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【発明の名称】 車椅子用昇降装置
【発明者】 【氏名】石田 清治

【要約】 【課題】座面高さ調整機能を持たない既存の車椅子に簡単に取付けできる車椅子用昇降装置を提供する。

【解決手段】車椅子用昇降装置1は、接床台10上に起立支持される4本の昇降ガイド軸11,11…と、これら昇降ガイド軸11,11…が上下方向に貫通され昇降自在とされるとともに、パイプクランプ15,15を備える昇降体12とからなり、前記昇降体12は、電動モータ16を一体的に備えるとともに、前記各昇降ガイド軸11,11…に螺合されるスプロケットナット17,17…を備え、前記電動モータ16の原動スプロケット18および前記各スプロケットナット17,17…を巡る無端チェーン20を巻回し、同期を取りながら前記各スプロケットナット17,17…を回転駆動させることにより昇降可能となっている。車椅子2への取付けは、前記パイプクランプ15,15によって行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】車椅子のパイプフレームに直接、またはパイプフレームに固定された取付け用支持部材を介して取付け可能な車椅子用昇降装置であって、前記車椅子用昇降装置は、接床台上に起立支持されるとともに、外面にネジ溝が形成された複数本の昇降ガイド軸と、昇降駆動源を備え前記昇降ガイド軸に沿って昇降自在とされるとともに、前記車椅子のパイプフレームまたは取付け用支持部材に対するクランプを備えた昇降体とからなることを特徴とする車椅子用昇降装置。
【請求項2】車椅子のパイプフレームに直接、またはパイプフレームに固定された取付け用支持部材を介して取付け可能な車椅子用昇降装置であって、前記車椅子用昇降装置は、接床台上に起立支持されるとともに、外面にネジ溝が形成された複数本の昇降ガイド軸と、これら昇降ガイド軸が上下方向に貫通され昇降ガイド軸に沿って昇降自在とされるとともに、前記車椅子のパイプフレームまたは取付け用支持部材に対するクランプを備える昇降体とからなり、前記昇降体は、電動モータを一体的に備えるとともに、前記各昇降ガイド軸に螺合されるスプロケットナットを備え、前記電動モータの原動スプロケットおよび前記各スプロケットナットを巡る無端チェーンを巻回し、同期を取りながら前記各スプロケットナットを回転駆動させることにより昇降可能となっていることを特徴とする車椅子用昇降装置。
【請求項3】前記接床台を無くすとともに、前記各昇降ガイド軸を連結部材により固定保持し、前記昇降ガイド軸の下面を接床面とした請求項1、2いずれかに記載の車椅子用昇降装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高さ調整機構を有しない既存の車椅子に取り付け、車椅子を昇降可能とするための車椅子用昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、身体障害者や自立歩行できない高齢者などの移動のために、車椅子が使用されている。この車椅子は、図1に示されるように、前部に相対的に小径の前輪50,50を備えるとともに、後部に相対的に大径の大車輪51,51を備え走行可能とした椅子で、身体障害者や高齢者などは椅子シート53に座った状態で、前記大車輪51、51の外側に夫々固設されたプッシュリム52、52を手で回しながら自走したり、介護者が椅子後部のハンドルを持って手押ししながら走行させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、高齢者社会の到来とともに、介護者の負担が大きな問題となっている。たとえば、介護者が介助しながら高齢者や身体障害者をベッドから車椅子への移動させる場合および逆に車椅子からベッドに移動させる場合には、介護者は高齢者や身体障害者を抱きかかえるようにしながら車椅子に移動させるようにしているが、ベッドの高さ(約70cm程度)と車椅子の座面の高さ(約45cm程度)とが異なるため、介護者の腰などに大きな負担が掛かり、介護者が腰を痛めるなどの問題が多発している。このような問題に対処するために、特開平8−107911号公報には、予め椅子部に油圧ジャッキを組込み、送油操作で座面の高さを調整可能とした車椅子が提案されているが、現実的には病院や高齢者施設などはもとより、在宅介護を受けている高齢者や障害者などが使用している、そのほとんどの車椅子は座面が固定式のものであり、現状を考えると、新たに発注し製作することは経済的にも困難な状況にある。
【0004】そこで本発明の主たる課題は、座面高さ調整機能を持たない既存の車椅子に簡単に取付けできる車椅子用昇降装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための本第1発明は、車椅子のパイプフレームに直接、またはパイプフレームに固定された取付け用支持部材を介して取付け可能な車椅子用昇降装置であって、前記車椅子用昇降装置は、接床台上に起立支持されるとともに、外面にネジ溝が形成された複数本の昇降ガイド軸と、昇降駆動源を備え前記昇降ガイド軸に沿って昇降自在とされるとともに、前記車椅子のパイプフレームまたは取付け用支持部材に対するクランプを備えた昇降体とからなることを特徴とするものである。
【0006】また、具体的態様に係る第2発明は、車椅子のパイプフレームに直接、またはパイプフレームに固定された取付け用支持部材を介して取付け可能な車椅子用昇降装置であって、前記車椅子用昇降装置は、接床台上に起立支持されるとともに、外面にネジ溝が形成された複数本の昇降ガイド軸と、これら昇降ガイド軸が上下方向に貫通され昇降ガイド軸に沿って昇降自在とされるとともに、前記車椅子のパイプフレームまたは取付け用支持部材に対するクランプを備える昇降体とからなり、前記昇降体は、電動モータを一体的に備えるとともに、前記各昇降ガイド軸に螺合されるスプロケットナットを備え、前記電動モータの原動スプロケットおよび前記各スプロケットナットを巡る無端チェーンを巻回し、同期を取りながら前記各スプロケットナットを回転駆動させることにより昇降可能となっていることを特徴とするものである。
【0007】これらの場合において、前記接床台を無くすとともに、前記各昇降ガイド軸を連結部材により固定保持し、前記昇降ガイド軸の下面を接床面とすることもできる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。図1は本発明に係る車椅子用昇降装置1を車椅子2に取り付けた状態を示す縦断面図、図2は図1のII−II線矢視図である。
【0009】本車椅子用昇降装置1は、図1及び図2に示されるように、車椅子2の側部下端に前後方向に横架されている左右対の側部フレーム55、55を利用して取付け可能とした後付型昇降装置であり、図示例では、側部フレーム55,55を跨いで前後位置に2本の取付け支持用のパイプアダプター3,3(取付け用支持部材)を固定し、このパイプアダプター3,3に取付けられている。なお、前記側部フレーム55,55に対して直接的に取り付けることもできるが、車椅子2によって前記側部フレーム55,55の高さ位置がそれぞれ異なるため、装置側に調整機構を設けるよりは、予め複数種のパイプアダプター3,3を用意しておき、種々の車椅子に対応させた方が装置側の構造が簡略化できる点で好ましい。
【0010】前記側部フレーム55,55に対するパイプアダプター3,3の取付け構造は、任意の構造を採用することができるが、図示の場合には、パイプアダプター3側に半割構造の上部クランプ3aを溶接等によって予め固定しておき、側部フレーム55を間に挟み込んだ状態で下部クランプ3bを接合し、この上部クランプ3aと下部クランプ3bとをボルト・ナットにより締結し固定する構造としている。
【0011】前記車椅子用昇降装置1は、図3〜図5に示されるように、接床台10上に起立支持されるとともに、外面にネジ溝が形成された複数本、図示例では4本の昇降ガイド軸11,11…と、これら昇降ガイド軸11,11…が上下方向に貫通されるとともに、昇降駆動源を備え前記昇降ガイド軸11,11…に沿って昇降自在とされる昇降体12とからなる装置である。
【0012】以下、具体的に詳述すると、前記接床台10は、四隅にそれぞれ前記昇降ガイド軸を挿通するための挿通孔10a、10a…が形成されるとともに、下面側にプラスチック製またゴム製の接床脚13,13…を一体的に備える、好ましくは軽量化のために内方側に開口を有する鋼製板材であり、前記挿通孔10aに昇降ガイド軸11の下端を挿通し、接床台10を間に挟んでナット14,14で締結することにより昇降ガイド軸11がそれぞれ起立支持されている。
【0013】一方昇降体12は、前記4本の昇降ガイド軸11,11…が上下方向に貫通される函体状の装置で、上面には前記パイプアダプター3、3を握持し、車椅子2に固定するためのパイプクランプ15,15が設けられているとともに、上面の略中央部には、函体内部に原動軸を臨ませた電動モータ16が設けられている。昇降体12の内部には、前記昇降ガイド軸11に螺合するとともに、外面にスプロケットが一体的に固設されたスプロケットナット17がそれぞれ設けられ、図5に示されるように、前記電動モータ16の原動軸に固設された原動スプロケット18および前記各スプロケットナット17,17…、さらには張力調整のために設けられたテンションスプロケット19を巡る無端チェーン20が巻回され、前記原動スプロケット18の回転に伴ってすべてのスプロケットナット17,17…が同期を取りながら回転駆動することにより昇降体12が前記昇降ガイド軸11,11…に沿って昇降可能となっている。この場合、前記昇降ガイド軸11の上部および下部にそれぞれリミットスイッチを設けておき(図示せず)、昇降体12が所定の位置まで昇降したならば、自動的に前記電動モータ16への給電を停止するようにしてもよい。
【0014】前述した車椅子昇降装置1は、前記側部フレーム55,55間に横架させた2本のパイプアダプター3,3にパイプクランプ15,15によって固定されるとともに、前記電動モータ16の制御盤(図示せず)が車椅子2の例えば、背部などにクランプなどによって固定される。
【0015】車椅子用昇降装置1を取り付けた車椅子2において、車椅子2を上昇させるには、図6(A)に示されるように、電動モータ16の原動スプロケット18を相対的に昇降ガイド軸11,11…を下降させる方向に回転駆動させる。接床台10が床21に接地すると、今度は図6(B)に示されるように、逆に昇降体12と共に、車椅子2が上昇を始め、車椅子2を所定の高さ位置まで上昇させる。車椅子2を元の高さ状態に戻すには、図6(B)に示される状態から昇降体12を下降させる方向に前記電動モータ16の原動スプロケット18を回転駆動させる。車椅子2が下降し大車輪51が床21に接地すると、今度は昇降ガイド軸11,11…が上昇を始め元の状態となる。
【0016】ところで、上記例では板状の接床台10を使用し昇降ガイド軸11、11…を起立支持させるようにしたが、前記接床台10を無くし、昇降ガイド軸11,11…の下面を直接、床に接床させるようにしてもよい。この場合には、相対的位置関係を保持する連結部材によって各昇降ガイド軸11,11…を起立支持するようにする。
【0017】
【発明の効果】以上詳説のとおり本発明によれば、本昇降装置を座面高さ調整機能を持たない既存の車椅子に取付ければ、簡単に車椅子を昇降できるようになり、高齢者または身体障害者自身が移動する場合はもちろんのこと、介護者の負担も大幅に解消されるようになる。
【出願人】 【識別番号】390018474
【氏名又は名称】新日本空調株式会社
【出願日】 平成12年5月29日(2000.5.29)
【代理人】 【識別番号】100104927
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 久志
【公開番号】 特開2001−333937(P2001−333937A)
【公開日】 平成13年12月4日(2001.12.4)
【出願番号】 特願2000−158142(P2000−158142)