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【発明の名称】 歩行補助車
【発明者】 【氏名】玉田 栄一

【要約】 【課題】コンパクトでありかつブレーキの操作性が向上する歩行補助車を提供する。

【解決手段】歩行補助車10は、比較的狭い間隔で平行に配置される一対の主フレーム12a、12bを含む。主フレーム12a、12bの下端には、それぞれキャスタ取付部14a、14bを介してキャスタ16a、16bが取り付けられる。キャスタ16a、16bの回動範囲は、それぞれ調節手段18a、18bによって3段階に調節される。主フレーム12a、12bの上端に押し手24が取り付けられる。ブレーキハンドル26が押し手24に沿うように配置されかつ押し手24に連結される。ブレーキハンドル26は、押し手24を把持しながら左右いずれの手によっても制動操作可能とされる。主フレーム12a、12bの前部に、折りたたみ可能な座部40が取り付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 比較的狭い間隔で平行に配置される一対のフレーム、前記一対のフレームのそれぞれの一端に取り付けられる前輪、前記一対のフレームの他端側に設けられる押し手、および前記押し手の近傍に配置され前記押し手を把持しながら左右いずれの手によってもブレーキ操作可能なブレーキハンドルを備える、歩行補助車。
【請求項2】 前記ブレーキハンドルが前記押し手に沿うように配置される、請求項1に記載の歩行補助車。
【請求項3】 前記一対のフレームの前部に設けられる座部をさらに含む、請求項1に記載の歩行補助車。
【請求項4】 前記座部は折りたたみ可能に構成される、請求項3に記載の歩行補助車。
【請求項5】 前記前輪の回動範囲を多段階に調節可能な調節手段をさらに含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の歩行補助車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は歩行補助車に関し、より特定的には、一人で歩くことが困難な老人、脚に障害のある人等の自力歩行を補助するために用いられる、歩行補助車に関する。
【従来の技術】この種の従来技術の一例として、本件出願人が所有する意匠登録第1023449号の歩行補助器がある。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術では、押し手が接続される一対のフレーム相互の間隔が比較的狭く設定されているので、構成をコンパクトにできる。しかし、ブレーキ機構としては片手ブレーキが採用されており、さらに、ブレーキの操作性のよい歩行補助車が望まれていた。それゆえに、この発明の主たる目的は、コンパクトでありかつブレーキの操作性が向上する、歩行補助車を提供することである。
【0003】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載の歩行補助車は、比較的狭い間隔で平行に配置される一対のフレーム、一対のフレームのそれぞれの一端に取り付けられる前輪、一対のフレームの他端側に設けられる押し手、および押し手の近傍に配置され押し手を把持しながら左右いずれの手によってもブレーキ操作可能なブレーキハンドルを備える。請求項2に記載の歩行補助車は、請求項1に記載の歩行補助車において、ブレーキハンドルが押し手に沿うように配置されるものである。
【0004】請求項3に記載の歩行補助車は、請求項1に記載の歩行補助車において、一対のフレームの前部に設けられる座部をさらに含むものである。請求項4に記載の歩行補助車は、請求項3に記載の歩行補助車において、座部は折りたたみ可能に構成されるものである。請求項5に記載の歩行補助車は、請求項1ないし4のいずれかに記載の歩行補助車において、前輪の回動範囲を多段階に調節可能な調節手段をさらに含むものである。
【0005】請求項1に記載の歩行補助車では、押し手が接続される一対のフレーム相互の間隔が比較的狭く設定されるので、構成をコンパクトにできる。しかも、左右いずれの手によってもブレーキ操作が可能であるので、たとえば怪我などで片手が不自由な場合であっても、もう一方の手で良好にブレーキ操作を行え、ブレーキの操作性が向上する。請求項2に記載の歩行補助車では、ブレーキハンドルが押し手に沿って配置されるので、使用者は、押し手のいずれの部分を把持していても、押し手に手を掛けたままでブレーキハンドルを操作できる。したがって、ブレーキ操作を容易かつ迅速に行え、安全性が向上する。
【0006】請求項3に記載の歩行補助車では、座部を一対のフレームの間ではなくフレームの前部に設けるので、大きな体格の人でも確実に腰掛けることができ、利便性が向上する。請求項4に記載の歩行補助車では、座部は不要時には折り畳むことができるので、構成をよりコンパクトにでき、利便性がより向上する。請求項5に記載の歩行補助車では、小回りを利かせる必要があるのか、直進だけでよいのか等の状況に応じて、前輪の回動範囲を最適に調節できるので、操作性が向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。図1を参照して、この発明の一実施形態の歩行補助車10は、比較的狭い間隔で平行に配置される一対の主フレーム12aおよび12bを含む。主フレーム12aと12bとの間隔Wは、たとえば10cm〜20cm程度に設定される。一対の主フレーム12aおよび12bの下端には、それぞれキャスタ取付部14aおよび14bを介してキャスタ16aおよび16bが取り付けられる。キャスタ16aおよび16は回動可能な前輪であり、それぞれ調節手段18aおよび18bによって必要に応じて回動可能範囲が設定される。
【0008】主フレーム12aおよび12bの後部の上下方向略中央には、略コ字状のフレーム20が接続される。後方フレーム20の両端にはそれぞれ後輪22aおよび22bが取り付けられる。主フレーム12aおよび12bのそれぞれの上端には略コ字状の押し手24が取り付けられる。ブレーキハンドル26が押し手24に沿うように配置されかつ押し手24の両端に連結される。したがって、ブレーキハンドル26は、押し手24を把持しながら左右いずれの手によってもブレーキ操作可能となる。
【0009】ブレーキハンドル26の一端にはワイヤ28が接続され、ワイヤ28はコイルばね30を介してブレーキ部材32のストッパ34bに接続される。ブレーキ部材32はその両端に、それぞれ略L字状のストッパ34aおよび34bを有する。ブレーキハンドル26によるブレーキ操作に応じて、ブレーキ部材32は揺動する。なお、ストッパ34aおよび34bは、コイルばね30によって、それぞれ後輪22aおよび22bから離れる方向に常時弾発付勢されるが、ブレーキ部材32の動作に応じて、それぞれ後輪22aおよび22bと接触・離間可能となる。
【0010】また、略コ字状の下方フレーム36の両端近傍が、それぞれ主フレーム12aと12bとに取り付けられ、下方フレーム36と後方フレーム20とは、2つの連結部材38によって連結される。したがって、歩行補助車10は折りたたみ可能となる。また、主フレーム12aおよび12bの前部には座部40が設けられる。座部40は、フレーム42によって折りたたみ可能に構成される。
【0011】ついで、図2を参照して、調節手段18aについて説明する。調節手段18aは、幅広の上段部44と幅狭の下段部46とを有する2段構成の切り欠き48と、切り欠き48に係合する係合部50とを含む。切り欠き48はキャスタ16aのキャスタカバ−52の上部に形成され、係合部50はキャスタ取付部14aの前面に上下動可能に設けられる。係合部50の上下動は、通常、係合部50の表面に形成される突起部54を摘んで行われる。
【0012】図2(a)の状態では、係合部50は切り欠き48に係合していないので、キャスタ16aは360度自在に回動できる。係合部50を少し下に移動させた図2(b)に示す状態では、係合部50の先端56が切り欠き48の上段部44に係合するので、キャスタ16aは左右にそれぞれ略45度回動できる。係合部50をさらに下に移動させた図2(c)に示す状態では、係合部50の先端56が切り欠き48の下段部46に係合するので、キャスタ16aはロックされ回動できない。このように、係合部50の位置を調節することによってキャスタ16aの回動範囲を設定できる。調節手段18bについても同様である。また、図3(a)に示すように、フレーム42に設けられたつまみ56を主フレーム12aおよび12bの前方に移動させると、座部40を腰掛け可能にセットできる。一方、図3(b)に示すように、つまみ56を主フレーム12aおよび12b側に移動させると、座部40を折り畳むことができる。
【0013】このような歩行補助車10によれば、押し手24が接続される一対の主フレーム12aおよび12b相互の間隔が比較的狭く設定されているので、歩行補助車10をコンパクトに構成できる。しかも、左右いずれの手によってもブレーキ操作が可能であるので、たとえば怪我などによって片手が不自由な場合であっても、もう一方の手で良好にブレーキ操作を行え、ブレーキの操作性が向上する。また、ブレーキハンドル26が押し手24に沿って配置されるので、使用者は、押し手24のいずれの部分を把持していても、押し手24に手を掛けたままでブレーキハンドル26を操作できる。したがって、ブレーキ操作を容易かつ迅速に行え、安全性が向上する。
【0014】たとえば、歩行補助車10の使用時に、図4(a)に示すように、使用者が押し手24を把持するとともにブレーキハンドル26に指を掛けておけば、ブレーキ操作時には、図4(b)に示すように、ブレーキハンドル26を手前に引くだけで容易に歩行補助車10を制動できる。さらに、座部40を一対の主フレーム12aおよび12bの間ではなく主フレーム12aおよび12bの前部に設けるので、大きな体格の人でも確実に腰掛けることができ、利便性が向上する。また、座部40は不要時には折り畳むことができるので、歩行補助車10をよりコンパクトにでき、利便性がより向上する。
【0015】また、使用者は状況や必要に応じて、キャスタ16aおよび16bの回動範囲をそれぞれ調節手段18aおよび18bによって最適に調節できるので、歩行補助車10の操作性が向上する。さらに、調節手段18aおよび18bを、キャスタ取付部14a、14bおよびキャスタカバー52に設けることができるので、調整手段18aおよび18bの構成をコンパクトにできる。なお、上述の実施の形態では、調節手段18a、18bによってキャスタ16a、16bの回動範囲を3段階に調節できる場合について述べたが、これに限定されず、調節可能な段数は任意に設定できる。
【0016】
【発明の効果】この発明によれば、押し手が接続される一対のフレーム相互の間隔が比較的狭く設定されるので、歩行補助車の構成をコンパクトにできる。しかも、左右いずれの手によってもブレーキ操作が可能であるので、たとえば怪我などで片手が不自由な場合であっても、もう一方の手で良好にブレーキ操作を行え、ブレーキの操作性が向上する。
【出願人】 【識別番号】598087841
【氏名又は名称】株式会社幸和製作所
【出願日】 平成12年2月14日(2000.2.14)
【代理人】 【識別番号】100101351
【弁理士】
【氏名又は名称】辰巳 忠宏
【公開番号】 特開2001−224642(P2001−224642A)
【公開日】 平成13年8月21日(2001.8.21)
【出願番号】 特願2000−35923(P2000−35923)