軸位置を廃棄物の大きさに見合う開度になるように調整し、廃棄物を壁との間に噛み込んで潰してから送り込みローラで破砕機に送る。なお、噛み込みローラの表面には無数の突起が設けられていて被処理物にしっかりと食い込んで把持するようになっている。また、1度の送り動作で十分な大きさまで潰れない場合には、ロールフィーダを逆転させて廃棄物を噛み込み前の位置まで戻し、開度をさらに小さく調整してから再度噛み込んで潰す。適当な大きさになるまでこの動作を繰り返すことにより、大型廃棄物でも破砕機で処理することが可能になる。
【0008】しかし、大型廃棄物のサイズを読み間違えてロールフィーダの開度調整を誤ったり、正転逆転操作が不適正であると、直ぐに破砕機の負荷異常になって操業停止や故障が発生する。あるいは、逆に破砕機能力を十分発揮させないで効率の悪い操業になる可能性がある。したがって、破砕機の能力に適合するように被処理物の供給を調整する必要があり、運転が難しい。このように、大型廃棄物破砕処理装置では、操業が中断しがちで、効率的な運転を行うことができる熟練したオペレータを必要とするなど、運転費用の高騰のため採算性が問題となる。
【0009】また、小型破砕機を用いた大型廃棄物破砕処理装置で中小型廃棄物を破砕処理することは可能であるが、大型廃棄物と中小型廃棄物では処理手順を変える必要がある。したがって、中小型廃棄物を処理している間に大型廃棄物が投入された場合はこれを判断して大型廃棄物の処理に切り替えなければならない。なお、大型廃棄物を処理している間に中小型廃棄物が混じる場合は、破砕機は中小型廃棄物を破砕処理することができるが、大型廃棄物に適合する処理を行っていると供給と処理のバランスが崩れて投入シュート内に廃棄物が異常に堆積して問題となる場合がある。
【0010】しかし、回収した後の廃棄物やゴミを通常の処理が可能な中小型のものと特殊な処理手順を必要とする大型のものとに分別をしないまま破砕処理装置にかけることができれば、リサイクル工程の段階数がそれだけ減少し装置コストや運転コストが低減できるので好ましい。大型廃棄物と中小型廃棄物が混在したままで直接に破砕処理する場合でも、高度に熟練したオペレータならば、破砕機投入口に設置したテレビカメラの映像を監視しながら最適な投入方法を判断して操作することにより、装置を停止させずに連続的に運転させることができる。しかし、オペレータの判断は直感に頼るところも多いため論理的な解析が難しく、熟練オペレータの操作手順を再現するために必要なセンサを確定して導入しかつ適切な制御論理を確立して運転の自動化を達成することに成功した例は知られていなかった。
【0011】なお、特許第2749982号公報には、粗大ゴミ処理装置に用いられる回転式破砕機を制御する運転制御装置が開示されている。ここに開示された制御装置は、廃棄物入口に設けた撮影手段でコンプレッションフィーダに挟まっている廃棄物を撮影してその映像から求めた廃棄物の面積や外接長方形などの特徴量と、コンプレッションフィーダの駆動電流と破砕機の駆動電流とに基づいて、ゴミの滞留状況を把握し、廃棄物の供給量を制御し、コンプレッションフィーダの空滑り状態を直す噛み込み操作を行い、破砕機モータのトリップを防止するものである。ゴミの滞留状況の把握を自動的に行うことが困難な破砕機にこの制御装置を適用することにより自動運転が可能になるとされている。
【0012】しかし、上記特許発明では、コンプレッションフィーダにおける廃棄物の特徴量とコンプレッションフィーダモータと破砕機モータの駆動電流とに基づいて操作するもので、高度に熟練したオペレータの操作手順を再現するものでないため、1度で破砕することができないような大型廃棄物を処理するなど高度な処理を行うことはできない。また、上記特許公報には、冷蔵庫や肉厚鋼板などの粉砕負荷の大きなゴミを破砕しなければならない場合にはゴミを少しずつ粉砕しないと粉砕負荷が急激に大きくなり破砕機モータがトリップしてしまうので、破砕機モータの電流値がある閾値以上になるとゴミの送り速度を落としたり、新たなゴミの供給を止めて微小間歇送りに変更し、ゴミ投入部にゴミが無くなってから通常の運転に戻すことが開示されている。
【0013】しかし、破砕機モータの電流値に基づいて調整する方法に過ぎないため、負荷の小さなゴミを処理する場合まで低速送りをしないようにして効率を極端に落とさないようにするだけで、常態として大型廃棄物と中小型廃棄物が混在する廃棄物に対して手動操作で達成できる効率とは比べようもないものである。したがって、多種多様な廃棄物を受け入れて破砕処理する設備を効率よく運転するためには破砕機に適合するように廃棄物を供給できる熟練オペレータがついている必要がある。しかし、近年労働人口の減少や人件費低減の要求により熟練オペレータの育成がより困難になり、いかなる廃棄物にも対応できる破砕処理装置の自動化・省人化が強く要請されるようになってきている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、大型廃棄物や中小型廃棄物が混在する廃棄物を破砕機に供給する工程を自動化して、いずれの廃棄物を処理する場合にも熟練オペレータが運転するように効率の良い処理ができるようにする廃棄物破砕処理装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の廃棄物破砕処理装置は、廃棄物を搬送する供給コンベヤ、供給コンベヤで搬送された廃棄物を受け入れる投入シュート、遊動ロールを備えて投入シュート内の廃棄物の送りを調整するロールフィーダ、ロールフィーダから送り込まれる廃棄物を細化する破砕機からなる廃棄物破砕処理装置において、供給コンベヤ上で廃棄物の大きさを計測して大型廃棄物と中小型廃棄物の別を判定した結果に基づいて制御方式を切り替えて運転することを特徴とする廃棄物破砕処理装置である。
【0016】廃棄物破砕処理装置の各所に運転状態を検知するための測定装置が配設されている。供給コンベヤの終端部分の上方にはレーザセンサが設けられていて、下を通過する物の断面を測定し供給コンベヤの移動速度を加味することにより、供給コンベヤで搬送されてきた廃棄物の大きさを推定する。また、投入シュートの入口に工業用テレビカメラが設置されていて、所定の間隔で撮影した画像からシュート内の廃棄物滞留量を推定する。なお、ロールフィーダの前には超音波センサが設けられていて、レーザセンサで把握した大型廃棄物の通過を確認する。
【0017】また、供給コンベヤ速度、ロールフィーダ回転数、ロールフィーダの開度はそれぞれ制御装置から出力信号として収集することができる。また、破砕機駆動電流の変化を監視することにより破砕機に係る負荷を知ることができる。なお、破砕機には音センサが設けられていて、廃棄物が破砕機で破砕される音を収集することができる。これらセンサ類で収集された、供給コンベヤで搬送されてきた廃棄物の大きさ、投入シュートにおける廃棄物の滞留量、ロールフィーダ前における廃棄物の高さ、供給コンベヤ速度、ロールフィーダ回転数、ロールフィーダ開度、破砕機負荷電流、破砕音などの測定信号は、制御装置に入力される。
【0018】破砕装置の制御方式は、中小型廃棄物破砕処理と大型廃棄物破砕処理とフィーダ詰まり処理のそれぞれに対応する制御方式を準備しておく。中小型廃棄物破砕処理の制御は、そのままで破砕機にかけられる大きさの廃棄物を処理する場合の制御で、供給コンベヤ速度とロールフィーダ開度を調整することにより、破砕機負荷電流が容量を超えないように維持して破砕効率を確保すると共に滞留量を適正値に保って破砕物の跳ね返りを防止するものである。廃棄物を破砕機に供給する装置は複数の機械要素が有機的に絡み合って構成されているため、特段の問題を含まない中小型廃棄物について処理する場合でも、各構成要素毎にフィードバック制御するだけでは互いに干渉して装置総体としてうまく制御することができない。したがって、熟練オペレータは状況を立体的に把握して最適な制御を実現している。
【0019】中小型廃棄物破砕処理では、制御論理に、投入シュートにおけるフィーダ前滞留量、供給コンベヤ速度、ロールフィーダ回転数、ロールフィーダ開度、破砕機負荷電流、破砕音を入力とし、ロールフィーダ開度と供給コンベヤ速度を出力とするファジィ制御を採用して、熟練オペレータの作業に近いものを実現するようにしている。すなわち、破砕機負荷電流とロールフィーダ開度について大・小・適正値のメンバシップ関数を使ってロールフィーダ開度を調整し、フィーダ前滞留量と供給コンベヤ速度について大・小・適正値のメンバシップ関数を使って供給コンベヤ速度を調整し、さらに、破砕音が大きくてフィーダ前滞留量が少ないときにロールフィーダ開度を小さくするようにするファジィルールを用いている。本発明では、ファジィ制御を用いて多数の環境変数を総合的に扱い、熟練オペレータの判断を模擬することに成功している。
【0020】大型廃棄物破砕処理の制御は、予め細化しなければ破砕機にかけられない大きさの廃棄物を処理する場合の制御で、廃棄物の大きさ、廃棄物の高さおよび滞留量に基づいて、供給コンベヤ速度、ロールフィーダ開度およびロールフィーダ回転数をシーケンス制御することにより行う。なお、ロールフィーダ開度の設定は廃棄物の形状測定結果に基づくファジィ制御により行うようにしてもよい。
【0021】能力に余裕がない破砕機で大型廃棄物を破砕処理するときは、中小型廃棄物と異なり、廃棄物を適当な大きさまで潰してから破砕機に供給する必要がある。本発明が対象とする破砕処理装置は廃棄物をロールフィーダに噛み込んで潰すことができる。しかし、大型廃棄物の材料や大きさによりロールフィーダに噛み込まなかったり1度の処理では十分でない場合がある。大型廃棄物破砕処理の制御方式では、廃棄物の実測結果に基づいてロールフィーダの開度を調整して噛み込ませて潰し大型廃棄物を後段のロールを通るような適当な大きさにしてから破砕機に供給する。大型廃棄物の検出に続いて行われる供給コンベヤやロールフィーダの操作信号はケースに従って予め決められた順に発生すればよいので、シーケンス制御を採用する。なお、ロールフィーダの開度は独立の制御器を用いて行っても良いが、ファジィ制御によることとして中小型廃棄物処理に用いる制御装置を活用することもできる。
【0022】フィーダ詰まり制御は、大型廃棄物を処理している場合に選択できるようにしたもので、一定の条件下で破砕機が期待される作動をしないときに廃棄物が投入シュートに詰まったものと判断して、廃棄物を一旦逆送してから再度押し込みを行うことにより詰まりを解消させるシーケンス制御である。大型廃棄物処理にフィーダ詰まり制御を併用することにより、大型廃棄物を1度の処理で十分細化できなかったときに細化操作を繰り返して廃棄物が適当な大きさになってからロールフィーダを通して破砕機に供給するようにすることができる。なお、大型廃棄物の処理には廃棄物を噛み込ませるためにロールフィーダの開度を調整したり多数回繰り返し処理するためにロールフィーダを逆転させたりする場合があるので、対象とする大型廃棄物を投入シュートに落とし込んだことを超音波センサで検出するか適当なタイムラグを取った後に供給コンベヤを停止して、新たな廃棄物を供給しないようにして、処理が終わってから供給を再開するようにすることが好ましい。
【0023】本発明の制御装置は、中小型廃棄物と大型廃棄物では最適な処理方法が異なる点に注目して、それぞれに適合する制御方式を準備しておき、破砕処理装置に供給される廃棄物の大きさを測定し、測定結果に基づいて制御方式を選択するようにしたものである。それぞれの対象に適合する制御論理を構築したので、人が制御すると同等の制御性能を達成することができるようになった。本発明の制御装置は、破砕処理装置が大型廃棄物と中小型廃棄物を混合状態で受け入れたときにも、オペレータが廃棄物の状態を判断し適合する操作を適当に選択して実施するのとほぼ同じ運転操作を自動的に判定しながら実施するので、廃棄物破砕処理装置に適用して自動化することにより熟練オペレータを使わないでも高い運転効率を維持することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施例に基づき図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の廃棄物破砕処理装置の制御装置の1実施例を示す制御システム概念図、図2は本実施例における制御装置の概略構成図、図3は本実施例における廃棄物滞留量の測定原理図、図4は本実施例における廃棄物の大きさの測定原理図、図5は本実施例における中小型廃棄物処理制御の入出力関係図、図6は該中小型廃棄物処理制御に用いるファジィルールの例を示す表、図7は該ファジィ制御におけるメンバシップ関数の例を示す線図、図8は本実施例における大型廃棄物処理の手順を説明するフロー図、図9は該大型廃棄物処理制御の入出力関係図、図10は本実施例における大型廃棄物処理に用いるシーケンス制御を示すフローチャート、図11は該シーケンス制御の第1のサブルーチンを表すフローチャート、図12は該シーケンス制御の第2のサブルーチンを表すフローチャート、図13は本実施例におけるフィーダ詰まり処理制御の入出力関係図、図14は該フィーダ詰まり処理制御に用いるシーケンス制御を示すフローチャート、図15は本実施例における制御成績を表すタイムチャートである。
【0025】
【実施例】本実施例の制御装置3は、図1に一部切り欠き斜視図として表したような供給コンベヤ11、投入シュート12、ロールフィーダ13、破砕機16からなる廃棄物破砕処理装置1に装備して、破砕機16に対する廃棄物21,22の供給を制御することにより最適な破砕処理を行うようにするものである。供給コンベヤ11は受入端に廃棄物運搬車などから廃棄物を受け入れる受入ホッパを備え、受け入れた廃棄物21,22を投入シュート12の入口まで搬送する。
【0026】投入シュート12は供給コンベヤから落とし込まれる廃棄物21,22をロールフィーダ13を介して破砕機16まで案内する。ロールフィーダ13は送り込みローラ14と噛み込みローラ15とからなり、投入シュート内の廃棄物21,22の大きさを整え送り速度を調整する。送り込みローラ14は、破砕機16の直前に設けられローラ表面と壁の間の距離が小さく、主に廃棄物を破砕機16に押し込む機能を有する。噛み込みローラ15は送り込みローラ14より入口に近いところに設置され送り込みローラ14と連動して揺動し、廃棄物の大きさに従ってローラ表面と投入シュート12の床面の距離を変化させてロールフィーダ13の開度を調整し、廃棄物をうまく噛み込むようにする機能を有する。
【0027】ロールフィーダ13は、廃棄物が大き過ぎるときは廃棄物を噛み込んで投入シュート12の壁との間で押し潰し、破砕機16にかけられるような適当な大きさにする機能を持っている。また、1度で潰れないときには廃棄物を逆送し掴みなおして潰す工程を繰り返すことができる。破砕機16は、本体側に固定されたカッターバー17と回転ローラ外周上に多数並べて埋め込まれたハンマー18の働きにより、ロールフィーダ13から送り込まれた廃棄物を細化して次の選別工程に送り出す。破砕機16は比較的小型で、中小型の廃棄物はそのまま破砕処理することができるが、大型廃棄物はロールフィーダ13で予め適当な大きさにしてからでなければ破砕できない。負荷が大きすぎたときの事故や故障を予防するため、常時負荷電流を測定していて電流が所定の閾値を超えるとトリップして運転を停止する機構を備えている。
【0028】本実施例の制御装置3は、供給コンベヤ11上で廃棄物21,22の大きさを計測して大型廃棄物21と中小型廃棄物22の別を判定した結果に基づいて制御方式を切り替えて運転することを特徴とする。制御装置3は、中央操作盤31と自動化制御盤32からなる。中央操作盤31は、廃棄物破砕処理装置1の各所に設けたセンサから取得する各種測定値を入力し操作信号を出力するI/Oインターフェース機能を有すると共に、オペレータコンソールを備えて手動制御時に各構成要素に関する操作を可能とするマンマシンインターフェース機能を有する。また、高度な判断機能を必要としない設備の発停は、中央操作盤31内に設備されたプログラマブルコントローラ(PLC)によりシーケンス制御されている。
【0029】自動化制御盤32は、破砕機16への廃棄物供給操作を自動化するために設備されるもので、中央操作盤31と信号線で結合してあり、必要な信号は中央操作盤31を介して入出力する。自動化制御盤32は中央操作盤31内に一体化して組み込むこともできる。なお、発停制御に使用してきた既存の中央操作盤31に新たに必要となる入出力信号線と手動/自動切換機能を追加して利用することもできる。
【0030】本実施例の制御装置3は、図2の廃棄物破砕処理制御系概略構成図に示すように、従来からこの種の装置の操作に必要とされてきた破砕機16の駆動モータ負荷電流を測定する電流計、ロールフィーダ13の開度を表す開度計、供給コンベヤ11とロールフィーダ13の速度計、投入シュート12の上からロールフィーダ13の入口を撮影する工業用テレビカメラ34などの出力の他に、レーザセンサ33により測定される廃棄物の大きさ、超音波センサ35により検出される廃棄物の高さ、マイクロフォン36でキャッチされる破砕音の情報を入力する。
【0031】制御装置3への入力信号は、電流計、速度計、開度計などから直接的に取得できるものばかりでなく、特殊な処理を行う必要があるものもある。たとえば、投入シュート12の入口に設置された工業用テレビカメラ34は、フィーダ前の廃棄物滞留量を検出するために使用されるが、図3に示すように、ロールフィーダ13手前部分の画像(a)を2値化処理して得られる2値化画像(b)を所定の時間毎に複数記憶しておき(c)、相互の論理積を取ってフィーダ前滞留量を求めて(d)出力する。
【0032】また、供給コンベヤ11の終端部分の上方に設けられたレーザセンサ33は、図4に示すように、コンベヤ面に垂直な方向にスキャンして廃棄物の断面を測定するので、コンベヤの移動速度を加味することにより下を通過する廃棄物21の縦・横・高さすなわち大きさを推定することができる。なお、超音波センサ35は、ロールフィーダ13の手前に適当数設けられていて、適当な高さを有する廃棄物を検出して、レーザセンサ33が検出した大型廃棄物21が実際に投入シュート12に投入されたことを確認する。また、マイクロフォン36は破砕機16の破砕位置の音を拾って所定の音レベルと比較することにより、廃棄物が破砕されたか否か判定する。
【0033】制御装置3は、これら入力信号に基づいて制御論理演算して供給コンベヤ11の速度指令信号、ロールフィーダ開度指令信号、ロールフィーダ回転数指令信号、ロールフィーダ正転・逆転・停止指令信号を発生して、破砕機への供給制御を行う。
【0034】制御装置3の制御論理は、中小型ごみ破砕制御用のファジィ制御と、大型ごみ破砕制御用のシーケンスを主とした制御と、フィーダ詰まり制御用のシーケンス制御の3方式が準備されている。制御は、上記入力信号に基づいて処理すべき廃棄物が大型廃棄物と中小型廃棄物のいずれかを判定し、それぞれに適合する制御モードを選択する。また、大型廃棄物の破砕処理を行っている間に、フィーダの詰まりが生じたときにはフィーダ詰まり制御に移行し、詰まりが解消すると元の大型廃棄物破砕制御モードに復帰する。
【0035】単体で処理するときには破砕機定格負荷を超えないような小さい廃棄物を中小型廃棄物と呼ぶ。中小型廃棄物破砕処理の制御は、破砕機負荷容量に近くかつ容量を超えない程度に廃棄物供給量を維持して破砕効率を確保すると共に、投入シュート内滞留量を適正値に保って破砕物の跳ね返りを防止することを目標とするものである。
【0036】廃棄物を破砕機に供給する装置は複数の機械要素が有機的に絡み合って構成されているため、各構成要素毎に独立して制御するのでは互いに干渉して装置総体の制御が難しい。たとえば、破砕機負荷が大きすぎるときは破砕機に供給する廃棄物の量を抑えるためロールフィーダ回転数を下げなければならない。しかし、破砕機への供給量が小さくなると今度はフィーダ前滞留量が増加するのでロールフィーダの回転数を上げる必要が生ずる。このように、廃棄物破砕処理では関係する変数が互いに干渉するので、最適な制御を行うために変数同士の関係を考慮に入れた複雑な制御論理を取り込む必要がある。そこで、熟練オペレータの操作を参考にしてファジィ制御を構築することにより熟練オペレータと同様の制御を実現するようにした。
【0037】中小型廃棄物破砕処理の制御では、図5に示すように、破砕機負荷電流、ロールフィーダ開度、供給コンベヤ速度、フィーダ前滞留量、破砕音を入力とし、供給コンベヤ速度とロールフィーダ開度を調整する出力信号を発生する。破砕機負荷電流は、負荷を定格容量を超えない範囲でできるだけ大きな値に保って高い破砕効率を維持するように管理するために使用する。なお、負荷電流計にはメータリレーが設けてあって、電流値が設定値を超えるとモータを停止するようになっている。
【0038】破砕機負荷が大きいときはロールフィーダの開度を狭めて供給量を抑え、負荷が小さいときは開度を大きくしてより多くの廃棄物を破砕機に押し込むようにする。ロールフィーダ開度は、噛み込みローラ回転軸の位置により調整することができ、現在の開度は回転軸位置から知ることができる。供給コンベヤの速度はタコジェネレータから知ることができる。工業用テレビカメラで取得した映像からフィーダ前滞留量を推定し、滞留量が大きければ供給コンベヤを減速し滞留量が少なければ供給コンベヤを増速する。破砕機で発生する破砕音から堅い物が破砕されていることを検知することができる。堅い物が破砕されているときは、跳ね返りを防止するためロールフィーダ開度を小さくして滞留量を確保する必要がある。
【0039】制御装置3は、このような複合的な条件下で実際の操作量を決定する必要がある。このため、それぞれの条件をIF−THENの関係で記述したファジィルールに表し、前件部の変数の寄与度を適正に評価して、その結果に基づいて後件部の出力を決めるようにしたファジィ制御を用いる。図6は、ファジィルールの例を示すテーブルである。ファジィルールは、熟練オペレータが手動運転する間に経験的に獲得した情報を活用し、シミュレータ、さらに実機を用いて性能を確認し確定する。なお、制御の容易性と安定性のためには、余り多くない適度な数のルールを使用することが好ましい。
【0040】本実施例においては、たとえば、破砕機負荷電流が大きければロールフィーダの開度を小さくし、負荷電流が小さければ開度を大きくする。破砕機負荷電流が適正であっても、ロールフィーダの開度が大きければロールフィーダ開度を小さくし、ロールフィーダ開度が小さければ開度を大きくし、ロールフィーダ開度が適正であれば現在値を維持する。また、フィーダ前滞留量が大きいときは供給コンベヤ速度を下げて新規な供給を抑え、滞留量が小さいときは速度を上げて供給量を増やす。フィーダ前滞留量が適正な場合は、供給コンベヤの速度が速いときは速度を抑え、遅いときは速度を上げ、速度が適正であれば現在値を維持する。なお、破砕音が大きい場合にはフィーダ前滞留量が小さいときだけロールフィーダ開度を小さくして滞留量を増加させるようにする。
【0041】なお、実際の操作量を決めるのは、各ファジィルール毎に算出される操作変数の適合度の平均値である。適合度は最も適合する状態を1、その逆を0と定義したものである。図7は、一部の入力変数と出力変数について、状態を事象に対する適合度で表した例を示す図表である。この例では、供給コンベヤ回転数が500rpmであるとき、適合度0.29で回転数が小さく、適合度0.63で回転数が適正値となる。操作変数の適合度を求めるためには、ファジィルールの前件部の各測定項目について起こる事象に対する適合度で評価し、ファジィルールに則って操作項目に起こる事象を適合度で評価する。対象とする操作変数に関連するファジィルール全てについて適合度を求めて平均値をとり、これに従って操作量を決める。
【0042】本実施例では、図6にあるように僅かに11個のファジィルールに従って上記5個の測定値を入力変数とし2個の操作変数を出力することで、十分な性能を達成することが分かった。
【0043】冷蔵庫、洗濯機、自動車など、そのままで破砕処理しようとすると破砕機定格負荷を超えてしまうような大きい廃棄物を大型廃棄物と呼ぶ。大型廃棄物破砕処理の制御は、大型廃棄物を破砕機が処理できる大きさまで潰してから破砕機に押し込むようにすることを目的とする。図8は、大型廃棄物21を破砕機16に供給する手順例を説明するブロック図である。
【0044】本実施例においては、レーザセンサ33により供給コンベヤ11の末端付近に大型廃棄物21を検出すると、ロールフィーダ13の開度を廃棄物の高さに応じた値になるように調節し投入準備状態にして投入シュート12に廃棄物が投入されるのを待つ。ロールフィーダ前に設置された超音波センサ35が廃棄物の高さを測定していて、大型廃棄物21の通過を検出すると、供給コンベヤ11を減速もしくは停止して新たな廃棄物の供給を減少もしくは停止する。ロールフィーダ13は廃棄物21をしっかりと銜え込んで噛み込み処理し、投入シュート12の壁との間で押し潰して破砕機16の方に押し出して破砕処理する。
【0045】破砕機負荷電流または破砕音から破砕開始が確認できてからは、破砕機負荷が過負荷とならずかつ効率よく破砕するようにロールフィーダ開度と回転数を調整する。破砕機負荷電流または破砕音に基づいて破砕が終了したと判断できれば、次の廃棄物処理のため供給コンベヤ11の速度を元に戻す。なお、廃棄物21が投入シュート12のロールフィーダ部13で空滑りを起こして詰まった場合は、ロールフィーダ13を逆回転させて廃棄物を押し戻してから正回転させて廃棄物を再度掴んで処理し直す。大型廃棄物21の処理は条件に従って所定の手順を踏めばよい部分が多いので、主としてシーケンス制御により行うことができる。
【0046】本実施例における大型廃棄物破砕処理では、図9の入出力関係図に示すように、破砕機負荷電流、ロールフィーダ開度、供給コンベヤ速度、フィーダ前滞留量、ロールフィーダ回転数、大型ごみの大きさ、フィーダ前ごみの高さ、破砕音を入力し、供給コンベヤ速度、ロールフィーダ開度、ロールフィーダ回転数を調整する出力信号を発生する。なお、ロールフィーダ回転数は、ロールフィーダ開度に連動させて、開度が小さいときには遅く、開度が大きいときには速くなるように調整すればよい場合が多い。
【0047】図10は、大型廃棄物破砕処理におけるシーケンス制御の全体フローを表示したフローチャートである。プログラムがスタートすると、処理ステップや各種フラグの初期化など初期処理を行った後に(S1)、設備が自動運転モードにあることを確認する(S2)。自動制御中でないときには何の操作も行わずにプログラムの終了判定ステップ(S12)に進む。ただし、一時停止状態である場合は(S9)復帰ステップ決定処理ルーチンに進み(S10)、過負荷や手動介入など一時停止している原因を確認してそれぞれに相応しい処理を行ってから終了判定ステップに進む。
【0048】レーザセンサ33は廃棄物が通過し終わったときに対象が大型であるかどうかを判定する。大型廃棄物21を検出した場合は、大型廃棄物検出フラグをセットして検出の事実を告知するようにしている。自動制御運転中であって、大型廃棄物検出フラグがセットされていないとき、すなわち大型廃棄物を検出していないときあるいは大型廃棄物を処理していないときには(S3)、中小型廃棄物処理制御に切り替えた後に(S11)終了判定を行う。一方、大型廃棄物を検出したときは(S3)、投入予想処理ルーチン(S4)、投入準備処理ルーチン(S5)、噛み込み処理ルーチン(S6)、さらに破砕処理起動フラッグが立っている場合には(S7)破砕処理ルーチン(S8)を、順次実行してから終了判定を行う(S12)。
【0049】図11は投入予想処理ルーチン(S4)のフローチャートである。投入予想処理とは、レーザセンサ33で検出された大型廃棄物が投入シュート12に投入された時刻を推定する処理である。投入予想処理ルーチンがスタートすると、大型廃棄物破砕制御モードに切り替えて(S21)、供給コンベヤ11の速度Vと検出からの経時時間とから大型廃棄物21の移動距離Lm=∫Vdtを算出し(S22)、廃棄物が投入シュート12内に落下するまでに残っている距離Leを予想する(S23)。落下までの投入予想距離Leは、レーザセンサ33の検出位置と落ち口までの距離Lcから廃棄物の重心が移動した距離(Lm+Lr)を差し引いてLe=Lc−Lr−Lmから求めることができる。ここで簡単のため、廃棄物の重心は終端から計って廃棄物の長さの半分Lrの位置にあると仮定している。
【0050】投入予想距離Leが所定の閾値pLeより大きいときには(S24)、経時分だけ前進した距離を大型廃棄物の移動距離Lmに加算して(S22)、再度投入予想距離Leを求める(S23)。このようにして、投入予想距離Leが所定の閾値pLeより小さくなるまで計算を繰り返す。投入予想距離Leが所定の閾値pLeより小さくなれば(S24)既に投入シュート12に落下したか早晩落下するので、投入準備処理ルーチンの起動を認める起動フラグをセットし(S25)、大型廃棄物検出フラグをリセットして(S26)、投入準備処理ルーチン(S5)に移行する。
【0051】投入準備処理ルーチン(S5)では、ロールフィーダ13が投入された大型廃棄物21を潰して押し出す工程の準備を行う。まず、レーザセンサ33で測定した大型廃棄物21の高さHlsに基づいてロールフィーダ13の開度を式SVrf=Hls−pSVrfにより算出して設定する。ここで、pSVrfはたとえば200mm程度の適当な調整値である。また、ロールフィーダ開度の上限値と下限値の初期値を決定する。
【0052】次に、フィーダ前に設置された超音波センサ35により大型廃棄物21が実際にロールフィーダ13前まで到達していることを確認するまで待ってから、供給コンベヤ11の速度を0に設定して停止させ噛み込み処理起動フラグをセットする。なお、レーザセンサ33による検出後所定の時間が経過しても超音波センサ35で検出できなかった場合にも、超音波センサ35の検出漏れと見なして、供給コンベヤ11を停止し噛み込み処理に移行する。
【0053】噛み込み処理ルーチン(S6)は、大型廃棄物21をロールフィーダ13で噛み込んで潰す処理を実行する。図12は噛み込み処理ルーチンのフローチャートである。噛み込み処理に入ると、噛み込み処理回数を係数する指数Nc1(S31)とロールフィーダ13を上下動する回数を係数する指数Nc2を初期化する(S32)。初めにロールフィーダ13を上昇させる方向の噛み込み制御を行う(S33)。上昇方向噛み込み制御では、ロールフィーダ開度を初めの設定値に対して100mmなど一定の値だけ大きく設定して所定時間そのまま運転して廃棄物を噛み込ませた後、今度はそれから50mmなどほぼ半分の値だけ小さく設定し直して所定時間運転して廃棄物を押し潰す。最初に上昇方向噛み込み処理するときのロールフィーダ開度は、レーザセンサ33で測定した廃棄物高さより例えば100mm程度小さい開度に設定される。
【0054】押し潰し処理している間に廃棄物21が破砕機16に届いて、破砕機16に仕込んだマイクロフォン36で拾った破砕音(S34)や破砕機電流(S35)が所定の閾値より大きくなったときには、破砕処理を行っても良い状態になったので破砕処理起動フラグを立てて(S47)、次の工程に進む。なお、金属など硬質の廃棄物を破砕しているときには破砕音が特に大きくなり、また跳ね返りも多くなる。一方、噛み込み処理によっても廃棄物が破砕機16に届いておらず、しかもロールフィーダ開度が十分に大きくない場合には(S36)、廃棄物21がロールフィーダ13に銜え込まれていない可能性があるので、ロールフィーダ開度をさらに上げた上で噛み込み処理(S33)を繰り返す。
【0055】しかし、廃棄物が破砕機16に届いておらず、しかもロールフィーダ開度が処理されるべき廃棄物の高さと比較して過剰に大きくなっているときは(S36)、廃棄物がうまく潰れていないことを意味するので、今度は下降方向の噛み込み処理(S37)を行う。下降方向の噛み込み処理は、ロールフィーダ開度を100mmなど一定の値だけ小さく設定して運転し廃棄物をさらに押し潰した後で、狭くした開度を50mmなどほぼ半分だけ緩めて送り出す処理である。下降方向噛み込み処理により潰されて細化した廃棄物が、破砕音(S38)や破砕機電流(S39)により破砕機16に届いていることが確認されたら、破砕処理起動フラグを立てて(S48)次の工程に進む。
【0056】下降方向噛み込み処理によっても廃棄物が破砕機16に届いておらず、しかもロールフィーダ開度が処理されるべき廃棄物の大きさと比較して十分に小さくなっていない場合には(S40)、ロールフィーダ開度をさらに狭めた上で噛み込み処理(S37)を繰り返す。しかし、ロールフィーダ開度が意味のない程小さくなっているときは(S40)、廃棄物がうまく噛み込まれていない可能性があるので、繰り返し回数Nc2をカウントして(S41)、例えば3回など設定した回数を超えていない場合は(S42)もう一度上昇方向の噛み込み処理(S33)操作を繰り返してみる。
【0057】予定上限回数まで上昇方向噛み込み処理と下降方向噛み込み処理を繰り返しても廃棄物が破砕機16まで到達しない場合は、フィーダ詰まりが発生して廃棄物の送りがうまくいっていない可能性があるので、フィーダ詰まり処理制御(S45)を行って詰まりを解消する必要がある。フィーダ詰まり処理はロールフィーダを逆回転させて噛み込んだ廃棄物をフィーダ前に戻す処理である。フィーダ詰まり処理制御(S45)を行った結果、フィーダの前に大型廃棄物が存在することを工業用テレビカメラ34の画像から確認できた場合は(S46)、再度上昇方向噛み込み制御(S33)に戻りそれ以降の大型廃棄物処理を繰り返して行う。
【0058】投入シュート12に大型廃棄物が存在しない場合は(S46)、噛み込み処理を終了する。この場合はさらに破砕処理を行う必要がないので、破砕処理工程(S7)を飛ばして終了処理(S12)に進む。なお噛み込み処理において、フィーダ詰まり制御(S45)を実施するたびに実施回数Nc1を歩進させておき(S43)、実施回数が所定の回数に達したときは(S44)それ以上繰り返しても効果が薄いので、破砕処理起動フラグを立てて(S47)次の破砕処理工程(S7)に進む。
【0059】破砕処理(S7)は、破砕機16で大型廃棄物21を破砕処理させる工程で、破砕音が小さくなり、破砕機負荷電流が減少し、超音波センサが大きな廃棄物を検出しなくなって、大型廃棄物の破砕処理が終了したと判断できるようになるまで継続する。破砕処理工程が終了すると、大型廃棄物処理は終了して再び自動運転モードにあることを確認して(S2)同じ制御ルーチンを繰り返す。なお、破砕処理(S7)に移行して破砕機16が大型廃棄物21を破砕していると判断されたときは、送り制御を実施する。
【0060】送り制御は、ロールフィーダ13の下降方向噛み込み制御を所定の開度になるまで行った後、再度ロールフィーダを開けて最後に閉めて廃棄物の残滓がないようにする制御である。送り制御を行った後にさらに破砕音が大きかったり、破砕機負荷電流が大きかったり、超音波センサが大きな廃棄物を検出する場合は、大型廃棄物の破砕処理が終了したと判断できるようになるまで破砕機への廃棄物供給工程を継続して実施する。ただし、継続時間が所定の設定時間を超えたときにはロールフィーダに詰まりが生じている可能性があるので、フィーダ詰まり制御を実施してから再度通常の破砕処理を行う。なお、フィーダ詰まり制御が所定の回数を超えたときには、自動的に大型廃棄物処理モードから抜け出て、処理を進行させるようにする。
【0061】図13は、フィーダ詰まり処理制御の入出力関係図、図14はフィーダ詰まり処理(S45)のシーケンス制御を表したフローチャートである。フィーダ詰まり処理制御は噛み込み処理工程と破砕処理工程においてフィーダに詰まりがあると判断されたときに呼び出して実行するもので、破砕機負荷電流、ロールフィーダ開度、ロールフィーダ回転数、フィーダ前における廃棄物の高さ、破砕音を入力とし、ロールフィーダの開度と回転数を調整し、ロールフィーダの正逆転・発停を指示する操作信号を出力する。大型廃棄物破砕制御時に一連の操作を行ったにもかかわらず破砕機16が廃棄物の破砕処理を行わない場合は、ロールフィーダ13に詰まりが発生した可能性がある。破砕機16の稼働状態は破砕機負荷電流と破砕音とから推定することができる。
【0062】ロールフィーダ13の詰まりを検出したときは、まずフィーダ詰まり処理工程を始める時点で超音波センサ35で測定した廃棄物の高さが所定値より大きいか否かを分類してから(S51)、ロールフィーダ13を逆転する(S52)。逆転処理はロールフィーダ13を一旦停止させて停止を確認してから逆方向回転を行わせる。逆転運転状態で下降方向噛み込み制御を行う(S53)。噛み込み制御は先に説明した噛み込み処理工程におけるものと同じもので、フィーダ開度を狭めて運転した後で今度は緩めて運転する。
【0063】これで詰まりが解消すれば破砕音あるいは破砕機電流から知れるので(S54)、破砕処理ルーチンに戻す準備をする(S55)。詰まりが解消しない場合でも、初めは低かった(flag=1)廃棄物の高さが所定値より高くなったというときは(S56)詰まりが解消しているのでロールフィーダ13を一旦停止させた後に正方向に回転させて元の処理工程に戻す(S63)。このようなケースに当てはまらない場合でロールフィーダの開度が下限値に達したときは(S57)今度は上昇方向の噛み込み制御を行う(S58)。開度が下限値に達していないときは(S57)、さらにロールフィーダ開度を小さく設定して噛み込み制御(S53)以下の工程を繰り返す。
【0064】上昇方向噛み込み制御は、噛み込み処理工程におけるものと同じものである。上昇方向噛み込み制御により詰まりが解消すれば(S59)、破砕処理ルーチンに戻す準備をし(S60)、詰まりが解消しない場合で低かった廃棄物の高さが所定値より高くなったときは(S61)、ロールフィーダ13を正方向に回転させて元の処理工程に戻す(S63)。
【0065】廃棄物高さについての条件に当てはまらない場合でロールフィーダの開度が上限値に達していないときは(S62)、さらにロールフィーダ開度を大きく設定して上昇方向噛み込み制御(S58)以下の工程を繰り返す。開度が上限値に達したときは(S62)それ以上の処理は無駄なのでロールフィーダ13の正転処理をして(S63)元の処理工程に戻す。なお、フィーダ詰まり制御に時間制限をおいて詰まりが解消できなくても制限時間を超えたら詰まり処理を終了して次の破砕処理工程(S7)を実行するようにしても良い。
【0066】図15は、一般廃棄物処理設備に本実施例の制御装置を適用して自動運転の実験を行ったときのタイムチャートで、中小型廃棄物と大型廃棄物が混在した状態で廃棄物処理をしたときの大型廃棄物処理における各要素装置の運転状態を表す。この線図から自動制御の制御成績を推定することができる。図15のチャートを見ると、大型廃棄物が検出され投入が確認されると、コンベヤが停止しフィーダ開度が変化して大型廃棄物を細化し破砕機に送って破砕する。破砕電流は過剰に大きくなることはなく破砕機はトリップしないで正常運転を継続する。このように、一定の処理手順に従って破砕処理が進み、破砕処理時間は2分前後と熟練オペレータとほぼ同等の結果が得られている。なお、廃棄物破砕処理装置は、上記説明した定常的な制御に加えて、様々なインターロック回路を備えて安全性を確保していることはいうまでもない。
【0067】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の廃棄物破砕処理装置における制御装置は、容量が比較的小さい破砕機を使用した設備であっても、廃棄物の大きさを検出して判定し適切な制御方式を自動的に選択して切り替えそれぞれの廃棄物に適した処理をして破砕機に供給するので、破砕機の運転を停止させることなく熟練オペレータが操業するのと同等のあるいはそれ以上の制御成績を挙げることができる。したがって、従来のように有能な人材を集め長期間かけて熟練オペレータに養成する必要がなく、極く少人数で容易に効率よく廃棄物処理設備の操業をすることができる。
【出願人】 【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
【出願日】 平成11年7月5日(1999.7.5)
【代理人】 【識別番号】100104341
【弁理士】
【氏名又は名称】関 正治
【公開番号】 特開2001−17882(P2001−17882A)
【公開日】 平成13年1月23日(2001.1.23)
【出願番号】 特願平11−189934