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【発明の名称】 抗かゆみ皮膚外用剤
【発明者】 【氏名】早瀬 基

【要約】 【課題】冬期の乾燥部位にみられるかゆみ改善効果、使用感及び保存安定性に優れた抗かゆみ皮膚外用剤を提供する。

【解決手段】高級脂肪酸、トリグリセリド、炭化水素から選ばれる2種以上の油剤と、常温で固体又はペースト状の高級アルコール、エステルから選ばれる2種以上の油剤とレシチンとを含有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高級脂肪酸、トリグリセリド、炭化水素から選ばれる2種以上と、高級アルコール、エステルから選ばれる2種以上の常温で固体又はペースト状の油剤と、レシチンとを含有することを特徴とする抗かゆみ皮膚外用剤。
【請求項2】 高級脂肪酸、トリグリセリド、炭化水素から選ばれる2種以上がいずれも常温で液状であることを特徴とする請求項1に記載の抗かゆみ皮膚外用剤。
【請求項3】 高級脂肪酸、トリグリセリド、炭化水素から選ばれる2種以上が分子内に分岐鎖を持ち、いずれも常温で液状であることを特徴とする請求項2に記載の抗かゆみ皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗かゆみ皮膚外用剤に関する。更に詳しくは、冬期の乾燥部位にみられるかゆみ改善効果、使用感及び保存安定性に優れた抗かゆみ皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】健常人であっても冬期には脚部や背部などにかゆみを感じる場合が多いこれらのかゆみに対しては病態のかゆみに対する抗ヒスタミン剤などは有効でないことが知られているこれに対応すべく、例えば尿素を配合した皮膚外用剤等が一般に多く用いられているが、尿素は乳化物中で安定性が低く、変臭、変色を起こし易く、製剤化が困難であるとともに製剤が限定されるため使用感が悪い。このように、かゆみ改善効果、使用感及び保存安定性に優れた抗かゆみ皮膚外用剤は開発されていないのが実状である。
【0003】
【課題を解決するための手段】このような背景にあって本発明者はこのような課題を解決すべく鋭意検討した結果、後記の皮膚外用剤が上記の目的を達成することを見出した。すなわち、本発明の請求項1は、高級脂肪酸、トリグリセリド、炭化水素から選ばれる2種以上と、高級アルコール、エステルから選ばれる2種以上の常温で固体又はペースト状の油剤と、レシチンとを含有することを特徴とする抗かゆみ皮膚外用剤である。また、本発明の請求項2は、高級脂肪酸、トリグリセリド、炭化水素から選ばれる2種以上がいずれも常温で液状であることを特徴とする請求項1に記載の抗かゆみ皮膚外用剤である。さらに、本発明の請求項3は、高級脂肪酸、トリグリセリド、炭化水素から選ばれる2種以上が分子内に分岐鎖を持ち、いずれも常温で液状であることを特徴とする請求項2に記載の抗かゆみ皮膚外用剤である。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明の抗かゆみ皮膚外用剤の実施の形態について詳説する。本発明の抗かゆみ皮膚外用剤(以下、単に皮膚外用剤と称する)には高級脂肪酸、トリグリセリド、炭化水素の中から2種以上を選択して含有させる。1種のみでは保存安定性などにおいて十分な効果が得られない。本発明の高級脂肪酸としては、例えばステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソ型長鎖脂肪酸、アンテイソ型長鎖脂肪酸などが挙げられ、好ましくはオレイン酸、イソステアリン酸のように常温(25℃)で液状の化合物が挙げられ、さらに好ましくはイソステアリン酸のように分子内に分岐構造を持ち不飽和結合のない化合物が挙げられる。本発明のトリグリセリドとしては、例えばトリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル・カプリンミリスチン・ステアリン酸)グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソ型長鎖脂肪酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリルなどが挙げられ、好ましくはトリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリルのように常温で液状の物が挙げられ、さらに好ましくは2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリルのように分子内に分岐構造を持ち不飽和結合の少ない化合物が挙げられる。本発明の炭化水素としては、例えば流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オレフィンオリゴマー、スクワラン、ジオクチルヘキサン、オリーブスクワラン、米スクワランなどが挙げられ、好ましくは流動パラフィン、オレフィンオリゴマー、スクワラン、ジオクチルヘキサン、オリーブスクワラン、米スクワランのように常温で液状の化合物が挙げられ、さらに好ましくはオレフィンオリゴマー、スクワラン、ジオクチルヘキサン、オリーブスクワラン、米スクワランのように分子内に分岐構造を持ち不飽和結合の少ない化合物が挙げられる。高級脂肪酸、トリグリセリド、炭化水素の配合量は、皮膚外用剤(組成物)の総量を基準としていずれも0.01〜40質量%(以下、単に%と略記する)が好ましい。
【0005】本発明の皮膚外用剤には次の高級アルコール、エステルの中から2種以上を選択して用いる事が出来る。1種のみの使用では保存安定性などにおいて十分な効果を発現する事が出来ない。本発明の皮膚外用剤に用いられる高級アルコールとしては常温で固体又はペースト状の化合物を用いる事が出来、例えばセチルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、バチルアルコール、長鎖分岐脂肪族アルコール、あるいはコレステロール、フィトステロール等のステロール類などが挙げられる。本発明に用いられるエステルとしては常温で固体又はペースト状の化合物を用いる事が出来、例えばパルミチン酸セチル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、乳酸ミリスチル、ステアリン酸コレステリル、分岐脂肪酸コレステリル(例えば、イソステアリン酸コレステリル)、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、マカデミアナッツ脂肪酸コレステリル、イソステアリン酸硬化ひまし油等を挙げる事が出来る。高級アルコール、エステルの配合量は、皮膚外用剤(組成物)の総量を基準としていずれも0.01〜30%が好ましい。
【0006】本発明の皮膚外用剤に用いられるレシチンは公知の物質であり大豆、卵黄等由来のレシチンや水素添加レシチンを用いる事が出来、例えばコートソームNC−21(日光ケミカルズ社製)、ホスホフォリポン90H(日本精化社製)、YOK95(YMC社製)等を用いる事が出来るリン脂質の皮膚外用剤への配合量は0.003〜10%とするのが好ましい。
【0007】本発明の皮膚外用剤の使用形態としては、例えば軟膏、クリーム、ローション、乳液、パック、ジェルなどが挙げられ、医薬品医薬部外品化粧品などに適用出来る。
【0008】本発明の皮膚外用剤には上記の他にタール系色素、酸化鉄などの着色顔料、パラベン、フェノキシエタノールなどの防腐剤、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルセチルポリシロキサン、環状シリコン等のシリコン油、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸イソステアリル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸ノニル、イソノナン酸セトステアリル、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、テトラ−2−イソステアリン酸ペンタエリスリット、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、オリーブオレイン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、パルミチン酸イソプロピル、ダイマー酸ジイソプロピル、ダイマー酸ジイソステアリル、炭酸ジアルキル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、(2−ヘキシルデカン酸・セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、(アジピン酸・2−エチルヘキサン酸・ステアリン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、カプリル・カプリン酸ヤシ油アルキルのエステル油、ジオクチルエーテル等のエーテル油、エタノール等の低級アルコール類、硬化油等の加工油類、リモネン、水素添加ビサボロール等のテルペン類、セチル硫酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、変性シリコン、蔗糖エステルなどの非イオン界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩などの陽イオン界面活性剤、スルホベタイン型、スルホアミノ酸型などの両性界面活性剤、セラミド2、セラミド3、リゾリン脂質、セレブロシドなどの天然系界面活性剤、酸化チタン、酸化亜鉛などの顔料、ジブチルヒドロキシトルエンなどの抗酸化剤、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム等の無機塩類、クエン酸ナトリウム、酢酸カリウム、琥珀酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等の有機酸塩類、塩酸エタノールアミン、硝酸アンモニウム、塩酸アルギニン等の塩類、エデト酸等のキレート剤、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、ペクチン、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、寒天等の増粘剤、水酸化カリウム、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の中和剤、ヒアルロン酸、コラーゲン等の生体高分子、乳酸菌、酵母、クリタケなどの培養生成物、カミツレ、マツ、オウバク、オウレン、アロエ、モモ、カロット、スギナ、クワ、桃の葉、セージ、ビワ葉、キュウカンバー、セイヨウキズタ、ハイビスカス、ウコン、ローズマリー、ピーカンナッツ、スギナエキス、海藻、甘草、火棘、椿種子、茶の実等の植物エキス、胎盤抽出物、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルフォン酸塩等の紫外線吸収剤、ジプロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルビトール、ジグリセリン、ラフィノース、ヘキシレングリコールなどの多価アルコール等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0009】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。尚、実施例に記載の配合量の単位は質量%である。保存安定性試験、保湿性試験、官能試験(かゆみ抑制試験、及び使用感試験)は次の通りである。
【0010】保存安定性試験:後記の実施例、比較例の各試料の60℃及び−20℃で1ヶ月間放置後の外観、臭いを観察し異常が認められる場合(変色変臭固形分の析出等を生じた場合)×で表し異常が認められない場合を○で表した【0011】官能試験:成人男性10名の片方の脚部に実施例、比較例の試料を10日間塗布し、武塗布部と比較してかゆみ、粉ふき、かさつきの軽減を感じた人数、使用後の満足度を感じた人数にて示した。
【0012】実施例1〜2、比較例1〜6表1、2に記載の組成にてクリームを調製し、これを試料として前記の諸実験を実施した。尚、調製法は、次の通りである。成分A及びBを80℃にて均一に溶解した後、混合攪拌分散し、室温まで冷却し、次いで容器に充填する。
【0013】
【表1】

【0014】
【表2】

【0015】各試料の試験結果を表3に示す。尚、表3中で−は試験を実施しなかった意味である。
【0016】
【表3】

【0017】表3に示す如く、本発明の実施例の試料は高級脂肪酸、トリグリセリド、炭化水素から選ばれる油剤を1種以下しか含まない比較例1、2、常温で固体又はペースト状の高級アルコール、エステルから選ばれる油剤を1種以下しか含まない比較例3、4、水素添加レシチンを含まない比較例5及び尿素を20%含む比較例6の試料に比べて優れている。
【0018】
【発明の効果】以上記載のごとく、本発明がかゆみ抑制効果、保存安定性、使用感に優れた抗かゆみ皮膚外用剤を提供することは明らかである。
【出願人】 【識別番号】000000952
【氏名又は名称】カネボウ株式会社
【出願日】 平成12年6月13日(2000.6.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−354552(P2001−354552A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2000−176399(P2000−176399)