| 【発明の名称】 |
医療台、ストレッチャーおよび医療台装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】井上 盛雄
【氏名】黒田 賢一
【氏名】石原 圭
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| 【要約】 |
【課題】医師、看護婦の負担を軽減するとともに、産婦とっても利用し易い医療台装置を提供する。
【解決手段】医療台として用いられる座位分娩台1において、産婦Sの大腿部を臀部受部3と脚受部5とで固定させることにより臀部受部3を小型化するとともに、脚受部5を下方に退避可能とする。ストレッチャー10は、身体支持部11を三分割して両側の側部支持部材112を後方へ退避可能とする。そして、座位分娩台1とストレッチャー10の連結時に、側部支持部材1112を退避位置に後退させて脚受部5の上下を許容する空間Aを形成することにより連結作業を簡略化する。この作業中産婦Sの両足は本体支持部111上に載置でき、産婦Sの負担も軽減される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 患者の頭部から腰部までを背後から支持する背板部と、該背板部に連続して患者の臀部および大腿部の付け根付近を支持する臀部受部と、アームを介して前記臀部受部の前方位置において患者の膝裏付近を支持する脚受部と、前記背板部を略水平位から所定角度まで傾斜させる傾動手段と、前記アームを略垂直面域で旋回させる旋回手段と、前記傾動手段および旋回手段の動作を制御する制御部と、前記臀部受部と前記アームを連係させる連係手段とを有してなり、前記脚受部は少なくともアームの旋回に従って下方の退避位置と上方の停止位置との間を移動するように構成されるとともに、前記脚受部の上昇に連動して前記臀部受部の先端が引き起こされるように構成されたことを特徴とする医療台。 【請求項2】 前記連係手段が、臀部受部が略水平な状態から下方へは連係を解き前記アームのみ下方に単独で旋回するようにし、前記臀部受部が略水平から上方へは前記アームの上方への旋回に連係して旋回することを特徴とする請求項1に記載の医療台。 【請求項3】 前記アームを最下方に旋回させた時に前記臀部受けの最下位の上面高さが、前記脚受台の最上位の上面高さより高いことを特徴とする請求項2に記載の医療台。 【請求項4】 前記背板部と前記臀部受部とのなす角度を検出するセンサ手段を備え、前記センサ手段で検出される角度が所定角度より小さくなった場合に、前記制御部において上記傾動手段または旋回手段の少なくともいずれか一方を退避動作させる制御構成を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の医療台。 【請求項5】 患者の頭部から腰部にかけてを支持する身体支持部と、該身体支持部に膝を屈曲させて仰臥した際の足先を支持する足部支持部とを備えたストレッチャーであって、前記足部支持部の高さ位置が前記身体支持部の高さ位置より低く設定されていることを特徴とするストレッチャー。 【請求項6】 前記足部支持部がスライド機構を備え、前記身体支持部の下方に収納可能とされていることを特徴とする請求項5に記載のストレッチャー。 【請求項7】 請求項1乃至4のいずれかに記載の医療台と、この医療台に連結されるストレッチャーとで構成される医療台装置において、前記ストレッチャーの身体支持部が、本体支持部材とその両側に位置する側部支持部材とに分割形成されるとともに、側部支持部材がストレッチャーの長手方向後方に退避できるようにスライド機構が設けられ、前記医療台との連結時において、前記側部支持部材を後方に退避させることにより前記脚受部の上下移動を許容する空間を形成可能したことを特徴とする医療台装置。 【請求項8】 前記医療台に前記ストレッチャーとの連結状態を監視するセンサ手段が設けられ、該センサ手段の連結検出結果に基づいて前記制御部が所定の操作を不能にする制御構成を備えたことを特徴とする請求項7に記載の医療台装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は医療台装置に関し、より詳細には、産婦人科用検診台又は、分娩台として使用可能な医療台とストレッチャーとで構成される医療台装置に関する。 【0002】 【従来の技術】最近では、旧来の仰臥位で分娩を行わせる仰臥位分娩台の他に、いわゆる座位で分娩を行わせる医療台が提案されている。この種の医療台では、その使用態様から図11に示すように、医療台aと当該医療台aと連結可能な構造を備えたストレッチャーbとで装置が構成されることがある(以下、このような組み合わせを総称して医療台装置という)。 【0003】上記医療台aは、患者(図示せず)の頭部から腰部を支持する背板部cと、患者の臀部を支持する臀部受部dと、この臀部片dと一体的に設けられた大腿固定片eと、患者の足先を支持する足載台部fとを主要部として構成されている。つまり、この医療台aにおいては、患者は分娩時に、自己の大腿部内側を大腿固定片eに保持させた状態で臀部受部dに腰掛けるとともに、足先を足載台部fに載せて踏ん張りを効かせつつ分娩姿勢をとるものとされていた。 【0004】一方、分娩開始前(いわゆる分娩第一期)においては、上記臀部受部dを取り外したり、あるいはこの部分を下方に退避させ、この状態でストレッチャーbを上記臀部受部dの位置に連結させている。つまり、分娩開始前においては、患者はストレッチャーbに腰掛けた状態で背板部cにもたれる姿勢をとることによってリラックスできるようにされていた。 【0005】なお、従来の一般的な医療用ストレッチャーは、患者の全身を支持させるものであったため、その全長が長くなって機動性が良くないことから、本願出願人は上記医療台装置に関連して、患者が仰臥状態で膝を立てて(屈曲させて)乗るストレッチャー、つまりは、一般的な医療用ストレッチャーより全長の短いストレッチャーを提案している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の医療台装置においては以下のような問題がありその改善が望まれていた。 【0007】(1) すなわち、従来の医療台においては、患者は出産時に上述した分娩姿勢をとることになるが、足載台部に載せた足先に踏ん張りを効かせようとすると、足載台部の位置調節を予め正しく行っておく必要がある。そのため、従来の座位分娩台にはかかる調節機構が設けられているが、患者の足の長さにはかなりのバラツキがあり、その調節作業を行うのは医師や看護婦等にとって負担となっていた。 【0008】(2) また、従来の医療台装置においては、ストレッチャーを連結する際、臀部受部を取り外し、またはこれを下方に退避させる作業が必要となって煩雑であるばかりか、出産後にこの作業を行う場合には医療台上(特に臀部受部上)に患者が乗っているため、臀部受部の除去作業は困難であった。 【0009】(3) さらに、上述した従来の全長の短いストレッチャーにあっては、頭部と足先が同一平面上にあるため、そこに膝を屈曲して仰臥することによって頭部の血圧が上昇する傾向があった。そのため、かかるストレッチャーは機動性には優れるが、乗り心地が良くないという問題もあった。 【0010】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、医師、看護婦の負担を軽減するとともに、患者にとっても利用し易い医療台装置を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載の医療台は、患者の頭部から腰部までを背後から支持する背板部と、該背板部に連続して患者の臀部および大腿部の付け根付近を支持する臀部受部と、アームを介して上記臀部受部の前方位置において患者の膝裏付近を支持する脚受部と、上記背板部を水平位から所定角度まで傾斜させる傾動手段と、上記アームを略垂直旋回させる旋回手段と、上記傾動手段および旋回手段の動作を制御する制御部と、上記臀部受部と上記アームを連係させる連係手段とを有してなり、上記脚受部は少なくともアームの旋回に従って下方の退避位置と上方の停止位置との間を移動するように構成されるとともに、上記脚受部の上昇に連動して上記臀部受部の先端が引き起こされるように構成されたことを特徴とする。 【0012】本発明の請求項2に記載の医療台は、上記連係手段が、臀部受部が略水平な状態から下方へは連係を解き上記アームのみ下方に単独で旋回するようにし、上記臀部受部がほぼ水平から上方へは上記アームの上方への旋回に連係して旋回することを特徴とする。 【0013】すなわち、この医療台は、患者の大腿部を、患者の膝裏付近を支持する脚受部と大腿部付け根付近を支持する臀部受部の二カ所で固定するため、従来の臀部片一カ所で固定する構成に比べて確実に固定できる。そのため、患者は脚受部によって踏ん張りを効かせられるので従来のような足載台部が不要とされる。また、従来に比べて臀部受部をコンパクトに構成できる。また、脚受部の上昇と連動して臀部受部が引き起こされるので、大腿部の固定を安定して行なえる。しかも、上記脚受部はアームの旋回に従って下方の退避位置に移動可能とされるので、ストレッチャーを連結させる際にこの脚受部が障害となることがない。また、連係手段は、脚受部の下降に伴って臀部受部がほぼ水平の状態になると連係を解くように構成されるので、脚受部の下降によって臀部受部が下方に傾くことがなく、着座した患者がずり落ちることもない。また、分娩台においては、緊急な出産の場合は、分娩2期から患者自ら歩いて分娩台に前方より着座できる。着座後、脚受部が上昇して、膝をかかえ込むようにして、即時に分娩が行なえる態勢になるので、患者が脚受部に脚をかける労力を省ける。 【0014】また、本発明の請求項3に記載の医療台は、前記アームを最下方に旋回させた時に前記臀部受けの最下位の上面高さが、前記脚受台の最上位の上面高さより高いことを特徴としている。この構成により、この医療台を産婦人科用検診台として利用する際にも患者が医療台に乗り降りし易い。即ち、従来の分娩台や検診台では、脚受台を最下方に下げても臀部受けの最下位の上面高さが脚受部の最上位の上面より低い位置に出来るので膝の後ろが脚受台に当接することなく臀部受けに腰掛けることが出来る。 【0015】また、本発明の請求項4に記載の医療台は、上記背板部と上記臀部受部とのなす角度を検出するセンサ手段を備え、上記センサ手段で検出される角度が所定角度より小さくなった場合に、上記制御部において上記傾動手段または旋回手段の少なくともいずれか一方を退避動作させる制御構成を備えたことを特徴とする。 【0016】したがってこの実施態様では、患者の着座姿勢の調整中に誤って背板部の傾斜をきつくし過ぎたりあるいは脚受部の高さ位置を上げ過ぎた場合でも、背板部と臀部受部とでなす角度が所定角度より小さくなると、傾動手段または旋回手段の少なくともいずれか一方が退避動作を行うので、背板部と臀部受部との角度が狭くなり過ぎて患者に無理な姿勢を強ることがない。 【0017】また、本発明の請求項5に記載のストレッチャーは、患者の頭部から腰部にかけてを支持する身体支持部と、該身体支持部に膝を屈曲させて仰臥した際の足先を支持する足部支持部とを備えたストレッチャーであって、上記足部支持部の高さ位置が上記身体支持部の高さ位置より低く設定されていることを特徴とする。また、本発明の請求項6に記載のストレッチャーは、上記足部支持部がスライド機構を備え、上記身体支持部の下方に収納可能とされる。 【0018】すなわち、このストレッチャーは、膝を屈曲して仰臥するタイプのストレッチャーにおいて、体を横たえる支持板部分を、患者の頭部から腰部にかけてを支持する身体支持部と足先を支持する足部支持部とに分割するとともに、上記足部支持部の高さ位置を上記身体支持部の高さ位置より低く設定することによって、足先の高さ位置より頭部の高さ位置を高くする。そのため、このストレッチャーによれば、仰臥姿勢をとっても頭部の血圧上昇は抑えられ、頭部血圧上昇に伴う気分の悪化が回避される。そして、上記足部支持部が長手方向にスライドするスライド機構を備えて上記身体支持部の下方に収納可能とされることにより、足部支持部を使用しない場合には、これを収納することによってストレッチャーの全長をさらに短縮することができる。 【0019】また、本発明の請求項7に記載の医療台装置は、上述した医療台と、この医療台に連結されるストレッチャーとで構成される医療台装置において、上記ストレッチャーの身体支持部が、本体支持部材とその両側に位置する側部支持部材とに分割形成されるとともに、側部支持部材がストレッチャーの長手方向後方に退避できるようにスライド機構が設けられ、上記医療台との連結時において、上記側部支持部材を後方に退避させることにより上記脚受部の上下移動を許容する空間を形成可能したことを特徴とする。 【0020】すなわち、この医療台装置は、医療台と連結されるストレッチャーを本体支持部材とその両側の側部支持部材とに三分割するとともに、側部支持部材をストレッチャーの長手方向後方に退避可能としたことにより、医療台装置の連結時に上記側部支持部材を退避させることで医療台の脚受部の上下移動を容易にする。 【0021】また、本発明の請求項8の分娩台装置は好適な実施態様として、上記座位分娩台に上記ストレッチャーとの連結状態を監視するセンサ手段が設けられ、該センサ手段の連結検出結果に基づいて上記制御部が所定の操作を不能にする制御構成を備える。 【0022】すなわち、この場合、医療台にストレッチャーとの連結状態を監視するセンサ手段が設けられているため、たとえば、連結状態中に不用意に医療台を上昇(または下降)させる操作が行なわれても、連結が外れるのを事前に検出できる。また、このような事態が検出された場合には、上記制御部が所定の操作(具体的には医療台の上昇・下降の双方または一方の操作)を不能にする制御を実行するため、連結がはずれてストレッチャーが転倒するといった事態を未然に防止できる。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る医療台装置の一実施形態を図1ないし図9に基づいて詳細に説明する。 【0024】本発明にかかる医療台装置は、上述した従来の医療台装置と同様に座位分娩台などの医療台1とストレッチャー10とで構成される。そこで、まず医療台1について説明する。 【0025】A:医療台図1(a)は本発明に係る医療台1の平面図および図1(b)は側面図を示している。この座位分娩台1は、患者Sをいわゆる座位(図6参照)で分娩させるための分娩台であって、少なくとも、患者Sの頭部から腰部までを背後から支持する背板部2と、該背板部2に連続して設けられ患者Sの臀部および大腿部の付け根付近を支持する臀部受部3と、アーム4を介して上記臀部受部3の前方位置において患者Sの膝裏付近を支持する脚受部5と、上記背板部2を水平位から所定角度まで傾斜させる傾動手段(図示せず)と、上記アーム4を略垂直旋回させる旋回手段6と、上記傾動手段および旋回手段6の動作を制御する制御部(図示せず)と、上記臀部受部3と上記アーム4を連係させる連係手段7とを備えて構成される。 【0026】背板部2は、上述したように患者の背中を背後から支持するための背もたれであって、基台8に設けられた図示しない傾動手段と連係されることによって、水平位を0°とすれば、−10°前後から所定角度まで傾斜可能とされている(図1矢符x参照)。また、この背板部2は、その内部にクッションとなる弾性部材(図示せず)が挿入されるとともに、その表面21には耐水性および耐薬品性を有する合成樹脂製シートが装着されている。なお、ここで用いられる上記弾性材料としては弾発力をもった発泡材料が用いられるが、より好ましくは、弾発力がやや弱く、座位置についた患者の体型に合わせて陥没してその状態を維持する発泡材料、いわゆるバウンドレスクッションが採用される。 【0027】臀部受部3は、平面視において図1(a) に示すように先端3aがわずかに窪むように形成されるとともに、図中の一点鎖線部の位置においてその左右両端部32,32がそれぞれ上方に向かって所定の角度(たとえば45°程度)をもって傾斜させられている。すなわち、この臀部受部3は、その中央部33を底面として左右両端部32,32が斜め前方に向かって上向きに傾斜した形状とされており、これによって、上記中央部33で患者Sの臀部を支持するとともに、その左右両端部32,32で患者Sの大腿部の付け根付近を支持するように構成されている。 【0028】また、この臀部受部3は、その基端3bが上記背板部2と垂直方向に回動可能に連結されている。そして、この基端3bは、上記基台8の上面前方端部8a上に配されることにより、上記基台8の上面部分によって臀部受部3の下方への回動が不能になるようほぼ水平位置で規制されている(図1(b) 参照)。 【0029】脚受部5は、患者Sの両足に対応して基台8から延設されたアーム4の先端に左右にアーム4を介して一対設けられている。この脚受部5は装置構成上、上記臀部受部3とは独立して設けられており、それぞれ患者Sの膝裏付近、具体的には患者Sの膝の関節を中心としてその周辺を後方から支持可能している。そのため、この脚受部5は、患者Sの膝裏付近を支持可能なように、その中央部5aに凹状の窪みが設けられている(図1(a) および図1(b) 参照)。 【0030】具体的には、この脚受部5は、、上記中央部5aが上向きとなるように取り付け固定されている。そして、アーム4の基端側が後述する旋回部材61と連結されている。 【0031】上記旋回手段6は、上記旋回部材61と油圧シリンダ62とで構成される。旋回部材61は回転軸63を中心に回転自在な略L字状の部材とされ、その一端が背板部2の回動軸63と同軸上に回動可能に取り付けられるとともに、その他端が上述したようにアーム4と連結されている。そして、上記油圧シリンダ62が進退入運動を行なうことにより、旋回部材61の他端側、つまりアーム4が上記回動軸を中心に垂直旋回可能とされている。そして、このアーム4の旋回運動によって、上記脚受部5は図4に実線で示す下方の退避位置と、点線で示す上方の停止位置との間で上下移動が可能とされている。 【0032】ところで、本発明の医療台1においては、上記旋回部材61に上記連係手段7が設けられている。この連係手段7は、図1(b) に示すように、上記臀部受部3の下方に位置して、旋回部材61の上面に突出状に設けられている。つまり、この連係手段7は、脚受部5が上昇する際には水平位にある臀部受部3を押し上げてこれを支える一方、その下降時には、臀部受部3の下向きの回動が上記基台8の上面部分によって規制される−ほぼ水平までこれを支え、その後は臀部受部3との連係を解いてアーム4を単独で下方に旋回させるように機能する。 【0033】そのため、本発明の医療台1においては、かかる連係手段7の働きによって、脚受部5の上昇にともなって臀部受部3がその端部に設けたを回転軸(不図示)を中心として脚受部5と連動して上方に回転することにより患者Sの大腿部付け根付近が持ち上げられる(図6参照)一方、脚受部5が下降された時には臀部受部3はほぼ水平の状態で基台8に当接するまで脚受部5と連動しその後停止され、その後脚受部5のみが下降し所定位置で停止する。(図4参照)。 【0034】なお、上記基台8には、上述した傾動手段、旋回手段6の他、図示しないが、医療台1の高さ位置を変更する昇降手段など医療台1の各部を動作させる各種駆動機構が内蔵されている。そして、これらの駆動機構は、図示しない制御部と電気的に接続され、該制御部からの動作指令信号に基づいて制御可能とされている。 【0035】しかして、このように構成されてなる医療台1においては、上記制御部は該制御部に接続されたコントローラの操作に基づいて上記駆動手段に動作指令信号を出力するだけでなく、以下に述べるような安全動作を行なっている。 【0036】まずその第1として、背板部2と臀部受部3の角度に基づく安全動作を説明する。すなわちこの安全動作は、上記コントローラの操作によって、背板部2の傾斜がきつくなり過ぎたり(図8参照)、あるいは脚受部5の高さ位置を上げ過ぎることにより(図9参照)、背板部2と臀部受部3の角度θが狭くなり過ぎることを防止するための動作である。この場合、上記基台8内には、上記背板部2の傾斜角度(つまり傾動手段の動作状況)を検出するセンサ手段と旋回手段6(具体的には油圧シリンダ61の動作状況)を検出するセンサ手段とが設けられ、これらのセンサ手段からの検出信号が上記制御部に取り込まれる。 【0037】制御部では、これらセンサ検出信号に基づいて上記角度θを演算するとともに、その演算結果と予め制御プログラム上で設定されている基準角度θ0 とを比較する処理を行う。その結果、演算によって求められた角度θが基準角度θ0 より狭くなると、制御部において上記傾動手段または旋回手段6の少なくともいずれか一方を退避させる処理を実行する。すなわち、脚受部5を退避させる場合には旋回手段6の油圧シリンダ61に動作指令信号を出力して図8の矢符に示すように脚受部5を下降させる。また、背板部2を退避させる場合には、上記傾動手段の駆動源(たとえば油圧シリンダ)に対して図9の矢符に示すように背板部2の傾斜角度を低くするような動作指令信号を出力する。 【0038】これにより、背板部2と臀部受部3のなす角度は予め定めた所定角度(基準角度θ0 )より狭くなることがないので、誤ってコントローラを操作した場合でも患者Sが無理な姿勢を強いられることが解消される。 【0039】また、第2の安全動作としては、後述するストレッチャー10の脱落・転倒防止のための安全動作が挙げられる。 【0040】すなわち、本発明に係る医療台1は、後述するようにストレッチャー10と協働して用いられることから、従来の医療台装置と同様にストレッチャー10との連結機構(詳細は図示せず)を備えている。その一例を示せば、たとえばストレッチャー10の先端下部の所定位置に下向きに突出させて連結用突起11a(図3参照)を設ける一方、医療台1の側にこの連結用突起と嵌合可能な連結用穴(図示せず)を上方に臨んで穿っておき、ストレッチャー10を所定の連結位置まで前進させた状態で上記医療台1を上昇させ、上記連結用穴をストレッチャー10の連結用突起に嵌め合わせて、両者を連結するといった手法が採用され得る。 【0041】しかし、このような連結方法では、連結中に医療台1を上昇させることができない。そのため、この安全動作では、たとえば上記連結用穴に連結用突起11aの嵌合状態を検出するセンサ手段(たとえばリミットスイッチ)を設けて、このセンサ手段において連結用穴と連結用突起11aの連結状態を監視し、その結果、両者の連結が解除されそうな状態を検出すると、制御部において所定の操作を不能にする処理を実行する。つまり、この場合、上記コントローラの操作を受け付けないようにして昇降手段の動作を停止させる。 【0042】このように、本発明の医療台1においては、制御部において医療台1の各部に設けられる各種センサ手段からのセンサ検出信号に基づいて、医療台1の動作を監視するとともに、危険な状態が発生しないように事故を未然に防ぐ安全動作が実行される。 【0043】B:ストレッチャーそこで次に、上述した医療台装置1と連結可能に構成されたストレッチャー10を図2、図3および図7に示して説明する。 【0044】このストレッチャー10は、図7に示すように、患者Sの頭部から腰部にかけてを支持する身体支持部11と、該身体支持部11に膝を屈曲させて仰臥した際の足先を支持する足部支持部12と、これら支持部11,12を所定の高さ位置に水平に保持するフレーム13と、搬送用のキャスター14とを主要部として構成される。 【0045】身体支持部11は、図3(a) に示すように、本体支持部材111とその両側に位置する側部支持部材112,112とで形成されており、これら各部材111,112は、いずれもその上面が図示のように略面一となるように構成されている。そして、本実施形態においては、上記側部支持部材112,112の双方にはスライドベアリング(図示せず)等のスライド機構が備えられ、このスライド機構によって図示のようにストレッチャー10の長手方向後方に退避可能とされている。なお、この側部支持部材112の退避動作と関連して、本体支持部材111の幅寸法は、後述するように側部支持部材112を退避させた状態でも患者Sの両足を載置可能な幅寸法に設定される。 【0046】なお、ここで上記側部支持部材112の後退範囲(後退距離)は、後述するように、ストレッチャー10を医療台1に連結した状態において、上記脚受部5の上下移動を許容可能なように設定される。つまり、この側部支持部材112の後退距離は、上記脚受部5の旋回半径との関係で相対的に決定される。 【0047】一方、上記足部支持部12は、上記足部支持部11の後方に配設され、かつその高さ位置は上記身体支持部11の高さ位置より低く設定されてる。これは、ストレッチャー10に膝を屈曲して仰臥した際に、足先の高さ位置を頭部の高さ位置より低くするためでり、したがって、足部支持部12の高さ位置の設定はかかる目的を達成可能なように身体支持部11の高さ位置との関係で相対的に決定される。 【0048】また、この足部支持部12は、その高さ位置が身体支持部11より低いため、この高さ位置のギャップを利用して、図示しないスライド機構を用いて上記身体支持部11の下部に収納可能とされる(収納した状態を図3(b) に示す) 。なお、この足部支持部12は図示しないが、下方に折りたたんで退避するように構成してもよい。 【0049】そして、これら上記身体保持部11(具体的には、本体支持部材111と側部支持部材112)および足部支持部12は、いずれもその内部にクッションとなる弾性部材(具体的にはバウンドレスクッション)が挿入され、かつその表面には耐水性および耐薬品性を有する合成樹脂製シートが装着されるのは上述した背板部2の場合と同様である。 【0050】なお、上記本体支持部材111の先端側(頭部側)の所定位置には、上述したように医療台1との連結に用いられる連結用突起11aが設けられる(図3(a)参照)。また、上記キャスター14にはブレーキ機構14aがそれぞれ設けられている。 【0051】C:医療台装置しかして、このような医療台1およびストレッチャー10を備えてなる座位分娩装置について、両者の協働作用を図4乃至図7に示しながら以下に説明する。 【0052】まず最初に、医療台1のコントローラを操作して、背板部2を水平位(または好みにより適当な傾斜位)とするとともに脚受部5を退避位置に退避させ、この状態で上記ストレッチャー10を医療台1に連結する。この時、ストレッチャー10に患者Sが仰臥している場合には、連結後に医療台1に擦り上がらせる。また、患者Sが自力で歩行可能な場合は、ストレッチャー10と医療台1とを連結後に医療台1に乗ってもらう。 【0053】そして、分娩を始めるにあたっては、図4に示すように、患者Sの両足を本体支持部材111上に載置させ、この状態で、上記ストレッチャー10の側部支持部材112を後方に退避させる。この時、本体支持部材111の幅寸法は上述したように患者Sの両足を載置可能な幅寸法に設定されているので、患者Sは容易にこの姿勢をとることが可能とされる。 【0054】そして、患者Sの両足の載置が完了すると、次に、医療台1のコントローラを操作して脚受部5を上昇させるとともに、背板部2の傾斜を高くして座位分娩の姿勢に移行させる(図5参照)。このとき、上記ストレッチャー10の側部支持部材112は後方に退避されているため、医療台1と側部支持部材112との間には脚受部5の上下移動を許容する空間Aが形成されており、脚受部5をスムーズに上昇させることができる。また、この脚受部5の上昇に伴って上記連係手段7が臀部受部3を押し上げ、患者Sの大腿部付け根付近が上方に持ち上げられる。 【0055】そして、脚受部5が座位分娩に適した高さ位置(上記停止位置)に達すると、図6に示すように患者Sの大腿部を引き起こして膝裏付近を脚受部5に載せるとともに、上記ストレッチャー10との連結を解除してストレッチャー10を後退させる。そして、この状態で、患者Sの状況に合わせてコントローラで背板部2や脚受部5の位置の最終調整を行なう。5bは、左右の脚受部5に設けた左右の握りを示す。出産時患者がこの握り5bを手前に引き寄せることにより脚受部5とともにが臀部受部3が引き寄せられ出産し易くなる。握り5bを引き寄せると軸64を中心としてアーム4と旋回部材61とのなす角度も変更する事が出来る。 【0056】そして、出産が完了すると、出産前とは逆の手順で、ストレッチャー10を医療台1に連結するとともに、脚受部5を下降して患者Sの両足をストレッチャー10の本体支持部材111に載置させる。そして、脚受部5が上記退避位置まで下がると、ストレッチャー10の側部支持部材112,112を前進させて身体支持部11を当初の状態に復帰させ、両足を自由にさせる。 【0057】そしてその後、両足をストレッチャー10の身体支持部11上に投げ出した姿勢(この時の背板部2の傾斜位は患者Sの好みよって自由に設定可能)で仰臥姿勢をとって患者Sの回復を待ち、搬送可能な程度に回復すると、その状態から今度はストレッチャー10に擦り下がってもらう。この時のストレッチャー10は、足部支持部12を引き出した状態とされ、患者Sの足先はこの足部支持部12上に載置させる(図7参照)。 【0058】このように、本発明に係る医療台装置によれば、出産の前段階から出産後にかけての一連の作業を、迅速、安全に行なえるだけでなく、患者Sにとっても負担の少ない出産を行なわせることができる。 【0059】なお、上述した実施形態は本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。又、この医療台は、産婦人科用検診台として使用する事が出来る。即ち、図10に示す構成は、産婦人科用検診台として使用する構成を示しており、前記アームを最下方に旋回させた時に前記臀部受台3の最下位の上面高さが、前記脚受台5の最上位の上面高さより高いことを特徴としている。この構成により、この医療台を産婦人科用検診台として利用する際にも患者が医療台に乗り降りし易い。即ち、脚受台5を最下方に下げても臀部受台3の最下位の上面高さが脚受台5の最上位の上面より低い位置に出来るので膝の後ろが脚受台5に当接することなく臀部受台3に腰掛けることが出来る。図10において、臀部受台3の上面の位置と、最下位脚受台5の距離Lが設けられるので乗り降りし易い。 【0060】また、上記実施形態においては、上記連係手段7として旋回部材61の上面に突出状に設けられた突起を用いる場合を示したが、この連係手段7は上記アーム4(換言すれば脚受部5)の動きと臀部受部3の動きを連動させるものであれば他の形態を採用することも可能である。 【0061】また、上記実施形態においては、背板部2と垂直方向に回動可能に連結された臀部受部3の回動規制が上記基台8の上面によって行なわれる場合を示したが、この回動規制も臀部受部3の回動を略水平位規制可能であれば他の形態を採用することも可能である。 【0062】さらに、上記実施形態においては、ストレッチャー10における側部支持部材112の退避方法としてスライド機構を用いた場合を示したが、この退避は医療台1の脚受部5の上下移動を許容する空間を形成可能であればよく、たとえば側部支持部材112の下方に折り返す構造としたり、あるいは側部支持部材112を着脱可能とする等、他の方法によることも可能である。 【0063】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、以下に列挙するような種々の効果が得られ、医師、看護婦の負担が軽減されるとともに、患者にとっても利用し易い座位分娩装置を提供することができる。 【0064】本発明の請求項1に記載の医療台では、患者の下半身は臀部および大腿部の付け根付近を支持する臀部受部と患者の膝裏付近を支持する脚受部とによって支持されることから、従来のような足載台部を必要としないため足載台部の高さ位置調整等が不要となり、医師・看護婦等の作業負担が軽減される。 【0065】また、本発明の請求項2の医療台では、脚受部の上昇に伴って連係手段によって上向きに傾斜させられた臀部受部が、脚受部の下降に伴って下方に下ろされる際には、臀部受部が略水平位となった時点で連係手段がその連係が解くので、臀部受部が下方に傾斜することによって着座していた患者がずり落ちる心配がない。 【0066】また、本発明の請求項3に記載の医療台では、前記アームを最下方に旋回させた時に前記臀部受けの最下位の上面高さが、前記脚受台の最上位の上面高さより高いことを特徴としている。この構成により、この医療台を産婦人科用検診台として利用する際にも患者が医療台に乗り降りし易い。即ち、従来の分娩台や検診台では、脚受台を最下方に下げても臀部受けの最下位の上面高さが脚受部の最上位の上面より低い位置に出来るので膝の後ろが脚受台に当接することなく臀部受けに腰掛けることが出来る。 【0067】また、本発明の請求項4の医療台では、背板部と臀部受部とのなす角度がセンサ手段によって検出されるとともに、この角度が予め定めた所定角度より小さくなった場合に上記傾動手段または旋回手段の少なくともいずれか一方が退避動作を行なうので、患者の着座姿勢調整中に操作を誤った場合でも、背板部と臀部受部との角度が狭くなり過ぎることがないので、患者は無理な姿勢を強いられるおそれがなく安全な医療台を提供できる。 【0068】また、本発明の請求項5のストレッチャーでは、患者の頭部から腰部にかけてを支持する身体支持部の高さ位置より、足先を支持する足部支持部の高さ位置が低く設定されているので、仰臥位をとっても頭部の血圧上昇は生じないので快適に利用できる。しかも、請求項6のストレッチャーでは、足部支持部が収納可能であるので、患者非搬送時等の機動性に優れる。また、医療台との連結時には足部支持部は殆ど使用されないため、全長を短縮できるこのストレッチャーは医療台装置用に適している。 【0069】さらに、本発明の請求項7の医療台装置は、従来の医療台より臀部受部がコンパクトに構成された医療台を用いるとともに、連結時において脚受部の上下移動を許容する空間を形成可能したストレッチャーを用いているので、従来のように臀部受部の取り外し等の作業が不要となり、医師・看護婦等の作業負担が大幅に軽減される。また、その際、患者は本体支持部材上に両足を延ばせるので、患者にとっても負担の少ない医療台装置を提供できる。 【0070】また、本発明の請求項8の医療台装置は、上記医療台に上記ストレッチャーとの連結状態を監視するセンサ手段が設けられ、このセンサ手段の連結検出結果に基づいて上記制御部が所定の操作を不能にするので、医療台の誤操作によってストレッチャーが転倒する等の事態が回避でき、医療台装置を安全に使用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000138185 【氏名又は名称】株式会社モリタ製作所
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| 【出願日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099977 【弁理士】 【氏名又は名称】佐野 章吾 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−340404(P2001−340404A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月11日(2001.12.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−99559(P2001−99559) |
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