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【発明の名称】 排便機構付きベッドシステム
【発明者】 【氏名】木村 元保

【要約】 【課題】使用者の排便動作を安定して行えるベッドシステムを提供する。

【解決手段】患者の上半身を受ける背当て板2と、患者の下半身を受ける下肢保持板8と、これら背当て板2と下肢保持板8との間に設けられる開口部40と、開口部40の下方に配置される便器9と、開口部40の上方に設けられ、水平方向の相互に接離する方向にスライドして分割可能な臀部支持板3と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】患者の上半身を受ける背当て板と、患者の下半身を受ける下肢保持板と、これら背当て板と下肢保持板との間に設けられる開口部と、前記開口部の下方に配置される便器と、前記開口部の上方に設けられ、水平方向の相互に接離する方向にスライドして分割可能な臀部支持板と、を備えることを特徴とする排便機構付きベッドシステム。
【請求項2】前記分割する臀部支持板のそれぞれの上面に流体圧により膨らむ膨出部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の排便機構付きベッドシステム。
【請求項3】前記夫々の臀部支持板において相互に対向する縁部にローラ部を設けたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の排便機構付きベッドシステム。
【請求項4】前記夫々の臀部支持板の上面に複数のローラを配置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排便機構付きベッドシステム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排便機構付きベッドに関し、更に詳細には介護に適した可動式のベッドシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、介護施設や病院で使用されるベッドには、ベッド上で排便ができるような工夫がなされているものがある。
【0003】この種のベッドでは、患者の臀部を受ける部分に開口部を設ける必要があるが、従来は取り外し可能な蓋をその開口部に嵌めておき、排便の際にこれを取り外すような構造が採られている。また、患者の上半身を受ける部分と下半身を受ける部分とを離反可能としたベッドを設け、前記離反部分に、常態では収納されている便座をせり出して、患者の排便動作を補助するベッドシステムが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した従来の蓋取り外し方式では、排便の度に蓋の着脱が必要となるため介護者の負担が大きいという問題がある。
【0005】また、便座のせり出し方式では、ベッド上面から便座への患者臀部の移動が、円滑に行われない場合も考えられ、より安定して一連の排便動作を行えるベッドシステムが望まれる。
【0006】本発明は前記事項に鑑みなされたものであり、使用者の排便動作を安定して行えるベッドシステムを提供することを課題とする。また、簡単な操作で開口部の開閉を行うことができるようにした排便機構付きベッドシステムを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前述した課題を解決するために以下のように構成されている。すなわち、第1の発明は、患者の上半身を受ける背当て板と、患者の下半身を受ける下肢保持板と、これら背当て板と下肢保持板との間に設けられる開口部と、前記開口部の下方に配置される便器と、前記開口部の上方に設けられ、水平方向の相互に接離する方向にスライドして分割可能な臀部支持板と、を備えることを特徴とする。
【0008】第2の発明は、第1の発明において、前記分割する臀部支持板のそれぞれの上面に流体圧により膨らむ膨出部を設けたことを特徴とする。第3の発明は、第1または第2の発明のいずれかにおいて、前記夫々の臀部支持板において相互に対向する縁部にローラ部を設けたことを特徴とする。
【0009】第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、前記夫々の臀部支持板の上面に複数のローラを配置したことを特徴とする。前記臀部支持板3には、スライド動作をさせるためのアクチュエータを接続することができる。このアクチュエータとしてはモータが好適であるが、空圧あるいは液圧で動作するものであってもよい。
【0010】前記背当て板や臀部支持板、下肢保持板はフレームに設けることができ、このフレームは例えば、断面角型の鋼管によって梯子型に組み、脚部を設けることができる。
【0011】また、背当て板は、患者の背もたれとなる部分であり、必ずしも板状でなくとも高強度のネットであってもよい。また、背当て板は、腰側の一端がフレームに軸支させてあり、リクライニング可能に支持されている。このリクライニングの駆動はモーターで行うように構成するのが好適である。
【0012】前記臀部支持板には、上面を前傾斜及び後傾斜させる、角度変更機能を付加することもできる。また、下肢保持板は、使用者の臀部より下部を保持するためのものであり、例えば、足の裏を保持する補助板を起こせるように構成することもできる。
【0013】そして、前記各構成要素は、電動によりすべての動きを自動化することができるように構成するとよい。便器は、水洗機能、トイレウォッシュ機能、及び温風機能を付加することができる。
【0014】前記膨出部は、臀部の安定を図るためのものであり、例えば空圧装置によってエアが供給されるようになっている。なお、膨出部の中には空気だけでなく液体やガスを入れるようにしてもよいのは勿論である。前記ローラ部は、分割した臀部支持板が閉じる際に、各臀部支持板の間に臀部を挟むことのないように設けるものであり、自由に回転するよう設けられる。さらに、ローラ部を電動で回転させ、臀部を挟むことのないよう積極的に作動させることができる。
【0015】また、夫々の臀部支持板の上面に複数のローラを配置したのは、臀部支持板がスライドして開閉する際、臀部が引きずられないようにするためであり、各ローラは、自由回転するよう設けられる。また、その個数は2組ないし6組程度が好適である。これらローラも電動で作動させることができるのは勿論である。
【0016】前記した構成になるベッドにおいて排泄をするに際しては、アクチュエータを作動させて各臀部支持板を離反する方向にスライドさせて開口させる。また、排泄が終了したときは再度アクチュエータを作動させて臀部支持板を閉じる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の排便機構付きベッドシステムを図1〜図33に示される実施形態について更に詳細に説明する。
【0018】〔実施形態1〕実施形態1を図1により説明する。このベッドは介護用のものであり、通常のベッドとして使用される他、排便、及び排便後の洗浄等ができる機能を有しているものである。
【0019】ベッド面を支えるとともに各機器を支持するフレーム1は、鋼管を梯子状に溶接して形成されており、その四隅には図示しない脚部が取り付けられている。フレーム1には、患者の上半身を受ける背当て板2と、下半身を受ける下肢保持板8とが設けられている。この背当て板2と下肢保持板8の詳細な構造は実施形態6において説明するが、下肢保持板8は上部側下肢保持板81と下部側下肢保持板80に分離してあり、両者は屈曲可能に連結されている。また、下部側下肢保持板80には足の裏を保持する補助板82が軸支されており、補助板82を起こせるように構成されている。なお、モータ200により、下肢保持板8が取り付けられた、フレーム1上の補助フレーム15が駆動するようになっている。前記背当て板2と下肢保持板8との間には開口部40が設けられている。そして、この開口部40の下方に便器9が配置されている。なお、便器9はバッファタンク91に接続されている。
【0020】フレーム1にはベッドの左右を貫通する方向にシャフト45が回動自在に設けられており、このシャフト45にはレバー46が取り付けられている。そして、シャフト45には便器9の両側部において取り付け基台47が設けられている。これにより取り付け基台47はレバー46の操作に伴って揺動することができるようになっている。
【0021】この取り付け基台47にはアクチュエータ41としてのモータが取り付けられている。このアクチュエータ41には図10に示すように、回転するピニオンギア48が設けられている。
【0022】開口部40の上方には、これを覆う2枚の臀部支持板3が設けられている。これらの臀部支持板3は水平方向の相互に接離する方向にスライド可能に設けられている。すなわち、この臀部支持板3の下面にはラックギア3aが2列に設けられており、前記ピニオンギア48とかみ合うようになっている。また、臀部支持板3はアクチュエータ41の上面(49)にスライド自在に載置されている。
【0023】アクチュエータ41のピニオンギア48が回転すると、これに噛み合ったラックギア3aが水平方向に移動し、2枚の臀部支持板3が移動する(例えば、矢示F方向に移動して開状態となる)。この状態では便器9が露出するので排便することが可能である。排便終了後はアクチュエータ41を逆に駆動することで臀部支持板3を閉めることができる。
【0024】〔実施形態2〕実施形態2を図2から図5により説明する。この実施形態は実施形態1に加えて臀部支持板3の上面にエアバッグ(膨出部)42を設けたものである。このエアバッグ42には図示しないエアコンプレッサが接続されており、任意の大きさに膨らませることができるようになっている。
【0025】これにより、排便時には図5に示すように適当な大きさに膨らませて安楽な姿勢を保つことができる。
【0026】〔実施形態3〕実施形態3を図6から図9により説明する。この実施形態では、臀部支持板3において相互に対向する縁部にローラ部43を設けた。このローラ部43は臀部支持板3が閉じる際に、臀部との摩擦によって回転し、皮膚を押し出すように作用するため、各臀部支持板3の間に使用者の臀部を挟むことを抑制できる。臀部支持板3の閉時には図7に示すように、ローラ部43同士が接触し、臀部支持板3の開時には図9に示すように、ローラ部43同士が離反する。
【0027】〔実施形態4〕実施形態4を図10から図14により説明する。この実施形態では実施形態2と3を併設したもので、臀部支持板3の上面にエアバッグ42が、臀部支持板3において相互に対向する縁部にローラ部43を設けたものである。
【0028】〔実施形態5〕実施形態5を図15及び図16により説明する。この実施形態は、実施形態3に加えて、臀部支持板3の上面に夫々4つのローラ44を配列したものである。ローラ44は互いに接触せず自由に回転するようになっている。このためローラ44は、臀部支持板3の開閉に伴って臀部と接触しながら回転し、抵抗を抑えることができる。したがって、臀部支持板3の開閉の際にも臀部を大きく浮かせることなく使用でき楽である。
【0029】〔実施形態6〕前記した臀部支持板3の開閉装置を適用したベッドの他の構成例につき図17〜図34により説明する。なお、以下の実施形態では主に人の体位を変化させるための機構について述べる。このため、臀部支持板3の機構やアクチュエータ41については省略してある。
【0030】フレーム1には背当て板2が軸20により揺動自在に軸支されている。この背当て板2の軸側下面にはブラケット21が設けられており、このブラケット21にロッド22の一端が軸着されている。そして、このロッド22の他端にはモータ24が接続されている。このモータ24は前記ロッド22を押し引きするように作動し、ロッド22を押した際には背当て板2が起きるようになっている。なお、モータ24は軸24でフレーム1に軸支されており、前記ロッド22の押し引きに伴う揺動動作を吸収するようになっている。
【0031】フレーム1上には、フレーム1に対して水平方向にスライド可能な補助フレーム15が設けられている。そして、補助フレーム15の中央部には、背当て板2に隣接して、患者の臀部を受ける長方形の臀部支持板3が上下動可能に保持されている。すなわち、臀部支持板3の下方には保持アーム30が位置している。この保持アーム30と臀部支持板3とは緩衝部7としてのコイルスプリングを介して接続されている。コイルスプリングは図17に示す側面から見た状態では2本配置されているが、ベッドの幅方向には多数のコイルスプリングを配置することもできる。
【0032】前記保持アーム30は補助フレーム15に臀部支持板保持軸4で軸支されている。この軸支の位置は図17に示すように、臀部支持板3の位置からは背当て板2側にオフセットされており、ここを軸に臀部支持板3を揺動させた場合、図21に示すように臀部支持板3が上下動するようになっている。
【0033】なお、臀部支持板保持軸4はアーム31によってフレーム1(補助フレーム15)に軸支(32)されている。保持アーム30からはアーム33が延出されており、このアーム33の先端にはロッド35が軸支(34)されている。そしてこのロッド35にはモータ36が接続されている。このモータ36はロッド35を押し引きするように作動し、ロッド35を押した際には臀部支持板3が上方に移動するようになっている。
【0034】そして、モータ36がロッド35を押し出すと、ロッド35が所定距離押し出される間は、軸32を中心に保持アーム30が略水平状態を保ちながら、ベッド後部側に押し出される。ロッド35が所定距離以上押し出されると、保持アーム30は臀部支持板保持軸4を中心に揺動(上昇)する。このように保持アーム30、すなわち臀部支持板3が二段階の動きをするように構成したのは、患者の腰部の負担を軽減するためである。つまり、寝たきりの患者の場合等は、背中や腰部に床擦れを患っていることが多いため、背当て板2を傾立した状態で臀部支持板3を上昇させると、傷の部分が背当て板2に強く擦れる虞がある。そこで、臀部支持板3をまず水平方向に若干移動させて、患者の腰部が背当て板2に密着しない状態にしたうえで、患者の臀部を上昇させるようにしたのである。
【0035】なお、モータ36は取り付けアーム37の一端に軸支(38)され、アーム37の他端はフレームに取り付けられている。これにより、ロッド35の押し引きに伴うモータ36の揺動動作を許容するようになっている。
【0036】さらに、コイルスプリング7同士の間にはパイプ状に形成した角度アジャスタ6が設けられている。この角度アジャスタ6は臀部支持板3を任意の角度で保持するためのものであり、角度アジャスタ6から延出したレバー60を作動させることで臀部支持板3の角度を調整することができるようになっている。なお、この角度アジャスタ6はモータで駆動するようにしてもよい。
【0037】次に、フレーム1上には前記臀部支持板3に隣接して下肢保持板8が設けられている。下肢保持板8は人の腰より下部を支持するものであり、フレーム1上に載置された補助フレーム15にリンク16を介して連結されている。そして、下肢保持板8は上部側下肢保持板81と下部側下肢保持板80に分離してあり、両者は屈曲可能に連結されている。下部側下肢保持板80には足の裏を保持する補助板82が軸83により軸支されており、図21に示すように、補助板82を起こせるように構成されている。
【0038】次に下肢保持板8を動作させるための構造を説明する。前記補助フレーム15に設けられた軸84には、下肢保持板8を押し上げるためのメインアーム85が軸支されており、このアーム85には上部側下肢保持板81と下部側下肢保持板80とを交互に押し上げるアーム86が延出されている。そして、このアーム86の両端には夫々ローラー86a、86bが設けられている。これらローラー86a、86bは夫々上部側下肢保持板81と下部側下肢保持板80を押圧して動作させる(図21参照)。
【0039】メインアーム85にはロッド87が取り付けられており、このロッド87はモータ88が接続されている。さらにモータ88はブラケット89により補助フレーム15に取り付けられている。なお、補助フレーム15はモータ200によって矢示F方向に移動できるようになっている。
【0040】前記臀部支持板3の下方には排便を受けるための便器9が設けられている。便器9の下方にはバッファタンク91が設けられており、ここに落ちた便は排水パイプ92から外部に排出される。なお、便器9の上縁部分はオーバーフロー管93でバッファタンク91に連結されている。便器9には水洗用の給水管94が接続されている(図24参照)。
【0041】臀部支持板3上には、臀部支持板3と前記背当て板2の一部を覆うシート11が張設されている。そして、シート11の中央部付近には開口部10が設けられており、臀部支持板3が背当て板2から離反して形成される開口に対応して、便器9側に連通するようになっている。また、臀部支持板3と上部側下肢保持板81との間には蛇腹201が設けられており、臀部支持板3や上部側下肢保持板81の移動に伴って生ずる隙間を埋めるようになっている。
【0042】なお、図23に示すように、洗浄水は便器内部の他、シート11の上面にも流せるようになっている。202はその水タンク、203は給水管である。また、一般のトイレと同様のウォッシュ装置204や温風器205が設けられている。その他の実施形態を図25ないし図30により説明する。この実施形態は前記実施形態に加えて、臀部支持板保持軸4自体を保持軸基台5によって移動可能に保持せしめ臀部支持板3をさらに微妙に位置調整することができるようにしたものである。
【0043】すなわち、図25及び図30に示すように、臀部支持板保持軸4自体を背当て板2の下方に上下動自在に支持した保持軸基台5に支持せしめ、さらにこの保持軸基台5をモータ51で駆動するように構成してある。
【0044】次に、前記各モータを制御する装置につき図31〜図33により説明する。図31はブロック図を示し、各モータを個別に特定の連係を以て作動させる構成となっている。これはベッドを複数のモードで作動させる場合、個別に手動で作動させていたのでは所定の体勢に合わせることが極めて困難であるため、コンピュータによる自動制御としたものである。制御装置にはマイクロプロセッサ300が設けられており、このマイクロプロセッサ300にはRAM(randum access memory)やROM(read only memory)などの各種メモリが含まれている。
【0045】そして、マイクロプロセッサ300はI/O301を介して電力制御302に接続されている。電力制御302は各種モータ23、36、51、88、200に電力を供給して動作させる。なお、モータ23、36、51、88、200、アクチュエータ41は制御が容易な高トルクステッピングモータが好適である。電力制御302はさらに水タンク202、ウォッシュ器204、温風器205にも電力を供給してこれらを制御するように構成されている。
【0046】前記I/O301には介護者や患者がベッドの制御を行うための入出力ボード303が接続されている。この入出力ボード303は図32に示すように、専用キーボードを防水フィルムで覆ったものであり、キーの内部に発光ダイオード(図示せず)が設けられている。これにより次にどの操作をすべきかがわかるようになっている。
【0047】入出力ボード303上には排便キー401、開始キー402、自照式支持矢印403、水洗インジケーター404、開始キー405、自照式支持矢印406、洗浄インジケーター407、開始キー408、終了キー409、自照式支持矢印410、温風開始キー411、排便インジケーター412、終了キー413、指示を先に進める次へキー414、マニュアルキー415、プリセットキー416、及びディスプレイ417が設けられている。
【0048】操作の一例を説明すると、まず排便の必要があるときは排便キー401を押し、さらに開始キー402を押す。すると、後述するように各モータ23、36、41、51、80、200が所定のシーケンスで制御され、ベッドが排便可能な状態となる。排便終了後は自照式支持矢印403が点滅し、水洗インジケーター404が点灯する。ここで開始キー405を押すと水タンク202から水が供給され水洗が完了する。すると自照式支持矢印406が点滅し、洗浄インジケーター407が点灯する。
【0049】ここで、開始キー408と終了キー409を順次押して洗浄が終了する。ここで自照式支持矢印410が点滅し、温風開始キー411を押して乾燥させる。ここで排便インジケーター412が点灯し、終了キー413を押すとベッドがゆっくりともとのモード、例えば、水平モードに戻る。なお、途中のステップを省略して、指示を先に進める場合には、次へキー414を押す。
【0050】マニュアルキー415は、例えばモータ36、51の連係を微妙に調整して患者に最も楽な姿勢を与えることができるようにするためのものである。調整後のシーケンスはプリセットキー416で記憶させておくだけで、次回からは新しい設定で動作する。
【0051】ディスプレイ417はこのデータを数値で表すもので主に病院の技術者やサービスマンが使用する。ここで、具体的な動作の一例を図18〜図22、図33に示すフローチャート図により説明する。
【0052】図18はベッドの水平状態を示し、どのモータも作動していない。まず、モータ200を作動させて、補助フレーム15を後退させ、下肢保持板8及び臀部支持板3を後退させる(ステップ501)。図19は、下肢保持板8及び臀部支持板3の後退移動途中の状態を示し、フレーム1に直接設けられた背当て板2と、補助フレーム15側に設けられた臀部支持板3との間に、開口部が形成され始めた状態を表している。
【0053】次に、角度アジャスタ6を作動させて、臀部支持板3を傾斜させるとともに、モータ88を作動させ、上部側下肢保持板81を傾立させる(ステップ502、図4参照)。つまりレバー60を作動させると角度アジャスタ6が移動する。臀部支持板3は緩衝部7で浮いているに過ぎないため、図19中の実線から点線のような位置に移動(傾斜)することとなる。
【0054】さらに、モータ23を作動させ、背当て板2を傾立させるとともに、モータ36を作動させ、臀部支持板3を上昇させる(ステップ503、図5参照)。なお、このときモータ88をさらに作動させて上部側下肢保持板81の角度を立てている。また、補助板82を立てて体の安定を図ることができるようにしている。
【0055】一方、図22は下肢を伸ばすようにするモードを示し、モータ88を逆回転させて下部側下肢保持板80を水平に上昇させている。また、図17に示すように、モータ36を逆回転させて臀部支持板3を降下させることもできる。
【0056】図21と図29との対比において説明すると、図29ではモータ51によって保持軸基台5を降下させている。これにより、臀部支持板保持軸4も平行移動的に降下する。このため、モータ51を調整すれば、どのような体格の患者でもフィットさせることができる。さらに緩衝部7があるために臀部に無理な力がかかることはなく快適に使用することができる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、開口部の下方に便器を配置するとともに、開口部を覆う分割可能な臀部支持板を設け、これらの臀部支持板は水平方向の相互に接離する方向にスライド可能に設けらる。このため、簡単な操作で開口部の開閉を行うことができ、排便動作が容易となる。
【0058】また、夫々の臀部支持板の上面に膨出部を設けたことで、排便をより安楽な姿勢で行うことができる。さらに、夫々の臀部支持板において相互に対向する縁部にローラ部を設けたことにより、臀部を臀部支持板間で挟んでしまうことを防止できる。
【0059】そして、夫々の臀部支持板の上面に複数のローラを配置したことで、臀部支持板の移動時でも臀部を引きずることがなく快適な排便が可能である。
【出願人】 【識別番号】000155333
【氏名又は名称】株式会社木村技研
【出願日】 平成12年6月1日(2000.6.1)
【代理人】 【識別番号】100089244
【弁理士】
【氏名又は名称】遠山 勉 (外1名)
【公開番号】 特開2001−340397(P2001−340397A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2000−165234(P2000−165234)