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【発明の名称】 介護リフトのベルト支持構造
【発明者】 【氏名】室垣 成道

【氏名】榎薗 良二

【氏名】志方 宣之

【要約】 【課題】部品点数を増加させることなく、ベルトの不具合を防止する。

【解決手段】繰り出し又は巻き取りされるベルトを保持するドラム6と、ドラム6の下方でベルト5の繰り出し部分をガイドするガイド部8と、を備えた介護リフトのベルト支持構造において、ガイド部8を、ベルト5の張力に応じて変位させる構成にしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 繰り出し又は巻き取りされるベルトを保持するドラムと、ドラムの下方でベルトの繰り出し部分をガイドするガイド部と、を備えた介護リフトのベルト支持構造において、前記ガイド部を、前記ベルトの張力に応じて変位するよう設けたことを特徴とする介護リフトのベルト支持構造。
【請求項2】 繰り出し又は巻き取りされるベルトを保持するドラムと、ドラムの下方でベルトの繰り出し部分をガイドするガイド部と、を備えた介護リフトのベルト支持構造において、前記ガイド部に、前記ベルトを前記ドラムへ向かって押圧する押圧部を一体に設けたことを特徴とする介護リフトのベルト支持構造。
【請求項3】 前記ベルトの張力に応じて押圧方向に沿って変位するよう前記ガイド部に前記押圧部を一体に設けた請求項2記載の介護リフトのベルト支持構造。
【請求項4】 前記押圧部を前記押圧方向へ向かって付勢する付勢部を前記ガイド部に接続して、前記ガイド部を前記ベルトの張力に応じて前記押圧方向に沿って変位するようにした請求項3記載の介護リフトのベルト支持構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高齢者や患者等を乗せる介護リフトに使用される介護リフトのベルト支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の介護リフトのベルト支持構造として図6に示すものが存在する。101は回転軸で、モータ102による回転運動を伝達するものであって、その回転速度は、減速機103によりモータ102の回転速度が減速されたものとなっており、フレーム104により回転自在に支持されている。この回転軸101の先端部には、回転軸101の回転運動により繰り出し又は巻き取りされるベルト105を保持するドラム106を設けている。このドラム106は、軸方向端部に、フランジ107が形成されている。
【0003】108は導入ガイドで、ロール状に形成され、フレーム104に立設された導入ガイド用支持軸109に、ドラム106より下方で回転自在に支持されている。110は補助ガイドで、導入ガイド108と同様に、ロール状に形成され、フレーム104に立設された補助ガイド用支持軸111に、ドラム106より下方で回転自在に支持されることにより、導入ガイド108とは僅かな隙間を間に有して対向する。これらの導入ガイド108と補助ガイド110との間の隙間には、ドラム106から繰り出されたベルト105が通されてガイドされる。
【0004】112はドラム押さえで、ロール状に形成され、フレーム104に立設されたドラム押さえ用支持部113に、連結片114を介して連結されたドラム押さえ用支持軸115により、回転自在に支持されている。このドラム押さえ112は、ベルト105をドラム106へ向かって押圧し、巻き取り後のベルト105が緩んで絡み付くというような不具合を防止している。
【0005】116はテンショナーで、ロール状に形成され、導入ガイド用支持軸109に連結片117により連結されたテンショナー用支持軸118に回転自在に支持されることにより、導入ガイド108とドラム106との間に位置して、ベルト105の繰り出し部分と接触可能となっている。このテンショナー用支持軸118は、フレーム104に立設されたスプリングポスト119との間がスプリング120により接続されており、このスプリング120により、ベルト105に向かって付勢されている。
【0006】このテンショナー116は、ベルト105の張力とスプリング120の付勢力とが釣り合うところへ変位する。すなわち、このテンショナー116は、ベルト105の張力が弱いほど、スプリング120に付勢されることにより、ベルト105をスプリングポスト119へ向かって撓ませるように変位し、逆に、ベルト105の張力が強くなるにつれて、スプリングポスト119から遠ざかるように変位する。従って、このテンショナー116は、ベルト105の張力に応じて、スプリングポスト119との間の距離が変化することになる。
【0007】121はリミットスイッチで、フレーム104からの連設部分(図示せず)に、テンショナー116を間に挟んでスプリングポスト119とは反対側の所定位置に設けられ、ベルト105の張力に応じて変位したテンショナー116により、開閉される。従って、このリミットスイッチ121の開閉状態によって、テンショナー116の変位状態、すなわち、ベルト105の張力を検知することが可能となっている。
【0008】こうして、ベルト105の張力を検知することにより、ベルト105にテンションがかかっていないことが検知された場合は、ベルト105が下限位置まで繰り出されていると判断して、ベルト105がこの状態以上繰り出されることのないよう、モータ102の回転を制御することができる。
【0009】よって、常に、ベルト105にテンションがかかっている状態で、ベルト105の繰り出し又は巻き取りをすることができ、ねじれや絡まりといった不具合が発生しなくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の介護リフトのベルト支持構造にあっては、ベルト105にテンションがかかっているか否かを判断するためにテンショナー116が必要であり、部品点数が多くなってしまう。
【0011】また、ドラム106に巻き取られたベルト105が緩んで絡み付くのを防止するためにドラム押さえ112が必要であり、部品点数が多くなってしまう。
【0012】本発明は、上記の点に着目してなされたもので、その目的とするところは、部品点数を増加させることなく、ベルトの不具合を防止できる介護リフトのベルト支持構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために、請求項1記載の介護リフトのベルト支持構造は、繰り出し又は巻き取りされるベルトを保持するドラムと、ドラムの下方でベルトの繰り出し部分をガイドするガイド部と、を備えた介護リフトのベルト支持構造において、前記ガイド部を、前記ベルトの張力に応じて変位するよう設けた構成にしている。
【0014】請求項2記載の介護リフトのベルト支持構造は、繰り出し又は巻き取りされるベルトを保持するドラムと、ドラムの下方でベルトの繰り出し部分をガイドするガイド部と、を備えた介護リフトのベルト支持構造において、前記ガイド部に、前記ベルトを前記ドラムへ向かって押圧する押圧部を一体に設けた構成にしている。
【0015】請求項3記載の介護リフトのベルト支持構造は、請求項2記載の介護リフトのベルト支持構造において、前記ベルトの張力に応じて押圧方向に沿って変位するよう前記ガイド部に前記押圧部を一体に設けた構成にしている。
【0016】請求項4記載の介護リフトのベルト支持構造は、請求項3記載の介護リフトのベルト支持構造において、前記押圧部を前記押圧方向へ向かって付勢する付勢部を前記ガイド部に接続して、前記ガイド部を前記ベルトの張力に応じて前記押圧方向に沿って変位する構成にしている。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態の介護リフトのベルト支持構造を図1及び図2に基づいて以下に説明する。
【0018】1は回転軸で、モータ2による回転運動を伝達するものであって、その回転速度は、減速機3によりモータ2の回転速度が減速されたものとなっており、フレーム4により回転自在に支持されている。この回転軸1の先端部には、回転軸1の回転運動により繰り出し又は巻き取りされるベルト5を保持するドラム6を設けている。このドラム6は、回転軸1との境界に、フランジ7が形成されている。
【0019】8は導入ガイド(ガイド部)で、ロール状の導入部8a、導入部8aに貫通するテンション検知レバー8b及び導入部8aの半径方向に沿ってドラム6の外周縁近くまで延設された押圧部8cが一体化されたものである。このテンション検知レバー8bは、フレーム4に立設されたL字型の支持部材9の先端部に設けた導入ガイド用支持軸9aに、ドラム6より下方で水平面に沿って回転自在に支持され、フレーム4からの連設部分4aに設けた長円形の貫通孔4bに、先端部が遊挿されている。
【0020】この導入ガイド8の押圧部8cの延設方向中央部は、ドラム6から繰り出されたベルト5を挟んで反対側でフレーム4に立設されたスプリングポスト10との間が、スプリング(付勢部)11によって接続されることにより、ベルト5へ向かって付勢されている。この付勢力により、導入ガイド8の押圧部8aは、延設方向先端部がベルト5をドラム6へ向かって押圧し、巻き取り後のベルト5が緩んで絡み付くというような不具合を防止している。
【0021】導入ガイド8は、上記したように、その押圧部8cの中央部がスプリング11に接続されることにより、押圧部8cの押圧方向に沿って変位するようになっている。
【0022】また、この導入ガイド8は、ベルト5の張力とスプリング11の付勢力とが釣り合うよう、テンション検知レバー8bが水平面に沿って回転して変位する。すなわち、この導入ガイド8は、ベルト5の張力が弱いほど、スプリング11に付勢されることにより、ベルト5をスプリングポスト10へ向かって撓ませるように変位し、逆に、ベルト5の張力が強くなるにつれて、スプリングポスト10から遠ざかるように変位する。従って、この導入ガイド8は、ベルト5の張力に応じて、スプリングポスト10との間の距離が変化することになる。
【0023】12は補助ガイドで、ロール状に形成され、フレーム4に立設された補助ガイド用支持軸13に、ドラム6より下方で回転自在に支持されることにより、導入ガイド8の導入部8aとは僅かな隙間を間に有して対向する。これらの導入ガイド8と補助ガイド12との間の隙間には、ドラム6から繰り出されたベルト5が通されてガイドされる。
【0024】14はリミットスイッチで、フレーム4からの連設部分4a上で、導入ガイド8のテンション検知レバーの先端部と補助ガイド用支持軸の先端部との間の所定位置に設けられ、ベルト5の張力に応じて変位した導入ガイド8のテンション検知レバーにより、開閉される。従って、このリミットスイッチ14の開閉状態によって、導入ガイド8の変位状態、すなわち、ベルト5の張力を検知することが可能となっている。
【0025】こうして、ベルト5の張力を検知することにより、ベルト5にテンションがかかっていないことが検知された場合は、ベルト5が下限位置まで繰り出されていると判断して、ベルト5がこの状態以上繰り出されることのないよう、モータ2の回転を制御することができる。
【0026】かかる介護リフトのベルト支持構造にあっては、ベルト5の張力に応じて変位する導入ガイド8そのものの変位動作により、リミットスイッチ14を操作することによって、張力の検知が可能になるので、ベルト5にテンションがかかっているか否かを判断することができる。よって、その判断結果に基づいて、ベルト5の繰り出し又は巻き取りを制御することができ、ねじれや絡まりといった不具合が発生しなくなる。しかも、従来例で設けられていたテンショナーのような別部材を設けなくてもよくなるので、部品点数を少なくすることができ、構成を簡略かつ小型にすることができる。
【0027】また、導入ガイド8に一体に設けた押圧部8cにより、ベルト5をドラム6へ向かって押圧することにより、ドラム6に巻き取られたベルト5が緩んで絡み付くといった不具合が発生しなくなる。しかも、従来例で設けられていたドラム押さえのような別部材を設けてなくてもよくなるので、部品点数を少なくすることができる。
【0028】また、ベルト5の張力に応じて押圧方向に沿って変位するよう設けた押圧部8cが、スプリング11により押圧方向に沿って付勢されるから、ベルト5の張力に応じて、押圧部によるベルト5の押圧力を調節して略均一な押圧力によりベルト5を押圧することができ、ドラム6に巻き取られたベルト5が緩んで絡み付かなくなるという効果をさらに奏することができる。
【0029】また、スプリング11をり導入ガイド8に接続することにより、導入ガイド8が押圧部の押圧方向に沿って変位可能となるので、導入ガイド8を押圧部8cの押圧方向に沿って変位するための別部材を設けなくてもよくなる。
【0030】次に、本発明の一実施形態の変形例について、図3乃至図5に基づいて、以下に説明する。本変形例は、一実施形態に比較して、テンション検知レバー8bを回転自在に支持する導入ガイド用支持軸9aがフレーム4の裏面から立設されていること、ドラム6の軸方向両端部にフランジ7が形成されていることが異なっており、さらに、フレーム4を走行ランナ15に連設して水平方向に沿って移動可能とされている。
【0031】走行ランナ15は、フレーム4を連設する連設片15a及びその連設片15aに回転自在に支持された車輪15bを有している。この走行ランナ15は、断面略H字型の走行レール16上を、例えば、作業者の手押し動作により、車輪で走行させられることにより、走行レール16に沿って移動可能となっている。
【0032】かかる介護リフトのベルト支持構造にあっては、一実施形態の効果を奏することができ、さらに、フレーム4を走行ランナ15と共に水平方向に沿って移動可能となっている。
【0033】なお、一実施形態も、本変形例と同様に、フレーム4を同様な走行ランナ15に連設することにより、水平方向に沿って移動可能とされる。
【0034】また、一実施形態及び変形形態では、導入ガイド8をベルト5の張力に応じて変位するよう設けた構成と、導入ガイド8にベルト5をドラム6へ向かって押圧する押圧部8cを一体に設けた構成を、いずれも備えているが、例えば、上記したベルト5の不具合を十分に抑えることができる場合は、いずれか一方のみ備えた構成でもよい。
【0035】また、一実施形態及び変形例では、付勢部をなすスプリング11は、導入ガイド8の押圧部8cをスプリングポスト10へ引張るようにして、ベルト5を押圧するよう押圧部8cを付勢しているが、押圧部8cを挟んでベルト5とは反対側に付勢部を設けて、押圧部8cをベルト5へ向かって押圧するようにしてもよい。
【0036】また、一実施形態及び変形例では、ベルト5の張力を検知するためにリミットスイッチ14を設けているが、近接センサや光電スイッチを設けてもよい。
【0037】
【発明の効果】請求項1記載の介護リフトのベルト支持構造は、ベルトの張力に応じて変位するガイド部そのものの変位動作により、例えば、リミットスイッチを操作することによって、張力の検知が可能になるので、ベルトにテンションがかかっているか否かを判断することができる。よって、その判断結果に基づいて、ベルトの繰り出し又は巻き取りを制御することができ、ねじれや絡まりといった不具合が発生しなくなる。しかも、従来例で設けられていたテンショナーのような別部材を設けなくてもよくなるので、部品点数を少なくすることができる。
【0038】請求項2記載の介護リフトのベルト支持構造は、ガイド部に一体に設けた押圧部により、ベルトをドラムへ向かって押圧することにより、ドラムに巻き取られたベルトが緩んで絡み付くといった不具合が発生しなくなる。しかも、従来例で設けられていたドラム押さえのような別部材を設けてなくてもよくなるので、部品点数を少なくすることができる。
【0039】請求項3記載の介護リフトのベルト支持構造は、請求項2記載の介護リフトのベルト支持構造の効果に加えて、押圧部が、ベルトの張力に応じて押圧方向に沿って変位するよう設けられているから、ベルトの張力に応じて、押圧部によるベルトの押圧力を調節して略均一な押圧力によりベルトを押圧することができ、ドラムに巻き取られたベルトが緩んで絡み付かなくなるという効果をさらに奏することができる。
【0040】請求項4記載の介護リフトのベルト支持構造は、請求項3記載の介護リフトのベルト支持構造の効果に加えて、ベルトの張力に応じて変位するガイド部そのものの変位動作により、例えば、リミットスイッチを操作することによって、張力の検知が可能になるので、ベルトのテンションを検知する別部材を設けることなく、ベルトにテンションがかかっているか否かを判断することができる。よって、その判断結果に基づいて、ベルトの繰り出し又は巻き取りを制御することができ、ねじれや絡まりが発生しなくなる。また、付勢部をガイド部に接続することにより、ガイド部が押圧部の押圧方向に沿って変位可能となるので、ガイド部を押圧部材の押圧方向に沿って変位するための別部材を設けなくてもよくなる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】 【識別番号】100111556
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 淳二 (外1名)
【公開番号】 特開2001−340401(P2001−340401A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2000−163515(P2000−163515)