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【発明の名称】 健康増進装置および健康増進椅子
【発明者】 【氏名】能村 龍太郎

【要約】 【課題】本発明は、膜材を確実に振動させ、振動を効果的に人体の脊椎や神経系に作用させ、リラックス効果を奏せしめるとともに、血行促進、疲労回復、内臓諸器官の活発化、などの健康増進を図ることを主たる目的とし、あわせて音源から発せられた音楽と同種のリズムを有する不規則な振動を振動手段から発生させ、かかる振動によってより効果的に健康増進を図ることを課題とする。

【解決手段】膜材と、前記膜材を緊張させて支持する支持部材と、前記膜材を振動させる振動手段とを具備し、前記膜材が二方向曲率面を有するように張設されていることを特徴とする健康増進装置による。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 膜材と、前記膜材を緊張させて支持する支持部材と、前記膜材を振動させる振動手段とを具備し、前記膜材が二方向曲率面を有するように張設されていることを特徴とする健康増進装置。
【請求項2】 前記振動手段が、音響装置に接続され、且つ前記音響装置から発せられた電気信号により、音楽と同様の不規則な振動を発するものである請求項1記載の健康増進装置。
【請求項3】 前記振動手段が、前記膜材の面に連設されたシート材に取り付けられており、前記シート材が捩じられた状態で張設されている請求項1又は2記載の健康増進装置。
【請求項4】 前記振動手段が、加振機又はスピーカである請求項1〜3いずれかに記載の健康増進装置。
【請求項5】 前記二方向曲率面を有する膜材の裏面側に閉空間が形成され、前記スピーカが、前記閉空間に配されている請求項4記載の健康増進装置。
【請求項6】 前記膜材が、緊張手段によって張力を調節可能に張設されている請求項1〜5いずれかに記載の健康増進装置。
【請求項7】 座部を構成する膜材と、前記膜材を緊張させて支持する支持部材と、前記膜材を振動させる振動手段とを具備し、前記膜材が二方向曲率面を有するように張設されていることを特徴とする健康増進椅子。
【請求項8】 座部および背凭れ部を構成する膜材と、前記膜材を緊張させて支持する支持部材と、前記膜材を振動させる振動手段とを具備し、前記膜材が座部又は背凭れ部のうち少なくとも一方で二方向曲率面を有するように張設されていることを特徴とする健康増進椅子。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、振動によってリラックス効果や疲労回復などの健康増進を図る健康増進装置および健康増進椅子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、椅子等にスピーカを設置し、かかるスピーカから発せられる音楽を聴覚に伝えると同時に、その音楽と類似の振動を発生させる振動源を座面下部に設置し、座面等を介して身体を振動させることによって、音楽によるリラックス効果を相乗的に人体に影響せしめる健康増進装置などが知られている。
【0003】しかし、前記健康増進装置においては、座面を形成する膜材の張設手段は、特に工夫されたものではなく、主として使用者が快適に座れるように、その身体を安楽に支えることを主目的として成形され、さらに所定の椅子形状等に合わせて張設されたものであった。従って、かかる膜材の張設方法は、振動源から発せられた振動を効果的に身体に作用せしめる目的では張設されておらず、結果として該膜材を介しては所期の振動を伝えにくいものとなっており、振動はあくまでも聴覚から伝える音響の補助的役割を担うに過ぎなかった。
【0004】そこで、本発明は、膜材を確実に振動させ、振動を効果的に人体の脊椎や神経系に作用させ、リラックス効果を奏せしめるとともに、血行促進、疲労回復、内臓諸器官の活発化、などの健康増進を図ることを主たる目的とし、あわせて音源から発せられた音楽と同種のリズムを有する不規則な振動を振動手段から発生させ、かかる振動によってより効果的に健康増進を図ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その解決するための手段は、膜材と、前記膜材を緊張させて支持する支持部材と、前記膜材を振動させる振動手段とを具備し、前記膜材が二方向曲率面を有するように張設されていることを特徴とする健康増進装置にある。
【0006】ここで、二方向曲率面とは、面の中央部において略直交する断面において、一方の断面が凹型の略放物線形状をなし、もう一方の断面が凸型の略放物線形状をなすような、3次元湾曲面をいう。例えば、二方向曲率面となるように張設された座面は、かかる部位がいわゆる鞍状などに形成された状態となる。
【0007】また、本発明の手段は、前記振動手段が、音響装置に接続され、且つ前記音響装置から発せられた電気信号により、音楽と同様の不規則な振動を発するものである前記健康増進装置にある。
【0008】また、本発明の手段は、前記振動手段が、前記膜材の面に連設されたシート材に取り付けられており、前記シート材が捩じられた状態で張設されている前記健康増進装置にある。
【0009】また、本発明の手段は、前記振動手段が、加振機又はスピーカである前記健康増進装置にある。
【0010】また、本発明の手段は、前記二方向曲率面を有する膜材の裏面側に閉空間が形成され、前記スピーカが、前記閉空間に配されている前記健康増進装置にある。
【0011】また、本発明の手段は、前記膜材が、緊張手段によって張力を調節可能に張設されている前記健康増進装置にある。
【0012】また、本発明の手段は、座部を構成する膜材と、前記膜材を緊張させて支持する支持部材と、前記膜材を振動させる振動手段とを具備し、前記膜材が二方向曲率面を有するように張設されていることを特徴とする健康増進椅子にある。
【0013】また、本発明の手段は、座部および背凭れ部を構成する膜材と、前記膜材を緊張させて支持する支持部材と、前記膜材を振動させる振動手段とを具備し、前記膜材が座部又は背凭れ部のうち少なくとも一方で二方向曲率面を有するように張設されていることを特徴とする健康増進椅子にある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明にかかる健康増進装置は、膜材、支持部材および振動手段を具備して構成され、その使用目的に合わせ、腰掛椅子、安楽椅子、及びデッキチェアなどといった各種椅子形状に形成されるものである。従って、支持部材は上記のような各種用途にあわせて所定の形状に形成されたものであり、該支持部材上面には前記膜材が適度な張力で張設され、上述したような二方向曲率面を有する座面を構成している。
【0015】よって、ここでいう座面とは、一般的に言われるような椅子の座部に限定されず、座部、凭れ部、枕部、足載せ部など、該健康増進装置を使用する際に使用者が身体を載せるための、膜材表面全てを包含する概念である。かかる座面の形状は、上述のような二方向曲率面をなすよう張設されている。従って、該健康増進装置には、座面を前後もしくは左右から二方向曲率面を形成するよう、例えば山型に湾曲して形成された支持部材が具備されており、かかる支持部材が組み合わされることによって所定形状の座面を構成している。
【0016】また、該健康増進装置には、振動手段が設けられ、該振動手段によって発生させた不規則な振動によって前記膜材が不規則に振動するように構成されている。前記振動手段は、通常マッサージ機等に使用される一定振動を発する振動機とは異なり、電気信号を変換することによって種々の振動数、振幅およびリズムを有する不規則な振動を発生させる振動体であり、例えばスピーカやこれに類する加振機などである。従って、上述の加振機とは、例えば音響機器等に接続された状態で設けられ、該音響機器等から出力された電気信号を受け、音楽と同様の振動を発生させるものである。
【0017】以下、本発明にかかる健康増進装置および健康増進椅子について、その実施形態を例示する。
【0018】<第1実施形態>本発明にかかる健康増進装置の第一の実施形態について、図1〜図3に基づき説明する。健康増進装置5は、座面6を構成する膜材1と、膜材1を張設する一対の支持部材2と、膜材1に振動を伝える加振機3と、前記支持部材2を支え、該健康増進装置5を自立させるためのベース体4と、前記一対の支持部材2を互いが離れる方向へ緊張させる緊張手段7等により構成されている。
【0019】より具体的に説明すれば、前記ベース体4は、金属製角材が矩形状に形成されたものであり、使用者が該健康増進装置5を使用する際に、該健康増進装置5の転倒を防止するものである。また、前記支持部材2は金属製パイプ材がアーチ状に湾曲されて形成されたものであり、該一対の支持部材2は、その両端下部が前記ベース体4の長手方向の略中央部において長手方向へ回動可能に、かつ互いが相対するように軸着されている。また、緊張手段7は、前記支持部材2各々に2つずつ取り付けられ、その他端が前記ベース体4の長手方向の端部に接続されて設けられている。かかる緊張手段7としては、該実施形態に示したようにターンバックルなどの長さ調節器具を用いることができるが、これに限定するものではなく、座面により弾力性を持たせるためにはバネなどの弾性体を使用してもよい。
【0020】膜材1は、略矩形状に裁断された布材であって、詳しくは該矩形の長手方向に沿った両側縁部が、緩やかな円弧をなして脹らんだ形状に形成されたものである。
【0021】前記膜材1の長手方向に沿った両側縁部は、前記アーチ状の支持部材2に沿って固定され、長手方向の端部は前記ベース体の長手方向略中央部に設置された押え具8により、下方向へ張設されている。押え具8は、上述したような緊張手段と同様のもの、もしくは紐などであり、前記膜材1を緊張させるものであればよい。
【0022】前記加振機3は、前記膜材1中央部の裏面側に垂下して連設されたシート材9に取着されており、該シート材9はバネなどの弾性体10を介してシート面が捩じられる方向に緊張されて前記ベース体4に接続されている。該加振機3は、図示しない音響機器に接続され、かかる音響機器から発せられる音楽と同様の振動を発生させるものである。
【0023】緊張手段7は、その長さを短くすることによって、一対の支持部材2を互いに引き離す方向へ傾倒させ、これによって、膜材1は該支持部材2により膜材1の短手方向に緊張されて張設される。さらに、膜材1の長手方向の両端部は、押え具8によって下方向へ緊張されている。このようにして、該膜材1は二方向曲率面を有するように形成され、且つ二方向から強く緊張された状態で、張設される。
【0024】座面を形成する膜材が二方向曲率面を有するように構成されていれば、該座面形状を所定形状に容易に保つことができる。これは、二方向曲率面を有する膜材が、膜面に対して上下二方向から支持されて緊張され、単に膜材が平面的に構成された場合に比べてより立体的な張力、即ち三次元的張力が働くことにより、座面をより安定化させているからである。これにより、使用者が該健康増進装置の座面に着座した際にも、座面の形状が変形しにくいものとなる。
【0025】次に、実施形態1の健康増進装置の使用方法および効果について説明する。かかる実施形態の健康増進装置は、主として腰掛椅子として使用されるものであるが、かかる用途に限定するものではなく、他の図示しないベッドなどと併用することによって、頭部や脚などを座面に載せて使用することもできる。
【0026】かかる健康増進装置において、加振機3によって発生した振動は、前記シート材9を介して座面6に伝播され、座面6を振動させる。シート材9は下方向に張設され、且つ捩じられた状態で張設されており、弛みが生じにくいため、振動が伝播しやすく、前記加振機3で発生させた振動を確実に座面6へ伝播させることができる。また、座面6を構成する膜材1が、二方向曲率面を有しているがゆえに、かかる振動が座面全体へ伝わりやすく、座面6に着座した使用者の股部を介して脊髄へ適度な刺激を与えることができる。
【0027】また、本実施形態の健康増進装置には、スピーカが設けられていないため、本装置以外に設けた音響機器から発生させた音楽などと併せて使用することにより、かかる音楽と相俟って、内臓諸器官を活発化させ、疲労回復や精力増強などを図ることができる。
【0028】また、緊張手段7によって加える張力を調整することにより、座面6の座り心地と膜材1から伝播される刺激を調節することができる。
【0029】<第2実施形態>本発明にかかる第2の実施形態について、図4、5に基づき説明する。上記第1実施形態と重複する構成の説明は省略し、図番は適宜援用する。本実施形態では、上記第1実施形態に設けられていた加振機の代わりとして、ベース体4上に座面6の裏面側に向けてスピーカ12が設けられている。さらに、本実施形態では、スピーカ12の配された空間が外部と遮断されるように、座面を構成する膜材1が支持部材2の外側に延設され、支持部材2のアーチ型の開口部が閉じらるよう構成されている。したがって、前記座面6を構成する膜材1は、略コーン形状の閉空間を構成している。また、スピーカ12は、前記加振機3と同様に、音響機器等に電気的に接続されており、かかる音響機器等から出力された電気信号によって、音楽を発するものである。
【0030】次に、実施形態2の健康増進装置の使用方法および効果について説明する。スピーカ12から発せられた音波は、前記略コーン形状の閉空間内にて反響し、座面6を構成する膜面を振動させ、かかる振動が脊椎や神経系を効果的に刺激し、また、膜材から空気を介して聴覚に伝播した音楽との相乗効果により、リラックス効果や疲労回復などの健康増進を図ることができる。
【0031】<第3実施形態>本発明にかかる第3の実施形態について、図6に基づき説明する。前記第1又は第2の実施形態と共通する部材については、説明は省略し図番のみ援用する。かかる第3の実施形態は、座面6が背凭れ椅子の形状に構成された健康増進椅子の一実施形態を示しており、座面6は、座部15、背凭れ部16および枕部17を有するよう形成され、更には、肘掛18や踏板19が設けられて構成されている。
【0032】座部15は、前記実施形態1と同様に、膜材1によって二方向曲率面を有するように形成されており、また、座部の片側を支持する支持部材2は上部に延設され、背凭れ部16と枕部17を形成する膜材1を張設している。枕部17は、前記実施形態2に示したように、略コーン形状の閉空間内に音響機器と接続されたスピーカ12を配して構成され、表面が使用者の頭部を好適に支持できるよう張設されている。さらに、椅子両側には支持部材2から延設された肘掛18が設けられ、また、背凭れ部16が設けられた支持部材2と相対する側の支持部材2下部には、踏板19が設けられている。
【0033】また、支持部材2には、前記スピーカ12から発せられる音楽と同様の不規則な振動を発生させる加振機3が、図示しない音響機器と接続された状態で設置される。
【0034】また、座部15を構成する膜材1の裏面や、背凭れ部16を構成する膜材1裏面に沿って、支持部材2同士を結ぶ、鋼製もしくは布製などの帯状連結部材20を設けることも可能である。
【0035】かかる実施形態の健康増進装置によれば、加振機3から発生した振動が、支持部材2を介して肘掛18や踏板19に伝達され、さらには座面6全域にも伝達されることにより椅子全体を振動させることができる。また、座部15や背凭れ部16に帯状連結部材20を設けた場合には、座面6の中央部を効果的に振動させることができる。さらに、枕部17に設置したスピーカ12からは前記振動と調和した音楽が発せられ、聴覚に伝播されると共に、かかる音楽は略コーン形状の閉空間内で共鳴され、枕部17を構成する膜材を振動させる。
【0036】このようにして、加振機3およびスピーカ12から発せられ膜材1に伝達された振動は、使用者の臀部、背中、首、後頭部、腕、および足の裏などを振動させ、脊椎や神経系統等を刺激し、聴覚を通じて伝播した音楽による心理的作用との相乗効果によって、神経系の緊張緩和と疲労回復、ならびに健康増進を図ることができる。
【0037】
【発明の効果】上述のように、本発明にかかる健康増進装置および健康増進椅子によれば、座面が二方向曲率面を有して形成されているため、振動手段にて発せられた振動により確実に座面が振動させられ、脊椎や神経系統等へ適確に刺激を伝達することができる。さらに、音楽とともに使用し、振動手段からも音楽と同様の不規則な振動を発生させた場合には、聴覚を通じて伝播された音楽による心理的作用との相乗効果をもって、疲労回復および健康増進を図ることができる。また、緊張手段を具備していれば、座面を構成する膜材を好適な張り具合に調節することができ、使用者が体重に合わせて座面の張力を調整したり、もしくは座面に伝達される振動の強弱を、好みに合わせて調整することができる。
【出願人】 【識別番号】500214130
【氏名又は名称】能村 龍太郎
【出願日】 平成11年11月10日(1999.11.10)
【代理人】 【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
【公開番号】 特開2001−137306(P2001−137306A)
【公開日】 平成13年5月22日(2001.5.22)
【出願番号】 特願平11−319893