| 【発明の名称】 |
スクラルファート懸濁液製剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】村瀬 千恵
【氏名】西山 要
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| 【要約】 |
【課題】懸濁液中に安定的に分散されており、沈降しにくく、或いは沈降しても振とうすることにより速やかに再分散し、かつ、服用時に口腔内でざらついたり、粘膜に付着したりすることもなく、容易に服用することができる、外観上、好ましい白色のスクラルファート懸濁液製剤を提供する。
【解決手段】スクラルファート、水溶性カルボキシビニルポリマー、およびポリリン酸塩および/またはリン酸またはその塩の少なくとも一種を含有したスクラルファート懸濁液製剤であって、前記水溶性カルボキシビニルポリマーの配合量が、製剤全量の0.1〜2w/v%であり、前記ポリリン酸塩および/またはリン酸またはその塩の配合量が、製剤全量の0.5〜1w/v%であるスクラルファート懸濁液剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スクラルファート、水溶性カルボキシビニルポリマー、およびポリリン酸塩および/またはリン酸またはその塩の少なくとも一種を含有したスクラルファート懸濁液製剤。 【請求項2】 水溶性カルボキシビニルポリマーの配合量が、製剤全量の0.1〜2w/v%である請求項1記載のスクラルファート懸濁液製剤。 【請求項3】 ポリリン酸塩および/またはリン酸またはその塩の少なくとも一種の配合量が、製剤全量の0.5〜1w/v%である請求項1または請求項2記載のスクラルファート懸濁液製剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はスクラルファートを有効成分として含有する懸濁液製剤に関する。 【0002】 【従来の技術】スクラルファート(ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩)は局方収載の消化性潰瘍用薬であって、酸中和力をほとんど有さないが、潰瘍底の白苔(ベラーグ)中に含まれている血液由来の各種蛋白成分と選択的に結合し、潰瘍付着性複合体を形成し、この潰瘍付着性複合体の保護層が、酸、ペプシン及び胆汁塩による攻撃から潰瘍形成部分を保護することによって抗潰瘍活性を示すものと考えられる薬剤である。この潰瘍付着性複合体は酸性環境下、例えば胃内で粘着性の高いゲル状となり強固な保護層を形成する。 【0003】従来、スクラルファートを含有する製剤は、錠剤、顆粒剤、散剤のような固形剤として患者に投与されてきた。しかし、錠剤や顆粒剤のような固形剤では崩壊するのに時間を要し、薬効発現までに一定時間が必要となる。これに対し、懸濁液のような液体製剤は、スクラルファートが迅速に消化器官の粘膜を被覆することができ有利な剤形であるといえる。 【0004】懸濁液剤として、従来の錠剤、顆粒剤などを水に懸濁して患者に投与することも可能ではある。しかし、この場合、スクラルファートがすぐに沈降するため、服用の際に容器に残留し、一定量を服用することが困難であったり、また分散性が充分でないために懸濁粒子が大きく、服用した際に、口腔内でざらついたり、口腔粘膜に付着して不快感を与えるなどの問題を生ずる。したがって、錠剤、顆粒剤などを単に水に懸濁して使用するのは実用的ではない。 【0005】スクラルファートを含有する懸濁液製剤を製造する試みは、従来から行われているが、上述のような問題を生じ、いずれも満足する懸濁液製剤は得られていない。この主要な要因は長期にわたり安定を保つ懸濁液が慣用の助剤では得ることができなかったことにある。すなわち、懸濁製剤を調製するためには、一般に、分散剤として増粘物質が配合されるが、スクラルファートは水性媒質中でAl3+イオンを放出し、増粘物質との間に相互作用を生じるために粘度の大幅な減少あるいは増加を招き、増粘剤の沈殿を生ずる。その結果、懸濁液剤中のスクラルファートが急速に沈殿して、粘着性の塊状の沈殿を形成し、使用時に容器を振り混ぜてもスクラルファートが分散せず、服用が困難であった。 【0006】最近、天然ガム類を配合し、懸濁性を向上させたスクラルファートの懸濁液が開発されてきている。例えば、特公平5−35130号公報では、スクラルファートに1〜5重量%のキサンタンガムおよび1〜12.5重量%の解膠剤を含有する懸濁液が開示され、特開平5−238938号公報では、天然ガム類、解膠剤及び薬理活性物質としてスクラルファートを含有するスクラルファート懸濁液が開示されている。また、特開平11−116485号公報では、水溶性セルロース誘導体とリン酸および有機酸、およびこれに更に酸化チタンを配合したスクラルファート懸濁液製剤が開示されている。 【0007】しかしながら、これらの懸濁液剤は助剤となるキサンタンガム又は天然ガム類が淡褐色を有しているため、助剤に由来する微黄白色の懸濁液となり、外観上好ましくない。また、水溶性セルロース誘導体も微黄白色を有するものがほとんどで、それを外観上調えるために酸化チタンが配合されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような実状に鑑みなされたものであり、スクラルファートが安定に分散され、沈降しにくく、或いは沈降しても振とうすることにより速やかに再分散し、かつ、服用時に口腔内でざらついたり、粘膜に付着したりすることもなく容易に服用することができる、外観上好ましい白色のスクラルファート懸濁液の提供をその課題とするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、スクラルファート懸濁液に関し、種々鋭意検討を行った結果、スクラルファートを含む懸濁液中に水溶性カルボキシビニルポリマーとポリリン酸塩および/またはリン酸またはリン酸塩とを添加することにより、懸濁性と外観に優れたスクラルファート懸濁液が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。 【0010】すなわち、本発明はスクラルファート、水溶性カルボキシビニルポリマー、およびポリリン酸塩および/またはリン酸またはその塩の少なくとも一種を含有したスクラルファート懸濁液製剤である。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明に使用するスクラルファートとは、上記のようにショ糖硫酸エステルアルミニウム塩であり、その製法の一例としては、ショ糖ポリ硫酸エステル塩にアルミニウムイオンを反応させ、沈降してくる湿性末を分離し、次いで加熱乾燥を行い乾燥品を得る方法がある。スクラルファートは水に不溶性であり、またその粒子はタンパク質への吸着能を考慮すると、生体に適用するときは可能な限り微細化し、表面積の増大をはかることが重要であるため、得られた粉末乾燥品はジェットミルなどで微細化することが好ましい。 【0012】本発明において使用する水溶性カルボキシビニルポリマーとは、アクリル酸の重合体であり、例えば、商品名、カーボポール(BF Goodrich製)、ジュンロン(日本純薬製)、ハイビスワコール(和光純薬製)として市販されている。 【0013】本発明において使用する解膠剤としては、ポリリン酸塩および/またはリン酸またはリン酸塩を使用する。ポリリン酸塩としては、例えばポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウムなどのアルカリ金属塩があり、またはリン酸塩としては、例えばリン酸二水素ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二カリウムなどがある。 【0014】本発明の懸濁液製剤は、常法に従って、(A)スクラルファート、(B)水溶性カルボキシビニルポリマー、および(C)ポリリン酸塩およびリン酸またはリン酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物の3者を、好ましくは精製水中に懸濁せしめることにより調製される。調製方法は、例えば、(1)精製水中に水溶性カルボキシビニルポリマー(B)を20メッシュ程度の篩で固まりにならないように入れ、均一になるまで撹拌混合する。(2)別に、精製水中にスクラルファート(A)および甘味料もしくは矯味剤、あるいは増粘剤などを加え、攪拌混合し、均一にする。次いで、(3)(2)で得た懸濁液に、(1)で得た液および保存剤などを加え、攪拌したあと、ポリリン酸塩およびリン酸またはリン酸塩(C)を加え、均一に混和してなる。 【0015】本発明において、通常、懸濁液剤中のスクラルファートの配合量は、0.1〜50w/v%であり、水溶性カルボキシビニルポリマーの配合量は0.1〜2w/v%、ポリリン酸塩、リン酸またはリン酸塩の配合量は0.5〜1w/v%である。好ましくは、スクラルファート0.1〜20w/v%、水溶性カルボキシビニルポリマー0.2〜1.5w/v%、ポリリン酸塩0.5〜0.8w/v%である。 【0016】本発明においては、上記の成分以外に、粘度を増加させる目的でグリセリン、ソルビトールなどの多価アルコールを配合したり、または必要に応じて防腐剤または保存剤、更には、風味改善用の芳香剤、甘味剤もしくは矯味剤を配合することが出来る。 【0017】本発明の懸濁液製剤は、プラスチック容器に収容して、室温にて保存することが好ましい。1回分の投与量をポリエチレンまたはポリプロピレンなどにて作製した容器内に封入した状態の製剤としておけば、投与時にはこの容器を開封するだけで、容易にスクラルファートを服用できる。また、1回に投与するスクラルファートの量は、通常の場合、0.5〜2g程度であるので、服用のし易さを考慮して、5〜20mL程度の容量になるよう懸濁液のスクラルファートの量を調製することが好ましい。 【0018】 【実施例】次に実施例を用いて本発明を詳細に説明する。 実施例1下記配合比を有するスクラルファート懸濁液製剤を、下記方法により調製した。 配合例1スクラルファート 10gカルボキシビニルポリマー 2gサッカリンナトリウム 0.02gポリリン酸ナトリウム 0.8gパラオキシ安息香酸プロピル 0.05g香料 微量精製水 適量全量 100mL(調製方法) (1)精製水50mLにカルボキシビニルポリマーを「だま」にならないようにふるい入れ、均一になるまで撹拌した。 (2)別に、精製水20mLにスクラルファートおよびサッカリンナトリウムを加え、強く撹拌し、均一にした。 (3)(2)で得た懸濁液に、(1)で得た液とパラオキシ安息香酸プロピル、香料を加え、撹拌し、精製水を加えて全量100mLとした。 (4)最後に、ポリリン酸ナトリウムを加え、均一に混和し、全量100mLのスクラルファート懸濁液剤を得た。 なお、下記配合例2および3および比較配合例1および2においても、上記の方法に準じて調製した。 【0019】配合例2スクラルファート 10gカルボキシビニルポリマー 1gD−ソルビトール液 20gグリセリン 6gリン酸二水素ナトリウム 0.4gポリリン酸ナトリウム 0.7gパラオキシ安息香酸プロピル 0.05g香料 微量全量 100mL【0020】配合例3スクラルファート 10gカルボキシビニルポリマー 0.3gD−ソルビトール液 20gグリセリン 8gリン酸二水素ナトリウム 0.4gポリリン酸ナトリウム 0.7gパラオキシ安息香酸プロピル 0.05g香料 微量全量 100mL【0021】比較配合例1スクラルファート 10gD−ソルビトール液 20gグリセリン 8gリン酸二水素ナトリウム 0.4gポリリン酸ナトリウム 0.7gパラオキシ安息香酸プロピル 0.05g香料 微量全量 100mL【0022】比較配合例2スクラルファート 10gカルボキシビニルポリマー 0.3gD−ソルビトール液 20gグリセリン 8gパラオキシ安息香酸プロピル 0.05g香料 微量全量 100mL【0023】試験例1再分散性試験:配合例1〜3並びに比較配合例1〜2で調製した懸濁液剤の経時的な再分散性の変化を調べた。該試験は、各試料をそれぞれ10mLずつポリエチレン製の容器に封入し、製造直後並びに室温で1日および1週間静置保存後、容器を穏やかに転倒させ、均一に再分散するかどうかを目視で確認することにより行った。この結果を表1に示す。 【0024】 【表1】
【0025】試験例2沈降度試験:配合例1〜3並びに比較配合例1〜2で調製した懸濁液剤の経時的な沈降度の変化を調べた。該試験は、各試料をそれぞれ50mLずつガラス製の円筒管に封入し、製造直後並びに室温で1日および1週間静置保存後、分散の割合を測定した。この結果を表2に示す。 【0026】 【表2】
【0027】表1および表2から明らかなように、カルボキシビニルポリマーおよびポリリン酸ナトリウムを含有する懸濁液製剤は、カルボキシビニルポリマーを含有しない製剤(比較配合例1)に比べて、容易に再分散することができた。また、ポリリン酸ナトリウムを含有しない製剤(比較配合例2)に比べて、極めて沈降しにくかった。 【0028】 【発明の効果】以上のように、本発明のスクラルファート懸濁液剤は、白色の懸濁液で、沈降しにくく、或いは沈降しても使用時に容器を振とうすることでスクラルファートを均一に再分散させることができ、かつ、服用時に口腔内でざらついたり、粘膜に付着したりすることもなく容易に服用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000135036 【氏名又は名称】株式会社ニッショー
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| 【出願日】 |
平成11年8月26日(1999.8.26) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−64182(P2001−64182A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月13日(2001.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−239571 |
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