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【発明の名称】 介護リフトの支持構造
【発明者】 【氏名】室垣 成道

【氏名】榎薗 良二

【氏名】志方 宣之

【要約】 【課題】第1の走行レールの下面側に、第2の走行レールの走行ランナが摺動する係止溝有した介護リフトの施工作業が容易で、短時間で可能な介護リフトの支持構造を提供する。

【解決手段】複数の支柱1と、この支柱1間に架設されて下面の長手方向に亘って係止溝10を形成した一対の第1の走行レール2と、この第1の走行レール2間に架設される第2の走行レール3と、第1の走行レール2の係止溝10内を摺動して第2の走行レール3を第1の走行レール2に対して変位可能とする走行ランナ13と、及び、第2の走行レール3に摺動自在に係合して吊下げられた介護機器4を備える介護リフトである。上記第2の走行レール3が両端に水平方向に張り出した連結片26を備え、且つ、第1の走行レール2に装着した走行ランナ13に上記連結片26を載置して連結する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の支柱と、この支柱間に架設されて下面の長手方向に亘って係止溝を形成した一対の第1の走行レールと、この第1の走行レール間に架設される第2の走行レールと、第1の走行レールの係止溝内を摺動して第2の走行レールを第1の走行レールに対して変位可能とする走行ランナと、及び、第2の走行レールに摺動自在に係合して吊下げられた介護機器を備える介護リフトにあって、第2の走行レールの両端を上記走行ランナに設けられた取付金具に連結する介護リフトの支持構造において、上記第2の走行レールが両端に水平方向に張り出した連結片を備え、且つ、第1の走行レールに装着した走行ランナに上記連結片を載置して連結することを特徴とする介護リフトの支持構造。
【請求項2】 上記走行ランナが、その取付金具に水平方向に張り出した水平板を備えており、上記連結片をこの水平板に載置することを特徴とする請求項1記載の介護リフトの支持構造。
【請求項3】 上記走行ランナは、鉛直板と鉛直板に下設して水平板がLの字型に接合された取付金具と、鉛直板に回転自在に軸着された車輪からなるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の介護リフトの支持構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高齢者や患者の介護のために使用される介護機器本体を備える介護リフトの支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】病院や施設にあっては、高齢者や患者が前後左右に移動する際の手助けをするために、前後方向及び左右方向に自在に走行できる介護リフトが利用されている。このような介護リフトとしては、例えば、図13に示すようなものが使用されている。この介護リフトは、四隅に立設した支柱71と、この左右方向の支柱71、71間に架設された梁83と、前後方向の支柱71、71間に架設された一対の第1の走行レール72と、この第1の走行レール72、72間に架設される第2の走行レール73を備えるものがある。上記第2の走行レール73は、摺動自在に係合して吊下げられた介護機器74を備えており、この介護機器74は、モータを内蔵した介護機器本体75と、この介護機器本体75に取り付けられたハンガー形状のリフト部材76を備えている。上記介護機器74は、介護者が操作スイッチ77を操作することにより、リフト部材76を上昇又は下降させると共に、介護機器74が第2の走行レール73に沿って左右方向に移動し、さらに、第2の走行レール73が第1の走行レール72に沿って前後方向に移動できるものである。上記第2の走行レール73が第1の走行レール72に対して移動するために、図14に示すように、第2の走行レール73は、その両端に車輪78を設けて、この車輪78が第1の走行レール72に形成された溝79内を摺動することによって移動可能となっている。また、上記介護リフトは、介護機器74が移動する高さ方向のスペースの確保等から、第1の走行レール72と第2の走行レール73は、略同一水平面状に設置するものが多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記介護リフトは、第1の走行レール72と第2の走行レール73を、略同一水平面状に設置するために、図14及び図15に示すように、第2の走行レール73の両端の上面81にスペーサー82を設置し、このスペーサー82に外側に延設して先端を下方に折曲する折曲片80を連結し、この折曲片80の先端に車輪78を設けている。上記第2の走行レール73は、上記車輪78を上方から第1の走行レール72に形成された溝79内に挿入する構造となっているため、上記溝79が上方に開口している。しかし、溝79が上方に開口していると、この溝79に塵や埃が堆積しやすく、車輪78の走行が妨げられ易い。
【0004】そこで、介護リフトとして、図16及び図17に示すように、第1の走行レール72の下面側に溝90を形成し、この溝90内を車輪78が走行する構造のものが提案されている。この介護リフトは、上記車輪78が軸着された鉛直板91の溝90の外側に突き出た突出部92に、第2の走行レール73の両端で下側から水平方向に張り出した連結片93の先端を、第1の走行レール72の外側からネジ94で連結している。しかし、このような介護リフトを使用する場所は、ベッドの周囲をはじめ、狭い室内である。ベッド等既存の設備が整備された後に、介護リフトを施工しようとする場合、狭い領域で作業せねばならず、また、作業は短時間で終えることが望まれている。上記介護リフトを施工する場合、第1の走行レール72の下面側から、第2の走行レール73を連結するため、第2の走行レール73を作業者が支えた状態でネジ留めする必要があるなど、施工作業がやり難いものであった。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、第1の走行レールの下面側に、第2の走行レールの走行ランナが摺動する係止溝有した介護リフトの施工作業が容易で、短時間で可能な介護リフトの支持構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の介護リフトの支持構造は、複数の支柱と、この支柱間に架設されて下面の長手方向に亘って係止溝を形成した一対の第1の走行レールと、この第1の走行レール間に架設される第2の走行レールと、第1の走行レールの係止溝内を摺動して第2の走行レールを第1の走行レールに対して変位可能とする走行ランナと、及び、第2の走行レールに摺動自在に係合して吊下げられた介護機器を備える介護リフトにあって、第2の走行レールの両端を上記走行ランナに設けられた取付金具に連結する介護リフトの支持構造において、上記第2の走行レールが両端に水平方向に張り出した連結片を備え、且つ、第1の走行レールに装着した走行ランナに上記連結片を載置して連結することを特徴とする。
【0007】上記によって、第2の走行レールの連結片を第1の走行レールに装着した走行ランナに載置することで仮止めできるため、長時間も第2の走行レールを空中で保持することもないので、介護リフトの施工作業が容易で、短時間で介護リフトの施工ができるものである。
【0008】請求項2記載の介護リフトの支持構造は、請求項1記載の介護リフトの支持構造において、上記走行ランナが、その取付金具に水平方向に張り出した水平板を備えており、上記連結片をこの水平板に載置することを特徴とする。
【0009】請求項3記載の介護リフトの支持構造は、請求項1又は請求項2記載の介護リフトの支持構造において、上記走行ランナは、鉛直板と鉛直板に下設して水平板がLの字型に接合された取付金具と、鉛直板に回転自在に軸着された車輪からなるものであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に対応する実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。図1(a)は介護リフトを示した全体構成説明図、図1(b)は介護リフトの要部説明図である。
【0011】上記介護リフトは、四隅に立設した支柱1と、この左右方向の支柱1、1の上端間に架設された梁8と、前後方向の支柱1、1間に架設された一対の第1の走行レール2と、この第1の走行レール2、2間に架設される第2の走行レール3を備えるものである。上記第2の走行レール3は、摺動自在に係合して吊下げられた介護機器4を備えており、この介護機器4は、モータを内蔵した介護機器本体5と、この介護機器本体5に取り付けられたハンガー形状のリフト部材6を備えている。上記介護機器4は、介護者が操作スイッチ7を操作することにより、リフト部材6を上昇又は下降させると共に、介護機器4が第2の走行レール3に沿って左右方向(図中のX方向)に移動し、さらに、第2の走行レール3が第1の走行レール2に沿って前後方向(図中のY方向)に移動できるものである。上記リフト部材6は、患者の体を支えたり、患者を吊り上げたりして、患者が移動することを補助する。
【0012】次に、第1の走行レール2を図2、3、4に基づいて説明する。図2は第1の走行レール2を部位毎に分解した要部の斜視図であり、図3は走行ランナの斜視図であり、図4は第1の走行レールに走行ランナを装着した状態を示す要部の斜視図である。
【0013】上記第1の走行レール2は、断面視で中央に横梁片11を設けた略H字型の形状をしたものである。上記第1の走行レール2は、その下部に形状が内側にL字状をした一対のレール片12を備え、レール片12、12と横梁片11で下側に開口した係止溝10を長手方向に亘って形成している。上記第1の走行レール2は、この係止溝10内を摺動する走行ランナ13を備えている。上記走行ランナ13は、鉛直板14と、鉛直板14に下設して水平板15がLの字型に接合された取付金具16と、鉛直板13の両側に回転自在に軸着された車輪9から構成されている。上記水平板15は、後述する連結片とネジ留めするためにネジ孔17が形成されている。上記取付金具16は、板金折り曲げ加工や、水平板15を鉛直板14に溶接する、ネジ留めで水平板15と鉛直板14を接合する等の方法で作製することができるものである。
【0014】上記第1の走行レール2は、係止溝10内に上記車輪9を挿入して、上記取付金具16の水平板15が係止溝10の外側で、水平方向に張り出すように組み合わせる。上記第1の走行レール2は、介護リフトの施工前に図4に示すように走行ランナ13を装着した状態にしておく。
【0015】次に、第2の走行レール3を図5、6に基づいて説明する。図5は第2の走行レール3を部位毎に分解した要部の斜視図であり、図6は第2の走行レール3が組み上がった状態を示す要部の斜視図である。
【0016】上記第2の走行レール3は、第1の走行レール2、2間に架設されて第1の走行レール2と直交する水平方向に取り付けられるものである。上記第2の走行レール3は、断面視で中央に横梁片21を設けた略H字型の形状をしたものである。上記第2の走行レール3は、その下部に形状が内側にL字状をした一対のレール片22を備え、レール片22、22と横梁片21で下側に開口した係止溝23を長手方向に亘って形成している。この係止溝23に沿って介護機器4の車輪(図示せず)が走行する。
【0017】上記第2の走行レール3は、その両端に連結具24が取り付けられている。上記連結具24は、鉛直片25と、鉛直片25に下設してLの字型に連結片26が外側に張り出すように形成されている。上記連結片26にはネジ孔27が設けられている。上記連結具24は、鉛直片25の後面に水平突起片28を形成しており、上記第2の走行レール3の端部にある横梁片21にネジ留め等で取り付けられる。このネジ留めの際に、横梁片21を挟んで、上から補強片29を下から上記水平突起片28で挟み込んで取り付ける。上記第2の走行レール3は、図6に示すように連結具24を付設した状態で、作業現場に持ち込んでもよいし、現場で取り付けてもよい。
【0018】次に、上記介護リフトの施工方法を説明する。図7に示す如く、支柱1を四隅に設置し、支柱1、1の上端間に、走行ランナ13が装着済みの第1の走行レール2と梁8を架設する。その後、図8に示す如く、連結具24を付設した第2の走行レール3の連結片26を、走行ランナ13の水平板15に載置する。上記連結片26を水平板15に載置した後、下方からネジ30を用いて、連結片26と水平板15を連結し、固定する。
【0019】本発明は、第2の走行レール3の連結片26を第1の走行レール2に装着した走行ランナ13の水平板15に載置することで仮止めできるため、長時間も第2の走行レール3を空中で保持することもないので、介護リフトの施工作業が容易で、短時間で介護リフトの施工ができるものである。また、この介護リフトの支持構造は、介護リフトを壁面近傍に設置する場合、壁面の干渉を受けることなく、介護リフトの組み立て作業が容易にできるものである。
【0020】また、本発明は、上記連結片を有する連結具の構造をはじめ、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の他の実施の形態を図9、10に示す。図9は第2の走行レールを部位毎に分解した要部の斜視図であり、図10は第2の走行レールが組み上がった状態を示す要部の斜視図である。上記介護リフトは、第2の走行レール3に連結具31をより強固に取り付けるために、第2の走行レール3の端部に一対の継手34、34を設けている。上記連結具31は、継手34にネジ留めするためのねじ孔39が形成されている鉛直片32と、鉛直板32に下設してLの字型に連結片33が外側に張り出すように形成されている。上記継手34は、第2の走行レール3の外側の端部に取り付けられており、第2の走行レール3と接合する接合片35、鉛直板32をネジ留めする取付片36がLの字型に形成され、これらを補強する三角形状の補強片37,37を上下に一対で具備している。上記第2の走行レール3は、上記継手34を介して連結具31を、ネジ38により接合し、付設している。
【0021】また、本発明の他の実施の形態を図11、12に示す。図11は第2の走行レール3を部位毎に分解した要部の斜視図であり、図12は第2の走行レール3が組み上がった状態を示す要部の斜視図である。第2の走行レール3の端部に一対の継手43、43を設けている。上記連結具41は、継手34にネジ留めするためのねじ孔35を形成した水平な連結片42である。上記継手43は、第2の走行レール3の外側の端部に取り付けられており、第2の走行レール3と接合する接合片44、この接合片44の下端に連結片42をネジ留めする取付片45がLの字型に形成され、これらを補強する三角形状の補強片46、46を具備している。上記第2の走行レール3は、上記継手43を介して連結具41をネジ47により接合し、付設している。
【0022】
【発明の効果】請求項1〜3記載の介護リフトの支持構造は、第2の走行レールの連結片を第1の走行レールに装着した走行ランナに載置することで仮止めできる。そのため、上記介護リフトの支持構造は、介護リフトの施工作業が容易で、短時間でできる。さらに、上記介護リフトの支持構造は、介護リフトの内側からの作業で施工できるので、壁面の干渉を受けることなく、介護リフトの組み立て作業が容易にできる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成12年5月25日(2000.5.25)
【代理人】 【識別番号】100111556
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 淳二 (外1名)
【公開番号】 特開2001−327553(P2001−327553A)
【公開日】 平成13年11月27日(2001.11.27)
【出願番号】 特願2000−153923(P2000−153923)