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【発明の名称】 フード付車椅子
【発明者】 【氏名】小巻 公平

【要約】 【課題】風雨を凌ぐことができ、かつ、使用者が一人で着脱操作できるフードを組み合わせた、フード付車椅子を提供する。

【解決手段】本発明のフード付車椅子は、車椅子本体と、該車椅子本体の両側部に外方に向けて対称的に突設された一対のフード結合部材と、前記車椅子本体と搭乗者とを覆い且つ底部が開放された略椀状の透明なフードと、該フードの該底部の両側縁部に内方に向けて対称的に突設された一対の車椅子結合部材とを含み、前記フードを該後部の周縁が接地するよう置いたとき、前記車椅子結合部材の取付位置が前記フード結合部材の取付位置と略同じ高さにあると共に、前記車椅子の後退/前進により前記一対のフード結合部材が前記一対の車椅子結合部材に結着/脱着が可能に構成されたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車椅子本体と、該車椅子本体の両側部に外方に向けて対称的に突設された一対のフード結合部材と、前記車椅子本体と搭乗者とを覆い且つ底部が開放された略椀状の透明なフードと、該フードの該底部の両側縁部に内方に向けて対称的に突設された一対の車椅子結合部材とを含み、前記フードを該後部の周縁が接地するよう置いたとき、前記車椅子結合部材の取付位置が前記フード結合部材の取付位置と略同じ高さにあると共に、前記車椅子の後退/前進により前記一対のフード結合部材が前記一対の車椅子結合部材に結着/脱着が可能に構成されていることを特徴とする、フード付車椅子。
【請求項2】 前記フード結合部材と前記車椅子結合部材とのいずれか一方が水平方向に突出したピンを有する金具を備えたものであり、他方が該ピンを開口端から受け入れて終端まで略直線的に導く案内スリットと該案内スリットの終端に達した該ピンを検知して回動自在に捕捉する開放レバー付スナッチ・ロックとを備えたものである、請求項1に記載のフード付車椅子。
【請求項3】 前記フードを該後部の周縁が接地するよう置いたとき、前記車椅子結合部材の前記案内スリットが水平であり、該案内スリットの開口端が前記フードの底部側方向に向かうよう構成されている、請求項2に記載のフード付車椅子。
【請求項4】 前記フード結合部材の前記案内スリットが水平であり、該案内スリットの開口端が前記車椅子本体の背面側方向に向かうよう構成されている、請求項2に記載のフード付車椅子。
【請求項5】 前記フードにおける底部の左右側縁と後部の左右側縁との左右境部を結合する連結部材が前記車椅子本体の車輪に接触しない範囲において、該左右境部より前方位置に設けた前記車椅子結合部材が前記フード結合部材と結合できるように構成されている、請求項1ないし4のいずれかに記載のフード付車椅子。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フード付車椅子に関するものであり、さらに詳しくは、一人でもフードの着脱が可能なフード付車椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、車椅子の利用者は、雨の日や、風の日、或いは寒い日の外出の際には、コート・雨合羽等を使用して対応しているが、その不便さは健常者には想像のつかないものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そして、車椅子の利用者がいつでも簡単に外出できるように、風雨を凌げるのみでなく、他人の手を借りることなく一人でも着脱操作ができる、フード付車椅子の開発が望まれていた。従って本発明は、風雨を凌ぐことができ、かつ使用者が一人で着脱操作できるフードを組み合わせた、フード付車椅子を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるフード付車椅子は、その手段として、車椅子本体と、該車椅子本体の両側部に外方に向けて対称的に突設された一対のフード結合部材と、前記車椅子本体と搭乗者とを覆い且つ底部が開放された略椀状の透明なフードと、該フードの該底部の両側縁部に内方に向けて対称的に突設された一対の車椅子結合部材とを含み、前記フードを該後部の周縁が接地するよう置いたとき、前記車椅子結合部材の取付位置が前記フード結合部材の取付位置と略同じ高さにあると共に、前記車椅子の後退/前進により前記一対のフード結合部材が前記一対の車椅子結合部材に結着/脱着が可能に構成されたことを要旨とするものである。
【0005】また、本発明において、前記フード結合部材と前記車椅子結合部材とのいずれか一方が水平方向に突出したピンを有する金具を備えたものであり、他方が該ピンを開口端から受け入れて終端まで略直線的に導く案内スリットと該案内スリットの終端に達した該ピンを検知して回動自在に捕捉する連結具、例えば開放レバー付スナッチ・ロックなどとを備えたものであることが望ましい。
【0006】そして本発明は、前記フードを該後部の周縁が接地するよう置いたとき、前記車椅子結合部材の前記案内スリットが水平であり、該案内スリットの開口端が前記フードの底部側方向に向かうよう構成されているものでもよく、或いは、前記フード結合部材の前記案内スリットが水平であり、該案内スリットの開口端が前記車椅子本体の背面側方向に向かうよう構成されているものでもよい。
【0007】さらに、前記フードにおける底部の左右側縁と後部の左右側縁との左右境部を結合する連結部材が前記車椅子本体の車輪に接触しない範囲において、該左右境部より前方位置に設けた前記車椅子結合部材が前記フード結合部材と結合できるように構成されていることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明にかかるフード付車椅子の全体を示す斜視図であり、図2は、前記フード付車椅子の正面図である。図中、1は車椅子本体、2はアクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂製などの透明なフードであって、アルミニウム管などの骨組で補強され、前部21は略流線形状をしており、底部22と後部23は開放されている。そして、前記フード2の底部22と後部23の左右両側縁の境部は、連結部材28により結合してある。
【0009】図2から明らかなように、前記車椅子本体1の両側部には、一対のフード結合部材が設けられている。該フード結合部材の一部を構成する取付部材11は、車椅子の車輪部分を囲繞するように前方が湾曲し、中間部から後方部は直線状をした梯子状の部材で、全体が略水平を維持して車輪のハブ付近を通過するように、溶接により固定されている。
【0010】一方、フード2は、図示のとおり開放した底部22が車椅子本体1に対向する姿勢で、開放した後部23を接地して地面上に置かれている。そして、前記取付部材11には、図4に示すような平板状の車椅子側取付金具12が、前記フード結合部材の一部として、ボルトとナットによって固定されている。さらに各車椅子側取付金具12には、車椅子本体1と反対の方向に向かって突出するように、ピン13が固定して設けられている。
【0011】他方、図3及び5に図示するように、前記フード2の開放した底部22の両側縁24には、前記車椅子結合部材の一部として、断面が略チャンネル状のフード側取付金具26が、支持部25を介して固定されている。そして、該フード側取付金具26の両脚部26a、26bは、前記フード2の開放した後部23が地面に接地した状態のとき、互いに上下方向に配設された姿勢となるように、設けられている。
【0012】さらに、フード2の開放した後部23が接地した状態で置かれたとき、前記チャンネル状のフード側取付金具26の結合部26cには、水平方向に延長した案内スリット26dが形成されている。そして、該案内スリット26dの前方端はフードの底部側方向に向かって開口しており、その位置は、前記車椅子本体1のフード結合部材のピン13と、高さが同じとなるように設定されている。
【0013】そこで、図6〜図7に示すように、前記フードの開放した底部22の前に、前記車椅子本体1を後ろ向きに導き、次いで車椅子本体1のフード結合部材のピン13を、フード2の車椅子結合部材の案内スリット26dの位置に正対させ、さらに車椅子本体1をフード2に向かって後退させる。そうすると、フード2の開放した底部22に車椅子本体1の後部が入り込み、図3と図5に示すように、前記ピン13は前記案内スリット26d内に進入して、更にその奥の方へ案内されることになる。
【0014】また、前記案内スリット26dが設けられている前記結合部26cの外側、即ち車椅子本体1に面する側には、連結具27として、例えば公知のスナッチ・ロックが取り付けられており、該スナッチ・ロックのピン捕捉溝27aが、前記案内スリット26dと並ぶように設けられている。従って、前記ピン13は、前記案内スリット26dに沿って導かれると、前記ピン捕捉溝27aの中に進んで、前記連結具27のロック片27bを押すことになる。そして、ピン13が案内スリット26dの終端位置に達すると共に、ピン13に押されていた該ロック片27bは元の位置に復帰して、ピン13は回動自在にロックされる。
【0015】その後、図8と図9に示すように、前記フード2の解放した底部22の両側縁24に設けられたハンドル14を、搭乗者が自ら把持して、フード2を前方に回動させると、車椅子本体1と搭乗者はフード2により覆われ、風雨から完全に保護される状態となる。
【0016】また、車椅子本体1からフード2を取り外そうとするときは、前記と逆の手順により、先ずフード2を後方に回動させて、フード2の後部23を地面に接地させる。その後に前記連結具27の解除レバー27cを操作すると、ロック片27bが回動自由となって、ピン13がロック状態から解放される。そこで、この状態で車椅子本体1を前進させると、ピン13は案内スリット26dから抜け出し、車椅子本体1のフード結合部材はフード2の車椅子結合部材から脱離する。
【0017】このように、車椅子本体1とフード2を着脱するに際して、フード2の底部22と後部23の境部を結合する連結部材28は、車椅子本体1の車輪は勿論のこと、車体のどこにも接触しないことが、フード2の円滑な着脱のために必要である。そしてまた、フード2の底部22の側縁24に取り付けられたハンドル14が、搭乗者の肩の位置より前側にあると、フード2を前後に回動される操作を容易とするのに有効であり、従って、ハンドル14や車椅子結合部材26等を取り付けるための、フード2における前記側縁24は、図10に示すように、連結部材28よりも前方に向かって傾斜していることが望ましい。
【0018】上記に説明した本発明のフード付車椅子は、車椅子に取付けたフード結合部材が、ピン13を有する車椅子側取付金具12を備え、フードに取り付けた車椅子結合部材が、該ピン13を検知して回動自在に捕捉する連結具27を設けたフード側取付金具26を備えた第1の態様であるが、これとは逆の構成としたものであってもよい。すなわち、本発明のフード付車椅子の第2の態様としては、フードに取り付けた車椅子結合部材がピンを備えていて、車椅子に取付けたフード結合部材が、該ピンを捕捉する連結具を備えたものを、挙げることができる。
【0019】前記第2の態様のフード付車椅子は、図11に示すように、車椅子本体1の取付部材11に対して、連結具15を設けたフード結合部材が固定されているもので、フード2の車椅子結合部材から内向きに突設されたピンを、車椅子本体1の背面側方向に向かって開口する案内スリットにより、導くように構成されているほかは、第1の態様と略同様の構造を備えている。従って、フードを車椅子に着脱する操作は、前記した第1の態様のフード付車椅子と殆ど同様であり、さらに車椅子本体1に設けた連結具15の作用も、前記の第1の態様と同様である。
【0020】
【発明の効果】本発明にかかるフード付車椅子は、車椅子本体の両側部とフードの底部両側縁部に、それぞれフード結合部材と車椅子結合部材を対向するように設けて、車椅子を後退/前進させることで、それらの結合部材を相互に結着/脱着させるように構成したので、車椅子の搭乗者が自ら車椅子を操作することにより、単独でフードを簡単容易に着脱するすることができる。そして、フード結合部材と車椅子結合部材とを、一方が結合用のピンを備え、他方が該ピンを回動自在に捕捉する連結具を備えたものとすることにより、フードの開閉着脱の操作が更に容易とすることができる。
【出願人】 【識別番号】397061954
【氏名又は名称】小巻 公平
【出願日】 平成12年7月25日(2000.7.25)
【代理人】 【識別番号】100081455
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 哲男
【公開番号】 特開2001−340388(P2001−340388A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2000−223587(P2000−223587)