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【発明の名称】 電動マッサージ機
【発明者】 【氏名】鈴木 一成

【要約】 【課題】電動マッサージ機の背もたれの傾斜角度による人体とマッサージローラとの位置ずれを解消して使い勝手を改善する。

【解決手段】背もたれ3のヒンジ軸3aに、ポテンショメータ7を装着して傾斜角度を検出し、ガイドレールに上下二個のリミットスイッチ14,15を設けてマッサージユニット12の位置を検出する。制御部は、傾斜角度に基づいてマッサージユニット12がリミットスイッチ14,15を通過した時点からの上昇時間及び下降時間を制御する。背もたれ3を起立状態から後方へ倒していくと、これに連係してマッサージユニット12の昇降範囲が相対的に下降するようにモータ駆動時間が制御され、傾斜角度に関わらずマッサージユニット12と人体との相対的な位置関係が一定に維持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 椅子形の電動マッサージ機であって、背もたれに設けたマッサージユニットをモータにより昇降させる電動マッサージ機構と、背もたれの角度を調節できるリクライニング機構を備えた電動マッサージ機において、マッサージユニットの昇降経路に位置検出用のリミットスイッチを設け、背もたれの傾斜角度を検出する角度センサを設け、前記角度センサによる検出角度とリミットスイッチの検出信号に応じてマッサージユニットの昇降モータの駆動時間及び逆転タイミングを補正するモータ駆動時間制御手段を設け、背もたれの傾斜角度の増加に連動してマッサージユニットの昇降範囲を下降させ、傾斜角度により変化する人体とマッサージユニットとの相対的位置の偏差を自動補正するように構成したことを特徴とする電動マッサージ機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動マッサージ機に関するものであり、特に、リクライニング式の電動マッサージ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】椅子形の電動マッサージ機は、背もたれ内に配置された上下方向のガイドレールに、ギヤボックス並びに左右一対のマッサージローラからなるマッサージユニットを昇降自在に装着してあり、マッサージローラの間隔を拡縮させて行う「揉み」、マッサージローラを回転させる「叩き」、マッサージユニットをガイドレールに沿って昇降させる「ローリング」等のマッサージ機能があり、マッサージ範囲も「首と肩」「腰」、または首から腰に至る「全身」等を設定することができる。
【0003】背もたれの角度は、手動式または電動式のリクライニング機構によって任意に調節できるように構成されているが、背もたれを後方へ倒すと着座者の頭から背中全体が背もたれに対して下方にずれる。したがって、背もたれを起立させた状態で着座位置をマッサージローラに合わせた後に背もたれを倒すと、人体に対するマッサージローラの位置が相対的に上昇することになる。これにより、マッサージローラが所望の位置よりも上方の位置をマッサージすることになり、特に、首マッサージや全身範囲のマッサージを設定している場合は、マッサージローラが首よりも上方の後頭部に当たって不快感を与えるという問題がある。
【0004】この問題を解消するものとしては、背もたれの傾斜角を検出するロータリスイッチやロータリエンコーダを設けるとともに、マッサージローラの昇降駆動機構にマッサージローラの位置を検出するためのロータリエンコーダを設け、背もたれの傾斜角に応じてマッサージローラの上下位置を補正するように構成したものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】背もたれの傾斜角を検出する角度検出手段と、マッサージローラの位置を検出するためのロータリエンコーダを設けて、背もたれの傾斜角に応じてマッサージローラの上下位置を補正するように構成したマッサージ機においては、マッサージローラの位置をロータリエンコーダのパルス信号によってフィードバック制御するが、マッサージローラの基準位置を検出するためのリミットスイッチ等の位置検出器が別途必要となり、コストがかかるという問題がある。
【0006】そこで、マッサージ機のマッサージローラ位置の自動補正手段を簡素化して、低コストで提供するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は上記課題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、椅子形の電動マッサージ機であって、背もたれに設けたマッサージユニットをモータにより昇降させる電動マッサージ機構と、背もたれの角度を調節できるリクライニング機構を備えた電動マッサージ機において、マッサージユニットの昇降経路に位置検出用のリミットスイッチを設け、背もたれの傾斜角度を検出する角度センサを設け、前記角度センサによる検出角度とリミットスイッチの検出信号に応じてマッサージユニットの昇降モータの駆動時間及び逆転タイミングを補正するモータ駆動時間制御手段を設け、背もたれの傾斜角度の増加に連動してマッサージユニットの昇降範囲を下降させ、傾斜角度により変化する人体とマッサージユニットとの相対的位置の偏差を自動補正するように構成したことを特徴とする電動マッサージ機を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を図に従って詳述する。図1は電動マッサージ機1を示し、着座部フレーム2の後部に背もたれ3が起伏自在にヒンジ結合されている。背もたれ3に固着したブラケット4と着座部フレーム2の下面とに、モータと送りネジ機構とから構成された電動リクライニング装置5が介装されていて、リクライニングモータ(図示せず)の回転方向に応じて背もたれ3が上下に起伏し、実線で示すように着座シート6に対して110度乃至120度程度の直立位置から、鎖線で示す約170度程度のほぼ水平位置の範囲で角度を調節することができる。
【0009】背もたれ3のヒンジ軸3aには、角度センサとしてポテンショメータ7を装着してあり、ポテンショメータ7は肘掛け部8の内部、または着座部フレーム2の下面に配置される制御装置(図示せず)へ背もたれ3の傾斜角度に応じた電圧信号を出力する。
【0010】マッサージ機構部の構成は従来公知のものであり、背もたれ3内の上下方向のガイドレール9に、ギヤボックス10と左右一対のマッサージローラ11とからなるマッサージユニット12が装着されていて、昇降モータと送りネジによるマッサージユニット昇降機構(図示せず)によりマッサージユニット12を昇降させて、左右のマッサージローラ11を背骨の両側に沿って上下に移動させる「ローリング」を行うことができる。
【0011】ギヤボックス10はスプライン軸(図示せず)を介してマッサージモータから動力を伝達され、正転方向と逆転方向とでそれぞれ別のギヤトレインに駆動力を伝達するワンウェイクラッチ機構により、スプライン軸の回転方向に応じて、左右のマッサージローラ11の間隔を拡縮する「揉み」と、マッサージローラ11を偏心回転させる「叩き」の何れかに切換わる公知の構成となっている。
【0012】電動マッサージ機1の全ての操作は、肘掛け部8の内側垂直面に設けた操作パネル13またはリモートコントローラ(図示せず)によって行い、電源のオン/オフ、リクライニング角度調節、マッサージモード(「ローリング」、「揉み」、「叩き」、あるいは前記の全てを組み合わせた「自動マッサージコース」)の設定や、マッサージ範囲(「首と肩」、「腰」、首から腰に至る「全身」)の設定、或いはマッサージユニットを任意に上下移動させて特定の箇所のみマッサージを行う部分マッサージ設定等が可能である。
【0013】背もたれ3内のガイドレール9の下部と上部にはマッサージユニット12の位置を検出するセンサとしてリミットスイッチ14,15が設けられている。背もたれを起立状態でマッサージユニット12の上下位置を調節して、背もたれをフルリクライニングさせると、マッサージユニット12は人体に対して約5cm程度上昇することになる。したがって、あらゆる傾斜角度において、リミットスイッチ14,15が昇降範囲内に収まるように、上部リミットスイッチ14は、フルリクライニング時の人体の首の位置或いはそれ以下の位置に設けてあり、下部リミットスイッチ14は、フルリクライニング時の人体の腰の位置或いはそれ以上の位置に設けている。
【0014】図2は電動マッサージ機1の回路ブロック図であり、マイクロコンピュータである制御装置16の入力ポートに操作パネル13、リモートコントロール信号受光部17、ポテンショメータ7、上部リミットスイッチ14、及び下部リミットスイッチ15が接続され、制御装置16がそれぞれリレー回路を有する昇降モータ駆動回路18、マッサージモータ駆動回路19、リクライニングモータ駆動回路20を制御して、昇降モータ21、マッサージモータ22、リクライニングモータ23を正転/逆転駆動する。
【0015】マッサージユニット12の昇降範囲は、マッサージ範囲の設定とポテンショメータ7の傾斜角度信号と、下部リミットスイッチ15と上部リミットスイッチ14の信号に基づいて制御され、背もたれの傾斜角度によってマッサージユニット12の上限位置並びに下限位置を変化させるように構成している。
【0016】図3は、背もたれの傾斜角度とマッサージユニット12の昇降範囲との関係を示すグラフであり、同図に示すように、背もたれが起立状態と水平状態とでは、マッサージユニット12の上限位置並びに下限位置に約5cmの差が生じるように設定されていて、背もたれ3の傾斜角度に関わらず、マッサージユニット12に備えたマッサージローラ11の昇降範囲を人体の首から腰の範囲に一致させる。
【0017】即ち、制御装置16は、一定の時間間隔毎にポテンショメータ7の出力を読込み、背もたれ3の傾斜角度を逐次算出し、傾斜角度に応じてマッサージユニット12の昇降範囲を調整するためのモータ駆動時間データを演算する。このモータ駆動時間データは、下降時に下部リミットスイッチ15を通過してからの下降時間データと、上昇時に上部リミットスイッチ15を通過してからの上昇時間データであり、これらのデータに基づきモータ駆動時間を制御することにより、図3に示すように昇降範囲が制御される。
【0018】マッサージ範囲の設定を「腰」または「全身」とした場合は、マッサージユニット12が上部待機位置から下降して下部リミットスイッチ15の位置に達し、下部リミットスイッチ15の信号が制御装置16へ入力された時点からタイマー部16aが時間計測を開始し、計測時間が傾斜角度から算出された下降時間データと一致したときに昇降モータ21の回転方向を逆転して、マッサージユニット12の移動方向を上昇方向へ切換える。
【0019】マッサージ範囲の設定を「首と肩」または「全身」とした場合は、マッサージユニット12が上昇して上部リミットスイッチ14の信号が制御装置16へ入力された時点からタイマー部16aが時間計測を開始し、計測時間が上昇時間データと一致したときに昇降モータ21の回転方向を逆転してマッサージユニット12の移動方向を下降方向へ反転させる。
【0020】マッサージ範囲の設定を「腰」とした場合のマッサージユニット12の上昇限界位置は、既知であるマッサージユニット12の上昇速度に基づいて予め設定してある固定基準時間により制御し、マッサージユニット12が下限位置から上昇を開始した時点でタイマー部16aが上昇時間計測を開始する。そして、上昇時間が固定基準時間に一致した時点でマッサージユニット12が「腰」の上限位置に達したものとみなして昇降モータ21の回転方向を反転する。これにより、背もたれの傾斜角度に係わらずマッサージユニット12は「腰」の一定範囲で昇降を反復する。
【0021】同様に、マッサージ範囲の設定を「首と肩」とした場合のマッサージユニット12の下限位置は、マッサージユニット12の下降速度に基づいて予め設定してある固定基準時間により制御し、昇降モータ21によりマッサージユニット12が上限位置から下降を開始した時点からタイマー部16aが時間計測を開始し、下降時間が固定基準時間と一致した時点で昇降モータ21の回転方向を逆転して上昇方向へ反転させる。これにより、背もたれの傾斜角度に関わらずマッサージユニット12が「首と肩」の一定範囲で昇降を反復する。
【0022】尚、上記の実施形態では、上下二個のリミットスイッチによってマッサージユニット12の位置を検出するようにしているが、一個のリミットスイッチによって検出した通過信号によってモータ駆動時間を制御し、マッサージユニット12の上限位置と下限位置を可変するように構成することもできる。
【0023】以上、傾斜角度データに基づいてマッサージユニットの昇降範囲を制御するモータ駆動時間データを算出する例を述べたが、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、予め傾斜角度に対応させた複数段階のモータ駆動時間のデータテーブルをメモリに格納して、随時読みだすように構成してもよい。
【0024】また、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電動マッサージ機は、一個または複数個のリミットスイッチによってマッサージユニットの位置を検出し、角度センサによって検出した背もたれの傾斜角度に応じて、マッサージユニットの上昇駆動時間及び下降駆動時間を制御することにより、背もたれの傾斜角度に関わらず人体に対するマッサージユニットの接触位置がほぼ一定になるように構成したので、通常、マッサージユニットを待機位置へ復帰させるために設けられているリミットスイッチ以外のロータリエンコーダ等のセンサが不要であり、低コストで昇降範囲自動補正機構を構成できる。
【出願人】 【識別番号】390018773
【氏名又は名称】株式会社マルタカ
【出願日】 平成12年3月10日(2000.3.10)
【代理人】 【識別番号】100060575
【弁理士】
【氏名又は名称】林 孝吉
【公開番号】 特開2001−252319(P2001−252319A)
【公開日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【出願番号】 特願2000−67626(P2000−67626)