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【発明の名称】 ラネータイプの固定床触媒、その製法及び有機化合物を反応させるためのその使用
【発明者】 【氏名】ダニエル オストガルト

【氏名】アンドレアス フロイント

【氏名】クラウス レーレン

【氏名】モニカ ベルヴァイラー

【氏名】ギュンター シュテファーニ

【要約】 【課題】ラネータイプの固定床触媒【解決手段】 るつぼ溶融抽出法により金属合金繊維及び/又は金属合金フロックを製造し、次いでタブレット化するか、マットにプレスするか、かつ/又はカートリッジに充填する。

【解決手段】るつぼ溶融抽出法により金属合金繊維及び/又は金属合金フロックを製造し、次いでタブレット化するか、マットにプレスするか、かつ/又はカートリッジに充填する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ラネータイプの固定床触媒において、予めるつぼ金属抽出法により製造され、次いでタブレット化されるか、マットにプレスされるか、かつ/又はカートリッジ中に充填された金属合金繊維及び/又は金属合金フロックから製造されていることを特徴とする、ラネータイプの固定床触媒。
【請求項2】 るつぼ溶融抽出法により金属合金繊維及び/又は金属合金フロックを製造し、次いでタブレット化するか、マットにプレスするか、かつ/又はカートリッジに充填することを特徴とする、請求項1に記載のラネータイプの固定床触媒の製法。
【請求項3】 ラネータイプの固定床触媒を活性化する、請求項2に記載の製法。
【請求項4】 ラネータイプの固定床触媒を20質量%までの量の元素周期系のIIIB〜VIIB及びVIII族及びIB族の遷移元素で、かつ希土類金属でドーピングする、請求項2に記載の製法。
【請求項5】 ラネータイプのドーピングされた固定床触媒を活性化する、請求項4に記載の製法。
【請求項6】 有機化合物の水素化、脱水素化、異性化、還元アルキル化、還元アミン化及び/又は水和化のための、請求項1に記載のラネータイプの固定床触媒の使用。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラネータイプの固定床触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】活性化された金属触媒は化学技術の分野ではラネー触媒として公知である。これらは広範囲に粉末の形で、数多くの有機化合物の反応、例えば水素化、脱水素化、異性化、還元アルキル化、還元アミン化及び水和化のために使用される。これらの粉末形の触媒は、ここでは触媒金属とも記載する触媒活性金属とアルカリ中に可溶性の更なる合金成分との合金から製造される。触媒金属としては主にニッケル、コバルト、銅又は鉄を使用する。通常はアルミニウムをアルカリに可溶性な合金成分として使用するが、他の成分、殊には亜鉛及びケイ素又はこれらとアルミニウムとの混合物を使用することもできる。
【0003】これらのいわゆるラネー合金は通常、インゴット鋳造法により製造される。この方法では、触媒金属及び例えばアルミニウムの混合物を先ず溶融し、かつインゴットに鋳造する。製造基準での典型的な合金バッチはインゴット1つあたり約10〜100kgである。DE2159736では2時間までの冷却時間が含まれる。これは約0.2/秒の平均冷却速度に相応する。これとは逆に、迅速な冷却を適用する方法(例えば噴霧法)では、102〜106K/秒の速度に達する。冷却速度は殊には、粒度及び冷却媒体の影響を受けうる(Materialwissenschaft und -technologie(Herausg. R. W. Chan, P.Haasen, E.J.Kramer, Bd.15, Verarbeitung von Metallen und Legierungen, 1991, VCH-Verlag Weinheim, p.57-110)。この種の方法は、粉末形のラネー合金を製造するためにEP0437788B1で使用されている。この方法では、溶融された合金をその融点を上回る50〜500℃の温度で噴霧し、かつ水及び/又はガスの使用下に冷却する。
【0004】触媒を製造するために、その製造の間に所望の粉末形で生じなかったラネー合金を先ず微細に粉砕する。次いでアルミニウムを完全に又は部分的に、アルカリ、例えば苛性ソーダ溶液を用いての抽出により除去する。ここで、合金粉末が活性化される。アルミニウムの抽出の後に、合金粉末は20〜100m2/gの高い比表面積(BET値)を有し、かつ活性水素リッチである。活性化された触媒粉末は発火性であり、かつ水又は有機溶剤下に貯蔵されるか、又は室温で固体の有機化合物中に封入される。
【0005】断続的な方法でのみ使用することができ、かつ触媒反応の後に反応媒体から経費のかかる沈殿及び/又は濾過により分離除去しなければならないという欠点を、粉末化された触媒は有する。その結果、アルミニウムの抽出の後に活性化された金属固定床触媒をもたらす、成形体を製造するための様々な方法が開示された。相応して例えば、粗大粒子形のラネー合金、即ち粗大にしか粉砕されなかったラネー合金が得られ、かつこれは苛性ソーダ溶液を用いての処理により活性化することができる。抽出及び活性化は次いで、抽出の間に適用される条件によりその厚さを調節することができる表面層でのみ進行する。
【0006】従来技術のこの方法により製造された触媒の本質的な欠点は、活性化された外側層の低い機械的安定性である。触媒のこの外側層だけが触媒的に活性であるので、剥離は迅速な失活化をもたらし、かつ苛性ソーダ溶液の使用下で合金のより深い層を改めて活性化することはよくて、部分的な再活性をもたらす。
【0007】特許出願EP0648534B1は成形された活性化ラネー金属固定床触媒及びその製造を記載している。この場合、前記の欠点、例えば外側層の活性化に由来する劣悪な機械的安定性が回避されるということである。この触媒を製造するために、触媒合金及び結合剤の粉末混合物を使用し、その際、触媒合金はそれぞれ少なくとも触媒活性な触媒金属及び抽出可能な合金成分を含有する。抽出可能な成分を含有しない純粋な触媒金属又はその混合物が結合剤として使用される。触媒合金に対して0.5〜20質量%の量での結合剤の使用は、活性化の後に十分な機械的安定性を得るために重要である。慣用の成形助剤及び空孔形成剤を用いての触媒合金及び結合剤の成形の後に、得られた新たに製造された成形体を850℃未満の温度でか焼する。微細に粉砕された結合剤中でのか焼工程の結果として、これは触媒合金の個々の顆粒間に固い結合をもたらす。これらの化合物は触媒合金とは逆に、抽出できないか、又は僅かな規模でしか抽出されないので、機械的に安定な構造は活性化の後にも保持される。しかしながら、添加される結合剤は、それが本質的に触媒不活性であり、従って活性層中の活性中心の数が低減されるという欠点を有する。加えて、結合剤の絶対的にメインの使用は、成形体の強度を損なうことなしには、空孔形成剤を限られた量範囲でしか使用することができないということを意味する。この理由から、強度損失が生じることなしに、この触媒のタッピング密度は1リットル当たり1.9kg未満の値に低減されうる。このことは、この触媒を工業的方法で使用する場合にかなりの経済的不利をもたらす。殊に高価な触媒合金、例えばコバルト合金を使用する場合には、高いタッピング密度は反応器床当たりの高い投資をもたらす。しかしながら、このことは、この触媒の高い活性及び長期安定性により部分的に補償される。特定の場合には、触媒の高いタッピング密度は、機械的に補強された反応器設計を必要とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は、公知の固定床触媒の欠点が十分に回避される、金属繊維及びフロックからなる活性化ベース金属を有する触媒の提供である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、予めるつぼ金属抽出法により製造され、次いでタブレット化されるか、マットにプレスされるか、かつ/又はカートリッジに充填された金属合金繊維及び/又は−フロックから製造されていることを特徴とするラネータイプの固定床触媒である。
【0010】本発明のもう1つの目的は、金属合金繊維及び/又は−フロックをるつぼ溶融抽出法により製造し、かつその後、タブレット化するか、マットにプレスするか、かつ/又はカートリッジ中に充填することを特徴とするラネータイプの固定床触媒の製法である。
【0011】本発明の有利な1実施態では、ラネータイプの固定床触媒を活性することができる。
【0012】所望の金属及び/又は合金からなる繊維又はフロックをるつぼ溶融抽出法から製造し、かつ触媒を製造するためにそれぞれ必要な活性化法を実施することにより、本発明の前記のもう1つの目的は達成される。この本発明の主な利点は、繊維及びフロックは迅速に冷却するので、所望の小さい相範囲がこのラネー合金に生じることであり、かつこの材料は反応混合物からなる粉末とは逆に容易に分離除去することができる。その触媒反応を生じさせるために、これはカートリッジ装置に充填するか、又は固定床触媒として容易に使用可能なマット、タブレット又は他の慣用的に使用される形にプレスすることができる。
【0013】有利な1実施形では、本発明により製造される繊維及びフロックをDE19711764A1によりるつぼ溶融抽出法により製造する。この方法では、溶融合金を有する長方形るつぼを、その表面に特殊に形成されたノッチを有する水冷銅製回転ホイールの下に置く。次いでこのるつぼを徐々に持ち上げ、回転ホイールと僅かに接触させる。こうして、ホイールが溶融合金をすくい取り、他方で溶融材料はホイールのノッチを備えた表面に集まって硬化し、その後、迅速に捕集領域で離れる。この結果、制御可能な形を有する迅速冷却された材料が得られる。回転ホイールのノッチのデザインにより最終材料はフロック又は一定の長さ及び一定の直径の繊維である。
【0014】ラネー触媒合金を典型的には触媒金属及びアルミニウムの溶融物から得る。そのことを考慮せずに、どのように、かつどのような速度で溶融材料を冷却するかに依存して、同一の顕微鏡的組成から異なる相構造を得ることができる。通常、遅い冷却速度によりインゴットの鋳造では大きな相領域を有する粗大な相構造が生じる。しかし、より迅速な冷却法を適用すると、かなり微細な構造が生じる。必要な冷却速度は、当業者であれば適当な実験により決定することができる。必要な冷却速度に関するガイドラインとして、700℃未満の融点で2分未満の冷却時間を挙げることができる。これは、5K/秒の冷却速度に相応する。
【0015】得られた固定床触媒のタッピング密度は高活性触媒にも重要である。これは2.0kg/リットル未満でなければならない。タッピング密度が2.0kg/リットルを上回る場合には、触媒は圧縮されすぎていて、従って活性がより低い。触媒合金中での触媒金属と抽出可能な合金成分との質量比は、ラネー合金では通常、20:80〜80:20の範囲である。本発明の触媒は、触媒特性に作用を及ぼす他の金属でドーピングされていてもよい。この種のドーピングの目的は、例えば特異的反応に関する選択率の改善である。ドーピング金属はしばしば、助触媒とも称される。助触媒を有するラネー触媒のドーピング又は処理は例えばUS特許4153578に、かつDE−AS2101856に、DE−OS2100373に、かつDE−AS2053799に記載されている。
【0016】原則的に、抽出可能な元素、例えばアルミニウム、亜鉛及びケイ素を有するそれぞれ公知の金属合金を本発明のために使用することができる。好適な助触媒は元素周期系のIIIB〜VIIB及びBIII族並びにIB族の遷移元素及び更に希土類金属である。これは、触媒の全質量に対して20質量%までの量で使用される。有利には、助触媒としてクロム、マンガン、鉄、コバルト、バナジウム、タンタル、チタン、タングステン及び/又はモリブデン並びに白金族の金属を使用する。これらを有利には合金形成成分として触媒合金に添加する。付加的に、助触媒を様々な抽出可能な金属合金と共に分離可能な金属粉末の形で使用するか、又は助触媒を後で、触媒材料に添加することができる。助触媒の更に後での使用は、か焼の後、又は活性化の後に実施することができる。従って特別な触媒作用で触媒特性を最適に調節することが可能である。
【0017】ラネータイプの本発明で製造された触媒をカートリッジ中に充填して、苛性ソーダ溶液で活性化するか、又はこれをタブレット及びマットのような形にプレスする。成形された材料を選択的に、結合剤、例えばニッケル粉末と共に製造して、空気中でか焼し、かつ苛性ソーダ溶液で活性化する。この目的のために、例えば80℃に加熱された苛性ソーダの20%濃度溶液を使用することができる。
【0018】か焼から生じるラネータイプ触媒の前駆体は、本発明の固有経済性に関しても非常に重要である。これは発火性ではなく、かつ容易に取り扱い、かつ輸送することができる。活性化は使用者によってその使用直前に実施することができる。水又は有機溶剤下での貯蔵、又は有機化合物中への封入はこの触媒前駆体には必要ない。
【0019】本発明によるラネータイプでの固定床触媒は有機化合物の水素化、脱水素化、異性化、還元アルキル化、還元アミン化及び/又は水和化のために使用することができる。
【0020】
【実施例】比較例1易流動性ペレット化可能な触媒混合物をEP0648534A1中の処方に従い比較触媒のために製造した;これはNi53%及びAl47%からなる合金粉末1000g、精製ニッケル粉末(Ni?99%及びd50=21μm)150g及びエチレンビスステアロイルアミド25gからなり、その間、水約150gを添加する。この混合物から、直径4mm及び厚さ4mmを有するタブレットをプレスした。この成形体を700℃で2時間か焼した。タブレットをか焼の後に、苛性ソーダの20%溶液中、80℃で2時間、活性化した。
【0021】比較例2EP0648534A1中の処方で、Ni53%及びAl47%からなる合金粉末1000g、精製ニッケル粉末(Ni?99%及びd50=21μm)150g並びにエチレンビスステアロイルアミド25gからなる比較触媒のために、易流動性ペレット化可能な触媒混合物を製造したが、その際、水約150gを添加した。この混合物から、直径10mm及び厚さ6mmを有するタブレットをプレスした。成形体を700℃で2時間か焼した。か焼の後に、タブレットを苛性ソーダの20%溶液中、80℃で2時間活性化した。
【0022】例1繊維(Ni50%:Al50%、長さ5mm、直径100μm)20g及び繊維(87%:Al13%、長さ5mm、直径30〜50μm)1gを用いて混合物を製造した。この混合物から直径10mm及び厚さ6mmを有するタブレットをプレスする。この成形体を700℃で2時間、か焼した。このタブレットをか焼の1.5時間後に、苛性ソーダの20%溶液中で活性化した。
【0023】例2繊維(Ni50%:Al50%、長さ5mm、直径100μm)20g及びニッケル粉末(d50=21μm)2.8gを用いて混合物を製造した。この混合物から、直径10mm及び厚さ6mmのタブレットをプレスした。成形体を700℃で2時間か焼した。か焼の後に、タブレットを苛性ソーダの20%溶液中で1.5時間活性化した。
【0024】例3繊維(Ni50%:Al50%、長さ5mm及び直径100μm)35g及びニッケル粉末(d50=21μm)0.89gを用いて混合物を製造した。この混合物から直径4mm及び厚さ4mmのタブレットをプレスした。成形体を700℃で2時間か焼した。か焼の後に、タブレットを苛性ソーダの20%溶液中、80℃で1.5時間活性化した。
【0025】例4繊維(Ni50%:Al50%、長さ5mm及び直径100μm)35g及び亜鉛粉末(d50=60μm)0.89gで混合物を製造した。この混合物から直径4mm及び厚さ4mmのタブレットをプレスした。成形体を700℃で2時間、か焼した。か焼の後に、錠剤を苛性ソーダの20%溶液中、80℃で1.5時間、活性化した。
【0026】例5テフロン(登録商標)バスケットを繊維(Ni50%:Al50%、長さ5mm及び直径100μm)7gで充填し、かつ苛性ソーダの20%溶液中、80℃で1.5時間活性化した。
【0027】使用例1比較例1及び2から、かつ例1から5からの触媒の触媒効果を、ニトロベンゼンの水素化の間に相互に比較した。この目的のためにニトロベンゼン100g及びエタノール100gを、ガス撹拌機を備えた容量0.5リットルの攪拌オートクレーブに充填した。実験しようとする触媒10gを毎回、触媒バスケットの使用下に攪拌オートクレーブ中に懸濁させて、触媒材料を、反応成分及び溶剤からなる混合物で慎重に洗い、かつ水素を導入した。水素化を、水素圧40バール及び温度150℃で実施した。開始時の温度及び水素消費の速度は一定にした。結果を第1表に記載した。検査のために、1、2、3、4及び5時間後に試料を取り出し、かつガスクロマトグラフィーにより分析した。
【0028】
【表1】

【出願人】 【識別番号】599020003
【氏名又は名称】デグサ−ヒュルス アクチェンゲゼルシャフト
【出願日】 平成12年7月4日(2000.7.4)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外4名)
【公開番号】 特開2001−54736(P2001−54736A)
【公開日】 平成13年2月27日(2001.2.27)
【出願番号】 特願2000−202548(P2000−202548)