| 【発明の名称】 |
杖 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 常之
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| 【要約】 |
【課題】路面の確認を確実に行えながら、路面から突出した障害物に当たった場合にも、この障害物の大きさを確実に確認でき、さらには、杖に伝わる衝撃も少なくできる杖を提供する。
【解決手段】杖本体2の先端部に360度水平方向に回動可能としたローラー部材3を備えた杖において、ローラー部材3が、ローラー本体31と、ローラー本体31を回転可能に支持し、杖本体2に取り付けられる支持部材32とから構成され、ローラー部材3の取り付け位置近くに、平面視においてローラー部材3の支持部材32が隠れる大きさを有し、杖本体2およびローラー部材3に対してフリー回転する円盤状の保護案内部5を設けている構成とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】杖本体の先端部に360度水平方向に回動可能としたローラー部材を備えた杖において、ローラー部材が、ローラー本体と、ローラー本体を回転可能に支持し、杖本体に取り付けられる支持部材とから構成され、ローラー部材の取り付け位置近くに、平面視においてローラー部材の支持部材が隠れる大きさを有し、杖本体およびローラー部材に対してフリー回転する円盤状の保護案内部を設けていることを特徴とする杖。 【請求項2】円盤状の保護案内部が合成樹脂で構成されている請求項1に記載の杖。 【請求項3】円盤状の保護案内部は、杖本体にローラー部材の支持部材を取り付けるための嵌合軸部が挿通される挿通穴が中央に設けられた円板部と、この円板部の外周縁から延設された外周壁面部とを備えている請求項1または請求項2に記載の杖。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、杖本体の先端部に360度水平方向に回動可能としたローラー部材を備えた杖であって、特に盲人用に使用される杖に関する。 【0002】 【従来の技術】一般的に、盲人用の杖は、杖の下方先端部に合成樹脂製のカバーが取り付けられており、盲人は、杖の先端で路面を確認し、そのときに得られる手の触感で路面の状況を把握しながら歩行している。 【0003】しかしながら、前記した杖では、杖の先端で路面を探るといっても、路面に対して断片的に点接触することとなるので、歩行しているときに、杖の先端部が路面の凹凸部などに突然突っかかってしまう場合があり、このような場合、歩行者は杖を持っているにもかかわらずつまづき、最悪の場合には転倒してしまう可能性があった。 【0004】そこで、登録実用新案公報(第3031073号)にも示されているように、杖本体の先端部に360度水平方向に回動可能としたローラー部材を備えた杖が提案されている。 【0005】この杖は、杖本体の下方先端部に、ローラー部材を取り付けるようになっている。このローラー部材は、一対のローラーと、これらローラーが回転可能に支持された支持部材とから構成されており、さらに、支持部材は、杖本体に取り付けてローラーを路面に当接させたとき、杖本体に対して水平方向に360度回動できるようになっている。 【0006】このローラー部材つきの杖によれば、ローラー部材のローラーを常に路面に接触させながら歩行することができ、しかも、支持部材を水平方向に360度回動できるようにしていることから、杖を前後左右に自在に滑らすことができるので、路面の状態を従来よりも正確に把握することができ、歩行者のつまづきや転倒をより少なくすることができる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このようなローラー部材つきの杖は、杖本体の先端にローラー部材を取り付けているため、杖でスムーズに路面を確認することはできるが、路面上に形成される段部や障害物に当たったときには、この障害物の大きさまたは長さを把握することは難しかった。 【0008】さらに、ローラー部材が路上に形成される段部や障害物に当たった場合には、ローラー部材の支持部材が、主に金属から形成されているため、この金属からなる支持部材が障害物に衝突すると大きな音が発生するし、このときに発生する大きな衝撃が歩行者の手に伝わって歩行者にとってあまり良くないという不具合があった。 【0009】本発明は、上記問題を解決するためになしたものであって、路面の確認を確実に行えながら、路面から突出した障害物に当たった場合にも、この障害物の大きさを確実に確認でき、さらには、杖に伝わる衝撃も少なくできる杖を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するため、本発明は、杖本体の先端部に360度水平方向に回動可能としたローラー部材を備えた杖において、ローラー部材が、ローラー本体と、ローラー本体を回転可能に支持し、杖本体に取り付けられる支持部材とから構成され、ローラー部材の取り付け位置近くに、平面視においてローラー部材の支持部材が隠れる大きさを有し、杖本体およびローラー部材に対してフリー回転する円盤状の保護案内部を設けている構成とした。 【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の杖において、円盤状の保護案内部を合成樹脂で構成した。 【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の杖において、円盤状の保護案内部を、杖本体にローラー部材の支持部材を取り付けるための嵌合軸部が挿通される挿通穴が中央に設けられた円板部と、この円板部の外周縁から延設された外周壁面部とを備えている構成とした。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる杖の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図4は、本発明の杖における第1の実施形態を示している。 【0014】本発明の杖1は、軽量なアルミニウム製パイプから構成される杖本体2と、杖本体2の一方の端部に取り付けられるローラー部材3と、杖本体2の他方の端部に設ける合成樹脂製の握り部4とを有している。 【0015】ローラー部材3は、一つのローラー本体31と、このローラー本体31を支持軸33を介して回転可能に支持する支持部材32とから構成されている。 【0016】さらに、支持部材32は、ローラー本体31の中心に挿通させた支持軸33を固定させるコの字状の支持枠34と、この支持枠34の上面35を挟持する第1ベアリング部材37、第2ベアリング部材38と、支持枠34の上面35を挟持した状態で各ベアリング部材37,38を固定する固定螺子39とから構成されている。 【0017】また、固定螺子39は、ナット部39aと、このナット部39aの一方の面から突設されるベアリング固定用軸部39bと、ナット部39aの他方の面から突設される杖本体固定用の嵌合軸部39cとを一体に形成して構成されている。なお、ベアリング固定用軸部39bおよび杖本体固定用の嵌合軸部39cは螺子になっている。 【0018】ベアリング固定用軸部39bには第1ベアリング部材37に形成する螺子穴が嵌められ、ナット部39aで位置規制されるまで第1ベアリング部材37が螺子締めされる。そしてつぎに、支持枠34の上面35に形成した挿通穴36をベアリング固定用軸部39bに挿通させておいて、第2ベアリング部材38に形成する螺子穴をベアリング固定用軸部39bに嵌めて螺子締めし、支持枠34が第1ベアリング部材37及び第2ベアリング部材38によって回動可能となるように、各ベアリング部材37,38を固定螺子39の所定の位置で固定させる。 【0019】また、杖本体固定用の嵌合軸部39cは、杖本体2の先端部に取り付けるローラー部材取付部21に形成する嵌合螺子穴21aに螺子締めされ、この螺子締めにより、ローラー部材3が杖本体2に取り付けられる。 【0020】ローラー部材取付部21は、杖本体2に設ける螺子軸22に螺合される杖本体固定用螺子穴21bと、前記した嵌合螺子穴21aとを備えており、杖本体固定用螺子穴21bを杖本体2の螺子軸22に螺合したとき、嵌合螺子穴21aの軸心が杖本体2の軸心に対し所定の角度で交差するように嵌合螺子穴21aは穿設されている。 【0021】そして、ローラー部材3は、支持部材32を杖本体2に取り付けたときに、ベアリング部材37,38を介して支持枠34が杖本体2に対し水平方向に360度回動できるようになっており、この支持枠34に支持されるローラー本体31を地面に沿って回転させながら、進む方向を水平方向の任意方向に選択できるようになっている。 【0022】杖本体2の上端部に設ける握り部4は、常に同じ位置で杖を持つことができるようにするため、手を握ったときの指の形に合わせて成型しており、合成樹脂で筒状に型成型したものを使用して、合成樹脂から成る握り部4を杖本体2の端部に嵌め合わして取り付けられている。そして、握り部4は、人が握り部4を握ったときに、杖本体2の軸心が地面に対して、90度より小さい角度となり、かつ、杖本体2に取り付けたローラー部材3における支持部材32の支持枠34の上面35が地面と水平になるように、握り部4の杖本体2に対する指合わせ位置を決めている。 【0023】以上の杖1において、本発明では、図1から図4に示すように、ローラー部材3の取り付け位置近くに、平面視においてローラー部材3の支持部材32が隠れる大きさを有し、杖本体2およびローラー部材3に対してフリー回転する円盤状の保護案内部5を設けている。 【0024】この円盤状の保護案内部5は、ポリエステル、ナイロンなどの合成樹脂で形成されており、ローラー部材3の支持部材32に設けた杖本体固定用の嵌合軸部39cに挿通される挿通穴51が中央に設けられた円板部52と、この円板部52の外周縁から下方に向けて延設された外周壁面部53とにより構成されている。なお、保護案内部5は、5mm前後の厚みを有しており、合成樹脂としては、弾性部材であるシリコーンゴムを用いてもよい。シリコーンゴム等の弾性部材を用いることにより、衝撃の吸収をより良好に行える。 【0025】円盤状の保護案内部5は、円板部52の挿通穴51に、ローラー部材3の固定螺子39の杖本体固定用の嵌合軸部39cを挿通させるようになっており、挿通させる場合、円板部52を2つの板状のリング部材61,62で挟持させた状態でリング部材61,62とともに嵌合軸部39cを挿通させる。 【0026】リング部材61,62は、円板部52のフリー回転を円滑に行えるようにするための滑り部材であり、金属により形成している。さらに、一方のリング部材61は、円板部52の挿通穴51の内径より小さい外径を有し、かつ、嵌合軸部39cの外径より大きい内径を有し、さらに、円板部52の厚みと同じ高さを有する筒部63をリング部材61の中心の穴から突設している。なお、二つのリング部材61,62の穴の内径は、同じ大きさとなるように形成している。 【0027】そして、保護案内部5の円板部52の挿通穴51にリング部材31の筒部63を挿通させながら、二つのリング部材61,62で円板部52の挿通穴51周辺を挟持しておいて、リング部材61,62および円板部52に、支持枠34、各ベアリング部材61,62、が組み付けられた固定螺子39の嵌合軸部39cを挿通する。さらに、嵌合軸部39cを杖本体2のローラー部材取付部21の杖本体固定用螺子穴21bに嵌め合わせて締め付け固定する。この締め付けにより、保護案内部5がローラー部材3とともに、杖本体2に取り付けられることとなる。 【0028】保護案内部5は、リング部材61の筒部63により円板部52の厚み方向の締め付けが規制されるとともに、二つのリング部材61,62がローラー部材取付部21または固定螺子39のナット部39aに当接され、円板部52が、ローラー部材取付部21または固定螺子39のナット部39aに直接当接されることが無くなるので、保護案内部5は、杖本体2およびローラー部材3に対してフリー回転できるようになる。 【0029】また、保護案内部5の円板部52の大きさについては、保護案内部5を杖本体2に組み付けたとき、平面視において、ローラー部材3のローラー本体31は見えても支持部材32が隠れて見えない大きさとなるようにするとともに、外周壁面部53の大きさは、保護案内部5を杖本体2に組み付けたときに、外周壁面部53の下端部の位置が支持枠34の上面35の高さ位置とほぼ同じ位置となるような大きさにしている。 【0030】本発明によれば、保護案内部5は、杖本体2およびローラー部材3に対してフリー回転するようになっているので、杖1を使用する際、ローラー部材3のローラー本体31を地面に当てて転がすことにより、路面の状態を連続して確認することができながら、地面より高い障害物がある場合には、円盤状の保護案内部5を障害物に当接させてこの保護案内部5の外周壁面部53を障害物に当接させながら杖1を移動させることにより、保護案内部5が回転しながら障害物の壁面に沿って移動することになり、障害物の大きさを確実に把握することができる。 【0031】しかも、障害物にローラー部材3の支持部材32が当たる前に、合成樹脂からなる円盤状の保護案内部5を障害物に接触させることができるので、接触した際の衝撃をこの保護案内部5で吸収することができ、人への衝撃を軽減できる。とくに、保護案内部5の材質をシリコーンゴムなどの弾性部材を使用すれば、より衝撃の吸収を良くすることができる。 【0032】また、本発明にかかる保護案内部5は、図2および図3に示すように、円板部52の周縁から上下方向下方に延びるように外周壁面部53を形成しているので、障害物に接触させる面積を広くでき障害物の確認を良好に行えながら、ローラー部材3の保護も行える。 【0033】なお、外周壁面部53は、図5に示すように円板部52の周縁から上下両方向に延びるように外周壁面部53を形成するようにしてもよいし、図6に示すように円板部52の周縁から上方向に延びるように外周壁面部53を形成するようにしてもよい。図5に示すように外周壁面部53を上下両方向に延設する場合には、障害物への接触面積をより広くとれて、より確実に障害物の確認を行えながら、ローラー部材3の保護も良好に行える。 【0034】また、保護案内部は、円板部のみで形成し、前記した実施の形態のように円板部の周縁から上下方向に延設することなく、円板部の外周面だけで外周壁面部を構成するようにしてもよい。 【0035】なお、杖本体2は、図1に示すように、一本のパイプで形成してもよいし、径の異なる複数のパイプをスライド可能に嵌め合わせて、位置固定手段により長さを調節できるようにしてよい。 【0036】本実施の形態では、ローラー部材3の支持部材32に杖本体2に固定するための嵌合軸部39cを形成したが、杖本体側に嵌合軸部を形成し、ローラー部材側に嵌合穴を形成するようにしてもよい。 【0037】 【発明の効果】本発明によれば、杖本体の先端部に360度水平方向に回動可能としたローラー部材を備えた杖において、ローラー部材が、ローラー本体と、ローラー本体を回転可能に支持し、杖本体に取り付けられる支持部材とから構成され、ローラー部材の取り付け位置近くに、平面視においてローラー部材の支持部材が隠れる大きさを有し、杖本体およびローラー部材に対してフリー回転する円盤状の保護案内部を設けている構成としたから、杖を使用する際、ローラー部材のローラー本体を地面に当てて転がすことにより、路面の状態を連続して確認することができながら、路面上に障害物がある場合には、円盤状の保護案内部を障害物に接触させて保護案内部の外周を障害物に当接させながら杖を移動させることにより、保護案内部が回転しながら障害物の壁面に沿って移動することになるので、障害物の大きさを確実に把握することができる。 【0038】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の杖において、円盤状の保護案内部を合成樹脂で構成したから、障害物にローラー部材の支持部材が当たる前に、合成樹脂からなる円盤状の保護案内部を障害物に接触させることができるので、接触した際の衝撃をこの保護案内部で吸収することができ、人への衝撃を軽減できる。 【0039】請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の杖において、円盤状の保護案内部を、杖本体にローラー部材の支持部材を取り付けるための嵌合軸部が挿通される挿通穴が中央に設けられた円板部と、この円板部の外周縁から延設された外周壁面部とを備えている構成としたから、この外周壁面部により障害物への接触面積を大きくでき、障害物の確認をより良好に行える。
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| 【出願人】 |
【識別番号】595150412 【氏名又は名称】田中 常之
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| 【出願日】 |
平成12年3月27日(2000.3.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076406 【弁理士】 【氏名又は名称】杉本 勝徳 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−269374(P2001−269374A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月2日(2001.10.2) |
| 【出願番号】 |
特願2000−86563(P2000−86563) |
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