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【発明の名称】 寝具マットおよび寝具マットを用いたベッド
【発明者】 【氏名】岩淵 正夫

【要約】 【課題】大規模な構造にならずに低コストで、しかも容易に寝たきりのもの、あるいは患者らを容易に寝ているところから移動することができる寝具マットおよびベッドを提供する。

【解決手段】寝具マットに患者らが寝ている状態で、その患者をマット外へ移動するときには、作業者は、先ず、ファスナ25を離してシート23と側部シート・カバー24とを分離し、マット主体部20から引手部材27を引き離す。そして、上側のシート取手部26を握って引手部材27を引っ張る。すると、患者は、シート23に乗った状態で回転するローラ体1,4によって移動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数本のローラ体を、床面から離しかつ並べて回転自在に支持部に設置し、前記複数本のローラ体の全体にシートを被覆し、前記シート上に寝ている者を、シートを引っ張ることによって前記ローラ体を回転させながら移動することを可能にしたことを特徴とする寝具マット。
【請求項2】 前記複数のローラ体と前記支持部とを、少なくとも頭部側と体部側との2つのユニット体に分けて設置し、前記各ユニット体の連結部を折り曲げ可能に連結したことを特徴とする請求項1記載の寝具マット。
【請求項3】 請求項1または2記載の寝具マットを、マット保持用フレーム上に設置したことを特徴とするベッド。
【請求項4】 前記ベマット保持用フレームの上面とバスタブの上面とをほぼ一致する高さにし、寝ている者を前記寝具マット上からバスタブ上の身体保持部材へ前記シートを引っ張ることによって前記ローラ体を回転させながら移動することを可能にしたことを特徴とする請求項3記載のベッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寝たきりの者、あるいは入院患者などの使用者が上にいる状態で、容易に他の部位に移動することができる寝具マット、およびその寝具マットを用いたベッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、病院などにおいて患者が寝起きするために使用されるベッドに関しては多くの考案がなされ、多機能のベッドも市販されているが、寝たきりの者、あるいは重症患者などの容易に体を動かせない者を、シーツの取り替えの際に移動させたり、あるいは入浴の際に移動させることは、看護する者にとってはかなりの重労働である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来では、病院などの施設の整っているところでは、例えばベッドからリフト装置を使用して患者らを持ち上げるようにして作業を行うようにしているが、一般家庭での介護では、そのような装置を容易に入手することはできない。そこで、容易にかつ低価格のもので患者らを寝ている所から軽快に移動することができるようにすることが望まれている。
【0004】そこで、本発明の目的は、前記現状に鑑みて、大規模な構造にならずに低コストで、しかも容易に寝たきりのもの、あるいは患者らを容易に寝ているところから移動することができる寝具マットおよびベッドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的は本発明の次のような手段によって解決することができる。本発明の寝具マットは、複数本のローラ体を、床面から離しかつ並べて回転自在に支持部に設置し、前記複数本のローラ体の全体にシートを被覆し、前記シート上に寝ている者を、シートを引っ張ることによって前記ローラ体を回転させながら移動することを可能にしたことを特徴としており、寝ている者がシート上にいても、シートを引くとローラ体が回転しながら軽く、その寝ている者と一緒にシートをひくことができ、マットの寝ている部分から他の部位へ容易に移動させることができる。
【0006】また、本発明の寝具マットは、前記複数のローラ体と前記支持部とを、少なくとも頭部側と体部側との2つのユニット体に分けて設置し、前記各ユニット体の連結部を折り曲げ可能に連結したことを特徴としており、寝ている者の使用感に合わせて、マットにおける頭部側と体部側との間に任意の角度を付けることができる。
【0007】本発明のベッドは、前記各寝具マットを、マット保持用フレーム上に設置したことを特徴としており、病院用あるいは家庭用のベッドとして看護人の介護作業を大幅に軽減することが可能になる。
【0008】また本発明のベッドは、前記ベッド保持用フレームの上面とバスタブの上面とをほぼ一致する高さにし、寝ている者を前記寝具マット上からバスタブ上の身体保持部材へ前記シートを引っ張ることによって前記ローラ体を回転させながら移動することを可能にしたことを特徴としており、介護において最も重労働であるといえる入浴作業の力作業を軽減することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】図1は本発明の実施形態を説明するための寝具マットの内部構造を示す斜視図であり、複数本の短いローラ体1を並べて回転自在に支持部2に設置した頭側ユニット3と、複数本の長いローラ体4を並べて回転自在に支持部5に設置した体側ユニット6と、使用時に床面に置かれ、ローラ体1,4が床面から離れて位置するように支持部2,5が立設されているベース体7とを備え、ローラ体1,4の各端部は、それぞれ対向設置されている支持部2,5に軸受によって回転可能に支持されている。
【0011】本実施形態では、前記頭側ユニット3と体側ユニット6との2つのユニットに分けているが、足側にも独立したユニットを設置する等、ユニットの数および設置位置などは本実施形態の構成のものに限定されない。
【0012】図2は前記ローラ体の断面図であり、軸中央の塩化ビニール管10と、塩化ビニール管10の外周にスリップ防止用の軟質ポリ塩化ビニール11を介して嵌挿された硬質ウレタンホームからなる管体12と、管体12の外周に巻かれたポリエステルメッシュ体13と、このポリエステルメッシュ体13の外周に巻かれた防水性ナイロンからなるカバー14によって構成されている。
【0013】図3は図1に示す内部構造の外周にマット生地を被覆させて構成した寝具マットの斜視図、図4は寝具マットの断面図であり、20は、前記両ユニット3,6の支持部2,5およびベース体7を木綿布21により覆ったマット主体部、22はマット主体部20における横幅方向の両側に設置されたサブマット部、23はマット主体部20の上面を覆う防水性ポリエステル生地などからなるトップカバーとしてのシート、24は、サブマット部22の上面および側面を覆う木綿生地などからなり、シート23にファスナ25によって着脱可能に設けられた側部シート・カバーである。
【0014】前記シート23には、図3に2点鎖線にて示すように、シート23の両端の上下にシート取手部26が設けらている引手部材27が固定されている。この引手部材27は、通常時、ファスナなどの適当な固定手段によって、マット主体部20の一側部に着脱可能に固定されている。なお、図3では、理解しやすくするためシート23が引き出された状態を示している。
【0015】図5は前記構成の寝具マットの動作説明図であり、通常使用時には図3に実線にて示す状態で敷物として畳に直接載置して使用したり、後述するようにベッドに載置して使用する。ここで、寝具マットに患者らが寝ている状態で、その患者をマット外へ移動するときには、作業者は、先ず、ファスナ25を離してシート23と側部シート・カバー24とを分離し、マット主体部20から引手部材27を引き離す。そして、上側のシート取手部26を握って引手部材27を引っ張る。すると、患者は、シート23に乗った状態で回転するローラ体1,4によって、軽快に移動することになる。
【0016】逆に患者をマット主体部20へ戻すときには、下側のシート取手部26を握って引手部材27を引っ張る。すると、患者は、シート23に乗った状態で逆回転するローラ体1,4によって、軽快に元のマットの位置へ移動することになる。移動が完了したときに、再びマット主体部20に引手部材27を固定し、ファスナ25によりシート23と側部シート・カバー24とを着ける側部。
【0017】このように本実施形態の寝具マット単体であっても、その使用による効果はあるが、次に説明するベッド構造にしても実際的な効果が得られる。
【0018】図6は本発明に係るベッドの実施形態を説明するための側面図であり、移動タイヤ29が設けられたマット保持用フレーム30上に前記構成の寝具マットを載置しており、さらに本実施形態では、患者らの頭側に配置される頭側ユニット3の一端部がマット保持用フレーム30の一部に回動に設けられ、体側ユニット6がマット保持用フレーム30に固定されている。このため、ローラ体1,4を支持する支持部2,5を固定するベース体7は、頭側ユニット3と体側ユニット6との連結部分が曲げ可能な構成,材料になっており、このことによって、寝ている者の使用感に応じて、マットにおける頭部側と体部側との間に任意の角度を付けることができる。
【0019】図7は本実施形態の寝具用マットを使用したベッドの使用例を説明する斜視図、図8は図7に示すベッドの使用時の平面図であり、この例ではバスタブ35にベッドに寝ている者を移動させる装置を説明する。
【0020】すなわち、バスタブ35上に耐水性のポリエステル製メッシュ36が架設され、このメッシュ36の4隅が支柱37にて支持され、この支柱37の高さが調整可能になっている。さらに外側の支柱37間には、回転取手38によって回転される回転軸39が設けられており、この回転軸39に、シート23の端部に固定された引手部材27がファスナ40などの適当な固定手段によって連結される結合部材41を付設している。
【0021】したがって、寝具マットに患者らが寝ている状態で、その患者をバスタブ35上へ移動するときには、上述したと同様に、作業者は、先ず、ファスナ25を離してシート23と側部シート・カバー24とを分離し、マット主体部20から引手部材27を引き離す。そして、上側の引手部材27をファスナ40により結合部材41に連結し、回転取手38を時計方向へ回転させる。すると、患者は、シート23に乗った状態で回転するローラ体1,4によって、軽快にバスタブ35方向へ移動することになる。
【0022】バスタブ35上に移動した患者は、メッシュ36上からシート23を引き抜くことによって、メッシュ36上に位置することになり、この状態で、メッシュ36の全体を下降させることによって、そのまま入浴することが可能になる。
【0023】逆に患者をマット主体部20へ戻すときには、下側の引手部材27をファスナ40により結合部材41に連結し、回転取手38を反時計方向へ回転させる。すると、患者は、シート23に乗った状態で逆回転するローラ体1,4によって、軽快に元のマットの位置へ移動することになる。移動が完了したときに、再びマット主体部20に引手部材27を固定し、ファスナ25によりシート23と側部シート・カバー24とを着ける。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る寝具マットによれば、寝ている者がシート上にいても、シートを引くとローラ体が回転しながら軽く、その寝ている者と一緒にシートをひくことができ、マットの寝ている部分から他の部位へ軽快かつ容易に移動させることができる。
【0025】また、複数のローラ体を、少なくとも頭部側と体部側との2つのユニット体に分けて設置し、前記各ユニット体を折り曲げ可能に連結することによって、寝ている者の使用感に合わせて、マットにおける頭部側と体部側との間に任意の角度を付けることができる。
【0027】本発明に係る前記寝具マットを用いたベッドは、病院用あるいは家庭用のベッドとして看護人の介護作業を大幅に軽減することが可能になり、さらに、例えば材質疲労した部分のみを交換することが容易であるため経済性にも優れる。
【0028】また、マット保持用フレームの上面とバスタブの上面とをほぼ一致する高さにし、寝ている者を寝具マット上からバスタブ上の身体保持部材へシートを引っ張ることによって軽快に移動することができるため、介護において最も重労働であるといえる入浴作業の力作業を軽減することができる。
【出願人】 【識別番号】596104348
【氏名又は名称】有限会社日医商事
【出願日】 平成12年5月22日(2000.5.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−327550(P2001−327550A)
【公開日】 平成13年11月27日(2001.11.27)
【出願番号】 特願2000−190280(P2000−190280)