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【発明の名称】 マッサージ機
【発明者】 【氏名】古川 洋一

【氏名】村田 利晴

【要約】 【課題】機体を水中に沈めた状態で、足や足指に対し十分なマッサージ効果を与えることができ、しかも取扱が容易なマッサージ機の提供。

【解決手段】この発明による水中で使用可能なマッサージ機Mでは、本体ケース1外面に複数個の突起からなる突起群3R1〜3R8,3L1〜3L8が左右に対称配置され、各突起群における所定数の指部刺激突起3R1〜3R4,3L1〜3L4は、足指の間又は両足指の付け根付近に当接することができるように配置されている。マッサージ機Mを浴槽の側壁等に凸状部4L,4Rを下にして設置し、本体ケース1の外面に足を当てると、重力が軽減されている両足の指の間又は指の付け根付近がほぼ水平の各突起に当接されるので、無用な力が加わらない状態で、両足指の間又は両足指の付け根付近の「ツボ」を効果的に刺激することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】駆動機構を収納した密閉空間を内部に備え、複数個の刺激用凸部を外部に備えていることを特徴とする水中で使用可能なマッサージ機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マッサージ機に関し、より詳細にいうと、浴槽などの水中に沈めて使用するのに適したマッサージ機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、浴槽内において疲労の回復や健康の増進を図るため、気泡や噴流を噴出させて身体をマッサージするものがあったが、設備が大掛かりな割にはマッサージ効果が小さいという欠点がある。そこで、最近は、一般的に用いられている機械的振動による簡易形マッサージ機を浴槽内においても使用することができるようにし、入浴を楽しみながら、くつろいだ状態で、機械的振動によるマッサージ作用を身体に直接与え、良好なマッサージ効果を得ようとする試みがなされつつある。
【0003】ところが、このようなタイプのマッサージ機は、大気中という通常環境で使用するように設計されてきたので、これをそのまま水中で使用しようとすると、種々の困難な問題が生じてくる。
【0004】一般に、入浴中は、入浴者の身体各部に作用する重力が水の浮力により軽減され、特に、足については、通常状態と比べて格段に動きが自由になる。従って、水中に沈めて使用するマッサージ機においては、身体各部のうち特に足に対するマッサージ効果が期待される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このような事情に鑑み、機体を水中に沈めた状態で、足や足指に対し十分なマッサージ効果を与えることができ、しかも取扱が容易なマッサージ機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の主たる特徴に従うと、駆動機構を収納した密閉空間を内部に備え、複数個の刺激用凸部を外部に備えている水中で使用可能なマッサージ機が提供される。これらの刺激用凸部は、例えば、両足指の間乃至両足指の付け根付近に対応する複数の位置に、それぞれ、複数個の指部刺激突起を本体ケース外面の左右に配置したものとすることができ、また、指部刺激突起の後部に凸状部が左右に配置したものとすることもでき、両凸状部の中間に前後方向に走る凹状部が形成されることが好ましい。
【0007】〔作用〕この発明によると、本体内には駆動機構を収納した密閉空間を備え、本体外面には複数個の刺激用凸部を外部に備えている。マッサージ機を浴槽の側壁等に設置すると、本体外面に設けられた複数個の刺激用凸部がほぼ水平に近い方向に向かうことになり、また、入浴者は、浮力により重力が軽減された状態にある。従って、本体外面に入浴者の足や背中等を当てると、重力が軽減されている足や背中等がほぼ水平の各突起に当接されるので、無用な力が加わらない状態で足や背中等を効果的に刺激することができる。これらの刺激用凸部の具体例としては、複数個の突起からなる突起群を左右に対称配置し、各突起群において、複数個の突起は、足指の間又は両足指の付け根付近に当接することができるように配置される。この場合、本体ケース外面に足を当てると、重力が軽減されている入浴者の両足の指の間又は指の付け根付近がほぼ水平の各突起に当接されるので、無用な力が加わらない状態で、両足指の間又は両足指の付け根付近の「ツボ」を効果的に刺激することができる。また、刺激用凸部としては、更に、各指部刺激突起群の後部に凸状部を配置するよう構成することができ、この凸状部によって突起よりも面的なマッサージが施され、その中間の凹状部により、マッサージ機本体に背骨が当たるのを防止すると共に、中心位置を容易に把握することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、この発明の好適な実施例を詳述する。なお、以下の実施例は単なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0009】〔外形構造〕図1は、この発明の一実施例によるマッサージ機の全体像を示す斜視外観図である。ここでは、図示の“X”方向を左右方向といい、“Y”方向を前後方向といい、“Z”方向を上下方向というものとする。図2は、このマッサージ機の外形を左(X方向)側からみた側面図を示す。図3〜図5は、それぞれ、上(Z方向)側からみた上面図、前(−Y方向)側からみた正面図、及び、下(−Z方向)側からみた下面図を示し、各図における「マッサージ機の左右」と「各図を正視した場合の左右」とは逆になっている。また、図6には、このマッサージ機を浴槽内で使用する場合の使用状態の一例が示されている。
【0010】マッサージ機Mの本体ケース1は、例えば、硬質の合成樹脂で作製され、内部には、駆動機構収納チャンバ及びバラストタンクが形成され、駆動機構収納チャンバは、気密が保たれ、電気的入力により駆動され機械的な振動を発生する振動機構を収納している。この振動機構は、本体ケース1の上部に設けたスイッチ操作子2を操作することにより、機械的な振動を発生し、マッサージ機本体を左右及び前後方向(X,Y方向)に振動させることができる。また、本体ケース1の外形は、図示のように、上(Z方向)側からみると、ほぼ、膨らんだ台形の左右対称形状をなしているが、角部は丸められ(図3)、左右及び前後方向(X,Y方向)には、水を切るような流線型の形状をなしている(図2及び図4)。すなわち、振動方向(X,Y方向)に直交する面(Z方向に平行な面)をなくした流線形状となっている。
【0011】本体ケース1の上部には、中央を前後方向(Y方向)に走る凹状部GVを挟んで、総計2m個の突起3L(3L1〜3Lm),3R(3R1〜3Rm)及び凸状部4L,4Rが、図3に模様線で塗られて示されるように、それぞれ左右対称に形成されている。なお、図示の実施例ではm=8であるが、必要に応じて適宜増減することができる。凸状部4L,4Rの一方、例えば、右側の凸状部4Rにスイッチ操作子2が突設されている。凹状部GVは、図6に示すような使用状態で、マッサージ機本体が身体の背骨部位に当らないようにしたり、足裏でマッサージ機本体の左右を識別したりするのに役立つ。また、凸状部4R上にスイッチ操作子2が突設されているので、入浴剤などで懸濁した湯水中でも足裏(踵)で容易にマッサージ機を作動させたり、入浴者が視認し得ないような背中や腰のような背面部位を当てるだけで容易にマッサージ機を作動させることができる。
【0012】凹状部GVの中心線(Y方向)を挟んで左右対称に形成され突起3L(3L1〜3L8),3R(3R1〜3R8)は、それぞれ突起群を形成し、両突起群のうち、図1で斜め格子線が施された4つの指部刺激突起3L1〜3L4,3R1〜3R4は、標準的な体格の人の足の寸法に合わせて、凸状部4L,4R上に左右両足の踵を当てた場合、両足の各指の間又は各指の付け根付近の所謂「ツボ」に当接することができるように配置されている。例えば、指部刺激突起3L1,3R1は、足の第1指(親指)と第2指との間又は両指の付け根付近に相当する位置に、指部刺激突起3L2,3R2は、足の第2指と第3指との間又は両指の付け根付近に相当する位置に、指部刺激突起3L3,3R3は、足の第3指と第4指との間又は両指の付け根付近に相当する位置に、指部刺激突起3L4,3R4は、足の第4指と第5指との間又は両指の付け根付近に相当する位置に、それぞれ、配置される。
【0013】他の突起3L5〜3L8,3R5〜3R8も両足裏の他の「ツボ」に相当する箇所に配置される。これらの突起3L1〜3L8,3R1〜3R8は、必要に応じて、設置箇所を変更したり、数を削減することができ、或いは、新たな突起を付加することができる。凸状部4L,4Rは、足裏をマッサージする際、踵を置くのに適しており、また、突起よりも面的なマッサージを施すことができる。
【0014】本体ケース1の左右には開口OPがそれぞれ形成され、開口OPの左右方向(X方向)の外側にそれぞれ把持部HDが形成されている。これらの把持部HDは、双方或いは片方を掴むことにより、両手或いは片手で簡単に持運びすることができる。また、本体ケース1における左右及び前後方向(X,Y方向)の外周側面及び開口側面の適当な箇所には、本体ケース1内に形成されたバラストタンクに連通する複数nの給排水口5(51〜5n)が設けられており、これらの給排水口5(51〜5n)の一部は、開口OPにも面して設けられるので、バラストタンクに対する湯水の給排水を効率よく行うことができる。なお、図示の実施例ではn=8であるが、必要に応じて適宜増減することができる。
【0015】本体ケース1の外周には、軟質のゴムや合成樹脂の部材で作製された帯状の保護バンド6が設けられる。この軟質性の保護バンド6は、横断面が「エ」字状をなし、本体ケース1の組立てに際しケース外周縁に形成される溝部に嵌め込まれる。このマッサージ機Mは、通常、入浴時に裸で使用されるので、浴場内等でマッサージ機本体を落とした際には、マッサージ機本体に備え付けてある保護バンド6により、硬い本体ケース1が、直接、身体に接触するのを防止することができる。また、図2のように、浴槽BVなどの狭いところで使用した際にも、マッサージ機本体が浴槽BVに当たって浴槽BVに傷を付けたり、マッサージ機Mの稼働中に本体ケース1の振動が浴槽BVに直接的に伝わることを防ぐことができる。
【0016】本体ケース1の下部には、2個の吸盤体7L,7R及び支持体8L,8Rが互いにクロスした位置(対角位置)に形成されている。この吸盤体7L,7Rは、ゴムや合成樹脂等のように弾性があり防振機能をもつ防振材料にて、支持部7a及び吸盤部7bを一体化して形成されたものであり、吸盤部7bには取外し片7cを備えている。支持体8L,8Rは、吸盤体7L,7Rと同一又は類似の防振材料で類似の形状に形成され、支持部8a及び擬似吸盤部8bを有するが、擬似吸盤部8bには開孔8cが穿けられており、吸盤体7L,7Rのように、吸着固定機能を備えていない。
【0017】また、本体ケース1の下部には、電源コードWRが挿通する電源コード取出し部9が設けられ、電源コードWRは、マッサージ機本体内部の駆動機構収納チャンバに設けられた駆動機構を外部の電源部に接続するためのものである。電源コード取出し部9や電源コードWRまわりは、駆動機構収納チャンバに湯水が浸入しないように十分な防水対策が施されている。
【0018】従って、このマッサージ機Mを、図6に示すように、浴槽BV内で使用する場合には、まず、マッサージ機Mを浴槽BV内の湯水中に沈める。この発明の一実施例においては、マッサージ機Mを沈めると、多数の給排水口51〜58から本体ケース1内のバラストタンクに湯水が直ちに流入するようになっているので、マッサージ機Mに対する浮力を少なくした状態で、マッサージ機Mを素早く容易に湯水中に沈めることができる。浴槽BV内の側壁或いは底面の所望箇所に素早く移動することができる。
【0019】そして、マッサージ機Mを浴槽BVの所望箇所まで移動し、吸盤体7L,7Rを押圧して所望箇所に設置する。この発明の一実施例では、マッサージ機Mの設置の際、吸盤体7L,7Rの吸盤による吸着力を利用してマッサージ機本体を浴槽BVの設置箇所に結合するようになっているので、設置箇所が図6に示すような浴槽BVの内側壁のように垂直面であっても、マッサージ機本体をしっかりと安定した状態で固定することができる。従って、浴槽BV内面の任意位置にマッサージ機Mを設置して、足、ふくらはぎ、太股、腰、背中、首筋等、身体の所望部位をマッサージをすることができ、また、マッサージ機本体の浮力で湯水面上に浮き上がってくるようなこともない。
【0020】次に、マッサージ機Mの使用に当っては、浴槽BV内面の所定箇所に設置されたマッサージ機Mのスイッチ操作子2を操作し、マッサージ機Mの動作電源を投入すると、振動発生部により発生される振動によってマッサージ機本体は左右乃至前後方向(X方向乃至Y方向、即ち、X方向、Y方向及びX,Y両者を混合した方向)に振動する。この振動は、突起3L(3L1〜3Lm),3R(3R1〜3Rm)及び凸状部4L,4Rを介して、本体ケース1の上部に当接している身体の所定部位に刺激を与える。
【0021】この発明によるマッサージ機の好適な実施例では、図3に模様線で塗られて示されるように、左右の突起群にそれぞれ8個(m=8)の突起3L1〜3L8,3R1〜3R8が設けられる。これら左右の突起のうち、外周縁より内側の最も前(−Y方向)に並べて形成された各4つの指部刺激突起3L1〜3L4,3R1〜3R4(図1に斜め格子線で示される)の間隔は、前述したように、標準的な各足指の間隔に合わせた寸法に設計されており、足指の間又は足指の付け根付近の「ツボ」に相当する箇所に配置される。また、各突起群の突起3L5〜3L8,3R5〜3R8も、両足裏の他の「ツボ」に相当する箇所に配置される。
【0022】例えば、図6の右側のように、マッサージ機を浴槽の側壁等に設置された状態では、本体ケース外面に設けられた両突起群の各突起はほぼ水平に近い方向に向かっている。また、入浴者の足は、浮力により重力が軽減された状態にある。ここで、マッサージをしたい部位が両足である場合、左右両足の踵部をそれぞれ凸状部4L,4Rに当接させ、両足指近傍を指部刺激突起3L1〜3L4,3R1〜3R4に当接させ、右足の踵部でスイッチ操作子2を押圧操作すると、マッサージ機本体は振動を始める。この際、重力が軽減されている両足の指の間又は指の付け根付近をほぼ水平の各突起に当接しているので、無用な力が加わらない状態で、両足指の間又は両足指の付け根付近の「ツボ」を効果的に刺激することができる。
【0023】また、この発明の一実施例によるマッサージ機では、本体ケース1を流線型にして振動の伝搬を防止するようにしているので、マッサージ機本体の振動が湯水を介して浴槽BVに伝わって浴槽BVや湯水を異常に振動させるようなことがなく、従って、これによっても、マッサージ効果を高めることができる。
【0024】さらに、この発明の一実施例では、マッサージ機Mを浴槽BV内の側壁或いは底面に固定している吸盤体7L,7Rは、支持部7aが防振材料で作製されているので、マッサージ機本体の振動が浴槽BVに直接で伝わらなくすることができる。また、支持体8L,8Rも同様に防振材料で作製されているので、吸盤体7L,7Rと共同して、マッサージ機本体を浴槽BVの内面に安定支持するだけでなく、マッサージ機本体の振動が支持体8a,8bを介して浴槽BVに伝わることも防止することができる。
【0025】なお、マッサージ機Mの使用を終えた場合は、吸盤体7L,7Rの取外し片7cを引くことにより吸盤体部7bが浴槽BVの内面から容易にはがれるので、簡単にマッサージ機本体を浴槽BVから取り外すことができる。
【0026】〔内部構造〕図7は、この発明の一実施例によるマッサージ機Mを後(Y方向)側からみた背面断面図であり、図8(1)は、この発明の一実施例によるマッサージ機Mを左(X方向)側からみた側面断面図であり、図8(2)及び図9は、図8(1)の保護バンド近傍及びスイッチ操作子近傍を拡大した側面断面図である。本体ケース1は、図示のように、トップケース1T及びアンダーケース1Uから成り、上下(Z方向)に2分割可能になっている。なお、図7では、これを「正視した場合の左右」と「マッサージ機の左右」とが一致しており、図3〜図5とは左右が逆になっている。
【0027】トップケース1Tは、下(−Z方向)側からみて全体的に凹状を呈しマッサージ機本体の上部に丸みを帯びた表面形状を与える外殻1TSと、外殻1TSの凹状内部に形成された角筒状の隔壁1TWとを有し、外殻1TSの外部には突起3L1〜3L8,3R1〜3R8等が一体成型で形成されている。隔壁1TWは、外殻1TSから下方向(−Z方向)に屹立しており、外殻1TSと共に一体成型された硬質合成樹脂製である。アンダーケース1Uも、上(Z方向)側からみて全体的に凹状を呈しマッサージ機本体の下部の表面形状を規定する外殻1USと、外殻1USの凹状内部に形成された角筒状の隔壁1UWとを有する。隔壁1UWも、外殻1USから上方向(Z方向)に屹立しており、外殻1USと共に一体成型された硬質合成樹脂製である。
【0028】両ケース1T,1Uの外側端縁OE及び内側端縁IEは、それぞれ、互いに結合され、マッサージ機本体のXY平面上で、最大外形及び開口OPの内径を規定する。アンダーケース1Uの外殻1USの外側端縁OEは、内部側が図7及び図8(1)では中央を左右に走る直線(XY平面)で表わされ、図8(2)の一部拡大図に示されるように、トップケース1Tの外殻1TSの端縁OEと結合するだけでなく、この端縁と共にカギ状の溝を形成する。そして、保護バンド6は、横断面「エ」字状の内側凸状部がこのカギ状の溝に挟み込まれる形で、両ケース1T,1Uに固定されている。
【0029】本体ケース1は、保護バンド6を組み込んだ状態で両ケース1T,1Uの外側端縁OE及び内側端縁IEを嵌め合わせ、両隔壁1TW,1UWの端縁を互いに接合し、両ケース1T,1Uを複数のビスで上下(Z方向)に締め付けて合体させて形成される。この本体ケース1の内部には、両隔壁1TW,1UWと外殻1TS,1USの中央部とにより駆動機構収納チャンバCHが形成される。このチャンバCHの周辺には、外殻1TS,1USの周辺部との間で左右方向に対称なバラストタンクBT(斜線部)が形成される。
【0030】図10及び図11は、本体ケース1を上下に2分割した場合のトップケース1T及びアンダーケース1Uの内部構成を表わしており、図10は、下(−Z方向)側からトップケース1Tをみた下面図であり、図11は、上(Z方向)側からアンダーケース1Uをみた上面図であり、また、図12は、図7下部のアンダーケースの圧力調整機構部分の拡大背面断面図である。なお、図10〜図12は、図7と同様に、各図における「マッサージ機の左右」と「各図を正視した場合の左右」とが一致しており、図3〜図5とは左右が逆である点に注意する必要がある。
【0031】駆動機構収納チャンバCHの一方の外壁となるトップケース1T(図10参照)の外殻1TSの中央部には、図7及び図8(1)の上側に示すように、本体ケース1の右側上部に突起している凸状部4Rの最高部にスイッチ操作子収容孔10が形成され、この収容孔10内にはスイッチ操作子2が収容され、収容孔10近傍の内部側にはスイッチ取付け台11が形成されている。これは、あらゆる条件を考慮して、どんな状態でもマッサージ機の操作スイッチを操作することができるようにしたものである。また、外殻1TSの中央部から左側の内部には(凹状部GVから凸状部4Lにかけて)駆動機構取付け台12が形成され、その内側には振動体取付け台13が形成されている。これらの取付け台11〜13は、隔壁1TWと同様、外殻1TSと共に一体成型で形成される。
【0032】スイッチ取付け台11には、図9に示すように、スイッチ操作子2の操作子本体2Mを覆い軟質で弾性のあるゴムや合成樹脂等の部材で作製された防水キャップ2Cを介して取付けプレート14がビス等でしっかりと固定され、チャンバCHへの湯水の浸入を防ぐようにしている。この取付けプレート14と防水キャップ2Cとの間には操作子本体2Mが介在し、反対側のプレート14上には、防水キャップ2Cにより操作本体2Mを介して駆動されるスイッチ本体15が取り付けられる。この防水キャップ2Cは、先端の肉厚が大きいので、浴槽BV等の固い壁面や床面で擦らても破れず、また、マッサージ機を落した際にも、破れたり切れたりすることがない。また、防水キャップ2Cは、防水パッキン機能をもつスイッチカバーの役割を果たすと共に、軟質の部材を使用することで、身体に接触した際の違和感を緩和している。また、マッサージ機を浴槽BV等で使用する際、視界が悪かったりマッサージ機本体が見にくい状態での使用を考慮して、スイッチ本体15には、好ましくは、スイッチ操作子2を押している間だけオンするタイプのものが用いられる。
【0033】また、駆動機構取付け台12に固定された取付けプレート16には、駆動モータ17や振動発生機構18が取り付けられ、振動発生機構18の他端は振動体取付け台13により支持され、駆動機構には、電気入力により駆動し得る任意のタイプの振動動力源を用いることができるが、この例では、比較的低電圧で駆動力のあるDCモータを駆動モータ17として用い、このDCモータ17によって、振動体機構18を駆動するようにしている。すなわち、図示しない外部のDC電源に対して、チャンバCH内では、電源コードWR及びスイッチ本体15を介してDCモータ17等の振動生成用電気機器を接続するようになっている。このマッサージ機を使用する際、スイッチ操作子2を押すと、例えば、押している間だけ、スイッチ本体15がオンし、電源コードWRから振動生成用電気機器17にDC電源が供給され、マッサージのための振動が発生する。
【0034】トップケース1Tの外殻1TSの周辺部は、図10に斜線で示すように、バラストタンクBTの一方の外壁となるので、給排水口51〜54が左右対称に形成される。各給排水口51〜54は、マッサージ機本体の強度と湯水の高速給排水と美観とを考慮して、それぞれ、縦長の多数の小孔で構成している。また、外殻1TSの周辺部の内側の所要箇所には、下側外部からアンダーケース1Uのビス孔を介して両ケース合体用ビスのネジを受ける多数(この例では、計15個)のビス受け部が外殻1TSとの一体成型により形成されている(図形から明らかなので、図10には特に参照番号を付していない。)。
【0035】チャンバCHの他方の外壁となるアンダーケース1U(図11参照)の外殻1USの中央部には、図7の下部に示すように、やや左側に、電源コードWRを挿通する電源コード取出し部9が形成され、左側の凸状部4Lに対応する箇所には、チャンバCHと外部に通じる円筒状の圧力調整室19が形成される。圧力調整室19は、図12に示すように、外殻1USから内部側(Z方向)に屹立する複数本(この例では、3本)の支柱部20の内側に形成された円筒状隔壁21をもつ。この圧力調整室19内には、図7下部及び図12に斜線で示すように、弾性材料から成り下向きの半球状を呈する圧力調整部材22が設置される。この圧力調整部材22は、チャンバCH内の密閉空間と外部を区画し、チャンバCH内の気圧変化に応じて収縮し、密閉空間の圧力を自動調整する機能をもっている。
【0036】圧力調整部材22を圧力調整室19内に設ける方法は以下のとおりである。図12に示すように、円筒状隔壁21の上端には円弧状の細溝が施され、圧力調整部材22の外縁には下向きの凹状環が形成され、この凹状部の中央には円弧状の細山が形成されている。そこで、円筒状隔壁21の上端に圧力調整部材22の外縁を載せて細溝に細山を嵌め込み、その上に、圧力調整部材22の半球部外径にほぼ等しい内径の円形の穴が空けられた保持プレート23を載せ、ビス24等で支柱部20にしっかりと固定する。このような構成により、圧力調整部材22は、側部からの浸水を心配することなく、密閉されたチャンバCH内の気圧変化に応じて収縮し、密閉空間と外部との圧力差を吸収する機能を発揮することができる。
【0037】圧力調整室19の底部には、外部から接触を防ぐためのガード外壁25が突設され、このガード外壁23の周縁は複数本の支持体26で底部に連結されているので、圧力調整室19の室内はこれら支持体26の間隙を介して外部と連通している。
【0038】アンダーケース1Uの外殻1USの周辺部も、図11に斜線で示すように、バラストタンクBTの他方の外壁となるので、給排水口55〜58が左右対称に形成される。各給排水口55〜58も、トップケース1Tの給排水口51〜54と同様、マッサージ機本体の強度と湯水の高速給排水と美観とを考慮して、それぞれ、縦長の多数の小孔で構成している。
【0039】また、外殻1USの周辺部の内側の所要箇所には、図11に示すように、下側外部から両ケース合体用ビスのネジを挿通する多数(この例では、計15個)のビス穴部が形成されている。さらに、外殻1USの周辺部の外部側には、隔壁1UWに近い4箇所に、吸盤体7L,7R及び支持体8L,8Rを取り付けるための支持取付け部が形成されている。この支持取付け部は、例えば、図8(1)の下部に示されるように、吸盤体7L,7R及び支持体8L,8Rの上部に形成された雄ネジを受容するネジ受けで構成される。なお、図11においては、これらのビス穴部及び支持取付け部は、図形から明らかなので、特に参照番号を付していない。
【0040】さて、トップケース1T(図10)及びアンダーケース1U(図11)の隔壁1TW,1UWの端縁を、シール材、例えば、断面「H」字状の無端パッキンを介して、接合すると共に、両ケース1T,1Uの外側端縁OE及び内側端縁IEを相互に係合させ、両ケース間を多数のビスでしっかり締め付け固定すると、両ケースは完全に合体して本体ケース1が組み立てられる。これにより、中央部には密閉された駆動機構収納チャンバCHが形成され、このチャンバCHの外側には左右対称のバラストタンクBT(斜線部)が形成される。また、両ケース1T,1Uの内側端縁IEによって左右方向の対称位置に対称形状の開口OSが形成され、また、バラストタンクBTの開口OSより外側の部分には、左右対称な把持部HDが形成される。
【0041】この発明の一実施例によるマッサージ機では、本体ケース1内に、トップケース1T及びアンダーケース1Uの隔壁1TW,1UWにより、必要最低限の密閉された内部空間をチャンバCHとして確保しておき、それ以外の内部空間は、バラストタンクBTとし、両ケース1T,1Uに給排水口51〜58を設けているので、マッサージ機本体を浴槽BVなどの湯水中に沈めて使う場合、マッサージ機本体にかかる浮力を極力少なくすることができる。また、これらバラストタンクBT及び給排水口51〜58は、上述のように左右対称に形成されていることにより、単に浮力を少なくするだけではなく、給排水口51〜58を介したバラストタンクBTに対する湯水の流入・流出を左右で安定させるので両把持部HDにかかる力が平衡することになり、取扱いが非常に容易となる。
【0042】水中で使用可能なマッサージ機は、浴槽BV内のように温水中で使用されることが多いので、密閉された駆動機構収納チャンバCH内の大気が温水により膨張し、チャンバ外壁を構成する硬質の外殻1TS,1USや隔壁1TW,1UW等に無用の圧力がかかり、隔壁1TW,1UW間に介挿されたパッキンに大きな負担がかかることになる。
【0043】また、図示しない外部のDC電源に対して、チャンバCH内では、電源コードWR及びスイッチ本体15を介してDCモータ17等の振動生成用電気機器を接続するようになっており、マッサージ機使用時には、スイッチ操作子2を押すと、押している間だけ電源コードWRから振動生成用電気機器17にDC電源が供給される。チャンバCH内は密閉されてはいるが、若干の水分が浸入することがあるかも知れない。従って、マッサージ機の使用に際しては、DC電源が供給されている状態でスイッチ本体15やDCモータ17等の電気機器から火花が発生する可能性もある。このような状況において、給電されたDC電圧によりチャンバCH内の水分が水素と酸素とに電気分解された状態で火花が発生すると、水素がこれに反応し爆発を起こしてチャンバCH内の圧力が急激に増大し、パッキンに大きな負担がかかるだけでなく、場合によっては、硬質のチャンバ外壁自体を破壊するおそれが多分にある。
【0044】この発明の一実施例によるマッサージ機においては、このようなパッキンへの負担を軽減し、また、チャンバ外壁の破壊を防止するために、前述のように、圧力調整室19に圧力調整部材22を設けて圧力を調整する圧力調整機構を採用している。すなわち、このマッサージ機では、チャンバCH内の密閉空間と外部との間には、気圧変化によって膨張収縮する圧力調整部材22が介在するので、機体内部の密閉空間が温度上昇により気圧が変化しても、隔壁1TW,1UW間に介挿されたパッキンに大きな負担がかかることがない。また、爆発等によりチャンバCH内の圧力が急激に増大しても、膨張収縮する圧力調整部材22のみが破壊されるだけで、チャンバ外壁1TS,1US;1TW,1UWは破壊されることがない。さらに、膨張収縮する圧力調整部材22には、ガード外壁25で囲いをしているので、外部から触られることがないよう安全設計がなされている。
【0045】なお、一旦組み立てられたマッサージ機Mを補修や点検のために解体するには、トップケース1T及びアンダーケース1U間を締め付け固定している多数のビスを外し、両ケース1T,1Uの外側端縁OE及び内側端縁IE間の係合を解き、隔壁1TW,1UWの端縁間の接合を解くだけでよい。これにより、トップケース1T、アンダーケース1U、軟質保護バンド6及び1TW,1UW間の防水シール材(パッキン)に、簡単に分解することができる。
【0046】なお、スイッチ操作子2について、図9の実施例においては、防水キャップ2Cで操作子本体2Mを覆うタイプの防水構造を示したが、この外に、種々のタイプの防水構造を採用することができる。例えば、スイッチ本体(スイッチ下部)を本体ケース内側に設けたスイッチ取付け台に設置し、本体ケースにはスイッチ本体の操作子に対応する位置に穴を形成し、この穴には、スイッチ操作子(スイッチ上部)を穴から外部へ突出するように収容する。そして、本体ケースの表面には粘着材付き樹脂製防水シートを貼り付け、この防水シートには、この穴乃至スイッチ操作子に対応する領域にエンボス加工によって凹部を形成し、この凹部によりスイッチ操作子の突出部を収容する。このように、本体ケースの穴及び防水シートの凹部にスイッチ操作子を収容し、スイッチ操作子の上部及び防水シートのエンボス加工部をマッサージ機本体の表面から突出させる構成によっても、防水機能を持たせつつスイッチの操作性を高めるようにすることができる。
【0047】〔発明の効果〕以上説明したように、この発明によれば、本体内には駆動機構を収納した密閉空間を備え、本体外面には複数個の刺激用凸部を外部に備えている。マッサージ機を浴槽の側壁等に設置すると、本体外面に設けられた複数個の刺激用凸部がほぼ水平に近い方向に向かうことになり、また、入浴者は、浮力により重力が軽減された状態にある。従って、本体外面に入浴者の足や背中等を当てると、重力が軽減されている足や背中等がほぼ水平の各突起に当接されるので、無用な力が加わらない状態で足や背中等を効果的に刺激することができる。これらの刺激用凸部の具体例としては、複数個の突起からなる突起群を左右に対称配置し、各突起群において、複数個の突起は、足指の間又は両足指の付け根付近に当接することができるように配置される。この場合、本体ケース外面に足を当てると、重力が軽減されている入浴者の両足の指の間又は指の付け根付近がほぼ水平の各突起に当接されるので、無用な力が加わらない状態で、両足指の間又は両足指の付け根付近の「ツボ」を効果的に刺激することができる。また、刺激用凸部としては、更に、各指部刺激突起群の後部に凸状部を配置するよう構成することができ、この凸状部によって突起よりも面的なマッサージが施され、その中間の凹状部により、マッサージ機本体に背骨が当たるのを防止すると共に、中心位置を容易に把握することができる。
【出願人】 【識別番号】390018773
【氏名又は名称】株式会社マルタカ
【識別番号】599127748
【氏名又は名称】三和株式会社
【出願日】 平成11年9月8日(1999.9.8)
【代理人】 【識別番号】100107995
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 惠行 (外1名)
【公開番号】 特開2001−70390(P2001−70390A)
【公開日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【出願番号】 特願平11−254863