| 【発明の名称】 |
手引き移動用シート |
| 【発明者】 |
【氏名】早野 昌志
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| 【要約】 |
【課題】防水性を有し、移動時の衝撃を緩和し、非力な人でも楽に移動できる手引き移動用シートを提供する。
【解決手段】表面シート材11が防水性なので、シート表面の水滴を簡単に拭き取れる。表面シート材11および裏面シート材12間にクッション材13が挟まれているので、老人が手引き移動用シート10に乗って移動する際、衝撃が少なく良好な乗り心地を与えられる。裏面シート材12には多数本の繊維12aが配されている。結果、非力な主婦でも楽に老人を引っ張って敷布団15の側方へ移動できる。さらに各繊維12aが、それぞれの軸線方向をシート幅方向に向けているので、その引っ張り方向が目標から若干ずれていても、老人の移動方向はずれにくい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 防水性を有する表面シート材と、シート幅方向に各軸線方向を揃えて配列された多数本の線状部材またはチューブ状部材を有する裏面シート材と、これらの表面シート材と裏面シート材との間に設けられるクッション材とを備えた手引き移動用シート。 【請求項2】 シート外縁に把手が設けられた請求項1に記載の手引き移動用シート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は手引き移動用シート、詳しくは例えば布団やベッドに寝ている人を、シーツ交換や入浴などのために側方へ移動させる手引き移動用シートに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、日本人の高齢化が進み、家庭の中で布団に寝たきりになった老人(被移動者)が急増している。その老人を日常的に介護するのは、おもに主婦などの女性(介護者)である。このため、非力な女性がひとりでシーツを交換する作業は、老人を抱きかかえなければならないことから、たいへんな重労働となっていた。そこで、従来、例えば以下のようなシーツ交換の方法が知られている。すなわち、まず主婦の介助によって、老人に敷布団の幅方向の片側半分へ寝返りをうたせる。次に、敷布団の残り半分に敷かれた旧いシーツの部分をはがす。それから、この敷布団の露出部分の上に新しいシーツを半分だけ延ばして敷く。次いで、老人を新たなシーツの上に移す。その後、旧いシーツを完全にはがし、シーツ全体を敷布団の上に延ばす。こうしてシーツの交換が完了する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような従来のシーツ交換にあっては、前述したように老人に寝返りをうたさせながら、半分ずつ新しいシーツを拡げる手法をとっていた。そのため、多大な手間がかかり、しかも主婦にはこの作業が重労働になっていた。さらに、この従来のシーツ交換によれば、布団やベッドの上でシーツの交換を行えるだけで、例えば作業が大がかりとなる布団やベッドの交換までは、このシーツ交換作業を応用することはできなかった。なお、通常、主婦ひとりで行われる老人の介護はこのシーツ交換だけにとどまらない。すなわち、例えば入浴させるため、老人を主婦ひとりの力で寝室から浴室までの長い距離を移動させたりしなければならなかった。この作業は、シーツの交換よりも、さらにたいへんな作業であった。 【0004】 【発明の目的】この発明は、防水性を有し、かつシート上の被移動者に伝わる移動時の衝撃を緩和することができ、しかも非力な人間でも楽に被移動者を引っ張って移動させることができ、さらにはこの引っ張り方向が若干目標から位置ずれしていても、被移動者の移動方向がずれにくい手引き移動用シートを提供することを、その目的としている。また、この発明は、シートが握りやすい手引き移動用シートを提供することを、その目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、防水性を有する表面シート材と、シート幅方向に各軸線方向を揃えて配列された多数本の線状部材またはチューブ状部材を有する裏面シート材と、これらの表面シート材と裏面シート材との間に設けられるクッション材とを備えた手引き移動用シートである。表面シート材の素材は限定されない。要は、防水性を有しているシート材であればよい。例えば各種の合成樹脂シートなどが採用できる。具体的には、防水布用帆布の一種であるターポリンシートなどが挙げられる。また、裏面シート材は限定されない。要は、人を乗せたまま手引き移動用シートをシート幅方向へ楽に引っ張ることができるシート材であればよい。具体例を挙げれば、株式会社イケヒコ・コーポレーションの製造によるウオッシャブルカーペット(品名・バルカン/ポリプロピレン製)などがそれである。これを使用すれば、植毛された繊維(線状部材)の方向を簡単にシート幅方向へ向けることができる。 【0006】線状部材およびチューブ状部材の素材、断面形状、長さ、太さなどはそれぞれ限定されない。例えば線状部材およびチューブ状部材の素材としては、各種のプラスチックなどが挙げられる。また、線状部材およびチューブ状部材の断面形状としては、円、楕円、三角形以上の多角形などが挙げられる。さらに、線状部材およびチューブ状部材の長さは、例えば手引き移動用シートの幅方向の全長と同じでもよいし、それより短くてもよい。また、手引き移動用シートの幅方向の全長分を複数に分割したものでもよい。なお、その場合、分割された部分間に若干の隙間をあければ、手引き移動用シートの軽量化が図れる。また、クッション材の素材は限定されない。例えばフェルト綿材のほか、各種の発泡性プラスチック材などが挙げられる。クッション材の厚さは限定されない。通常、数mmから数cmまでである。 【0007】請求項2の発明は、シート外縁に把手が設けられた請求項1に記載の手引き移動用シートである。把手の素材は限定されない。例えば、表面シート材と同じ素材でもよいし、その他のシート材でもよい。また、手引き移動用シートの外縁上での把手の設置位置、設置数などは限定されない。ただし、通常は、両手を使って手引き移動用シートをシート幅方向へ引っ張るので、手引き移動用シートの幅方向の両シート外縁にそれぞれ一対ずつ配される。 【0008】 【作用】この発明によれば、被移動者が直に乗る表面シート材が防水性を有しているので、例えば夏場に被移動者が汗をかいていても、移動作業後、タオルなどで表面シート材に付着した汗を簡単に拭き取ることができる。また、表面シート材と裏面シート材との間にクッション材が挟み込まれているので、被移動者がこの手引き移動用シートに乗って移動する際、例えば敷居などを乗り越えても、ソフト感のある乗り心地を与えることができる。しかも、移動時の衝撃を緩和することができる。さらに、裏面シート材に多数本の線状部材またはチューブ状部材を配しているので、例えば非力な主婦(女性)でも楽に被移動者を引っ張って移動させることができる。しかも、これらの線状部材またはチューブ状部材が、その軸線方向を被移動者の移動方向であるシート幅方向に向けられているので、この引っ張り方向が目標から若干位置ずれしていても、被移動者の移動方向がずれにくい。 【0009】また、請求項2の発明によれば、シート外縁に把手が設けられているので、手引き移動用シートを引っ張る際にこのシートが握りやすい。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。まず、図1〜図4に基づいて老人介護に利用される第1の実施例の手引き移動用シートを説明する。図1は、この発明の第1の実施例に係る手引き移動用シートの平面図である。図2は、この発明の第1の実施例に係る手引き移動用シートの背面図である。図3は、この発明の第1の実施例に係る手引き移動用シートの側面図である。図4は、この発明の第1の実施例に係る手引き移動用シートの使用状態の斜視図である。 【0011】図1〜図4において、10はこの発明の第1の実施例に係る手引き移動用シートである。この手引き移動用シート10は、防水性を有する表面シート材11と、シート幅方向に各軸線方向を揃えて配列された多数本の繊維(線状部材)12aを有する裏面シート材12と、これらの表面シート材11と裏面シート材12との間に設けられるクッション材13とを備えている。手引き移動用シート10の形状および大きさは、一人用の敷布団の縦半分の形状および大きさと略同じである。表面シート材11には厚さ数mmのターポリンシートが採用されている。 【0012】各繊維12aはポリプロピレン製である。これらの繊維12aは、それぞれ接着剤を介して基材布12bに簾状に接着されることで、裏面シート材12となる。各繊維12aの長さは、手引き移動用シート10の幅方向の長さと略同じである。その直径は数mmである。クッション材13には、弾性および耐久性にも優れたフェルト綿材が採用されている。その厚さは1〜3cmである。手引き移動用シート10は、このクッション材13を表面シート材11と裏面シート材12との間に挟み込み、両シート材11,12の外縁部を縫着することで製造される。この手引き移動用シート10の幅方向の両外縁の両端部には、左右2対の把手14が縫着されている。この把手14は、表面シート材11と同じターポリンシート製のベルトである。 【0013】次に、この手引き移動用シート10の使用方法を説明する。ここでは、主婦による寝たきりの老人のシーツ交換作業を例にとる。図1〜図4に示すように、まず主婦が介助して老人に敷布団15の幅方向の片側半分へ寝返りをうたせる。次いで、主婦は敷布団15の残り半分に手引き移動用シート10を敷き、それから老人の姿勢を最初の仰向け状態に戻す。次に、この主婦は、手引き移動用シート10の一縁側の両把手14をそれぞれの手で握り、それから手引き移動用シート10を老人ごと敷布団15の側方へ向かって引っ張る。その後、主婦は敷布団15上に敷かれた汚れたシーツSを、新しいシーツSに交換する。シーツ交換後は、老人を乗せている手引き移動用シート10の他縁側の両把手14を両手で握り、手引き移動用シート10ごと老人を新しいシーツSの上に引き戻す。その後、一連のシートを取り除く作業を行う。 【0014】このように、老人が直に乗る表面シート材11が防水性を有しているので、例えば老人が夏場に汗をかいていても、シーツ交換後、タオルなどでこの表面シート材11に付着した汗を簡単に拭き取ることができる。また、表面シート材11と裏面シート材12との間にやわらかいクッション材13が挟み込まれているので、老人がこの手引き移動用シート10に乗って側方へ引っ張られる際、気持ちのいい乗り心地を与えることができる。しかも、シーツ交換前に敷布団15から側方へ引き出される際の段下りの衝撃や、シーツ交換後に敷布団15上に引き戻される際の段上り衝撃を緩和することができる。 【0015】さらに、裏面シート材12に多数本の繊維12aを配しているので、非力な主婦でも楽に老人を乗せた手引き移動用シート10を敷布団15の側方へ引っ張り出すことができる。しかも、これらの繊維12aは、すべてその軸線方向を、この手引き移動用シート10の移動方向であるシート幅方向に向けられているので、仮に手引き移動用シート10の引っ張り方向がシート幅方向から若干ずれていても、これらの繊維12aが引っ張り方向のガイドになる。その結果、老人の移動方向がずれにくくなる。また、このように手引き移動用シート10の左右の外縁に把手14を設けたので、手引き移動用シート10を引っ張る際にこのシート10が握りやすい。 【0016】しかも、この第1の実施例では、裏面シート材12の裏面に配された線状部材として繊維12aを採用したので、手引き移動用シート10を小さく折り畳むことができる。これにより、押し入れの中の狭いスペースに納めて保管することができる。また、この手引き移動用シート10の利用はシーツ交換に限定されない。例えば、老人を入浴させるために、寝室から浴室までの長い距離を移動させる際にも、主婦ひとりの力で、楽に移動させることができる。 【0017】次に、図5に基づいて、この発明の第2の実施例を説明する。図5は、この発明の第2の実施例に係る手引き移動用シートの平面図である。図5に示すように、この第2の実施例の手引き移動用シート20の特長は、袋縫いされたシート外縁部の中に、シート全周にわたってロープ(補強部材)21が封入され、しかもこの補強部分の内縁付近に手引き移動用シート20の一部を切欠して把手14Aを形成させた点である。手引き移動用シート20の外縁部がロープ21によって補強されているので、手引き移動用シート20の全体の耐久性が高まる。しかも、このようにロープ21によって把手14Aの外縁部分が補強されているので、把手14Aを介して手引き移動用シート20を繰り返し引っ張っても、この把手14Aが破損したりしにくい。 【0018】また、手引き移動用シート20の内側に把手14Aが形成されているので、第1の実施例の手引き移動用シート10の場合に比べて、把手が邪魔になりにくい。なお、シーツ交換時には、シート片縁側の両把手14Aに、それぞれ長尺な引きベルト22の両端部に固着された一対のフック22aを掛止し、その後、この引きベルト22を引っ張って、手引き移動用シート20を敷布団15の側方へ移動させてもよい。その他の構成、作用、効果は第1の実施例と同様であるので説明を省略する。 【0019】 【発明の効果】この発明によれば、防水性の表面シート材と、多数本の線状部材やチューブ状部材を有する裏面シート材との間にクッション材を収納して手引き移動用シートを設けたので、防水性を有し、かつシート上の被移動者に伝わる移動時の衝撃を緩和することができ、しかも非力な人間でも楽に被移動者を引っ張って移動させることができ、さらにはこの引っ張り方向が若干目標から位置ずれしていても、被移動者の移動方向がずれにくい手引き移動用シートを提供することを、その目的としている。 【0020】また、請求項2の発明によれば、シート外縁に把手を設けるようにしたので、シートが握りやすい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599071588 【氏名又は名称】早野 昌志
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| 【出願日】 |
平成12年6月14日(2000.6.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094215 【弁理士】 【氏名又は名称】安倍 逸郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−353184(P2001−353184A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月25日(2001.12.25) |
| 【出願番号】 |
特願2000−178974(P2000−178974) |
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