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【発明の名称】 電動ストレッチャー
【発明者】 【氏名】植田 俊夫

【氏名】石田 珠美

【要約】 【課題】患者等を搬送し移載する作業を最小限の労力で安全かつ容易に行なうことができる簡素な構成の電動ストレッチャーを提供する。

【解決手段】患者等を載置するトレー4と、このトレー4を支持し、水平方向に伸縮自在になっていて、該トレー4を移載位置と搬送時位置との間で横移動させるスライドアームを具えたアーム3と、このアーム3を昇降可能に支持する昇降手段5と、この昇降手段5が配置され電動で走行可能な台車2とを有する構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 患者等を搬送し移載するための電動ストレッチャーであって、患者等を載置するトレーと、このトレーを支持し、水平方向に伸縮自在になっていて、該トレーを移載位置と搬送時位置との間で横移動させるスライドアームを具えたアームと、このアームを昇降可能に支持する昇降手段と、この昇降手段が配置され電動で走行可能な台車とを有することを特徴とする電動ストレッチャー。
【請求項2】 前記トレーが樹脂材料からなる請求項1記載の電動ストレッチャー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、患者等を搬送し移載するための電動ストレッチャーに関する。
【0002】
【従来の技術】交通事故を始めとする不慮の事故、急病等の様々な緊急事態が頻繁に発生する情況にあって、救急車等から病院に酸素吸入や輸血等の応急処置をしながら運ばれてくる救急患者に対し手術等の処置を施すために、患者をCTスキャン(コンピュータ断層撮影検査)、X線撮影検査等の検査装置や手術室等に病院内で搬送する必要がある。この場合、従来は、救急車から下ろした手押しのストレッチャーに患者を載せて検査装置や手術室に移動した後に、ストレッチャー上に横たわる患者を、看護人や医師が抱き上げて、検査台や手術台上に移載する方法がとられていた。また、患者を検査台等から他の場所へ移す場合にも、検査台等に横たわる患者を看護人が抱き上げてストレッチャーに移載する必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のように、救急患者は、酸素吸入や輸血等の装置からのマスクや管が装着された状態にあり、ストレッチャー上に横たわる患者を看護人や医師が抱き上げて検査台や手術台上に移載する方法では、多大な労力がかかる点で問題があった。特に24時間体制の救急病院等では人手も不足しがちであるため、こうした問題の改善が望まれていた。
【0004】本発明は、こうした従来技術の課題を解決するものであり、患者等を搬送し移載する作業を最小限の労力で安全かつ容易に行なうことができる簡素な構成の電動ストレッチャーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、患者等を搬送するための電動ストレッチャーであって、患者等を載置するトレーと、このトレーを支持し、水平方向に伸縮自在になっていて、該トレーを移載位置と搬送時位置との間で横移動させるスライドアームを具えたアームと、このアームを昇降可能に支持する昇降手段と、この昇降手段が配置され電動で走行可能な台車とを有する。
【0006】上記構成によれば、台車が電動で走行可能であるので、アームで支持したトレーに患者等を載置して所望の場所に移動し、患者等を移載する検査台、手術台、ベッド等の高さに応じて、患者等を載置したトレーを昇降手段によって所望の高さに調節する。次に、スライドアームを水平方向に伸ばして患者等を載置したトレーを移載位置に横移動させ、患者等をトレーに載置したままで検査台、手術台、ベッド等に移載する。そして、スライドアームを縮めてトレーから離脱させることにより、患者等を搬送し移載する作業が完了する。
【0007】このため、救急患者に酸素吸入や輸血等の装置からのマスクや管が装着された状態にあっても、患者等を搬送し移載する作業を最小限の労力で安全かつ容易に行なうことが可能となる。また、患者を検査台等から他の場所へ移す場合にも同様の作用効果を奏する。
【0008】しかも、本発明の電動ストレッチャーは、簡素な構成で小型であるため、狭い場所でも容易に移動することが可能となる。
【0009】上記の電動ストレッチャーにおいて、前記トレーが樹脂材料からなる構成にすると、樹脂材料はX線を透過するため、患者をトレーに載置したままの状態で検査台に移載してX線撮影検査等を簡単に行うことが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0011】図1〜図3は、本発明の電動ストレッチャー1の構成例を示す。
【0012】この電動ストレッチャー1は、患者等を搬送し移載するためのものであって、患者6を載置するトレー4と、このトレー4を支持し、水平方向に伸縮自在になっていて、該トレー4を移載位置と搬送時位置との間で横移動させるスライドアーム32,33を具えたアーム3と、このアーム3を昇降可能に支持する昇降手段5と、この昇降手段5が配置され電動で走行可能な台車2とを有する。
【0013】より詳しくは、昇降手段5は、図1及び図3に示すように、患者等を載せるトレー4を支持するアーム3の高さを垂直方向Vに無段階で調節できるようになっていて、患者を移載する際に、あらゆる高さの検査台、手術台及びベッド等に対応可能としている。
【0014】具体的には、台車2の底部に油圧シリンダ51のシリンダ51bが固定され、アーム3を支持する支持体34にピストン51aの先端部が固定されている。この支持体34の下面には方形断面の案内枠53が垂設されていて、この案内枠53が台車2の底部に立設された2つの案内支柱54に外嵌され案内されるようになっている。これによって、アーム3を支持する支持体34が油圧シリンダ51を用いて上下動できるようになっている。油圧シリンダ51には、油圧ユニット22からの油圧ホース55が連結されていて、この油圧ユニット22がバッテリ23から電源供給される制御ユニット40の制御盤41に接続されている。制御ユニット40には、UPボタン及びDOWNボタンからなる昇降用操作ボタンスイッチ49が設けられていて、これらのボタン操作によってアーム3が昇降できるようになっている。
【0015】アーム3は、図2及び図3に示すように、支持体34から水平に延びる固定アーム31が固定されていて、この固定アーム31にスライドアーム32,33が水平方向Hに伸縮自在に設けられている。そして、スライドアーム33で支持したトレー4を移載位置と搬送時位置との間を手動で横移動できるようになっている。ここでは、トレー4を移載位置に横移動した状態を想像線で表している。
【0016】このトレー4は、樹脂材料からなり、長方形の板状部4aと、その下面に設けられた短辺方向に並行する2本のリブ4bとからなる。上記アーム3が、このトレー4の下面における2つのリブ4bの間に挿入されることで、患者等を載置したトレー4が長辺方向にずれるのを防止できるようになっている。また、このトレー4は樹脂材料からなるので、このトレー4に患者6を載置したままの状態で検査台に移載してX線撮影検査等を行うことができる。
【0017】台車2の駆動手段10は、図1及び図2に示すように、モータ11の駆動軸に固定されたプーリ12の回転が、タイミングベルト13を介して、駆動前輪14に連結されたプーリ14に伝達されるようになっている。この駆動手段10は、台車2の前方の左右に設けられていて、左右の駆動前輪14を独立して駆動できるようになっている。また、左右の後輪16はキャスターからなり360度旋回でき台車2の動きに従動できるようになっている。これによって、台車2の前進、後退、左旋回及び右旋回がスムーズに行えるようになっている。尚、左旋回及び右旋回の際に、左右の駆動手段10における各駆動前輪14が逆回転するように各モータ11の回転を制御するようにしてもよい。
【0018】また、台車2には、酸素ボンベ5が搭載され図略の酸素吸入装置に接続されていて、酸素マスクによって患者に酸素吸入を行いながら搬送できるようになっている。
【0019】制御ユニット40には、全体の制御を行うための制御盤41が内蔵されていて、この制御盤41にはバッテリ23から電源が供給されるようになっている。この制御ユニット40の上部及びハンドル21の周辺に操作機能を集中させている。具体的には、制御ユニット40の上部に、運転操作全体の可否を切り換えるキースイッチ42、電源表示灯43、走行方向を切り換える前進・後退切換スイッチ44、走行速度を切り換える高速・低速切換スイッチ47、ホーンボタンスイッチ48及びUPボタンとDOWNボタンからなりアーム3の昇降を行うための昇降用ボタンスイッチ49を設け、ハンドル21に走行始動ボタンスイッチ45、制動ボタンスイッチ46を設け、それぞれを制御盤41に接続している。
【0020】尚、上記の電動ストレッチャー1において、外部に露出する各部材にステンレス材料を用いることによって、血液等が付着しても簡単に清掃できるようにしている。
【0021】上記構成の電動ストレッチャー1によれば、台車2が電動で走行可能であるので、アーム3で支持したトレー4に患者6を載置して所望の場所に移動し、患者6を移載する検査台、手術台、ベッド等の高さに応じて、患者6を載置したトレー4を昇降手段5によって所望の高さに調節する。次に、スライドアーム32,33を水平方向に伸ばして患者6を載置したトレー4を移載位置に横移動させ、患者6をトレー4に載置したままで検査台、手術台、ベッド等に移載する。そして、トレー4をリブ4bにより検査台等の台上に載置してから、スライドアーム32,33を縮めてトレー4から離脱させることにより、患者6を搬送し移載する作業が完了する。
【0022】このため、救急の患者6に酸素吸入や輸血等の装置からのマスクや管が装着された状態にあっても、患者6を搬送し移載する作業を最小限の労力で安全かつ容易に行なうことができる。また、患者6を検査台等から他の場所へ移す場合にも同様の効果を奏する。しかも、電動ストレッチャー1は簡素な構成で小型であるため、狭い場所でも容易に移動することができる。
【0023】以上、本発明の電動ストレッチャーは、上記した実施形態の具体的構成に限定されるものではなく、必要に応じ適宜構成を変形、追加又は削除した構成としてもよいことは言うまでもない。
【0024】例えば、上記では、昇降手段としては、油圧シリンダーを用いる構成例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、X型に設けられたリンク機構を送りねじで駆動する方法によって、アームを昇降させる構成としてもよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電動ストレッチャーによれば、台車が電動で走行可能であるので、アームで支持したトレーに患者等を載置して所望の場所に移動し、患者等を移載する検査台、手術台、ベッド等の高さに応じて、患者等を載置したトレーを昇降手段によって所望の高さに調節すると共に、スライドアームを水平方向に伸ばして患者等を載置したトレーを移載位置に横移動させ、患者等をトレーに載置したままで検査台、手術台、ベッド等に移載した後に、スライドアームを縮めてトレーから離脱させることにより、患者等を搬送し移載する作業が完了する。
【0026】このため、救急患者に酸素吸入や輸血等の装置からのマスクや管が装着された状態にあっても、患者等を搬送し移載する作業を最小限の労力で安全かつ容易に行なうことができる。また、患者を検査台等から他の場所へ移す場合にも同様の効果を奏する。しかも、本発明の電動ストレッチャーは、簡素な構成で小型であるため、狭い場所でも容易に移動することができる。
【0027】また、トレーが樹脂材料からなる構成にすると、樹脂材料はX線を透過するため、患者をトレーに載置したままの状態で検査台に移載してX線撮影検査等を簡単に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】300033511
【氏名又は名称】株式会社クオレ
【出願日】 平成12年6月14日(2000.6.14)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
【公開番号】 特開2001−353185(P2001−353185A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2000−178320(P2000−178320)